あなたはフリーランスでFacebook広告をやろうとしているかもしれません。ですが、広告の審査落ちが怖くて広告運用に慎重になってしまっていませんか?ここではFacebook広告の広告審査ポリシーを解説します。一度ポリシーを理解すれば、自信を持って広告を出せるようになります。
広告運用を始めた人は、みなさん一度は広告の審査落ちを経験します。最初から審査落ちする場合もあれば、広告が調子良く配信されている途中で審査落ちになる場合もあります。広告の審査が通らないと焦り、不安になります。そこで広告ポリシーに関する正しい知識を持ちましょう。正しい知識を持つことで審査落ちを回避しながら、スムーズに広告を運用できるようになります。
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Facebook広告は消費者保護のために広告ポリシーを定義している
多くの広告プラットフォームでは広告に関する様々な制限を設けています。それらは広告ポリシーと呼ばれ、広告はポリシーに沿って審査されることになります。審査の結果、広告プラットフォームがポリシーに違反していると判断した広告は修正するまで配信ができなくなります。
Facebook広告も例外ではありません。Facebook広告も様々な項目にわたって広告ポリシーを設定しています。幸いなことにこれらのポリシーは公式情報としてオンライン上に公開されています。そのため、僕たちは事前にこれらの公式情報を確認しておくことでポリシー違反を回避することができます。
なぜこういった広告ポリシーが存在するのでしょうか?それは消費者を守るためです。Facebookはソーシャルメディアです。消費者が心地よく使える環境を提供することでユーザーを集めています。もしユーザーが不快な経験をしたり、騙されたりする経験をしてしまうとプラットフォームから離れてしまいます。
消費者の安心や安全を守ることで、彼らにプラットフォームを使い続けてもらえます。消費者がアクティブにプラットフォームを使ってくれるので、結果的に広告主にとってもプラスに働きます。このような消費者保護の観点を理解しておくと、広告ポリシーの理解もしやすくなります。
Facebookの広告ポリシーはアップデートされることもあるため、ここではすべてを解説することはできません。そこでいくつかの重要なポリシーを取り上げて解説します。特に重要だと思われるいくつかの項目についてピックアップしました。それは次の4つの項目です。
- 個人の特性
- 扇情的なコンテンツ
- 個人の健康および容姿
- 存在しない機能
- 機能しないランディングページ
これからこの5つの項目について解説していきます。ただしここで注意です。これらの広告ポリシーは変更される場合もあり、新しい項目が追加される場合もあります。そのため実際に広告を配信する前には、必ずFacebook広告の公式ページで広告ポリシーを一読しておくことをオススメします。
参考:https://transparency.fb.com/policies/ad-standards/
ポリシー1:個人の特性を示唆したり聞いてはいけない
1つ目のポリシーは、個人の特性(Personal Attributes)と呼ばれるものです。広告で消費者の特性を知っていることを示唆したり、または彼らの特徴について質問することを禁止するものです。例えば「太っているあなたに朗報です」や「あなたは肥満ですか?」のようなことを言ってはいけないということです。
ここで問題とされる個人の特性には次のようなものがあります。個人の人種、民族、宗教、思想、年齢、性的指向または性生活、ジェンダーアイデンティティ、障がい、疾患を含む身体の健康やメンタルヘルス、不安定な経済状況、投票状況、労働組合への所属、犯罪歴、名前などです。
なぜこのポリシーがあるかというと、消費者に不快感を与えないためです。Facebookは消費者に関するある程度のデータを持っています。ですが、消費者に対して「あなたのことを知ってますよ」とあからさまに言ってしまうと問題になります。自分のことを知られていると感じて、気持ち悪いからです。
また消費者自身が自分の年齢、経済状況などについて気にしているかもしれません。高齢だったり、失業していたりということをあえて指摘されると嫌な気分になります。そのため、相手の特徴を示唆したり、その特徴を持っていることを質問する行為は禁止されています。
例を出しましょう。「うつ病と診断されたあなた、無料のセラピーを提供します」と広告があったとします。これはうつ病という健康状態に関する特徴を示唆しているのでNGとなります。これを改善するのでは自社のサービスの特徴としてうつ病のセラピーにも対応していると主張することが良いでしょう。
では「破産しましたか?ご安心ください、うちの法律事務所がお手伝いします」というものはどうでしょうか?これも相手の経済状況を尋ねてしまっているのでNGです。代わりにあなたの法律事務所が破産手続きをどのようにお手伝いできるのかを説明してください。
ポリシー2:扇情的なコンテンツの広告を出してはいけない
次に紹介するのは扇情的なコンテンツ(Sensational Content)と呼ばれるものです。これは相手にショックを与えたり、恐怖心を与えるようなものです。広告に興味を持たせるために、刺激の強いものや暴力的なものを見せてはいけないというポリシーです。これには身体の一部を切断するなどの刺激的なものや、動物が狩りに捕まって苦しんでいるようなものも含まれます。
他にもニキビが潰れたりする様子など、衛生や身だしなみに関する生々しい描写も対象になります。医療行為であっても目に見える苦痛があるものはNGになります。いずれにしても衝撃的であったり、恐怖心や嫌悪感を与えるものはすべて禁止の対象になります。広告ではフックとして人々の興味を引く必要がありますが、そういった場合にこれらの扇情的な内容を使わないように気をつけてください。
ポリシー3:個人の健康および容姿
健康関連やダイエット、美容の分野で広告を出す際にも注意が必要です。健康や容姿いった項目にも制限がついています。これは個人の健康および容姿(Personal Health and Appearance)と呼ばれます。例えばよくあるのがダイエットでBefore、Afterを出すパターンです。これはFacebook広告ではNGとなっています。またキレイに割れた腹筋の画像を拡大して全面に出すのもNGです。
この「個人の健康および容姿」という項目では、単に健康や容姿に言及してはいけないというわけではありません。健康や容姿に関して、特定の理想を押し付けたり、不安を煽って行動を促すような内容が禁止されているのです。ネガティブなイメージを助長するものも禁止です。またある人物の健康状態をクローズアップして、画像として見せることすら禁止しています。
先ほどのキレイに割れた腹筋の拡大画像は、それがあたかも理想的な姿だと主張しているように感じます。そのためこのポリシーに違反するものになります。また逆にネガティブなイメージを見せるものも禁止です。例えば女性のシワの画像を拡大することもポリシー違反になります。これはネガティブなイメージを助長して、シワを改善することを消費者に強要する可能性があるからです。
ポリシー4:存在しない機能を宣伝してはいけない
次に紹介するのは存在しない機能(Nonexistent Functionality)と呼ばれているものです。実際に存在しないボタンなどを、あたかも存在するように見せる行為です。例えば、ただの画像に再生ボタンのようなものを付けてクリックを誘導するようなイメージです。他にも画像の上に偽のいいねボタンなどをつけるような行為です。インタラクティブなコンテンツだと偽装させるような仕掛けはすべてNGになります。
実際には機能しないボタンだけでなく、チェックボックスのようなものも対象です。または「タップして登録」と書いてあっても、実際には登録できず他のページに飛ばされたりするものもNGです。アンケートを偽装して、YES NOを選ばせるようなダミーの選択肢なども禁止になります。色々な手を使って広告をクリックさせたくなるとは思いますが、このような偽装コンテンツを作らないよう注意してください。
ポリシー5:機能しないランディングページも規制の対象になる
最後に紹介するのは機能しないランディングページ(Non-Functional Landing Page)と呼ばれるものです。簡単に言ってしまうと、広告から飛んだ先のランディングページに不備があるということです。例えば、ランディングページが工事中やエラーページだとNGです。セキュリティに関する警告が表示されていても駄目です。またランディングページが特定の地域のIPアドレスだけに表示される様になっている場合もNGです。
ページ内のコンテンツにアクセスするために、何かのアプリやツールをダウンロードする必要があるものもNGです。ランディングページの内容がPDFだったり画像ファイルだけである場合もNGとされます。またこれは気をつけて欲しいのですが、ランディングページを離脱するときにそれを妨害するような無関係なポップアップを出す行為も禁止の対象となります。着地してすぐに別のページにリダイレクトされるものも禁止です。もちろん、広告の内容とランディングページが一致していないものも禁止になります。
1つのビジネスに1つの広告アカウントを使う
Facebook広告では、広告の内容とは別にアカウントの運用についてもポリシーを定めています。これは複数のビジネスをやっていたり、広告代理店を始める場合に必要な知識です。Facebook広告では、1つのビジネスにつき1つの広告アカウントを使うことが求められます。つまり1つの広告アカウント内に、複数のビジネスを混在させてはいけないということです。
そのため、あなたが複数のビジネスで広告を出そうとしている場合は、ビジネスごとにアカウントを分けてください。またあなたが広告代理店をやる場合や、他人のアカウントを運用する場合も注意が必要です。その場合もクライアントやビジネスごとに広告アカウントを分ける必要があります。また既にあるビジネスで使用していたアカウントを、別のビジネス用に変更する行為も禁止されています。これらのポリシーに気をつけてFacebook広告を運用するようにしてください。
まとめ:広告運用前に広告ポリシーを正しく理解しておく
ここまでFacebookの広告ポリシーについて解説してきました。最後に要点を7つにまとめました。
- Facebook広告では消費者保護のために広告ポリシーと審査制度を設けている。
- 広告では個人の特性を直接指摘したり質問したりしてはならない。
- 広告では扇情的な内容で消費者にショックや恐怖心を与えてはならない。
- 広告では個人の健康や容姿に関して、特定の理想を押し付けたり、不安を煽ってはならない。
- 広告ではクリックを誘発するようなインタラクティブな機能を偽装してはならない。
- 広告ではランディングページに不備があったり悪質性がないことが求められる。
- 広告ポリシーはアップデートされる場合があるので、広告運用前に公式情報を確認する。