今回は、読みやすい電子書籍の具体的な書式設定について紹介します。あなたの作る電子書籍が読者に「本物の本」とみなしてもらうためには、いくつかの条件を満たす必要があります。その条件をフォントやページ繰りなどの書式設定の面から見ていきましょう。
このレクチャーでは、僕が電子書籍を作る際の実際の書籍設定や、気をつけているポイントをお見せします。今回ご紹介するルールを守れば、読者にとって読みやすい書面が出来上がるでしょう。
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フォントのサイズ・スタイル・カラー
まずはフォントサイズについてです。僕の場合は本文を11ポイントから14ポイント、小見出しは14~18ポイントにすることが多いですね。そして見出しの場合は、18~26ポイントに設定します。
続いて、フォントスタイルについてです。僕はPagesなどを使う場合にはヒラギノ角ゴシックかNoto Sansを使っています。ヒラギノ角ゴシックは、フォントで有名なモリサワ社のフォントです。Macには標準で搭載されています。
Noto Sansは、GoogleとAdobeが共同で開発したフォントです。インターネット上で幅広く使われているし、見栄えが綺麗です。しかも無料で誰でも利用できるので、すごく使い勝手が良いです。
逆にGoogle Docsを使う場合には、ヒラギノ角ゴシックやNoto Sansは使えないのでArial(エイリアル)を指定してください。Arial(エイリアル)は英文フォントですが、これを指定することで日本語部分も綺麗なゴシック体で表示してくれます。
このような余分な装飾のないゴシック体のようなフォントは「サンセリフ体」と呼ばれます。逆に明朝体のようなものは「セリフ体」のフォントです。セリフ体とは、文字の端に飾りのようなものがつけられたフォントです。
フォントのカラーについては、黒がお勧めです。本文のテキストは黒でなければなりません。白地に黒の文字は、本の基本です。電子書籍とはそういうものだと覚えておきましょう。「本物の本」として読んでもらうためには、白い背景に黒い文字である必要があるのです。
小見出しについては、通常、太字にしたゴシック体を使用します。色は黒、青、赤のいずれかです。PDFの場合はカラーにしますが、Kindleの場合は全て黒字にします。PDFにおいても、青や赤は特に強調したい場合にのみ使用し、すべての見出しをカラフルにすることはありません。
見出しのフォントも同じです。見出しの文字色は、PDFでは色々な色を指定できますが、紺や黒などの暗めの色が無難です。Kindleでは黒にしています。
改ページで切り替わりを伝える
もうひとつ改ページについて説明します。これは本のフォーマットを決める上で非常に重要です。よく「どのタイミングで改ページを入れたらいいんですか?」と聞かれます。これには明確な答えがあります。それは章が変わったなど、 何かの明確な切り替えのサインとして挿入してください。
Google Docsで改ページを挿入したいときは、もちろん上のメニューから改ページを選んで挿入することも可能です。ですがショートカットキーを使えばもうちょっと楽に改ページをすることができます。
普通の改行はEnterキーですが、Ctrl+Enterキーを押すと改ページを挿入することが出来ます。Macであれば Command+Enter ですね。そうすることで、新たなページに簡単に移動できます。第1章が終わって同じページの次の行から第2章が始まる本というのは、読みにくいですよね。
Kindleの場合も考え方は同じです。ただし Kindle においてはコーディング作業を外注する場合、打ち合わせの段階でコーダーさんと改ページの位置について、よくすり合わせしておくことをオススメします。
まとめ:読者にとって読みやすい書式で本を書く
今回は、読者にとって綺麗で読みやすいフォントサイズ、フォントスタイル、そしてフォントカラーについてカバーしました。本文、小見出し、見出しでそれぞれ最適なサイズやカラーを選んでください。また、読みやすさを実現するためには、章などの本の切り替わりごとに改ページを入れることも大切です。今回はここまでです。次回、またすぐにお会いしましょう。