今回は、エバーグリーン・ローンチで購入者の顧客満足度を高めるための方法をお伝えします。ライブローンチとエバーグリーン・ローンチで、商品の購入後のユーザー体験にどんな違いがあるのでしょうか?今回のレクチャーでは、その違いを把握し、ユーザー体験を向上させるための具体的な4つのアイデアを紹介します。
あなたは、今からエバーグリーン・ローンチを導入していこうと考えているかもしれません。あなたがもしオンラインコースを売ろうとしているなら、ここで疑問に思うはずです。エバーグリーン・ローンチでは、締切日が動的に変化するので、お客さんの購入日もまちまちになります。「進捗度の異なるお客さんに満足のいくサービスを提供するのは可能なのか?」という疑問です。結論から言えば、答えはYESになります。今回はそのための4つのアイデアを見ていきましょう。
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ライブローンチは顧客満足度が高くなりやすい
あなたが「会員制サイトの作り方」のような、レクチャー形式の講座を販売しているとしましょう。ライブローンチでは、締切が特定の日付に決まります。例えば8月31日で締切という感じに、全員一斉に締切日が訪れるわけです。半年ごとに1期生、2期生などというように期ごとに受講者を募集するやり方です。
当然、受講者は皆同じ時期に商品を購入し、同じ時期にレクチャーを視聴し始めます。ですから、お客さんの学習の進捗度はある程度揃っています。こういう状態だと、僕たち運営者側も受講者に対してサポートがしやすくなります。
月1回のライブセッションは、今の受講者の進捗度に合わせれば良くてシンプルです。受講者が会員制サイトのコンセプト作りをしているフェーズなら、それに合わせてテーマで話せます。マンスリーコンテンツなど途中から追加するコンテンツも、テーマを1つに選びやすくなります。
多少レクチャーに不足があっても、ライブセッションやコミュニティでの質疑応答でカバーすることが出来ます。全員が同じような問題を解決したいと思っているからです。受講者全体に一体感が生まれると言っても良いでしょう。これらの理由により、ライブローンチでは購入後の顧客満足度が高くなる傾向があります。
エバーグリーンで顧客満足を高めるための4つのアイデア
エバーグリーン・ローンチではどうでしょうか?エバーグリーン・ローンチでは、それぞれの見込客の需要により、セールスが行われるタイミングがまちまちになります。したがって、顧客同士の進捗もバラバラになります。
これまで、ライブローンチをやってきた人から見ると、すごくサポートに困る状態です。だって、半年前に入った人と今月入った人が同じ場所にいるんです。セクション1をやっている人と、セクション5をやっている人がコース内で混在しているからです。少しコンテンツの作り込みが甘いと、コミュニティに進捗度の違うたくさんの質問が飛んできます。
でも大丈夫。ちゃんと対策方法があります。ここでは進捗の違う受講者に対して、十分なサポートを提供しながら、彼らの満足度をアップさせる方法について見ていきます。それを4つのアイデアにまとめたので、1つ1つ確認していきましょう。
アイデア#1:あなた自身の誤解を解消する
まずは、あなたの認識を変えましょう。今まで募集時期ごとに1期生、2期生とグループを組んできたはずです。グループ単位でサポートする方法が唯一のサポート方法だと考えているかもしれません。 しかし英語圏でも、たくさんのエバーグリーン・ローンチが成功を収めています。もちろん、成功したローンチは顧客満足度も高いです。
後ほど具体的な方法をお伝えしますが、まずはエバーグリーンでも十分な顧客サポートを提供できると信じてください。そこからがスタートです。あなたには、いつまでもライブローンチで消耗している時間はありません。
アイデア#2:サクセスパスをしっかり作る
次のアイデアは、サクセスパスをしっかり作ることです。つまり、商品の中身であるレクチャーを作り込むことにつながります。サクセスパスとは、お客さんが商品を通して、理想の状態に近づくために必要なステップをまとめた道筋です。コースの中で、受講者がどの順番で何をすればいいのか、それを体系的に整理したものになります。
これは僕らのCashLabという商品のサクセスパスです。CashLabでは、オンラインコースを作り、それをビジネスとして成長させていくプロセスを学んでいきます。
サクセスパスを作り込む利点は、コースの中身が充実することにあります。レクチャーの抜け漏れがなくなり、こなすべき課題の順序がハッキリします。実際にレクチャーを制作する場合でも、行きあたりばったりで作ることがなくなるので、レクチャーの質が一段も二段も上がります。
コースの中身がサクセスパス通りに作られると、受講者はコース内で迷うことが少なくなります。次にすべきことが明確なので、きちんと課題をこなしていくことが出来るようになります。このようにサクセスパスを使って一度、コース・カリキュラムを洗練させておきます。そうすると、顧客がバラバラにコースに入ってきた場合でも、スムーズに学習をしてもらうことが可能になります。
結果的に、少ないサポートでカリキュラムをこなすことが出来るので、顧客満足度がアップするというわけです。
アイデア#3:コミュニティを活性化させる
次のアイデアは、コミュニティの活用です。これは、コミュニティメンバー同士の交流を活発にしておくことで実現できます。
ライブローンチのように募集時期ごとのコミュニティであれば、メンバー同士に自然と一体感が生まれます。 取り組んでいる内容も近いので、自然と投稿数も返信数も増えていきます。エバーグリーン・ローンチでは、 これと同じようなことを意図的に引き起こす工夫が必要です。
エバーグリーン・ローンチでは、 それぞれのメンバーで取り組んでいることが異なります。Aさんはどんな会員制サイトにしたらいいかを考えているし、Bさんは会員制サイトの動画レクチャー作りで悩んでいて、Cさんは会員制サイトの実装に取り組んでいます。
お互いが違うペースで進んでいることも理解しています。なので、おのずと入ったばかりの人が 投稿しにくい環境が出来上がってしまいます。新しい受講者は「こんな初歩的な質問をしていいんだろうか?」とか「なんかすごい人ばかりで投稿しにくい」と思っています。
ここでは2つの工夫を取り入れましょう。投稿を課題に盛り込むことと、そしてコミュニティリーダーを採用することです。投稿を課題に盛り込むとは、カリキュラムの節目ごとに成果物をコミュニティに投稿してもらうようにすることです。
CashLabのコミュニティでは、毎回のモジュールの最後にやった課題を提出してもらっています。こうすることで、受講者は強制的に課題をやる必要に迫られ、さらにコミュニティへの投稿数が増えます。ただし、コミュニティへのフィードバックが増えるだけではコミュニティは活発になりません。そこで次の工夫です。
コミュニティリーダーの採用です。コミュニティで、新しい投稿に積極的に返信してくれるリーダーとなる存在を採用しましょう。コミュニティへの投稿には勇気が必要ですが、 勇気が必要になる行動が他人の投稿への返信作業です。 誰も返信していないコメントに対しては、なかなか返信が付きません。みなさん様子を見ているんです。
反対に1度返信のついた投稿には、次から次へと返信が付き始めます。1つ目の返信がキッカケとなるのです。コミュニティリーダーの役割は、このキッカケを作ることです。新しい投稿に対してきちんと投稿が付くようになると、新規受講者も安心してコミュニティに投稿できるようになります。
結果的に、新規受講者からの投稿数も増え、それに対する他の受講者のフィードバックも集まります。「素敵なアイデアですね」とか「僕はこうやって解決しています」とか、お互いの考えや悩みを共有するようになるんです。
普段から積極的に投稿してくれる受講者に、コミュニティリーダーの仕事をお願いしてみてください。対価として、商品の割引を提供したり、無料の個別セッションを提供してあげても良いでしょう。
彼らに間に入ってもらうことで、顧客満足度の上がるコースコミュニティを運営することが可能になります。
アイデア#4:追加コンテンツを充実させる
最後のアイデアは、カリキュラムを補完するような追加コンテンツを定期的に出すことです。これは定期的に行うライブセッションの録画でも良いし、月1で追加するマンスリーコンテンツのようなものでも構いません。毎回、別のテーマでセッションを行い、その録画をコース内に残していきます。
マンスリーコンテンツとは、毎月定期的に追加するレクチャーなどのことです。コース本編の参考マテリアルとして追加し、コースのカリキュラムを補完する役目を持っています。
エバーグリーン・ローンチの場合、もしライブセッションを行う場合、必ず録画してコース内に残しておいてください。受講者の進捗がバラバラなので、そのコンテンツが必要になるのが1ヶ月後なのか、3ヶ月後なのか、分からないからです。受講者が過去のライブセッションの動画を参考にして、カリキュラムを進んでいけるように、きちんと録画を残す工夫をしてください。
録画を残すという選択肢を取れば、毎月追加するコンテンツの内容を絞ることが出来ます。受講者全員に合わせた最大公約数的な薄いコンテンツにする必要がなくなるからです。
僕らのCashLabのマンスリーコンテンツで、毎月セミナーと題して、僕らが実際にやった施策を解説しています。ウェビナーの成約率を改善させた方法や、Kindle出版を実現した方法など、毎回テーマを絞り込んで撮影しています。こういうコンテンツを毎月追加しているので、受講者は自分の好きなタイミングでマンスリーコンテンツを活用することができます。
このような追加コンテンツは、カリキュラムの内容を補完してくれるので、受講生が目標達成するスピードを早めてくれます。その結果、顧客の満足度がアップするというわけです。
まとめ:エバーグリーンでも顧客が満足するコースを設計する
今回は、エバーグリーン・ローンチで購入後の顧客の満足度を上げる方法を紹介してきました。エバーグリーン・ローンチでは、ライブローンチのように進みが同じ受講者同士が一体感を持つということがあまりありません。その代わりに、いくつかの工夫を取り入れましょう。最後に要点を4つにまとめました。
- ライブローンチではなくエバーグリーン・ローンチでも受講生に対して、十分なサポートを提供できるという認識を持つ。
- サクセスパスを作ることでコースの中身が抜け漏れなく充実する。またサクセスパスにより顧客が理想の姿に向かうための道筋がハッキリし、顧客満足度が上昇する。
- 顧客同士のコミュニティを活性化させることで商品購入の満足度が上昇する。コミュニティへの宿題提出など、自然とコミュニティが活発になるような仕組みを商品カリキュラムに組み込む。
- 毎月追加されるマンスリーコンテンツなど追加コンテンツを充実させ、顧客満足度を高める。
今回のレクチャーはここまで。また次回お会いしましょう。