あなたは個人で広告運用するにあたって、広告クリエイティブをどう作り始めたら良いか?悩んでいませんか?ネットで調べても抽象的なアドバイスしか載っておらずガッカリしているかもしれません。そこでより具体的で実践しやすいノウハウをお伝えします。これを学べば、広告クリエイティブを前にして頭が真っ白になるのを避けることができるようになります。
Facebookに限らず広告運用を始める際に、最初に当たる壁としてクリエイティブの作成があります。とりあえず広告を出してみたいけど広告クリエイティブがないと広告は打てません。かといって適当なクリエイティブを作って配信して、大事な広告費を失うことも避けたいはずです。集客効率の悪い広告を作ってしまう前に、どんな広告を作ればよいのかというポイントを抑えましょう。ここでは広告で重要となる要素だけでなく、広告制作に使えるツールやスワイプファイルなども紹介します。レクチャーが終わる頃にはきっとあなたの広告制作が前に進むようになっているはずです。
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広告の要素すべてに役割がある
まずはFacebookで配信する広告がどんな構造になっているのか。そして広告がどのように見込み客の行動に影響を与えているのか。その原理を一緒に見ていきましょう。実際にユーザーのフィードに流れてくる1つ1つの広告に注目して解説します。この構造が理解できると広告を作るときに、何を考えればよいのかが明確になります。Facebookで配信する広告は次のような4つの部分に分かれています。
- クリエイティブ
- 見出し
- メインテキスト
- CTAと説明文
クリエイティブというのは画像や動画にあたる部分です。これは広告のうち一番目立つ部分です。このクリエイティブの役割は、見込み客を止めることです。見込み客はフィードをスクロールして多くの投稿の上を通り過ぎています。まずは一番目立つこのクリエイティブを使って、ユーザーの注意を広告に引き付けます。そしてまずは彼らのスクロールを止めて、立ち止まってもらうのです。
次に見出しです。これはヘッドラインとも呼ばれて、CTAボタンの横にあることが多いです。この見出しはクリエイティブをじっくり見たり、これから紹介する本文を読んだりするためのフックとして機能します。ユーザーが広告を見て手を止めた後、さらに広告への興味を引き付けるのがこの見出しの役割です。例えば僕は「わずか7日間でKindle書籍を作り出版する方法」とか「講座の制作から広告出稿までを30日間で」とったものを見出しに入れています。
次にメインテキストです。これはクリエイティブの上に配置されている小さな文章です。広告の本文です。これは広告へのクリックなどを誘導する役割があります。メインテキストには長い文章を載せることができますが、だいたいは3行ほどに短縮されて表示されます。そして「もっと見る」をクリックすることで全ての文章が読めるようになっています。本文の役割はこの「もっと読む」をクリックさせたり、または本文中にあるURLをクリックさせたりすることです。そこからランディングページやオプトインなどにつなげていきます。
最後にCTAと説明文です。CTAというのは投稿にくっついている行動用のボタンです。英語のCall To Actionの略ですが、ユーザーに広告を見るだけでなく具体的な行動を促します。このCTAボタン上には「詳しくはこちら」のような文言がついていることが多いです。またCTAボタンの横に小さな文字で説明文も入るようになっています。このCTAの文字列と説明文に関しては、広告上で補助的な役割を担っているので影響は小さめだと考えてください。
ここで紹介した各要素の役割はあくまで基本的なものです。実際には場合によってそれぞれの役割は微妙に変化することがあります。例えばクリエイティブが全部の役割を担うこともあります。ですが各要素とそれらをおおまかな役割を知っておくだけで、格段に広告制作がやりやすくなります。例えばクリエイティブはまずユーザーの手を止めさせるようにすればいいんだなと、具体的な方針が立てやすくなるからです。
良い広告を作るための4つのポイント
次に反応率や成約率の高い広告の特徴を見ていきましょう。それは次の4つのポイントに集約されます。
- 市場や見込み客を深く理解する
- オファーを洗練させる
- 優れたコピー文を用意する
- 優れたクリエイティブを作る
見込み客に反応してもらえる広告を作ろうと思ったら、まず市場や見込み客のことを理解してください。見込み客の悩みを的確にとらえ、ニーズを把握することが重要になるからです。ここが出来ていないとそもそも、彼らがどんなものを欲しているのかを理解することができません。見込み客が欲しがる適切な解決策を出せるようにしておきます。そうすることで、商品やオファーの作成だけでなく、どんな層に広告を出したら良いのかを考えやすくなります。
また広告を効果的に使いたいという場合には、オファーを洗練させるということも重要です。つまりこれはターゲットが欲しいと思っているど真ん中のものを作るということです。このオファーがダメだと、いくら広告やマーケティングでプロモーションしても意味がありません。最初からダメなものを広告で広めても、効率が悪いからです。オファーというのは様々な要素の組み合わせです。商品の切り口、商品の内容、価格、特典や保証内容といったものです。これらをうまく組み合わせて、見込み客が本当に欲しがるオファーができていることが大事になります。
魅力的なオファーがあってもそれを伝えるコピー文がショボければ、広告の効果が下がってしまいます。優れたコピー文を書くためには、さきほどの見込み客の理解が不可欠です。彼らの悩み、ニーズなどを言語化して提示してあげる必要があるからです。適切な見出しで見込み客を引き込み、分かりやすいメッセージを投げて、最後に具体的な行動を促す。その途中で見込み客の興味を引くようなストーリーテリングを盛り込むことも効果的です。
最後に優れたクリエイティブが必要です。見込み客を深く理解し、オファーを洗練させてきた。彼らの悩みをすくいとるようなコピー文を用意した。その仕上げとして、あなたのメッセージを視覚的に伝えてくれるクリエイティブを洗練させましょう。これには視覚的な魅力に加えて、あなたのブランドや個性を反映させたものであることも重要です。
広告スワイプファイルとなる3つのサイト
良い広告の作り方についての理論は学ぶ価値がありますが、理論だけでは具体的な行動へと移しにくいのも確かです。広告制作における最も貴重なアドバイスの一つが、スワイプファイルを作成し、それを参考にすることです。スワイプファイルとは、優れた広告やマーケティングのコピー、デザインなどを集めたファイルのことで、新しいプロジェクトの着想を得るために活用されます。
特に広告制作の初心者にとって、スワイプファイルの存在はとても重要です。実際の成功例を見てインスピレーションを得ることで、理論を実践に移す際のガイドとなります。また自分自身のFacebookやInstagram上に流れてくる広告を積極的に見ていくこともおすすめします。実際に僕自身も、良いなと思う広告を見つけたらすぐに保存して、いつでも見返せるようにしています。これらの広告スワイプファイルは何が視聴者の注意を引き、エンゲージメントを促しているのかを理解するのに役立ちます。
良い広告を自分で集めるのも良いですが、それだと時間も手間も掛かります。そこでスワイプファイルがまとまったサイトを3つほど紹介します。これらを活用することで時間を節約しつつ、広告制作のインスピレーションを得ることができます。スワイプファイルのサイトは次の3つです。
- Facebook広告ライブラリ(https://www.facebook.com/ads/library/)
- BigSpy(https://bigspy.com/adspy/facebook/#/main/home)
- Swiped.co(https://swiped.co/)
Facebook広告ライブラリは、Facebookが運営している公式資料です。無料で使うことができます。Facebook上で実際に運用されている広告を検索し、参考にすることができるとても有益なリソースです。競合の広告活動を調査したり、特定の業界でどのような広告が成功しているのかを見ることができます。日本語で使うことができ、地域を日本に限定することもできるのでとても便利です。ただし、広告の実例を見るためには何らかのキーワードで検索する必要があります。
BigSpyは、Facebookをはじめとする複数のプラットフォームにわたる広告のデータベースを提供するツールです。広告のトレンドを追跡したり、特定のキーワードや業界における広告のパフォーマンスを調査するのに適しています。英語のサイトですが、日本を選択すると日本の広告を見ることができます。広告ごとにインプレッション数や人気の度合いが数値で示されています。無料から使い始めることができ、上位プランは有料となっています。
Swiped.coは成功したマーケティングキャンペーンのコピーを集めたウェブサイトです。ほとんどが英語の資料です。広告キャンペーンやセールスページ、マーケティングメールなどの資料がまとまっています。このサイトが良いのはそれぞれのスワイプファイルに解説が付けられている点です。どの文章がどんな役割をしているのか。なぜそれが効果的なのかについての分析が添えられています。広告だけに特化したものではないですが、広告を行う上でかなり参考になるはずです。
クリエイティブを魅力的にする具体的なテクニック
では実際に魅力的なクリエイティブを作るための具体的なテクニックをいくつかお伝えしましょう。ここではテクニックを6つほど紹介します。どれも広告を作る際に覚えておいて損はない具体的なガイダンスです。
テクニック1:パターンインタラプトを使う
広告を作るときにはぜひパターンインタラプトを取り入れてください。パターンインタラプトとは意外性を生み出すという意味です。人々の日常や業界内での慣習からわざと逸脱した内容を作ります。それによって意外性を生み出し、視聴者の注意を引く手法です。予期せぬ出来事や驚きは、人間の持つ自動的な思考パターンを中断します。「またあれだよね」という予想を裏切ることで、広告に対する注意を強く引き付けることができます。
テクニック2:ネイティブ広告を使う
ネイティブ広告というのはプラットフォームの特性に合わせた広告のことです。視聴者がコンテンツとして自然に受け入れやすい形式です。良い例がiPhoneで撮った写真や動画を使うことです。FacebookやInstagramでは、ユーザーは友人の投稿を見たりすることに慣れています。高価なカメラではなくあえてiPhoneで撮影したクリエイティブを使うことで、広告感を消す効果があります。プラットフォームの中に自然な形で広告を溶け込ませることができるのです。このアプローチは広告への抵抗感を減らし、視聴者によりポジティブな反応を促します。
僕も昔は広告動画を一眼レフで撮影していました。オランダの家に三脚を立てて、30万円近くする一眼レフの前で広告動画を撮影していました。脇にはパソコンも置いて、そこからカメラを遠隔操作していました。大掛かりな仕掛けで最高級の動画を撮っていたんです。ですが、最近ではiPhoneを使って旅先で撮った動画を広告に使っています。不思議なことにiPhoneで撮った、ちょっとガタガタした動画広告からもしっかりと売上があります。まさにネイティブ広告がうまくいっている実例だと思います。
テクニック3:広告とランディングページの内容を一致させる
広告で意外と見落とされがちなこととして、広告とランディングページのメッセージの一致が挙げられます。ユーザーが広告をクリックするとき、彼らは特定のメッセージや提案に惹かれています。この期待を裏切らないためにも、ランディングページは広告と同じメッセージや提案を反映させる必要があります。メッセージの一貫性は、ユーザーが感じる混乱を最小限に抑え信頼を築く上で非常に効果的です。
なぜこれが見落とされがちかというと、ランディングページを作ったあとに広告を作るからです。広告を作るときに様々なメッセージの案を考えると思います。その際にだんだんとランディングページの訴求とズレていくということが起こります。僕も実際に広告運用をしていく中でこの罠にハマりました。広告とランディングページでターゲットがズレていたんです。こういったことを防止するためには、実際に広告からランディングページを通しで確認することをオススメします。
テクニック4:画像や動画の中の文字の量に注意する
クリエイティブの中に文字を詰め込みすぎないように注意することも重要です。かつてFacebookでは、広告における画像内の文字が画像全体の20%を超えることを制限する「20%ルール」が存在しました。このルールは現在廃止されましたが、画像や動画に文字を入れすぎないことの重要性は変わりません。文字が多すぎると視覚的にごちゃごちゃして見え、メッセージの伝達効果が低下してしまうからです。
画像や動画に文字を使用する場合は、必要最低限に留め、メッセージをシンプルかつ明確にすることが肝心です。視聴者が一瞬で理解でき、かつ記憶に残るよう工夫しましょう。ビジュアルコンテンツは、言葉よりも強力に感情を動かす力を持っています。その力を最大限に引き出すためには、ビジュアルとテキストのバランスを見極め、適切に調整することが重要です。
テクニック5:動画スクリプトの文言をクリーンにする
動画の中にネガティブなワードをたくさん入れたり、過度に恐怖を煽るような言葉を入れることも避けてください。実際にFacebookは動画の中で話されている内容までも自動でスクリーニングしています。そしてそれがプラットフォームに対して、有害ではないかをチェックしています。Facebookは人との交流を中心としたプラットフォームです。そのため、出来るだけプラットフォーム内をポジティブな場として保っておきたいと考えています。
ですがそこに不快な言葉や表現が出てくると、ユーザーは嫌な気持ちになります。そういったことを防ぐために、Facebookは通常の投稿だけでなく広告の中身もスクリーニングしているのです。プラットフォームの方針に抵抗するのではなく、それに適応するようにしてください。プラットフォームと親和性のあるクリエイティブを目指すことが、成功への近道となります。
テクニック6:画質などの品質よりもコンテンツを重視する
一般的にデジタルマーケティングにおいては、画像や動画のクオリティが高い方が有利だと考えられる傾向にあります。ですが実際には高い画質よりも、内容の質の方が成功の要素として大事になってきます。よく広告を見てても「よくこんなガタガタなデザインの広告が周り続けているな」と思うことがあります。それでも定点観測していると、メッセージの明確な広告は残り続けています。
僕たちはつい動画のクオリティや編集に凝ってしまいます。ですが、まずは広告の中で具体的に語られる内容やメッセージの方が大事だということを念頭に置いてください。見込み客の悩みを掘り下げたり、それに対する最適な解決策を提示したりといった具合です。また彼らを感情的に動かすようなストーリーなどの要素も大事です。品質よりもコンテンツが重要という事実は、低予算でも工夫次第で優秀な広告が作れることを意味しています。
動画編集にも使える5つの広告制作ツール
Facebook広告では、クリエイティブに画像だけでなく動画も使えます。あなたもどうせなら画像よりリッチな動画を使いたいと考えているかもしれません。ですが、動画編集というのは意外と大変です。習得に時間が掛かるのもそうですが、思っている以上に作業にも時間が掛かります。すべてのビジネスオーナーがプロレベルの動画編集スキルを持っているわけではありません。でも幸いなことに、オンラインには使いやすい動画編集ツールが多数存在します。専門知識がなくても魅力的な広告動画を作成できます。以下に動画編集にも使える5つの広告動画制作ツールを紹介します。
- Canva
- Lumen5
- Facebook広告のスライドショー機能
- クラウドワークス
- ココナラ
Canvaは、ドラッグアンドドロップで簡単にデザインをすることができるオンラインツールです。実は動画制作にも対応しています。豊富なテンプレート、画像、音楽ライブラリを利用して、プロフェッショナルな見た目の動画を簡単に作ることができます。実際に僕も動画制作でよくCanvaのお世話になっています。余談ですが、それだけ優秀なツールにも関わらず上場していないので彼らの株式を買うことができません。それだけが唯一残念な点だと個人的には思っています。
Lumen5はAIを活用した動画制作ツールです。「ブログ記事を動画にします」という衝撃的なキャッチコピーで売ってきたサービスです。動画素材だけでなくテキストや画像といったコンテンツから動画を作りだしてくれたりもします。ブログ記事やニュース記事から要点をまとめて、最適な画像やビデオを混ぜて動画にしてくれるという優れた機能を持っています。コンテンツのエッセンスを捉えた動画が短時間で作れるというすごいツールです。
Facebookのスライドショー機能は、簡単な画像から動的な広告を作成してくれる機能です。これはFacebook広告に標準で用意されている機能なので無料で使うことができます。手持ちの画像をいくつか入れるだけで動画風のスライドショーを作成してくれます。高額な機材や、編集ソフトを使いこなすスキルがなくても手軽に広告動画を作ることができます。
クラウドワークスやココナラはツールではありませんが、外注できるプラットフォームです。ここでは、予算に応じて適切なスキルを持ったフリーランサーを見つけることができます。動画編集だけでなく様々な外注先のフリーランサーが登録しています。スタッフなどを雇うことなく、動画1本から発注することができます。
まとめ:スワイプファイルとテクニックを使って優秀な広告を作る
ここまで成約率の高いFacebook広告クリエイティブの作り方を解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- 広告ではクリエイティブで読者の手を止め、見出しでさらに中身に引き込み、メインテキストやCTAで見込み客を行動に駆り立てる。
- 良い広告とは見込み客を深く理解し、洗練されたオファーを、優れたコピー文とクリエイティブに載せるものである。
- 広告を作る際には他社の広告を参考にするため、スワイプファイルを活用する。
- 優秀な広告を作るためには、様々なテクニックを使うことが重要である。
- 広告制作を行う場合は動画編集ツールや動画編集の外注を行うことも選択肢に入れる。