あなたは他人の広告を運用して報酬をもらいたいと考えているフリーランスで、Facebook広告の数値分析について知りたいと思っていませんか?そこでFacebook広告のパフォーマンスを追跡する方法をお伝えします。広告のパフォーマンスを見るときに、どの数字を使うべきか悩むことがなくなるはずです。
広告を運用しようという際には、まずどのように広告を設定し配信すればよいかを調べると思います。実はそれに沿って広告を配信した後も、広告のパフォーマンスを細かく確認していく必要があります。その際にどの数字を確認すべきか迷うはずです。ここでは見るべき数字の種類を紹介していきます。広告の種類ごとにどんな数字を見ればよいのか、早速みていきましょう。
今回お届けするノウハウはこちら
基本原則:ファネルの奥の指標を優先する
あなたはFacebook広告のレポート画面を見たことがあるでしょうか?見たことがない人でも、広告に興味がある人はCTRやCPCといった言葉を聞いたことがあるかもしれません。他にもCPMやCPL、インプレッションやリーチなどの言葉が存在します。これらはすべてFacebook広告の分析に使われる指標のことを指しています。
仮にそれぞれの意味を知っていたとしても、いざ実践になるとどの数値を見たらよいのか迷ってしまうはずです。細かい見方は色々とあるのですがここでは1つ、大原則をご紹介します。それは「ファネルの奥の指標を優先する」という原則です。別の言い方をすると、広告の目的により近い数値を優先して見るということです。
例えば、広告をクリックされた回数と売上という2つの指標があるとします。この場合の広告キャンペーンの目的が売上であれば、売上の数値の方を優先しなさいという意味です。確かに売上を得る上で、かならず広告のクリック回数は必要になります。広告がクリックされた結果として売上が計上されるからです。この場合、クリック回数がファネルの手前の指標、売上がファネルの奥の指標になります。
いくら手前の指標が良いとしても、最終的な目的が達成されなければ意味がありません。そのため、クリック数やクリック率は良いのに売上がなかなか出ない広告というのは、あまりよくない広告ということになります。これは1つの例ですが、このようにどの指標を見るべきか迷ったらファネルの奥の指標を優先するようにしてください。
レポートでセットすべき基本の指標を紹介します
では実際にFacebookの広告マネージャで見るべき指標を解説していきましょう。広告には色々なファネルがありますが、まずは基本的な指標の組み合わせを紹介します。広告マネージャのレポートにセットすべき指標は次のとおりです。
最初に設定すべき基本のレポート項目
- 配信
- 掲載期間
- 予算
- 消化金額
- リーチ
- インプレッション
- フリークエンシー
- CPM(インプレッション単価)
- CTR(すべて)
- CTR(リンククリックスルー率)
- リンクのクリック
- CPC(リンククリックの単価)
1つずつ意味を解説していきます。「配信」とはキャンペーンや広告セット、広告などの現在の配信状況を表す項目です。広告が配信されていればアクティブという表示になります。またここでは広告のエラーや審査中、審査落ちなどのステータスも表示してくれます。次は「掲載期間」です。ここには広告が配信される期間が表示されます。広告の掲載開始日、終了日などが設定されている場合もその設定がここに表示されます。掲載期間は広告セットのみに表示される項目です。
次は「予算」です。ここにはあなたが設定した広告予算が表示されます。予算は1日ごとと通算の2週類の設定がありますが、あなたが設定した期間ごとの予算が表示されます。次の「消化金額」は実際に掛かった広告費を示しています。消化金額はキャンペーン、広告セット、広告のどのレベルでも見ることができます。広告が配信中の場合は、消化金額が正確に集計されるまで最大48時間かかります。その間は推定値として表示されることがあります。
次に紹介するのは「リーチ」です。これは広告を1回でも見たユーザーの数を示しています。この数はユニークユーザー数で表示されます。「インプレッション」は広告がユーザーに表示された回数です。リーチがユニークユーザー数を示すのであれば、インプレッションは広告の表示回数の総和を示しています。あるユーザーが1日に2回広告を見た場合、リーチは1ですがインプレッションは2とカウントされます。
次の「フリークエンシー」という数値は、1人のユーザーに広告が平均して何回表示されたかを表すものです。フリークエンシーは1人あたりの表示回数なので、インプレッションをリーチで割ることで求められます。フリークエンシーの数値が高い場合は、ユーザーが何度も広告を目にしているということを意味しています。
次に紹介する「CPM」は、インプレッションの単価を表しています。つまり広告が表示されるのに掛かる単価です。表示回数1000回ごとに掛かる広告費を示しています。なぜ1000回なのかというと、1回ごとのインプレッションの単価が非常に小さくなるケースが多いからです。1インプレッション0.1円のような数字になると扱いにくくなります。そのため1000回ごとという少しまとまった単位で、広告の表示単価を示しています。
次に紹介するのは「CTR」です。これはインプレッション数に対するユーザーのクリックの割合です。例えばインプレッション1000回につき10のクリックがあればCTRは1%となります。またFacebookでは2種類のCTRの値が用意されています。「CTR(リンククリックスルー率)」はCTAボタンや、広告の説明文の中にあるURLなど広告プラットフォーム外部へのリンクがクリックされた率です。「CTR(すべて)」には、その他にいいねや画像、プロフィールのクリックなどが含まれます。
これに関連して「リンクのクリック」という項目も紹介します。これは先ほどのCTR(リンククリックスルー率)で測定された、クリックの総数のことです。つまりこれは広告主が独自に指定したリンクが何回クリックされたかを示します。外部サイトへのリンクの他にも、電話の発信、メッセージの送信、リード獲得フォームへのアクセスなども含まれます。その次の「CPC(リンククリックの単価)」は、今説明したリンクのクリックを1件獲得するための平均の広告費を示しています。
カスタマイズした列プリセットを保存する
広告マネージャのレポート画面では、広告パフォーマンスを見ることができますよね。ここには色々な指標がカスタマイズできます。自分で好きな指標を追加することができるんです。見やすい指標の組み合わせができたら、ぜひそれを保存してください。列プリセットという機能を使えば、簡単にそれらを保存することができます。
やり方は簡単です。列のメニューから「列をカスタマイズ」を選びます。そして、自分の好きな指標を入れて順番も設定します。列のカスタマイズ画面の左下に「列プリセットを保存」というチェックがあります。このチェックをクリックしてください。そこにプリセットの名前を入力して、あとは実行ボタンを押すだけです。次回からは列のメニューでお気に入りのプリセットにすぐにアクセスできます。基本の項目をプリセットとして保存しておくのも良いでしょう。
アトリビューションとは何か?
ここで広告におけるアトリビューションという大事な概念について説明しておこうと思います。なぜなら、Facebook広告を触っている上でこのアトリビューションという言葉に遭遇することがあるからです。レポート画面でもアトリビューションという言葉を目にすることがあります。そのため、あらかじめアトリビューションについての理解を深めておきましょう。
「アトリビューション」というのは、広告がどのくらい成果に貢献したのかを確かめる方法のことです。ここで言う成果とはリードの獲得だったり、売上など広告の目的とする成果のことです。オプトインや売上が本当に広告経由だったのかを確かめる方法と言い換えることもできます。例えば広告をクリックしてオプトインページにたどりついたけれど、その時にはオプトインしなかったとします。そして時差で3日後にオプトインされたとしましょう。
マーケティングの世界ではこのように時差で成果が発生するということがしばしば起こります。それをある程度正確にトラッキングする仕組みがアトリビューションだと考えてください。そしてユーザーが広告を見たりクリックした後、何日間トラッキングをするかという期間のことを「アトリビューションウィンドウ」と呼びます。
このアトリビューションウィンドウは、クリックから1日、7日などいくつかの種類から選ぶことができます。ちなみに広告レポート画面で、「アトリビューション設定」という項目を追加するとどういうアトリビューションの設定になっているかを把握することができます。
見込み客を獲得する広告における追加項目
先ほど、最初に設定すべき基本の項目について見てきました。ここからは広告の種類やファネル別に個別で追加すべき項目を見ていきましょう。まずはリード獲得広告です。この広告は広告プラットフォーム内部で見込み客のメールアドレスや電話番号を取れるものです。リードになってもらうために外部サイトへ誘導する必要がありません。
- ランディングページビュー
- リード
- リードの単価(CPL)
「ランディングページビュー」というのは、見込み客が広告でリンクをクリックし、実際にリンク先のページが読み込まれた回数のことです。そういう意味では先ほどの「リンクのクリック」と似ています。ですが、ランディングページビューは実際にランディングページをしきって初めてカウントされます。そのためユーザーがリンクをクリックしたけど、ページの読み込みが終わる前に閉じた場合はランディングページビューにはカウントされません。
「リード」の項目には、顧客情報を獲得できた見込み客の数が表示されます。ここにはピクセルからの情報や、APIからの情報が含まれます。そのため、あなたのサイトに埋め込まれたピクセルからの情報で、リードの登録完了を判断している場合もあります。そのリード1件あたりの獲得に掛かる広告費が「リードの単価」です。これは消化金額をリードの数で割った値として計算されます。
長いファネルの場合の追加項目
冒頭で紹介した基本のレポート項目は、シンプルな広告ファネルの場合に適しています。もし少し複雑でスパンの長いファネルの場合には次のような項目の追加も検討してください。
- 登録完了
- 登録完了の単価
- カートへの追加
- [カートに追加]の単価
- ウィッシュリストへの追加
- ウィッシュリストへの追加の単価
登録完了やカートへの追加、ウィッシュリストへの追加という項目はすべてピクセルなどを通してシェアされる情報です。そのため実際にどうなったらそれらの数値がカウントされるかというのは、広告主が任意に決めていきます。登録完了というのは例えば個別相談やウェビナーのようなものに対する登録完了を測る事が多いです。カートへの追加は商品をカートに入れるという意味です。ウィッシュリストはAmazonの欲しいものリストにあたるものです。ファネルが複雑になった場合にはこれらのカウントと同時に単価を割り出す必要もあるかもしれません。
Messenger広告の場合の追加項目
Facebook広告にはメッセンジャーによる会話に誘導する広告があります。それがMessenger広告です。Messenger広告の場合には基本の項目に加えて、次の項目を設定してください。
- 結果
- 結果の単価
- メッセージスレッド開始
- メッセージスレッド開始の単価
「結果」という指標は、キャンペーンで設定した目的が達成された回数のことです。Messenger広告の場合は、メッセージへの誘導回数のことになります。また「メッセージスレッド開始」は、7日間以上アクティビティがなかった利用者がメッセージを開始した回数のことです。またこの2つの指標に対する単価も入れておくと便利です。
Eコマースや商品販売の場合の追加項目
広告から商品の購入ページに誘導し、直接商品を販売する場合もいくつかの項目を追加しておきましょう。冒頭にお伝えした基本のレポート項目に追加してください。商品販売の場合に追加すべき項目は次のとおりです。
- コンテンツビュー
- カートへの追加
- [カートに追加]の単価
- 購入
- 購入の単価
- 購入ROAS(広告費用対効果)
「コンテンツビュー」というのは、ピクセルなどを通じて得たデータです。そのため色々な数値を設定できます。ですが基本的には広告をクリックして飛んだ先の商品ページなどが表示された回数だと考えてください。「カートへの追加」や「購入」というのも基本的にはピクセルを通じて取得したデータです。基本的にはそのままの意味です。ここでもそれぞれの単価をモニターすることを忘れないでください。
フィルターでキャンペーンや広告セットを絞り込む
広告運用を続けていると、複数のキャンペーンや広告セット、広告がどんどん増えていくと思います。様々なバリエーションの広告を用意してテストをしながら進める上で、それは仕方のないことです。広告の数が増えるとだんだんと数字が見にくくなってきます。そこで広告レポートを見るときに、必要な広告だけを絞り込んで表示するようにしましょう。
それがFacebook広告マネージャのフィルター機能です。様々な条件によってキャンペーン、広告セット、広告ごとに表示項目を絞り込むことができます。オススメは手動で選んだものだけを表示する機能です。キャンペーン、広告セット、広告の左側にチェックボックスがあります。ここにチェックをつけ、表示したいものだけを選びます。
次に画面上部にある「検索とフィルター」から「選択オプションでフィルター」を選びます。これで選択したものだけを表示することができます。スッキリとした画面で数字を確認できます。他にも、配信状況やキャンペーンの目的、指標の数値によってフィルターすることができます。レポートを見るときにはフィルターで画面を見やすく整理できることを忘れないでください。
レポートの集計期間はアトリビューションの期間に合わせる
最後にレポートの集計期間の選び方をお伝えします。Facebookの広告マネージャでは、右上に広告データの集計期間を選ぶ場所があります。ここで過去何日分のデータを表示するかというのを選ぶことができます。好きな集計期間を選んでもらって良いですが、オススメは広告のアトリビューションの期間に合わせることです。
すでにアトリビューションについてはお伝えしました。アトリビューションは、広告から来たお客さんが何らかの行動を取るまでトラッキングする仕組みでしたね。そのため、例えばアトリビューションが「クリックから7日間」のような場合は、集計期間を7日間にしてみると良いでしょう。もちろん、過去30日の推移なども適宜確認することが必要になるかもしれません。アトリビューションの期間を軸に、集計期間を選ぶというアイデアを持っておいてください。
まとめ:基本の指標を中心に広告パフォーマンスを確認する
ここまでFacebook広告のパフォーマンスを数値で確認する方法をお伝えしてきました。最後に要点を6つにまとめました。
- 広告マネージャのレポートにセットすべき基本指標は、配信、掲載期間、予算消化金額、リーチ、インプレッション、フリークエンシー、CPM、CTR、リンクのクリック、CPCである。
- レポート画面上でカスタマイズした指標はプリセットとして保存可能である。
- アトリビューションとは広告がどのくらい成果に貢献したのかを確かめる追跡の仕組みのことである。
- レポートの指標は基本のものを中心に、広告の目的やファネルによって適宜カスタマイズする。
- フィルター機能を使えば複数の広告の中から特定の項目だけを表示することができる。
- レポートの集計期間はアトリビューションの期間を軸に考えると良い。