今回のレクチャーでは、電子書籍で成功するために、自分自身に問うべき重要な質問について紹介します。たった1つの質問ですが、電子書籍を作る上で最も重要な質問です。このレクチャーを見れば、見込客から欲しいと思ってもらえる電子書籍を作る方法を理解することが出来ます。
たった1つの重要な質問に答えるだけで、あなたはあれこれ余計なことを考えることなく、執筆に集中できるようになります。また、本のタイトルや紹介文のためのセールスコピーの作成も、以前よりずっと楽になります。この質問に答えることで、あなたの本が人々にとって価値あるものと認識されるために、含めるべき情報や除外すべき情報をフィルタリングしてくれるのです。さあ、どんな質問なのか?一緒に確認していきましょう。
最重要の質問「読者はなぜこの本を買うのか?」
早速ですが、電子書籍の制作に関して最も価値ある質問とはいったい何でしょうか?それは実にシンプルです。「読者はなぜこの本を買うのか?」これだけです。
その答えは、「あなたがお金持ちになれるから」ではありませんね。読者があなたの電子書籍を買う理由は、「彼らが買いたいと思うから」なのです。彼らが買いたくなる理由を理解することで、あなたの電子書籍が売れるための要素を追加していくことが可能です。つまり、人間の購買意欲をリバースエンジニアリングしようという話です。
人がものを購入する理由
それでは、なぜ読者は買いたいと思うのでしょうか?ここで 少しヒントを与えましょう。「読者は本ではなく結果を求めている」これはよく誤解されています。つまり、本に求められるのは量よりも質です。お客さんは結果を求めているので、できるだけ多くの種類の「本を購入する理由」が必要になります。
電子書籍の製作に関しての最大の間違いは、作家が自分の電子書籍を買うべき理由を1つしか作らないことです。これは致命的なミスです。なぜなら、あなたの本の購入を検討している見込み客の全員が、同じ理由で購入するとは限らないからです。
つまり、人があなたの本を買うには特定の理由があるということです。しかもその人の状況やタイミングによって、本を欲しいと思う理由も変わってきます。だから、沢山の理由をあらかじめ散りばめておく必要があります。具体的に説明すると、人が何かものを買う理由は、以下のいずれかに当てはまります。
- お金を稼ぐため
- お金を節約するため
- 時間を節約するため
- 努力を避けるため
- 快適に過ごすため
- 安心感を得るため
- 肉体的・精神的苦痛から逃れるため
- 健康でいるため
- 認められるため
- 愛を感じるため
- 自分は人気があると感じるため
- 社会的地位を向上させるため
どんな言い回しをしても良いですが、これが人々が何かを買う理由です。あなたは、これらの理由をあなたの本で得られることと結びつける必要があります。できるだけ多くの理由を使って、彼らが求めている結果を得られることを示しましょう。
僕は何かを売ろうとするとき、上で紹介したそれぞれの理由に対して少なくとも1つ、できれば2つか3つ、「なぜその結果を得られるのか」と答えられるようにしています。こうすることで。いくつもの購入理由を示せます。もちろん、すべての電子書籍に全ての理由付けができるわけではありませんが、可能な限り、既成概念にとらわれずに考えてみましょう。最低でも5つくらいの理由付けは必要ですね。
この作業をしていると、一旦電子書籍の本文に戻って編集や修正をしたくなるかもしれませんが、それは構いません。理由付けが必要だと感じて修正したのであれば、それはより良い内容になっているはずです。だからこそ、この作業を後回しにするべきではないのです。
質問と理由付けに関する実例
この質問の具体例を見てみましょう。「防災」についての電子書籍の例で考えます。
人々がこの本を購入する理由の1つ目は「愛を感じるため」です。え?防災が愛と意外に思ったかもしれません。防災は愛を感じることと結びつけられます。防災について学び、緊急時に家族を守りたいと思う人は、自分の子供や孫を愛していると言えます。家族を守り生き抜いて愛を感じることが、この本を買う理由となります。
2つ目の理由は、「安心感を得るため」です。防災の知識を身につけることで、危険な状況が発生しても、それに対処できるという安心感が得られるからです。
特に日本は、カントリーリスクの高い国です。「終身旅行者PT」という本の著者である木村昭二さんは、こう表現します。「日本は4つのプレートの境界線上に位置し、激しい火山活動と造山運動によって国土が生まれた経緯があり、世界でも有数の地震国、火山国になっています。世界で発生するマグニチュード6以上の地震の2割が日本で起こり、世界の活火山の14%に当たる108の火山が存在するのです。」
いつ大きな災害が起こるのか?という不安を解消したいというのは、読者にとって書籍購入の大きなモチベーションになります。
3つ目の理由は、「肉体的・精神的苦痛から逃れるため」。これは、人々が何かを買う理由の中でも最も強力なものです。不慮の事故や災害で、大切な人や自分自身が苦しむのが怖い、ちょっとした予習や知識で防げることで苦痛を味わいたくないと考えるのです。
パンデミックが起きて、生き残るために必要な基本的な物資がなくなったら、あなたはどう感じるでしょうか。おもしろいことに、パンデミック以前の人々は「そんなことは起こらない」と考えていました。しかし、パンデミックや災害への備えは、少しの計画性と先見性で十分に可能です。つまり、不足しがちなトイレットペーパーや食料などの基本的な物資は、知っていれば事前に確保できるのです。
備蓄することと供給されることの違いについて、もう少しお話ししましょう。全くの余談のようですが、これは電子書籍を成功させるためにも重要です。トイレットペーパーや缶詰など、緊急時に品薄になるものを買うべきタイミングは、誰も買おうとしていない時です。防災という観点では、生き延びるために必要な道具や物資を理解し、見極め、お金をかけずに手に入れることが重要とされます。ゆっくりと供給量を増やし、在庫を回転させるのです。ローリングストックですね。
あなたは電子書籍の販売でこれを応用できます。つまり、需要のあるトピックを見極め、それについての電子書籍を執筆し、関連する商品などを少しずつ作っていくのです。電子書籍を1冊でも出すと市場から反応が返ってきます。本が売れるのか?売れないのか?良いレビューが付くのか?悪いレビューが多いのか?お客さんがどんなものを求めているか、分かってくるのです。
僕もUdemyでコースを出し始めたとき、まさにそうでした。最初はどんなコースを作ったら良いのか分からず、闇雲にコースを作っていました。何コースか溜まったあたりから、「お客さんは概念より実践的なスキルを求めている」みたいにお客さんの求めることが段々見えてくるんです。だからあなたも電子書籍を出しながら、少しずつお客さんに受け入れられる書籍の形を探してみてください。そうすることで、将来的にあなたの電子書籍ビジネスは上手く回っていきます。
まとめ:読者が購入すべき理由を明確にする
ここまで電子書籍を成功させるために行うべき重要な質問について紹介してきました。それは「読者はなぜこの本を買うのか?」という単純なものです。その答えが、今回紹介した「人が何かを購入する理由」と結びつけられるものであれば、あなたの電位書籍は成功するでしょう。購入する理由は、たくさんありますが、人によってどの理由に反応して購入するかは異なります。そのため、あなたの本を買うべき理由は1つではなく、複数用意することが重要です。今回は以上です。また次回のレクチャーでお会いしましょう。