今回は、エバーグリーン・ローンチへの集客方法として、広告を活用するためのコツをお伝えします。僕たちが実際に広告代理店に教えてもらいながら、その運用を間近で見てきました。広告運用の成功のためには沢山の要素があります。ですが、今回は僕が広告経由の集客を始めるときに、最初から知っておきたかったと思ったことを5つに絞り込みました。レクチャーを見れば、広告集客で大失敗する確率をグッと下げることが可能です。
オーガニックからの集客は、きちんと育てば素晴らしい集客経路になります。ですが、オーガニック集客の問題点はメディアが育つまでに 時間がかかることです。顧客をかけて、確かにお金はかかりますがその分この時間を短縮することができます。ファネルへの集客で初動を出したい、オーガニック集客以外にも集客経路が欲しい。そんな場合は、この広告に挑戦してください。今回は、実際に広告を使ってみて「あぁこれ、広告を始める前に知りたかったな」と思ったことだけを5つ厳選しました。1つ1つチェックしていきましょう。
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広告経由のトラフィックはオーガニックよりもずっとコールド
広告活用のコツをお伝えする前に、 1つ覚えておいてほしい重要なことがあります。 それは広告経由のトラフィックは、 オーガニック経由のトラフィックよりずっとホールドだと言うことです。 つまり、広告から来るお客さんはびっくりするぐらい熱量が低いんです。オーガニックで売れている商品であっても、広告だと全然買ってもらえません。
でもこれは考えてみれば当然のことで、お客さんはファネルに入る前に何か別のことをしていたはずです。ディスプレイ広告というバナー形式の広告であれば、投資に関するブログ記事を読んでいたかもしれません。YouTube広告であれば、自分のタイムラインに流れてきた面白そうな動画を見ようとしていたかもしれません。
当然ですが、広告ではお客さん自身が「広告を見よう」と思っていません。お客さんは広告を強制的に見せられているので、必然的に広告に対する興味・関心が薄くなります。もう本当にビックリするくらい反応が悪いんです。だから僕らは、広告用にファネルを最適化する選択を取りました。その時のことを1つ目のコツでお話しましょう。
コツ#1:購入しやすいLTO商品を用意する
広告を始めた当初、僕らはまず、オーガニックのファネルをそのまま広告用に使いました。どんなファネルだったかというと、プロダクトローンチで20万円のオンラインコースを売るファネルでした。内容は会員制サイトの作り方。今流行りのトピックにもしっかり当てはまっていました。でも結果は大失敗。やはり、広告経由のお客さんに20万円の商品を売るのは無理がありました。
そこで僕は、メイン商品の前の段階として、価格の安い商品を用意しました。それがLTO商品です。LTOとは、Limited Time Offerの略でオプトイン直後に時間限定で割引価格の商品をオファーする方法のことです。
僕はこのLTO商品に5700円の値付けをしました。お客さんがリードマグネットを目当てにオプトインした直後に、この5700円のLTOがオファーされます。
このLTOは大成功しました。5700円は、すごく購入しやすい価格帯の商品だったようです。僕はここで終わりませんでした。せっかくならば、もっと高単価な商品も買っていって欲しい。そう思った僕は、LTO商品のアップセルとして、元々の20万円の商品を配置することにしました。
ここで僕はある部分にひと工夫をいれました。それは決済方法です。20万円の商品をそのままアップセルしても良いのですが、5700円で購入した直後に20万円は余りにも価格差がありすぎます。アップセルは、顧客単価を上げるためにとても有効な方法ですが、それはアップセルが売れればの話。僕はここで、20万円の商品を4万円の5回払いにしました。
分割払いにすることで、1回あたりの支払額が大きく減るので、購入の敷居がグッと下がります。まるで10万円もするiPhoneを簡単に高校生に買い与えてしまう24回払いのように、分割払いには商品の価格をものすごく低く見せる効果があります。最終的に払う金額はほとんど変わらないのに、本当に不思議です。
広告を回す際には、一番最初にオファーされる商品は購入しやすい価格にしてください。またアップセルは、可能な限り分割払いを採用すると、成約率が上がります。この2つは必ず覚えておいてください。
コツ#2:撤退ラインを決定する
広告を運用する際に、1日のどくらいの予算を投下するかというのを決める必要があります。これは、広告を出稿する際にGoogle広告などの画面に入力するので、必ず必要になる数字です。ほとんどの人は、この数字を決めて運用しています。ですが、意外と忘れがちなのが損切りポイントです。つまり、どのくらいマイナスになったら撤退するという撤退ラインです。
当然ですが、広告はオーガニックとは異なり、回せば回すだけ広告費が掛かります。掛かった広告費よりも売上額が少なければ、そのプロジェクトは赤字になります。初期はたいてい赤字になります。広告が回り始めてすぐに売上が上がることは稀だからです。広告内のパラメータを調整しながら、徐々に成約が出るイメージを持っておいてください。
ただし広告運用開始前に、どこまで赤字が増えたら広告を停止するか?という撤退ラインは必ず決めておきましょう。これが意外とやってる人が少ないんです。FXなどの投資でもそうですが、エントリーポイントと一緒に損切りポイントを必ず決めてからエントリーします。そうでないと、損切りするポイントが分からなくなるからです。
広告にも同じことが言えます。一旦広告運用が始まってしまうと、「クリック率が改善してきたから、これから収益が回復するんじゃないか」「もうあと10万円だけ回そう」という感じで、どんどん撤退が難しくなっていきます。それを防止するための方法が、撤退ラインの存在です。「100万円の赤字になったら撤退」というように、明確に数字で決めておくと広告の停止がしやすくなります。これは必ず覚えておいてください。
コツ#3:定期的に指標をチェックする
広告運用がスタートしたら、定期的にGoogle広告などのダッシュボードで数字をチェックする作業が大事になります。これは新しい広告クリエイティブの反応率はどうか?ターゲット層は合っているか?などをチェックします。広告のパフォーマンスは、管理ダッシュボード上に明確な数値となって現れます。
定期的にこれらの数値を観察し、広告のパフォーマンスをチェックしながら同時に改善作業を行ってください。目標の顧客獲得コストを調整したり、1日ごとの広告予算額を調整します。思ったとおりのターゲット層にリーチできていない場合は、ターゲット層の絞り込みをしても良いでしょう。
特に広告運用が始まった初期は、数時間ごとにチェックすることをオススメします。これは広告代理店の吉野さんの言う「肌感覚を身につける」というものです。広告でもデジタルマーケティングでもそうですが、「これは行けそうだ」というセンサーのようなものを持つためには、経験が必要になります。
その経験の正体は、つまり場数です。まずは広告に関する経験値を得るために、広告のダッシュボードを定期的にチェックする癖をつけてください。そうすると、うまくいきそうなもの、ダメなものが大体分かってきます。
コツ#4:広告クリエイティブを定期的に差し替える
4つ目のコツも、非常に重要です。広告クリエイティブとは、広告に使用する画像や動画などのメディアを言います。これらは一度作ったら終わりという訳にはいきません。どんなにパフォーマンスの高い広告クリエイティブだったとしても、定期的な入れ替えが必要なのです。
これは、広告代理店の吉野さんが言うところの「広告クリエイティブの摩耗」と呼ばれる現象です。つまり、広告クリエイティブの効果が、再生回数とともに低減してくることを指します。広告クリエイティブの摩耗は、どんなクリエイティブであっても必ず起こります。
なぜこのような摩耗が発生するのでしょうか?それは、Google広告の機能にあります。GoogleはAIを用いて、様々な広告パフォーマンスを学習します。色々な層のユーザーに広告を露出してみては反応を記録し、学習して、次のユーザー層に活かします。広告の表示回数が多くなってくると、この学習機能が天井に当たります。だいたいのユーザー層に当たりきったところで、広告の露出頻度が徐々に減り始めます。
この摩耗が起こる表示回数は、広告クリエイティブによっても異なります。ですが、定期的に広告クリエイティブの差し替えが必要なことは事実です。広告クリエイティブを定期的に入れ替えるためには、チーム内でそのための仕組みを作ると良いでしょう。広告スクリプトを書く人、撮影またはアニメーションを作る人、最終的な動画に編集する人。のように少しずつチームメンバーを整えておくと、楽になります。
コツ#5:不安な場合はプロに依頼する
ここまで4つのコツをお伝えしてきましたが、そうは言っても広告はとっつきにくいメディアです。 自分たちだけで広告を出稿すると言うことには、不安がつきまとうでしょう。もし広告運用が初めてで不安な場合は、プロにお願いしましょう。僕らも株式会社インフルエンスムーブメントの吉野さんに、広告運用のお手伝いをして頂きました。
僕ら自身、やはりプロの方にお願いして良かったです。商品の分析から、ターゲット層の選定、広告キャンペーンの設定、広告のメンテナンスなどを一手に引き受けてくれました。結果的に1ファネルで2,000万円を売り上げるようなキャンペーンにすることが出来ました。
もちろん、広告代理店に依頼する場合は手数料が掛かります。手数料は、広告費の消化金額に対して何パーセントという契約が多いようです。詳しくは広告代理店に問い合わせると良いでしょう。またクラウドワークスなどでも、広告運用を代行してくれるワーカーさんが存在します。彼らとコミュニケーションを取りつつ、安心して任せられる人を探してみるのも良いでしょう。
まとめ:広告運用のコツを押さえて有利な状態でスタートする
今回は、エバーグリーン・ローンチに集客をする際に、広告を活用する方法をお伝えしました。まず広告経由のお客さんは、あなたの商品に関する興味・関心が薄いということを認識しておいてください。それを認識した上で、お客さんが購入しやすい商品を用意しましょう。最後に要点を6つにまとめました。
- 広告経由で集めたトラフィックはオーガニックよりも反応が薄いため、広告用にファネルを最適化する必要がある。
- 広告費の回収を容易にするために、購入しやすい価格帯のLTO商品を用意する。LTO購入者には高額商品のアップセルを行う。アップセルに分割払いを導入すると成約率が向上する。
- 広告で集客する際には、赤字が出たときにどこで辞めるかという撤退ラインをあらかじめて決めておくと停止時の判断がしやすい。
- 広告運用を開始したら広告のパフォーマンスをチェックする。その過程で広告に関する経験値を蓄積することが可能である。
- 広告クリエイティブは時間とともに必ずパフォーマンスが落ちてくるため、定期的に差し替える必要ある。定期的に広告クリエイティブが制作できる仕組みを整えておくと良い。
- 広告運用が不安な場合は広告代理店などのプロの運用を依頼する。
今回は以上です。ではまた、次回のレクチャーでお会いしましょう。