今回は、エバーグリーン・ローンチの成約率を1段階押し上げるために、2種類のツールを紹介します。1つはライブチャットであり、もう1つはソーシャルプルーフという社会的証明を使って商品を魅力的に見せるためのツールです。いずれもセールスページ上で購入を迷っている見込客に、購入する理由を与えることができます。このレクチャーでは、なぜこの2種類のツールが成約率をアップさせることが出来るのか?その秘密をお伝えします。
エバーグリーン・ローンチでは、ライブローンチや対面のセールスよりも、物が売れにくいというハンディキャップがあります。そのハンディキャップを克服するために、沢山のテクニックがあります。ページのデザインをしっかり作る、見込客を引き込む秀逸なタグラインを用意する、クオリティの高いウェビナーを撮影する、締切をきちんと設定する。そして、これらのソフトスキルとは別に、ツールを使うことで成約率をアップセルための方法が存在します。今回は、その方法について解説していきます。
今回お届けするノウハウはこちら
見込客の迷いに答えを出せるライブチャットツール
まず最初に紹介するのは、ページにライブチャットを導入するためのツールです。Zendesk Chatに代表されるような、リアルタイムのチャットツールです。
こんな風に、ページの右下にチャットウィンドウがあるのを見たことありませんか?最近では、日本でもチャットで問い合わせを受け付ける企業が増えてきました。ニトリなんかも、カスタマーサポートへの連絡方法にチャットを用意しています。
チャットでは、質問に回答するカスタマーサポートのスタッフが必要になります。なので、ある程度の売上規模が出てきてから導入することをオススメします。9時から5時まで、常駐するスタッフを置くのはコストが掛かるからです。ただ、こういったスタッフもクラウドワークスで探すことが出来ます。在宅で、パソコンさえあれば出来る仕事です。平日の昼間に対応可能な主婦の方などを中心に、何人かの外注さんでチームを組むと良いでしょう。もし人材が足りない場合でも、後でお話するChatbotの機能を使えば、一次受付を代替することが可能です。
では実際に、エバーグリーン・ローンチでこのライブチャットをどのように使うか見ていきましょう。ライブチャットが持つ機能とともに紹介します。
ライブチャットの機能#1:購入者の疑問にリアルタイムに答えられる
これはライブチャットが持つ基本的な機能ですね。疑問をその場で解消する素晴らしい手段です。これをエバーグリーン・ローンチのセールスページで活用しましょう。あなたのセールスビデオやセールスページを見た見込客は、多少なりともあなたの商品に対して疑問や迷いを持っています。その疑問や迷いに答えることで、それらを解消することを反論処理と呼びます。
あらかじめ想定される疑問や迷いに対して、ビデオやページの中で反論処理を入れておくのですが、どうしてもそれで納得してもらえないケースがあります。その場合は、反論処理の手段としてライブチャットを使います。
例えば、英語圏のトップマーケターであるMariah Coz(マリア・コズ)はセールスページの中で、ライブチャットを導入しています。彼女が使っているのもZendeskです。最後の最後で購入に背中を押して欲しかったり、本当に自分なんかが買って使いこなせるんだろうか?と思うことありますよね。そういったスタッフがオンライン状態でないときは、メールで回答を送っています。スタッフがオンラインの時には、すぐに返事が来るので、セールスマテリアルを見て浮かんだ疑問をその場で解消することができます。
ちなみにZendeskには、チャットだけでなくメールや電話からの問い合わせを一箇所で管理する機能があります。顧客からの問い合わせをまとめて処理できるので、これがすごく便利です。確かにZendesk以外にもライブチャットのサービスはありますが、他の問い合わせチャンネルと一元管理できるところにZendeskの強みがあります。
僕らもカスタマーサポートのツールにZendeskを採用しています。スタッフが増えても、お客さんからの問い合わせ1件1件に担当スタッフを割り当てることが出来るので、チームでカスタマーサポートを運営するのに向いています。
ライブチャットの機能#2:Chatbotで返信負荷を軽減できる
「スタッフを常に常駐させることが出来ない」「夜中はさすがにスタッフもオフラインでしょ」と思ったあなた、安心してください。ライブチャットには、そのための機能が備わっています。
それがChatbot(チャットボット)と言われれる機能です。Chatbotは、AIを使って返信を自動化する機能です。スタッフが不在でも翌日までメールを待たずにすみます。真夜中に顧客がウェビナーを見ていても、AIが顧客の質問に対して最適と思われる答えを返してくれるのです。
ClickFunnelsがこのChatbotの機能を上手に使っています。ClickFunnelsサポートのチャットウィンドウに質問を入力すると、まずスタッフと話す前に、参照すべき記事の一覧が出てきます。これはAIが自動で顧客の質問を分析し、Zendeskのシステムで構築されたナレッジベースから、関連する記事を引っ張ってきています。まずは顧客に関連する記事を参照してもらい、自己解決を促します。
もし、それでも問題が解決しない場合は「連絡をとる」というボタンを押します。そうして初めて、スタッフにチャットまたはメールができるようになります。スタッフのオンライン状態に関わらず、これはすごくスマートなやり方です。自動の回答を用意しておくことで、スタッフの負荷を減らしつつ、またスタッフ不在時への備えにもなります。もちろんお客さん側としても、自動の回答で即時答えが得られて、それでも解決できなればスタッフに質問できます。運営側、顧客側の両方にメリットのある素晴らしい仕組みです。
確かに、人が疑問を持つ場所というのはある程度決まっています。その疑問をセールスマテリアルの中で説明するのですが、お客さんも人間なのですべてに目を通してないこともあります。また、セールスで説明されていた部分を再確認したいというニーズだってあります。このライブチャットでは、そういったニーズを満たすことが出来ます。
具体的に用意すべき回答は、簡単に作ることが出来ます。エバーグリーン・ローンチで売上が上がるようになると、段々とトラフィックも増えて、サポートに質問が届き始めます。そういった質問をストックしておいて、Chatbotに入れておけば良いのです。そうやって、随時Chatbotをアップデートしてください。ZendeskのChatbotでは、こういった処理をコーディングなしで実装できます。本当に良い時代になりました。
安心感を演出するソーシャルプルーフ
次に紹介するのは、ソーシャルプルーフというツールです。ページに「何分前に購入がありました」といった通知を出せるものです。日本ではまだ馴染みがないですが、英語圏では至るところに使われています。
その代表的なサービスが、僕らも使っているProofというサービスです。ソーシャルプルーフには、他にもProveSource、FOMO、TrustPulse、Provelyなどの類似サービスがありますが、僕らはProofの見た目や操作が気に入って使っています。
エバーグリーン・ローンチでは、どうしてもページにライブっぽさや躍動感というものが不足しがちです。Proofはその躍動感を演出してくれるツールでもあります。リアルの場であれば、会場に集った沢山の参加者や場の雰囲気が気分を盛り上げてくれます。Proofを使えば、24時間で何人がこのページを見て、どのくらいの人がオプトインしたのか?実際に購入したお客さんがいるのか?といったことを嘘偽りなく表示できます。
結果的にファネルが動いて、商品が購入されているという感じをきちんと見せることができるのです。ここではエバーグリーン・ローンチで使えるProofの機能を、3種類に分けて紹介していきます。
Proofの機能#1:Recent Activity
最初に紹介する機能は、Recent Activityです。これは、最近あったオプトインや購入を表示できる機能で、Proofの機能の中で一番使う機能になるはずです。
例えば「10分前にオプトインがありました」や「30分前にこの商品が購入されました」といった表示を出すことができます。また表示の中に「テキサス州オースティンのメアリーさん」という風にお客さんの名前と地域を含めることが出来ます。これにより、一段と信憑性のある通知を演出することが出来ます。
やはり、実際に他人がオプトインしたり、商品を購入していると安心できますよね。
僕らもオプトインページや、セールスページ、クレジットカード情報を入力する決済ページ、そしてアップセルページなどで、この通知タイプを使っています。
Proofの機能#2:Hot Streaks
次はHot Streaksといわれる機能です。過去の一定期間でどのくらいの人が、ページを訪れたり、成約に至ったのかを表示してくれます。
先程のRecent Activityが1人1人の顧客の行動を表示したのに対して、このHot Streaksでは、期間内の人数という統計的なデータを表示することが可能です。ファネルにこんなに人が来てますよ、というライブ感を演出できるので、成約につながりやすくなります。特にファネルがうまくいき始めて、ファネルに流れるトラフィックが多くなって来た頃に表示すると効果的です。
表示するデータの種類も、設定で調整が可能です。表示する数字は、成約数なのかページ訪問者数なのか。期間は24時間、7日間、30日間のどこを取るか。また、件数が5件を超えたら表示を始めるというようなオプションも設定可能です。このオプションを使うことで、「24時間で1人が訪問しました」というような逆効果になってしまう表示を防ぐことが出来ます。
Proofの機能#3:Live Visitor Count
これは今現在ページを見ている人数を表示する機能です。これはエバーグリーン・ローンチよりもライブローンチのほうが向いているかもしれません。
例えば「限定10個の商品に対して、今79人がページを見ています」という表示をすれば、希少性や緊急性を強調することが出来ます。いずれにしても、Proofを使うことで動きのないページに活気を与えることが出来ます。他のお客さんの動きが見えないオンラインだからこそ、こういった仕組みは目立ちます。
まとめ:反論処理とライブ感で成約率を押し上げる
今回は、エバーグリーン・ローンチで成約率を押し上げる2種類のツールについて紹介しました。ライブチャットでは、顧客の疑問を即座に解決し、購入の障壁を取り払うことで成約率をアップさせることが出来ます。
ライブチャット、ソーシャルプルーフの両方に共通するベネフィットは、セールスページに活気を与えることが出来る点です。どうしてもセールスページやウェビナーでは、オフラインの場よりも臨場感が不足しがちです。そこに臨場感を感じられるのが、ライブチャットからの素早い回答であり、ソーシャルプルーフから見える商品の売れ行きです。
さらにこういった仕組みが導入されていると、それらを導入できるほどのスタッフ教育や、リソースの余裕を感じることが出来ます。「ああ、この人はうまくいっている販売者なんだな」という潜在的な安心感を、見込客に与えることが可能です。
繰り返しますが、今回紹介したこの2種類のツールの導入を焦って行う必要はありません。あなたのエバーグリーン・ローンチが、育ってきてから導入するので十分です。今は知識として持っておいてください。また必要になった段階でこのレクチャーに戻ってきてください。最後に要点を4つにまとめました。
- エバーグリーン・ローンチではライブローンチや対面のセールスよりも物が売れにくい。それを補うためにソフトスキルやツールが必要になる。
- Zendesk Chatなどのチャットツールをセールスページに設置することで顧客の迷いを解消し、成約率が上げることができる。返信作業には人間の他にChatbotも選択できる。
- 購入者や参加者数を可視化できるソーシャルプルーフツールを使うと社会的証明により成約率をアップできる。推奨ツールはProofである。
- チャットツールやソーシャルプルーフツールは、いきなり導入せずに売上が上がってから導入しても良い。
今回は以上です。また次回のレクチャーでお会いしましょう。