今回のレクチャーでは、一般的な電子書籍に載せるべき項目について紹介します。ここで言う項目とは、本編となる文章以外に電子書籍に収録するものです。これらはいずれもあなたの電子書籍に本物感を与えてくれるものです。
書籍の中には本編となる文章の他に様々な要素が入っています。具体的に言うとタイトル、著作権、そして免責事項についてのページなどのものです。今回ご紹介する項目を含めることで、あなたの電子書籍をより「本物の本」らしく仕上げることが可能になります。
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電子書籍に掲載すべき7つの項目
電子書籍を制作していく前に、書籍の中に掲載すべき項目をあらかじめリストアップしておくことが大切です。それではさっそく、電子書籍に掲載すべき項目について紹介していきます。一般的な電子書籍においては、以下の5つの項目を含めるべきでしょう。
項目#1:タイトル・著作権・免責事項
まず、本を開いた最初のページには、タイトルを掲載します。もちろん電子書籍の1ページ目には、画像で作った表紙がありますが、2ページ目でもタイトルや著者名を入れておきましょう。画像データを入れて、綺麗にレイアウトしても良いでしょう。
その後、著作権と免責事項について説明したページを挿入しましょう。特に投資や金銭が絡むもの、また健康情報などに関してはこういった免責事項を入れておくのが無難でしょう。「僕は専門家ではないので、あくまで個人の意見です。自己責任でお願いします。」のような文言ですね。こういったものが入っているだけで、ちゃんとして見えます。
項目#2:献辞(けんじ)
必要に応じて献辞のページを用意するのも良い方法です。よく洋書なんかで、「この本を親愛なる◯◯に捧げる」という風に書いてある、まさにそういう文言です。配偶者であったり、恩師であったり、大切な友人かもしれません。
「星の王子さま」でサンテグジュペリは、本の冒頭で「レオン・ヴェルトに」と言って、親友の名前を挙げています。また僕が大学生の頃に有名になったランディ・パウシュの「最後の授業」という本には次のような献辞(けんじ)が載せられています。
「夢を見させてくれた両親に感謝をこめて
そして、僕の子供たちが見る夢に期待をこめて」
著者のランディ・パウシュは、カーネギーメロン大学の教授で、ガンで余命数ヶ月の宣告を受けている中、未来を担う若者のために大学で特別授業を続けました。このように特定の誰かに対して、あるいはどんな人に対して本を捧げるのかを明記することは、場合によってすごく大きな意味を持ってくるのです。
項目#3:まえがき
まえがきは、目次の前にある書籍の導入文です。まえがきの役割には、いきなり本編に入る前に本のコンセプトを紹介したり、読者を暖めるというものがあります。
まえがき部分で読者をコールドな状態からホットな状態に変えていくイメージを持ってください。そのためには、あなたが提供できるものは何で、読者が期待しているのはどんなことか?をある程度把握しておくと良いでしょう。
もしあなたが、まえがきにどんなことを書いたらいいの?と思っても大丈夫。次のようなことを書けば、まえがきに必要な内容をカバーできます。
- この本を書いた経緯
- 対象としている読者
- そしてこの本で何を実現するのか?
- この本を読んだ先にどんな未来が待っているのか?
僕の場合であれば、自分がどんなビジネスをしてきて、この本で何を読者に伝えようとしているのか。そして、読者を励ましワクワクさせるような内容を書いています。
項目#4:特別なオファー
電子書籍単体だけでなく、その後ろ側で商品を売るために、本の中に特別なオファーを配置しておきましょう。普通、本から何か別の商品をオファーするといったことはあまりありませんが、電子書籍を中心に据えたビジネスを作ろうという場合には必ず必要になります。特別なオファーとは例えば、以下のようなものがあります。
- アフィリエイトプログラム
- あなたが販売している関連書籍
- 配信しているニュースレター
- 読者限定の何かしらの特別ボーナス
- あなたが持っている別の商品やサービス
もちろん、ここで挙げたものをすべて載せる必要はありません。多くの場合、掲載するのはどれかひとつになるでしょう。僕らの場合は、本の内容を動画で学ぶためのオンラインコースをオファーしています。
僕らのKindle本では、まえがきと各章のはじめに毎回オンラインコースの案内を掲載しています。これにはHTMLリンクに加えて、読者がスマホでも利用しやすいようにQRコードも載せています。1冊の書籍の中で、1回だけ紹介するのではなく繰り返し登場させてバックエンドに誘導しています。
このようなページを設けることで、あなたが販売している他の書籍やコースなどの購入のきっかけにすることができます。読者があなたにメールアドレスを提供することで、あなたは時間をかけて他の商品を彼らにオファーできるようになるのです。
項目#5:目次・索引
続いては目次です。目次は電子書籍に関してすごく重要です。YouTubeでもチャプター機能が搭載されていることから分かるように、読者は自分の知りたい情報にすぐにアクセスしたいのです。
ページを指でスクロールして自分の興味のある場所を探すのは、大変すぎて心が折れてしまいます。目次では本の内容を章ごとに整理して、きちんと一覧にしてください。Kindleでは目次のタイプが2つ存在します。
1つは、HTML目次といって本文の場所に、表示されているものです。リンクが貼ってあり、クリックすると該当箇所に飛べるようになっています。
もう1つは、NCXと呼ばれる論理目次と呼ばれる目次です。これはKindle端末上で、目次ボタンを押すことで出てくるものです。この論理目次は、先ほどのHTML目次とは別にコーディングを施す必要があります。書籍が長い場合は、章ごとに折りたたみ機能を付けると綺麗に見えるはずです。
目次に関しては、見やすく整理されていること、そしてクリックして瞬時に項目に飛べるようになっていること。この2つの点がとても重要です。よく覚えておいてください。
項目#6:あとがき
本編の文章が終わったら、あとがきも挿入しましょう。あとがきでは本編の内容のエッセンスを抽出して、まとめのような文章を入れると読者から喜ばれます。またあとがきには、あなた自身の経歴なども書くと良いでしょう。
なぜ、経歴を「まえがき」ではなくあとがきに入れるのか?というと、経歴は少し退屈になりがちだからです。まえがきでは、読者を暖める効果を期待するという話をしました。まえがき部分には、退屈な経歴ではなくもっとワクワクする内容を載せてください。
本編で読者があなたに興味を持ってくれたところで、あとがきであなたの経歴や自己紹介などを詳しく入れれば良いでしょう。僕の場合は、ビジネスの紹介や商品ラインナップなど宣伝となる文章を入れています。あなたの写真を載せても良いでしょう。
項目#7:謝辞
最後に、謝辞のページを入れるのも良い方法です。電子書籍の制作にあたって、助けてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えてください。本の編集やチェックを手伝ってくれた友人や家族に感謝の言葉を述べることもできるでしょう。
2つ目に紹介した献辞(けんじ)と似ていますが、この謝辞(しゃじ)では書籍の制作に直接携わってくれた人の名前を挙げましょう。あなたを助けてくれた人たち、貢献してくれた人たちに感謝の気持ちを述べる。
こうすることで、あなたの周りに助けてくれる人が沢山いるという社会的証明にもなります。1つ注意ですが、もし謝辞を入れたい場合は相手の名前を公開することになるので、彼らから同意を取り付けておくことをオススメします。
まとめ:7つの項目を掲載し「本物の本」を制作する
今回は、書籍をよりプロフェッショナルな感じにするために、盛り込むべき項目を紹介しました。これら7つの項目は、紙面の本でも必ず含まれる要素です。
特に出版社を経由したきちんとした本には、本編以外にもこういった細かな要素が沢山含まれています。今回紹介した項目をしっかりと掲載することで、あなたが作った電子書籍も読者に「本物の本」とみなしてもらえるでしょう。今回は以上です。またすぐに、お会いしましょう。