今回はエバーグリーンファネルに関する一般的な誤解を解いていきましょう。そもそも英語圏に比べて、エバーグリーンファネルに関する情報が圧倒的に少ないのです。そのため、メリットばかりが先行してしまい、現実的なオペレーションに関する部分がゴッソリ抜け落ちて、伝わってしまっています。このレクチャーでは、一般的な誤解を解きながら、エバーグリーンファネルの本質に迫ります。
今回は、あなたにとって少し耳の痛い話になるかもしれません。ですが、今回の話をきちんと理解して頂ければ、 収益の上がるエバーグリーンファネルを作ることができるようになるはずです。
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エバーグリーンファネルに多い3つの誤解
そもそも、エバーグリーンファネルとはセールス部分を自動化することにより、セールスの労力を軽減するような仕組みです。実際に物が売れるまでには以下のプロセスが必要です。
- 集客
- 教育
- 販売
- 納品
エバーグリーンファネルでは、このうち教育、販売、納品までを自動化の仕組みに当てることが出来ます。主にセールス部分を自動化するので、それ以外の場所には他の方法が必要です。
どこかエバーグリーンファネルが「一度設置したら、手放しでも勝手に売上が上がるもの」という風に勘違いされている風潮があります。特に日本はデジタルマーケティングにおいて、世界標準からかなりビハインドしていますから、情報の差が誤解を生んでいるんだと思います。では代表的な誤解を3つ、ご紹介しましょう。
誤解#1:完全なパッシブインカムである
まずは、さっきから言っているこちらです。「一度作ってしまえば、完全に手放しで商品が売れていく」という誤解です。実はエバーグリーン・ファネルは、セールスの機能しかないので、ファネルに送り込むためのお客さんが必要になってきます。実は、トラフィックが流れないと収益が発生しないのです。
トラフィックは、ブログやYouTubeなどのオーガニックでも良いでしょう。また、広告を少額から始めて、初動の勢いをつけてもいいでしょう。オーガニックはメディアが育つまでに時間が掛かりますが、広告であれば広告クリエイティブが優秀であれば、比較的早くトラフィックを呼び込むことが可能です。
エバーグリーン・ファネルは、トラフィックを流してこそ機能する。これを必ず、忘れないでください。エバーグリーン・ファネルを導入して得られたリソースを、トラフィック集めに徐々に振り分けてください。そうすれば、次の項で話すようなファネルの改善を、楽に進めることも可能になります。
誤解#2:一度設定したら変える必要はない
次の誤解は、「一度設定してしまったら、もう設定を変える必要はない」というものです。これも実は、エバーグリーン・ファネルに対する誤った認識です。
一口にエバーグリーンファネルといっても、その中には様々なファクターが絡んでいます。セールスページの作り方であったり、ウェビナーの構成であったり、または商品それ自体の切り口や価格だったり。
正直こればかりは、実際に市場に出して反応を見るしかありません。その中で定期的にブラッシュアップをしていくことで、成約率を徐々に改善させていきましょう。 またABテストなどを行って、より成約率の出るページを採用するのも大事です。
僕らは実際に広告ファネルにおいて、2つのアップセルページのABテストを行いました。アップする商品のオファー内容を最初から出しておくパターンと、オファー内容をビデオで確認するパターンの2種類をつくりました。
これらをABテストにかけて、何百人もの購入者にそれぞれのアップセルページを見てもらいました。ClickFunnelsでは、スプリットテストといった簡単にABテストを走らせる仕組みがあります。
結果的に片方のページの成約率が、他方の倍近くになったので、パフォーマンスの良いページを採用しました。 エバーグリーンファネルを作れば、今までライブローンチにかけていたリソースを、こういったファネルの改善に使うことが出来ます。
エバーグリーン・ファネルの強みは、成約率などの統計データを定点観測することができる点です。一定期間ごとに区切って、どんな施策があたったか。この施策は駄目だったなど、たくさん検証することが可能です。一度設定した項目であっても、市場の反応を見ながらゆっくりと改善を繰り返してください。
誤解#3:ツール実装が一番大事である
よくお客さんとお話していると、「石崎さんと同じファネルが作りたいんです」と言っていただく機会が多いです。僕のコンサルサービスである、いしこん2.0の申込書にもそういった言葉がよく書かれています。
その場合、「同じファネル」という言葉が表しているのはだいたい同じです。それは、ファネルの外枠の話なんです。ClickFunnelsでファネルを作って、MailChimpでメールシーケンスを流して、Vimeoでウェビナーをホスティングする。Deadline Funnelで締切を設定して、ページ内に綺麗なタイマーを表示する。
いや確かにどれも大事です。最初僕も英語圏のエバーグリーンのウェビナーを見たとき、「えっ、何これ。すご!」と驚いたのを覚えています。 人間って、すごいものを見ると真似したくなるんです。少なくとも僕はそうです。
でもここで気をつけてほしいのは、 エバーグリーンファネルの本質はこういった「どのツールを使って、設定はこうして」という部分には無いということなんです。
意外ですか?その気持ちも分かります。だって、僕がこんなにエバーグリーン・ファネルに関するコンテンツを出しているし、実装の仕方を解説した商品も出しているんですから。そりゃ「えっ、なぜですか?石崎さん」ってなりますよね。
確かに各ツールを高度なレベルで連携させた仕組みはカッコいいです。お客さん自身も「ああ、この人はこういう実装が組めるほどの実力があるんだな」と、販売者に信頼を寄せるんです。でも、エバーグリーン・ファネルの肝はそこだけではありません。
実は、それぞれのページで使われている言葉の洗練度だったり、ウェビナーのクオリティだったりします。ピッチ部分をしっかり出しているかも重要だし、オファーの内容も重要です。ファネルの実装というハードスキルの前に、セールス部分のソフトスキルも同じくらい重要になってきます。この辺は、僕のコンテンツでカバーされているので安心してください。
ツールの実装だけでなく、エバーグリーン・ファネルにおいても売りを立てられるソフトスキルについても、同時に学んでいってください。
まとめ:エバーグリーン・ファネルの改善を繰り返す
ここまで見てきたように、エバーグリーン・ファネルは魅力的な仕組みゆえに、その本質が誤って理解されている部分が少なくありません。最後に要点を3つにまとめました。
- エバーグリーン・ファネルは完全なパッシブインカムでなく、トラフィックの流入が必要になる。
- エバーグリーン・ファネルを作成後もABテストなどを通じて改善を行うことが望ましい。ただし以前ライブローンチに使っていたリソースをファネルの改善に回すことが可能である。
- エバーグリーン・ファネルの実装で重要なのはツールの設定だけではない。コピーライティングやセールスなどのソフトスキルも重要となる。
今回は以上です。また次回のレクチャーでお会いしましょう。