オランダの移住を検討する際に現地での生活費のことが気になっていませんか?オランダの物価が高いと聞くけれど、実際に日本と比べてどのくらい高いのか?そういった細かい情報が無くて困っているかもしれません。オランダ在住者の視点を交えて、オランダの生活費について解説していきます。
オランダは周りのEUの国と比べても比較的賃金が高い国です。そのため実際に生活するとなるとやはり物価が気になるはずです。オランダに移住してしまってから困らないように、ここであらかじめ生活費のイメージを作っておきましょう。また仮に物価に変動があったとしても最新の物価データをネット上で調べる方法についてもお伝えします。
今回お届けするノウハウはこちら
結論:オランダの生活費は高いです
まずは気になっている方もいると思うので、結論から先にお伝えします。オランダの物価は高いです。僕はオランダに住んでいますが、便利過去に子供2人がいる家族4人の生活費を合計したところ約54万円ほどでした。それは次のような構成で成り立っていました。
- 賃貸:20万円(全体の37%)
- 光熱費:3万円(6%)
- 健康保険:4万円(1人2万円、子供は0円)(7%)
- 食費:10万円(18%)
- 外食費:0円(0%)
- 習い事:8.5万円(16%)
- 移動費:1万円(2%)
- 教育費・保育費・幼稚園の費用:3万6000円(7%)
- 娯楽費:1万円(2%)
- 通信費:1.3万円(2%)
- 雑費:2万円(4%)
- ——————–
- 合計:54.4万円
ちなみにこれはオランダ移住当初の生活費で、今は下の子供2人が週4で保育園に行っているので、保育費だけで毎月4000ユーロの出費になります。賃貸や光熱費も上がり、生活費は2倍ほどに膨らんでいます。
オランダでのだいたいの生活費の感覚を掴んでもらえたと思います。それではもう少し細かい部分について見ていくことにしましょう。
まずは家賃について見ていきましょう。僕はよくオランダの不動産サイトのfunda.nlを見ています。ここにはマンション、戸建て、賃貸、売買を含む様々なオランダの不動産情報がまとめられています。写真もたくさんあるので見ていて楽しいです。
アムステルダムの家賃の高いエリアだとだいたい85平米で月2500ユーロ(40万円)ほどの家賃が必要になります。45平米のワンルームだとだいたい月1600ユーロ(25万円)です。
同じアムステルダムでも比較的落ち着いた場所であれば、85平米の部屋で月2000ユーロ(31万円)ほどです。45平米のワンルームなら月1400ユーロ(21万円)です。家賃に関しては総合的に東京に比べると50%以上も高く、ずいぶん高く感じます。ちなみにオランダの物件はすべてFull Furnishedなので家具が最初から付いています。ソファやテーブルなどを買い揃える必要がなく便利です。
輸入品は値段が高いです。日本人になじみのあるところで言うと、ユニクロがすごく高いです。ウルトラライトダウンを例に取ると、日本では7000円くらいで買うことができます。それがオランダでは80ユーロもします。日本の1.5倍ほどの値段が付いていて、ウルトラライトダウンなのに1万円を超えてきます。
ちなみに僕はステテコの大ファンです。どのくらいファンかというとステテコを365日履いています。はい、雪のチラつくオランダの冬でも長ズボンの下はステテコです。東南アジアを旅行していた頃も毎日ステテコで過ごしていました。オランダに来てからはさすがに冬はステテコの上にズボンを履くようになりました。でもステテコの習慣は今も深く僕の生活に刻まれています。
オランダに移住する際にイオンで買った激安のステテコを何枚か持っていきました。いずれも穴が空くくらい履き倒しました。それでいざオランダでステテコを探してもなかなか見つかりません。日本のユニクロではステテコも扱っていますが、EUのユニクロではステテコの扱いは無し。毎回、日本に一時帰国する度にステテコを大量に買って帰ります。
食料品はそこまで高くない
オランダでは外食は高いのですが、食料品自体はそこまで高くありません。もっと正確に言うと、日本より少し高いものもありますが、逆に安いものもあります。高いものと安いものが混在しており、それでバランスが取れています。
例えば500グラムのチーズが1000円、1リッターの牛乳が200円、鶏胸肉が100gで150円くらい。このあたりは日本とほとんど変わりません。逆にフルーツや野菜などは日本よりも安いです。例えば1キロで換算するとトマトが450円、リンゴが340円、ジャガイモが230円です。
外食をするとオフィス街のランチがだいたい2700円です。東京のオフィス街であっても1000円くらいで何か食べられると思います。オランダでは外食になると一気に日本の倍以上に価格が跳ね上がります。だいたいビッグマックのセットで1600円くらいします。
人的サービスは高い
オランダは人的サービスが高いです。これは働いている人の賃金の高さを考えれば当然のことかもしれません。外食が高額になる理由もこの人件費の高さだと思います。先日家族全員で日本とフィリピンに帰るために、保険適用外のワクチンを3人分打ちました。その3人分で800ユーロ(12万円)ほど掛かりました。
ですが、そのワクチン接種の前に医師の診察があります。その費用だけでも220ユーロ(3.5万円)でした。予め打つワクチンの種類も決まっているのですが、ただドクターと話すだけでそのくらいの金額を取られます。ものすごい高額です。
あとはオランダに移住する際に移民弁護士に色々な手続きをお願いしました。移民弁護士から請求書が来たのですが、1時間の労働に対して最低でも150ユーロ(2.3万円)ほどの報酬が発生します。移民弁護士は専門性を持った知的な職種ですから、そのくらいの報酬が発生するのは当然です。インターネットビジネスで個別コンサルティングが高額であるのと同じ理由です。
起業家ビザでオランダに来ると最初の更新は移住から2年後になります。もちろん自分でやっても良いのですが、ここでも移民弁護士に更新手続きをお願いします。書類にサインしたものをスキャンしてメールで添付するだけであとは全て処理してくれるので楽です。
オランダの滞在ビザの取得方法に関する記事はたくさんあります。ですが、ビザの更新に関する情報を検索すると途端に記事が少なくなります。そのため更新に関する情報は少なめです。情報の数が圧倒的に少ないものは専門家に任せておいた方が心労は軽減されます。
我が身を振り返ってみて、いざエネルギーが必要になったときにそれが枯渇していることが多かったです。それは自分で全部やろうとしてきたからです。そのため自分以外の人ができることを生命時間削ってまでやる必要はないという考えに自然と行きつきました。ちなみに更新の際の移民弁護士の費用は1時間あたり900ユーロ(12万円)掛かりました。ですが手続きが圧倒的に楽でした。
世界中の生活費を調べられるサイト
オランダの生活費を片っ端からお伝えしていっても良いのですが、時期によっても生活費は変動します。そのため中々最新の情報を手に入れられなくて困る場合もあるでしょう。そこでご自身でオランダの生活費を調べることのできるサイトを紹介します。このサイトを知っていれば、必要なタイミングで最新の物価データを調べることもできます。全世界の物価に対応しているので、オランダに限らず世界各地の物価を調べる事が可能です。
サイト1:Expatistan
1つ目のサイトはExpatistan.com(エクスパティスタン)です。元々国外移住者のことを英語でexpatriate(エクスペイトリエイト)、略してexpatsと呼びます。そこから文字ってサイト名がつけられています。国同士の生活費の差を比較表示してくれる便利なサイトです。
使い方はトップページで今住んでいる都市と移住先の都市を入力してください。そうすると両者の差がパーセントで表示されます。下の方に生活費の差を次のような項目ごとに詳しく表示してくれます。
- Food:食費
- Housing:住居
- Clothes:衣料品
- Transportation:移動手段
- Personal Care:医療やパーソナルケア
- Entertainment:娯楽
試しにアムステルダムと東京を比較してみます。そうするとTOTALではアムステルダムの生活費の方が36%高いと表示されています。さらにFoodならFoodの項目をクリックすると、具体的に何がどのくらいという数値を見ることができます。1つ1つクリックしてみると詳しい情報を知ることができるのでとても参考になります。
数年前に僕がオランダに移住した頃にもこのサイトを見たことがありましたが、その時は両者に2%の差しかありませんでした。各地の物価、また為替によってそれぞれの生活費が変動するということは覚えておいてください。
サイト2:Numbeo
もう1つのサイトはNumbeo.com(ナンベオ)です。このサイトも便利です。生活費の他にもQuality of Lifeを比較できるページもあり、統計情報も細かく載っています。
使い方は、トップページでお目当ての都市名を入力してください。そうすると次のような項目が出てきます。
- Restaurants:レストラン
- Markets:スーパー
- Transportation:移動手段
- Utilities (Monthly):光熱費、通信費
- Sports And Leisure:レジャー
- Childcare:子育て
- Clothing And Shoes:衣料品
- Rent Per Month:家賃
- Buy Apartment Price:マンション価格
- Salaries And Financing:平均年収や金利
それとサマリーとして「家族4人で移住した場合の家賃以外の生活費が3300ユーロ」みたいな情報まで載っています。その国での生活費をパッと調べるのにはすごく便利です。
また生活費の他にも次のような統計情報を見ることができます。
- Quality of Life:全般的な生活の質
- Crime:犯罪
- Health Care:医療
- Pollution:汚染や公衆衛生
- Traffic:交通事情
例えば総合的な生活の質はアムステルダムと東京でどっちが上か?とか、犯罪ならどういう種類の犯罪が多いのか?過去3年で犯罪は増えているのか?といったデータを見ることができます。あとはオランダであれば通勤に半分の人が自転車を使っていると知ることもできます。東京の場合は半分が電車通勤です。東京の通勤時間がオランダの1.5〜2倍ということもデータでわかります。
ぜひ海外移住する場合は、これらの統計データを色々な角度から眺めてみてください。もちろん実際に住んでみてからの自分の肌感覚が大事にはなりますが、オンライン上でもある程度のイメージを付けることはできると思います。
まとめ:オランダの生活費は日本より高い
ここまでオランダの生活費を解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- アムステルダムを例に取ると家賃が東京よりも50%以上も高い。
- 輸入製品は高額でユニクロは日本の1.5倍ほどの価格である。
- 食料品は高いものと安いものが混在しており日本と同等レベルである。ただし外食は日本の2倍以上である。
- オランダは賃金が高いため自然と人的サービスも高額になる。
- ネット上で最新の物価データを調べるにはExpatistanとNumbeoがオススメである。