今回のレクチャーでは、電子書籍の作り方について取り上げます。PDF形式の電子書籍をインターネット上にアップロードする方法を紹介します。本文を執筆し、体裁を整え、表紙をはじめとしたグラフィックを用意したら、あとはアップロードするだけです。
Google Docsを使っているのであれば、PDFで電子書籍を作るのは簡単です。完成した原稿をPDFとして保存すればいいだけだからです。ここではその具体的な方法と、インターネットに本を出す際の心構えについて紹介します。端的に言えばネット上にコンテンツを出す場合、ダウンロードや複製をされてしまうのではないかという恐怖は、無視して良いということになります。その理由もレクチャーの中で解説します。
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インターネット上へのアップロードを恐れない
先ほどお話しした通り、Google Docsを使っているのであれば、簡単にPDFで電子書籍を作ることができます。しかし、もしあなたがフルバージョンのAdobe Acrobatを使っている場合は、さらに高度なことができるでしょう。例えば、印刷以外の操作ができないように設定したり、テキストをコピーできないようにしたり、PDFに書き込み可能なエリアを設定したりできます。
ウェブ上には、アップロードされたPDFを勝手に改編したり、テキストファイルやワード文書に変換したりするプログラムがたくさんあるため、それを防ぐためにAcrobatのようにPDFにセキュリティ機能を施せるソフトを使いたいと思う人もいるかもしれません。
自分のコンテンツを誰かに盗まれないように守ることに必死になる必要はありません。多くの場合、そんなことにはならないからです。確かに世の中には、無断転載するようなひどい人間もいます。でも、そんな人たちのことを気にかける必要はありません。
あなたがすべきことは、97%の善良で正直な、あなたにお金を払いたいと思っている人たちに集中することです。「誰かが自分の電子書籍をコピーして売っている」という事実を気にしすぎて、その対策ばかりにリソースを使ってしまう人を何人も見てきました。
僕が教えている人の中にも、ネット上にコースを出したら中身を盗まれるんじゃないかと不安になる方が時々出てきます。でも僕ら自身がこれまで全てデジタルコンテンツだけでビジネスを回して来ましたが、問題なくビジネスが成り立っています。繰り返しますが、商品の海賊版対策に時間と労力を費やす必要はないのです。
電子書籍をPDFで書き出す方法
さてここからは、PDFで本を出版する方法をお教えします。本文を執筆し、レイアウトして、目次を作り、写真やその他の情報を入れたら、とりあえずこれで完成です。Google Docsを使っている場合には、PDF変換の方法が2つ存在します。
1つ目は、メニューの「ファイル」から「ダウンロード」をクリックして「PDF」を選択するものです。もう1つは、印刷メニューから「PDFに保存」という項目で保存する方法です。
後者の印刷機能を使ってPDFに変換する方が、少しだけフォントがキレイに出力されるようです。そちらを使う場合は、文章を印刷する際にPDFで保存するオプションが出てくるので、そこから保存してください。
もう基本的にはこれで完了です。すごくシンプルですよね。僕はPDFで出版するために必要な基本的なことだけをしたいのです。本当はもっともっと凝ったことも出来ますが、再現がありません。なので、僕がやるのはこのくらいに留めています。
目次にリンク機能を付ける方法
書籍を PDF に変換する方法は簡単に理解できたはずです。 PDF に変換する前にひとつだけお勧めしたいことがあります。 書籍の目次にリンク機能をつけることです。これはGoogle Docsの機能を使えば、簡単に実現可能です。
Google Docsで文章を作った場合、見出しや小見出しといった機能で書籍の中を区分けしているはずです。この見出しと小見出しという階層構造を引き継ぎ、一発で目次にする機能がGoogle Docsには存在します。
ツールバーの「挿入」メニューから「目次」と進んで目次を挿入すると、Google Docs上でクリック可能な目次が自動生成されます。これはさっきの階層構造をそのまま反映しています。しかもそれぞれの項目へのリンクが自動で貼られているので、クリックすると各ページに飛ぶことができます。
このリンク付きの目次機能は、PDFに変換した後でも利用することができます。執筆中にきちんと見出しをつけておけば、PDFになっても使える目次が自動で作れます。執筆時には、きちんと見出しを設定しておくと便利だということはよく覚えておいてください。
Google Driveへアップロードする
さて、PDF形式になったあなたの電子書籍をオンラインにアップロードしましょう。PDF形式の場合はKindleでは出版できないので、自社のサイトで販売しましょう。アップロード先として、候補にあがるのがクラウドサービスです。
ClickFunnelsを使って書籍を販売している場合は、ClickFunnelsのDigital Assets(デジタル・アセッツ)という機能が使えるのですが、このサービスがちょっとショボいんです。
せっかくClickFunnelsにアップロードできるのに、ファイルサイズを3MBまでしか許してくれません。実はClickFunnels自体もファイルのホスティングに、AmazonのCloudFront(クラウドフロント)というサービスを使っています。なので、その利用料を安く抑えるためにも3MBという厳しい制限を付けています。3MBといえば、少し画像を多めに入れたらすぐに超過してしまうサイズです。
代わりに僕がオススメするのは、Google Driveです。Google Driveは無料版でも15GBの容量があります。1ファイルあたりのサイズ制限も十分に大きいので問題になりません。またファイルごとに共有権限を細かく設定することができます。
ダウンロードリンクを発行することが出来るので、ClickFunnelsやEメールに埋め込んで配布しても良いでしょう。もしTeachableを使っている場合は、Teachableのレクチャーの一部としてPDFを埋め込んで、コースの視聴権利を購入者に渡しても良いでしょう。
まとめ:原稿をPDFに変換してアップロードする
PDFでの電子書籍のアップロードについて知っておくべきことは、これだけです。非常に簡単ですね。繰り返しになりますが、僕は誰かを雇って文章を綺麗に編集してもらい、プロのデザイナーを雇って綺麗な表紙を作ってもらうことをおすすめします。そして出来上がったものを、ここで説明した通りの方法でPDFとして書き出してください。Google DriveやClickFunnelsなどの販売プラットフォームにアップロードして販売の準備を整えてください。今回は以上です。また次回、お会いしましょう。