あなたは海外移住に興味があるものの、子供が多いことを理由に「うちには無理だ」と諦めていませんか。異国の地で言葉の壁や高い物価に直面しながら、たくさんの子供を育てていくことは想像以上にハードルが高いと感じているはずです。現地での生活費や住宅事情を考えると、家族の人数がそのまま重いハンデになるのではないかと不安に思っていることと思います。ここでは、多子世帯ゆえに直面する厳しい現実をいかにしてビジネスの原動力に変えてきたのか、制約があるからこそ磨かれる家族6人の生存戦略についてお話しします。
異国で4人の子供を育てているという事実を伝えると、現地の人からも「それは本当に大変ね」とどこか同情を含んだ視線を向けられることがあります。しかし僕たち家族にとって、子供たちの存在は生活を重くするお荷物などではありません。むしろどんな困難も突破していくための、最強の加速装置として機能してくれました。子供が複数いるからこそ得られる突破力や、守るべき存在がモチベーションに変わるメカニズムについて、僕たちの実体験を交えながら詳しく解説していきます。
単身者ならイージーモードでクリアできるオランダの家探しという壁
僕たちがオランダから現在のポルトガルへ移住を決断した理由の1つに、オランダで条件に合う家がどうしても見つからなかったという事情があります。お手頃な家賃で住める場所を探していたのですが、ただ安くて広ければどこでもいいというわけではありませんでした。生活の利便性を考えれば、ある程度の都市機能が整っているエリアを選ぶ必要がありました。こうした複数の条件を満たす物件が、家族6人で住めるサイズとなるとオランダには極端に少なかったのです。
例えばオランダにも、人間の数よりも牛や羊の数の方が多いような田舎町はたくさん存在します。そういった場所を選べば、もっと安く広い家を借りることは十分に可能だったと思います。しかし少し考えてみてください。せっかくフリーランスとしてヨーロッパまでやってきて、毎日牛と羊に囲まれて過ごすことに僕たちにとってどんな利点があるでしょうか。わざわざヨーロッパらしい空気を感じることもできず、ビジネスの刺激も得られない場所に住む意味はありません。

オランダに住んでいた頃、ギリシャから来たニコラスというギターの先生にお世話になっていました。彼が新しく引っ越したという部屋にレッスンを受けに行ったとき、家賃が800ユーロだと聞いて驚きました。立地も非常に良く、単身者であればオランダでもそんな好条件で部屋を見つけられるのかと羨ましく思ったのを覚えています。もちろんそれは大きな家の一部を間借りしているだけで、自分専用のドアがあるわけではないコンパクトな部屋でしたが、身軽さの強みを実感しました。
もし彼と同じような条件のワンルームのアパートをオランダで借りようとすれば、もっと高い家賃を支払う必要があります。単身者であれば比較的容易にパスできる家探しという壁も、家族6人という条件が加わるだけで途端に攻略難易度の高いミッションへと変わってしまいます。このときばかりは、たくさんの子供を抱えて異国で生活の基盤を築くことの大変さを痛感せずにはいられませんでした。人数が多いということは、それだけ住む場所の選択肢を狭めてしまう冷酷な現実があります。
お気の毒にという同情の言葉に対する僕たち家族の心地よい違和感
オランダで生活していて、僕たちのように4人以上も子供がいる家族を見かけることはほとんどありませんでした。そのため現地のオランダ人からも「子供が4人もいて本当に大変ね」とよく声をかけられました。その言葉の裏には、多子世帯に対するある種の同情のようなものが含まれているのをいつも感じていました。しかし僕たち夫婦は、自分たちのことを「大変で不幸な大家族」だと思ったことはただの1度もありません。これは見栄でも虚勢でもなく、心からの本音です。

周囲の人たちが僕たちを大変そうだと見ている一方で、僕たち自身が感じている家族の幸福感との間には、いつも決定的なズレが存在していました。確かに生活費はかかりますし、移動するだけでも一苦労です。それでも賑やかな食卓や、兄弟で助け合って異国の環境に適応していく姿を見ていると、大変さよりも喜びの方がはるかに上回っていました。周囲の心配そうな視線に対して、僕たちは常に心地よい違和感を抱きながら生活していました。
「子供が複数いるから、これは諦めよう」と考えたことはこれまで1度もありません。むしろ子供が4人いるという事実を前提とした上で、どうすれば目標を実現できるかという思考に切り替わっていきました。子供が多いからこそ、より効率的な働き方を模索したり、無駄な支出を見直したりと、制約があることでかえって創造的になれたと感じる場面が何度もありました。子供の数は限界を決める理由ではなく、知恵を絞るためのきっかけになっていたのです。

僕たちが海外で直面したさまざまな壁は、単身であればもっと簡単に乗り越えられていたかもしれません。しかしその壁を家族6人というチームで乗り越えた経験は、僕たちの突破力を確実に磨き上げてくれました。子供が多いことをハンデと捉えるか、それとも強みと捉えるかは親の考え方次第です。僕たちにとっては、その制約こそがビジネスや生活を最適化するための強力な原動力として機能してくれたのだと確信しています。
オランダの高額な保育費を収入を増やすための圧倒的なエネルギーに変える
オランダの保育費は非常に高額です。僕たちの下2人の娘たちが通っていた保育園では、1日に約200ユーロ、日本円にして3万円以上のお金が飛んでいきました。もし月に20日間預けたとすれば、それだけで60万円もの出費になります。この恐ろしいほどのコストを前にしたとき、普通であれば「お金がかかりすぎるから預けるのをやめて家で自分たちで見よう」という判断になるかもしれません。しかし僕たちは全く逆のアプローチをとりました。

高い保育費を理由に預けるのをやめるのではなく、「それ以上に自分が稼げばいいだけだ」と考えるようにしたのです。もちろん自宅で面倒を見ることも物理的には可能でした。しかしそれでは子供たちが暇を持て余してしまいますし、何より現地のオランダ語を早く身につけてほしいという強い思いがありました。自宅で親が見ているからといって、必ずしも子供の成長が早くなるわけではないという話もよく耳にしていたため、保育園の環境を積極的に利用することを選びました。
だからといって朝から晩まで長時間預けっぱなしにするわけではありません。子供たちが少し物足りなさを感じて「早く帰りたい」と思うくらいのタイミングで、僕がキックボクシングや筋トレに行く前後を利用して電動自転車で迎えに行っていました。ただ単に親が仕事をする時間を確保するためだけに預けるのではなく、子供たちの社会性や言語能力の成長を1番に考えての決断でした。だからこそ、高いからという理由だけで簡単に辞めるわけにはいかなかったのです。
毎月飛んでいく高額な保育費は、僕のビジネスに対する強烈なプレッシャーとなりました。しかしこのプレッシャーこそが、僕の行動力を極限まで高めてくれる起爆剤になったのです。支払わなければならない明確なコストがあるからこそ、それをカバーするための新しいアイデアを生み出し、実行に移すことができました。多額の出費をただの負担として捉えるのではなく、自分の限界を引き上げるためのエネルギーへと変換することができたのは、子供たちのおかげです。
守るべき家族の存在が異国の地で決して折れない強い心を作る
もし僕が独身で1人きりでの移住だったとしたら、全く違う結果になっていたかもしれません。オランダの高い物価に対する不満や、外国人としての見えない差別など、海外生活特有のストレスから逃げ出したくなる瞬間はいくらでもありました。「もうこんな生活は嫌だ、日本に帰ろう」と、簡単な道を選んで帰国していた可能性は非常に高いと思います。しかし僕には、異国の地で守るべき4人の子供たちの存在がありました。

下2人の子供たちはオランダで生まれ、上2人もヨーロッパで過ごす時間の方がはるかに長くなっています。彼らの立ち振る舞いや考え方はすでにヨーロッパ的なものになっており、今から日本に帰国して日本の学校システムにうまく適応できるかというと、かなり難しい部分があると感じています。そう考えたときに、「もうここでしっかりと根を下ろして子育てをしていくしかない」という強い覚悟が決まりました。
簡単に日本へ逃げ帰るという選択肢が最初から消え去っていたからこそ、ここで生き抜くための方法を必死で模索することができました。子供たちがいたからこそ、僕はビジネスで結果を出し続けることができたし、モチベーションを落とさずに働き続けることができました。ヨーロッパという厳しい環境にしがみつき、家族の生活を守り抜くという強靭なメンタルは、間違いなく4人の子供たちが僕に与えてくれたものです。
家族が多いということは、確かに生活コストを跳ね上げ、移動や家探しの難易度を上げる要因になります。しかしそれと同時に、絶対に諦められない理由という最強の武器を親に与えてくれます。僕にとって4人の子供たちは、どんな逆境も跳ね返し、ビジネスを加速させてくれる最高のチームメンバーです。制約があるからこそ人間は本気を出すことができる。大家族での海外移住は、その事実を僕に教えてくれた最も過酷で、最も素晴らしい経験でした。
まとめ 海外移住で大家族の制約をビジネスの力に変えるマインドセット
ここまでは多子世帯ゆえに直面する海外生活の厳しい現実を、いかにしてビジネスの原動力に変えてきたのかについて解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- 単身者なら簡単な家探しも家族6人では難易度が上がるが、その制約が最適化の知恵を生む。
- 周囲の同情的な視線とは裏腹に、子供の多さは困難を突破するための創造力と行動力を引き出してくれる。
- 月60万円の高額な保育費を負担と捉えるのではなく、それ以上に稼ぐためのモチベーションに変換する。
- 簡単に帰国できないという覚悟と守るべき家族の存在が、異国で生き抜くための折れない心を作る。













