今回のレクチャーでは、Kindleで書籍を出版する方法についてご紹介します。Kindle書籍をAmazonにアップロードするには、KDPというKindle出版のプラットフォームを利用します。このレクチャーを見れば、AmazonにKindle書籍をアップロードする際の疑問がすべて解消されます。
KDPというのは、Kindle Direct Publishingの略でKindleを使った出版のことを指します。ここでは実際に僕のアカウントにログインしてKDPにアクセスし、僕が作った「デジタルマーケティング完全ガイド」という電子書籍をアップロードしていく手順をお見せします。僕の例を参考にしながら、一緒に見ていきましょう。
Kindle Previewerで原稿をチェックする
まずは、Kindle用にフォーマットされた原稿を用意しましょう。KIndle専用にコーディングされたePubファイルが必要になります。繰り返しになりますが、このePubへのコーディング作業は、自分でやるべきではありません。あなたより上手に、速く作業をしてくれるプロのコーダーを雇ってください。
フォーマットされたePubファイルが出来上がってきたら、早速その内容をチェックしてみましょう。この際に使うべきアプリがあります。それはKindle Previewerです。このアプリは、Amazonが出している公式のフォーマット確認ツールです。
Mac版とWindows版の両方があり、KDPの公式サイトからダウンロードしてオフラインで使うことができます。このアプリでePubファイルを開くと、実際のKindleでの挙動を模擬することができます。
このタイトルページがあり、まえがきのページがあることを確認してください。そして、次にあるのが目次です。ここでKindle用の原稿の目次には、ページ番号が記載されていないことに気づくでしょう。これは、Kindle用のフォーマットでは重要なことです。Kindleではページ番号というものは存在せず、本の中での進捗がパーセンテージで表示されるだけです。そのため、ページ番号はいらないのです。
タイトルと説明文を用意する
Kindleへ原稿をアップロードする前に、本のタイトル、サブタイトル、検索キーワード、本の説明文を用意しておきましょう。タイトルや説明文の決め方については、別のレクチャーで詳しくお話ししているので、そちらも参考にしてみてくださいね。
次の項目をあらかじめGoogle Docsにまとめておくとアップロード作業が楽になります。これらを準備しておいてください。
- 本のタイトル
- タイトルのカタカナ・英語
- サブタイトル
- サブタイトルのカタカナ・英語
- 著者名の漢字・カタカナ・英語
- 本の内容紹介
- キーワード
一番大事になるのが、本の内容紹介とキーワードです。これらはアップロード時に考えると大変なので、あらかじめ決めておきましょう。内容説明は、本の販売ページに出てくる本の説明文です。キーワードは、Amazonの検索結果の表示などに使われるもので最大7つまで入力することが出来ます。できるだけ7つ全部を使い切るようにしてください。
KDPにアップロードする10の手順
ここまでの準備ができたら、あとはKDPのページに行ってこれらの情報と原稿ファイルをアップロードするだけです。Kindle Direct Publishingのアカウントにログインして、「本棚」と書かれたところをクリックしてください。
「タイトルの新規作成」から「電子書籍または有料マンガ」に進みます。それでは、具体的な設定手順について見てみましょう。ePub形式の書籍ファイルさえ用意できていれば本を出版するという一連のプロセスは、拍子抜けするほど簡単だということがわかるはずです。
手順#1:タイトルと著者を入力する
まずは出版する本のタイトルを聞かれます。
ここでやることは、事前に決めておいたタイトルをコピーして貼り付けるだけです。サブタイトルはオプションなのですが今回は、サブタイトルも付けたいと思います。
サブタイトルは「エンゲージメントの強い見込客の集め方 」です。少し長いサブタイトルですが、検索結果として表示されて欲しいと思うキーワードをたくさん盛り込んでいます。
続いて、「これはシリーズものですか?」「第何版ですか?」「著者は?」といった基本的な情報について聞かれます。今回はシリーズものではなくて、版も特にないのでこの2つは空欄です。著者名も「石崎力也」というのを漢字、カタカナ、英語表記で入力しました。
手順#2:説明文を入力する
次は説明文についてです。説明文についても、事前に用意しておいて、貼り付ければ良いだけの状態にしておきましょう。
KDPでは、説明文を最大4,000文字まで入力できます。この説明文はかなり長いので、僕はいつも文字数の半分の2,000字くらいにしています。
説明文を作るときには、Google Docsを使うと良いでしょう。Google Docsであれば、自動で誤字脱字や文法のミスを認識してくれるので、文章がキレイになるはずです。ちなみに、Amazonの本の説明欄では、箇条書きのリストや太字などの基本的なHTMLタグがいくつか使えます。
手順#3:キーワードを設定する
続いて、キーワードの入力を求められます。
これは任意と書かれていますが、多くの人にあなたの本を見つけてもらいたいのであれば、絶対に入力しましょう。最大7つまで入力することができるのですべて入力してください。この部分はアップロード作業に入る前に、あらかじめ用意しておく方が、その場で考えるよりも良いでしょう。
本を作る前のリサーチの段階で、いくつかのキーワードを設定しているはずです。 もしそのキーワードが7つよりも少ない場合は、さらに追加して7つになるようにしましょう。 僕らの場合はマーケティングの初心者を対象としているので、 次のような7つのキーワードになりました。
- 副業
- マーケター
- オンライン化
- ネット集客
- SEO
- 自動化
- 仕組み化
これらはすべて、僕のターゲットとする人々がAmazonで検索しているキーワードです。つまり、これらのキーワードを入力する人は、僕の本を欲しがると言えるでしょう。ちなみに、キーワードを入力する順番については気にする必要はありません。順不同で追加してください。
手順#4:カテゴリーを設定する
さて、続いてはカテゴリーの設定についてです。最初に言っておきますが、カテゴリーについては、「このカテゴリーに入れたい」と思うカテゴリーがあったとしても、必ずしもその通りになるとは限りません。
Amazonに本をアップロードすると、ある編集者もしくはソフトウェアが、どのカテゴリに入れるべきかを決定します。しかし、希望通りにカテゴライズされないことも多いのです。
でも、安心してください。一度Kindleで出版すれば、あとはAmazonにメールを送ればカテゴリーの変更を依頼することができます。そうすれば多くの場合、希望するカテゴリーに入れ直してくれます。
僕の場合は、いつもなるべく競争の激しくないカテゴリーを設定するようにしています。今回は「教育」と 「参考文献」、そして 「ハンドブックとマニュアル」を狙うことにしました。競合の少ないカテゴリを狙えば、カテゴリごとのランキングでランクインしてベストセラーになる可能性があるからです。
ただし、競合の少ないカテゴリを選びたいからと言って全く違う分野を選んではいけません。その辺りはきちんと Amazon も見ていますので、 無理のない範囲でカテゴリーを選ぶようにしてください。
しかし、ベストセラーになるためには、1位でなくとも、トップ10に入ることを目指せば良いのです。今回のレクチャーでお話しすることを実行すれば、トップ10に入るのは難しくありません。以上でカテゴリーの選定は終わりです。希望のカテゴリーを2つ選んだら、「保存」をクリックしてください。
手順#5:発売オプションを選択する
続いては本の発売オプション、つまり予約注文の設定です。
アップロードした本をすぐに発売にするか、予約販売をするかを選択することができます。僕たちも初めは予約販売の方が期待感を高められると思っていたのですが、 最終的に予約販売はやめることにしました。
理由としては予約販売をすると、購入者が予約をした日ごとに売上が集計されます。結果的に売上計上のタイミングがズレてしまい、カテゴリーのランキング入りが遠のいてしまうことが分かったのです。 それ以降僕たちはすぐに発売をする方を選んでいます。
手順#6:原稿と表紙をアップロードする
ここまでの設定を終えたら、いよいよ電子書籍の原稿と表紙画像をアップロードします。これはとても簡単です。単にファイルを選択してアップロードをしていくだけです。
KindleにはePubファイルでそのままアップロードできます。アップロードの完了までは少し時間がかかりますが、少し待っていてください。ちなみに、アップロード完了後は「ファイルを処理しています…」という表示が出ますが、先に進んでください。
次はKindleの表紙を読み込ませます。表紙の作り方に関しては、既に別のレクチャーでも解説しました。おさらいしておくと、あなたがプロでデザイナーでない限りは表紙作りを外注してください。電子書籍の表紙は、売れ行きを大きく左右しますのですごく大事です。
表紙の画像はあらかじめ用意したファイルをアップロードするだけです。1分ほどでアップロードが完了するでしょう。ここまでで、価格以外の全ての設定が完了しました。簡単ですよね。
手順#7:プレビューする
ここで一度、自分のKindle本がどんな感じで表示されるのかをチェックしておきましょう。処理が完了した後に「オンラインプレビューアー」をクリックすると、プレビューを見ることができます。
先ほどお伝えしたように、すでにアップロード前にパソコン上で書籍のプレビューをしているはずですが、まだの場合はここでチェックします。全てが綺麗に見えることを確認してください。プレビューすると、本を出版するという実感が湧いてきますよね。
もし、間違ったページから始まっていたり、おかしなところがあったりしたら、すぐに修正しましょう。全てのページが順序通り並べられていることを確認できたら、左上のボタンをクリックして、本の詳細に戻り「保存して続行」をクリックします。
ISBNについて
紙の本を出版する場合は、ISBNと呼ばれる識別用の国際規格コードが与えられますが、Kindle本にはISBNが必要ありません。もしもあなたがその本に関するISBNを持っている場合は、入力しましょう。
ちなみにKindle 書籍を出版した後に、 Amazon のペーパーバックとして紙書籍のオンデマンド出版をすることができます。 そのペーパーバックを出版すると無料でISBNを取得することができます。
手順#8:KDPセレクトの登録を決める
次は、KDPセレクトに登録するかどうかを聞かれます。KDPセレクトとは、Kindle著者向けの無料のプレミアムサービスのようなものです。
Kindle Unlimitedプログラムに参加できたり、書籍の無料キャンペーンを打ったりできます。これはぜひ参加しておきましょう。
KDPセレクトに加入した場合、Kindle Unlimitedを通して本が読まれれば、Amazonが設定した基金から読まれたページ数に応じて報酬が支払われます。実際には書籍が購入されることからの報酬よりも、このKindle Unlimitedからの報酬が高くなる傾向があります。
手順#9:ロイヤリティプランを選択する
次はロイヤリティプランの選択です。つまりあなたの印税収入の率です。35%と70%の選択肢があります。一般的な紙の書籍は、著者に入る印税は定価の10%と言われているので、Kindleの印税は驚くほど高いです。
そのためどちらを選んでも問題ありません。これは好きな方のロイヤリティを選んでください。でも自分で選べるなんて、おかしいですよね。そうしたら全員が70%を選ぶはずです。ですが、もし高い方の70%を選ぶ場合には、書籍の価格を250円から1,250円の間に収める必要があるということを忘れないでください。
ロイヤリティを選んだあとは、 本の販売価格を決めましょう。世界各国での価格が表示されますが、日本の部分に入力すれば世界中の価格を通貨ごとに自動的で計算してくれます。
僕たちは99円や2500円など、ロイヤリティ70%の枠の外側の価格を選んだので、ロイヤリティ35%を適用しました。70%を適用したい場合は、本の価格を250円から1,250円に収めるようにしてください。
手順#10:アップロードを完了して審査を待つ
最後に、Kindleブックのレンタルを許可するかどうかを選択できます。これはAmazon.comだけの機能なので、チェックを入れても入れなくても、どちらでも良いです。さてこれでアップロードを完了させましょう。
規約では、アップロード後にAmazonで表示されるまで72時間がかかることがあると警告されてます。しかし、ほとんどの場合はすぐに投稿されます。もうすぐ僕たちは、本物の作家になるんです。
「Kindle本を出版」という最後のボタンを押して、アップロード作業は完了です。これであなたのKindle本がAmazonの審査プロセスに乗っかります。無事に審査が終われば、発売になります。簡単ですね。予約販売にした場合は、審査後に予約販売がスタートします。審査結果はメールで通知されるので、メールを待っていてください。
まとめ:10個の手順に沿ってKindle書籍をアップロードする
今回はKindleで本をアップロードする方法をお伝えしました。ここまで見てきた通り、KDPのサイトにアクセスして各種設定を行い原稿をアップロードしていきます。Kindle本を出版するのは、非常に簡単だということがわかりますね。
スムーズにアップロードを進めるためには、事前にタイトルやサブタイトル、説明文、そしてキーワードなどを準備しておくことが大切です。別のレクチャーではタイトルやキーワードの選び方についても詳しく紹介しているので、まだ見ていない方はぜひ見てみてくださいね。今回はこれで以上です。また次回、すぐにお会いしましょう。