今回のレクチャーでは、電子書籍のタイトルの決め方についてお話しします。結論から言えば、タイトル決めにおいて重要なことは、あなたが取り扱うキーワードを含めることです。このレクチャーを見れば、電子書籍のタイトル付けに迷うこともありません。
電子書籍においては、キャッチーなタイトルや、気の利いたタイトルを付けることよりも、キーワードが入っていることが大切です。今回は、より具体的なタイトルの決め方を、実例もお見せしながら解説します。タイトル決めに利用できる便利なツールについてもご紹介します。早速、見ていきましょう。
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電子書籍の2タイプのタイトル
電子書籍のタイトルには、大きく分けて2つのタイプがあります。ご存知のように、僕が何かについて「2つのタイプがある」と言うときは、良いものと悪いものの2種類があるということです。
1つ目のタイプは、キーワードを重視したタイトルです。人々が検索しそうなキーワードをタイトルに散りばめておく、実用性を重視したタイトルです。例えば「精神科医が教える ストレスフリー超大全――人生のあらゆる『悩み・不安・疲れ』をなくすためのリスト」このようにキーワードを多く含むタイトルは長くなりがちです。
そして2つ目のタイプは、気の利いた言い回しをしたタイトルです。別の言い方をすればポエムっぽいと言うことが出来ます。キーワードは入っていないけど、オシャレな言い回しを使ったタイトルのことです。どちらかというと短めのタイトルが多いです。
あなたが本を書こうとするとき、どちらのタイプのタイトルを選びますか?そうですね、キーワード重視のタイトルを選ぶべきです。
なぜなら、気取ったタイトルを付けてしまうと、Amazonなどの検索エンジンでヒットしにくくなるからです。さらに、タイトルから内容が想像しにくいため、本の内容を説明するという余計な作業が必要になります。Amazonは、言ってしまえば巨大な検索エンジンに倉庫とデジタル配信プラットフォームがくっついたものです。Amazonは、Kindleという電子ファイルや、その他、物理的な物を送るためのプラットフォームなのです。
なので、あなたの書籍もAmazonで売っている日用品や家電製品と変わりません。しっかりとお客さんから見つけてもらう必要があります。そう考えると、あなたの電子書籍にキーワードを重視したタイトルを付けるべきだと理解できるはずです。
電子書籍に気取ったタイトルを付けた例
ここで電子書籍に気取ったタイトルを付けてしまった例を紹介します。
例えば、人生をナビゲートするような自己啓発の本を書いて、それを「ザ・コンパス」というタイトルを付けたとします。その由来は、羅針盤を手に入れれば、人生をどのように歩んでいけばいいのかがわかるからです。気の利いた、お洒落なタイトルですね。しかし問題は、誰もAmazonで「コンパス」というキーワードで本を探そうとしないことです。Amazonで自己啓発書を探している人は、「自己啓発」と検索するはずだからです。
なので、もしあなたの本のタイトルに自己啓発に関連したキーワードが含まれていなければ、あなたの本は自己啓発書を探している人の検索結果に表示されません。たとえ「コンパス」という本が何らかの検索結果として表示されたとしても、誰もその本が何の本なのかわからないでしょう。「コンパス」と書かれているので、キャンプや登山そして地図の読み方の本だと思う人もいるかもしれません。
あなたが有名な人物であれば、短いキーワードが含まれない気の利いたタイトルだけでも戦っていけるかもしれません。ですがあなたが有名ではない場合は、タイトルにキーワードを散りばめて、Amazonの検索エンジンを味方につけた方が有利になります。
電子書籍のタイトルを作るための2つの手順
続いては、実践的なタイトルの決め方について見てみましょう。ここからが楽しくて面白い作業です。Kindleでは出版時に、メインタイトルとサブタイトルの2つを入力することが出来ます。
手順#1:キーワードを集める
タイトルにはキーワードを含めていきますが、その前段階としてあなたの本の内容を表すようなキーワードを集めましょう。GoogleやAmazonの検索機能を使って、集めてきたものを使ってください。これについては別のレクチャーで詳しく解説しています。キーワードの数としては、7個〜10個ほどを用意しておくと良いでしょう。
手順#2:タイトルにキーワードを入れる
タイトル決めの前提は、あなたが扱うトピックに関するキーワードを入れることです。まずはあなたの本に対するキーワードをいくつか書き出しておきます。そして、タイトルとサブタイトルに分けてそれらのキーワードを散りばめていきます。
タイトルにはメインのキーワードを入れてください。そして、サブタイトルにはそれ以外の補助的なキーワードを含めます。これだけです。タイトルとは、いくつかのキーワードを、人間が理解できるように組み合わせたものなのです。そして、そのようなタイトルは、GoogleやAmazonなどの検索エンジンの目にも非常に留まりやすいのです。
もしも、タイトルにキーワードが入っていなければ、誰もあなたの本を見つけてくれません。あるいは、その本の存在を認知してもらうために、何十万円もの広告費をかけなければならないでしょう。そんなことをしていては、おそらく収支は合わくなってしまいます。せっかく検索エンジンがあるのですから、まずはそれらを有効に使えるように考えてください。
手順#3:サブタイトルでキーワードを補完する
もうひとつ理解しておきたいのは、タイトルは短いものに限定されるものではないということです。出版社の間では、「タイトルは長くしてはいけない」と言われることがありますが、そんなことはありません。タイトルは長くてもいいのです。実際に最近では、本のタイトルが年々長くなっているというようです。
さらに、残りのキーワードを含んだサブタイトルも用意したいものです。Kindle電子書籍では、メインのタイトルの他にサブタイトルを入れることが可能です。タイトル部分には入らなかったものは
重要なのは、キーワードの羅列ではなく、人が読んで理解できるようなフレーズにすることです。そのタイトルを目にした人が 「そうだ、これが欲しい」と思うような言葉です。
具体的な方法としては、メインとなる1~2個のキーワードと、2~4個の他のキーワードを組み合わせることです。電子書籍や商品のタイトルを考えるときには、まず見出しから始めて、それに合わせタイトルを決めていくことが多いですね。
手順#4:入らなかったものは説明文に入れる
タイトルとサブタイトルで、キーワードを沢山使えると良いですが、どうしても入らないキーワードが出てくるかもしれません。その場合、残りのキーワードを使わないで、そのままにしてしまうのはもったいないです。タイトルとサブタイトルに入らなくても大丈夫。その場合は、商品の説明欄に入れましょう。
説明欄は、タイトルよりもSEO効果は落ちます。ですが、商品の説明欄は見込客の目にも触れる場所なので、残りのキーワードを入れておきましょう。文章が長くなると「続きを読む」が表示されて、内容が折りたたまれます。可能ならば、続きを読むが出るよりも前の冒頭にキーワードを埋め込みましょう。
電子書籍のタイトル作成の具体例
ここでは、僕がタイトル付けを行う際の具体例をお見せしましょう。「防災」というトピックを例にします。
まずはキーワードを集めてきてください。調査の結果を思い返してみてください。防災というトピックにおいては、以下のようなキーワードをピックアップしました。
- 防災
- 自然災害
- 南海トラフ
- 台風
- 家族
- 小学生
- 安全
- グッズ
- サバイバル
これらのキーワードを使って、まずはメインのタイトルを付けていきます。「家族で自然災害に備えるサバイバル・マニュアル」というタイトルを付けました。「家族」「自然災害」「サバイバル」というキーワードを使いました。
次にサブタイトルを入れていきます。具体的な客層をイメージして作りたいので、こんな感じにします。「小学生の子供がいても南海トラフや台風を安全に切り抜けるための18のルール」ここでは、「小学生」「南海トラフ」「台風」「安全」というキーワードを使いました。またノウハウに具体性を出すために「18のルール」という数値も入れました。
タイトルとサブタイトルをつなげると「家族で自然災害に備えるサバイバル・マニュアル: 小学生の子供がいても南海トラフや台風を安全に切り抜けるための18のルール」となります。かなり長いですが、これでキーワードリッチな書籍タイトルになっています。使っていない残りのキーワードは、グッズなのでこれは説明文で使うことにします。説明文については別のレクチャーで解説します。
他にもこんなタイトル候補も良いかもしれません。
- 「台風や自信からのサバイバル・ガイド」
- 「自然災害で家族の安全を確保するグッズ全30個」
- 「家族を守る自然災害の教科書」
といったものも良いでしょう。また、ノウハウだけでなくグッズを全面に出したタイトルでも良いですね。ほかにも、以下のような例が思いつきました。
- 「現場で使える!防災の秘訣」
- 「防災マニュアル:家族が知っておくべきこと」
- 「防災に関する衝撃的な事実」
- 「防災について家族で話しておくべき5つの質問」
- 「災害時の最大のミスを回避する方法」
- 「誰も教えてくれない防災の話」
- 「あなたの防災ガイドが役に立たない理由」
一通り書き出したら、お客さんの目線でそれらの候補を見直してください。どれが魅力的ですか?Amazonに並んでいて、つい中身を見たくなるのはどれですか?もし候補を1つ絞れなければ、サブタイトルに含めていっても良いでしょう。
まとめ:キーワードを盛り込んだタイトルを付ける
ここまで、電子書籍のタイトルの決め方についてお話ししてきました。電子書籍で成功するためには、トピックとするキーワードをタイトルに含めることが最重要です。そうすることで、検索エンジンに引っ掛かりやすくなり、Amazonで表示されやすくなります。文字数を気にしたり、気取った言葉を使ったりする必要はありません。繰り返しですが、キーワードをふんだんに含み、かつ見込客から魅力的だと思われるタイトルを作ってください。今回はここまで。また次回のレクチャーでお会いしましょう。