あなたはオランダに移住するのにどのくらい言語ができれば良いのか?と考えているかもしれません。事前にオランダ語を習得する必要があるのか、または英語だけで大丈夫なのか?などオンラインの情報だけでは分からないこともあるでしょう。オランダに移住した僕が現地の言語環境について詳しく解説します。
https://youtu.be/XwQyS_oeWI0
海外ではたまに英語の通じない国があります。旅行に行くだけであればGoogle翻訳などで対応できますが、移住となると話が変わってきます。移住前にどのくらい言語を習得する必要があるのか?不安に思うことでしょう。またネットで検索しただけではなかなか現地の雰囲気まで掴むのは難しいかもしれません。そこで実際にオランダに住んで現地の人とたくさん交流した実体験を元にオランダにおける言語の様子についてお伝えしていきます。
オランダでは英語がかなり通じる
結論から先に言いましょう。オランダでは英語がかなり通じます。英語を第2言語とする話者が世界一多いとされるフィリピンよりも英語が通じると思います。なぜフィリピンと比較ができるかというと、うちの妻がフィリピン人なのでフィリピンを訪れる機会が多かったからです。
これは僕がデン・ハーグという国際都市に住んでいるせいもあると思います。ただ本当に皆さん英語が話せます。若い人は8歳や9歳という小学校低学年くらいの年齢で既に母国語のオランダ語に加えて、かなりの英語を話しています。実際にうちの子供も友達と話すときには、英語とオランダ語を混ぜて使っています。
しかもオランダの英語がフィリピンよりすごいのは、訛りがほとんど無いことです。フィリピンは母国語がタガログなのですが、結構英語の訛りが強いと感じました。ですがオランダの英語はほぼネイティブに近いです。しかも面白いことに言語構造が英語に似ている。僕はオランダの市民化テストのためにオランダ語を勉強していますが、単語や文法が英語に近いのです。そのせいもあってオランダの英語はネイティブに近いのかもしれません。
オランダに英語力ゼロで来るのはリスペクト不足
オランダではオランダ語ができなくてもある程度の生活はできますが、英語は最低限必要です。たまにオランダ移住関連のブログを見ていると英語ができずに海外移住した方のブログを見つけることがあります。ご本人は英語ができずに海外移住していることをある種自慢のように思っているようですが、言語が分からずに移住するというのはその国に対するリスペクトが不足しているのではないかと感じます。
ただし、英語が通じるからと言ってもやはりベースはオランダ語です。政府から届く公式の文章や重要な書類はすべてオランダ語です。そのため、やはり移住して生活するとなるとオランダ語の知識が求められます。オランダでは移民が滞在し続けるための条件として、オランダ語や文化に関する知識テストに合格する必要があります。いわゆるInburgeringと呼ばれる市民化テストです。移住者はオランダという国の市民に溶け込むことを求められているのです。
確かに英語なしで一応は生活できているのかもしれません。ですが、それは色々と周りの人に迷惑をかけているのだと思います。英語ではスプーンで食事を与えてもらうこと、つまり人から甘やかされ過保護にされた状態をSpoon-fed(スプーンフェッド)と表現します。英語なしで海外移住するのはまさにSpoon-fedの状態だと思います。
最低限でも英語の習得は必須事項です。言語ができないのであれば、少なくとも言語を学ぶ努力はしたいと思います。仮にオランダに移住してオランダ語が分からなかったとしても、移住初日からオランダ語を勉強しはじめるくらいの気持ちは持ちたいものです。そういう気持ちがあれば、海外に移住したとしてもその土地に長く居続けられると僕は考えています。
言語能力は命に関わる問題
言語が分からないというのは、実は生活が不便になったり迷惑をかけるだけに留まりません。場合によっては、生命の危機に直面することもあります。とてもシビアな問題です。例えば、昔アメリカでハロウィーンのときに英語の分からない若者が撃たれてしまったという事件がありました。コミュニケーションができないということはそういった危険性があるのです。
また先日僕は救急車で運ばれてしまいました。実はスケボーの練習中に体を強打してしまったからです。このような時にも言語を使ってコミュニケーションできないと大変です。何が起こったのか、どこを打ったのか、この処置をすることに同意するか?薬をこのくらい飲んでくれ。そういうコミュニケーションが取れないと、自分の体が危ないのです。
同じようなことはオランダから国境を超えて旅行したときにも感じました。オランダから車でフランスまで行ったのですが、フランスに入った途端に道路標識がフランス語になります。出口を表すEXITのような単語がフランス語で書いてあったので、最初どこが出口か分かりませんでした。それでも車は進んでいくので本当にヒヤヒヤしました。
確かにEU内の交通法規は統一されています。ですが標識などはその国の言語で表記されます。だからその国の言葉っていうのはすごく重要なんです。もう1つ車で走っていてドキドキしたことがあります。それはオランダの道路で前にパトカーが入ってきてrechtsって表示してるんです。それは右に寄れという意味だったんです。こんな風に「右に寄れ」とか「この先1車線になる」とか、そういう大事な言葉を理解できないと本当に命の危険があるということを理解しておいてください。
まとめ:オランダでは英語が通じるので最低限英語をマスターする
ここまでオランダでの英語事情についてお伝えしてきました。最後に要点を3つにまとめました。
- オランダではかなりの確率で英語が通じる。他の国と比べて圧倒的に英語に訛りが少ない。
- オランダに移住するのであれば英語能力は必須である。言語が分からず、さらに学ぼうという努力がないまま移住することはその国に対するリスペクトの欠如である。
- 場合によっては言語が分からないために生命の危機に瀕する可能性がある。言語能力は時としてあなたの生命を救うため非常に重要である。