こんにちは、竹岡佳信です。このレクチャーでは『高額商品が必要な理由』についてお話をしていきたいと思います。
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高額シフトで得られるもの
『高額シフト』で得られるものは、大きく分けて4つあります。
- 客層の変化
- 新規集客コストの低下
- 顧客の成功率アップ
- 顧客のファン化
客層の変化
高額シフトをするということは、高いお金を出せるお客さんの層を狙っていくことになります。お客さんの層は不思議なことに桁ごとに分かれています。 例えば、一つのニッチで有益な動画のコンテンツがあったとします。「ニッチであまり売れないだろう」と考えて500円で売ります。そうすると、500円しか出せない人が集まってきます。
何か有益な情報を手に入れるために500円しか出せないお客さんに、その先、何万円、何十万のものを売ろうとしても売れません。 逆に、同じ動画コンテンツを「このニッチにはすごい価値がある」と考えて5万円で売るとします。そうすると、ニッチなノウハウを探していたお客さんは5万円でも喜んで買ってくれます。ノウハウによるリターンが遥かに上回れば5万円は安いものです。
役に立つことが分かれば、その後50万円や100万の商品であっても買っていただける可能性が高いです。そのお客さんは、役に立つノウハウはそれなりの価格を出さなければ手に入らないと考えているので、500円の商品を買うことも、内容を確かめることもありません。 つまり、客層が全く違います。
500円のフロントエンドを買う人は、その先せいぜい数万円のものぐらいしか買えません。有益な情報であっても、できるだけ安い方が良いという価値観を持っています。 逆に、5万円のフロントエンドを買う人は、本気で有益な情報を探しているということです。有益な情報が得られるのであれば、数十万はもちろん100万円以上の金額でも出せる準備ができています。
どの顧客層をを狙うのか?どの層のお客さんとお付き合いをしていきたいのか?自分で決める必要があります。 もちろん「低価格層を広くとるんだ」という風に考えるのも一つのアイデアです。逆に「高額層を小規模にとっていくんだ」という風に考えるのも一つの戦略かと思います。 高額を出せる層を狙うのであれば、当然、高額な商品が必要です。
商品が高額になればなるほど、高額を出す人ほど自己責任の意識が強くなります。50万円の商品があったとしたら50万円の投資をする感覚でお金を支払います。「50万の投資をして500万のリターンを得よう」「500万円の投資をしたら5000万、1億のリターンを得よう」というように、先に投資をして回収をする投資先行型の考え方がしっかりと理解されています。それを普通にやっている方が高額層には多いのです。
逆に「500円や5,000円で買うかどうか考えてしまう」「数万円までしか出せない」という考え方の人は財布の大きさが決められています。「お金を出すの嫌だなー、仕方がないから出そう」みたいな人が多いです。 つまり、商品を買うと「お金を取られた」という感覚になってしまうのです。期待した成果が得られないと500円の物でも返金しろと言ってきたりします。
そういう人に限って商品を買っても必要なことの半分も行動していなかったりします。我々が提供するコンテンツはノウハウをお伝えしているものがほとんどです。コンテンツの内容に沿って行動していただかないと、その人に変化は起こりません。
そもそも自己責任の意識がないということは、変化したいのに自分では何もしません。内容を見るだけでは変わらないのは当然です。変化しないことを「コンテンツの内容が悪いからだ」と考えてしまう方が多いです。この低価格層の方を狙っているとクレームが多くなります。
高額層の方は「自分で判断をして自分で買った」と考えるのでクレームや返金要請はほとんどありません。さらに回収リスクも非常に低いです。50万円のものを5万円×10回の分割で売ったとしても、ほぼ回収リスクはないです。 自分で判断して自分で投資をしたのだから、たまたま金利等を考えて分割の方が良いと考えただけなので支払うものは必ず支払います。
低価格層は常に支出が少ない方がいいと考えています。請求が来なければバックレてもいいという感じの人がたまにいます。
まとめると、高額層と低価格層のどちらの客層を狙うか?に関しては、低価格層には自己責任の意識が低い方が多いです。その分、クレームが多いし、回収リスクもあります。高額層は、自己責任で投資をしてリターンを回収するために行動していくという意識が染み付いています。自分で判断をして自分で投資をしたと考えているので、クレームや回収リスクもとても少ないです。
新規集客コストの低下
安いもの売るとしたら、たくさん売らなければなりません。いつも新規集客にパワーをかけている必要があります。ビジネスのプロセスの中で、もっともコストがかかるのが新規顧客獲得の部分です。
低価格のものを売っても高額なものを売ってもほとんど変わりません。低価格のものを売る方が簡単だと考えがちですが、高額層の人達は「そんな安いものに、本当に効果があるの?」と考えるので、低価格のものの方が売れなかったりします。
集客コストは量に比例します。安ければたくさん売れるということではありません。高額層が反応するメッセージだけを発信し続ければ、価格が高くても高額層が反応します。 安いものを探しているお客さんは、色々な競合商品を見て「こっちの方が10円安いから、安い方を買おう」という判断をします。
逆に、高額商品を買ってくれる人は、誰から買うか、この人は本当に信頼できるかを確かめます。ノウハウは情報だけであれば誰のものでもほとんど同じだったりしますが、そのノウハウを実際に使ってみた結果、
- 何を作り上げたのか
- 何を実現したのか
- どうしてそのノウハウを使うようになったのか(背景情報)
- ノウハウを使った結果に至るプロセスでどのような経験をしたのか
というところに重点を置きます。 だから、ノウハウが同じであれば誰から買ってもいいとは思っていません。同じノウハウでも顧客が本当に役立てるためには「この人から買わなければいけない」ということが明確になります。
だから、我々が高額商品を売る時には「このノウハウを使った結果こうなった」「このノウハウを使うプロセスの中でこんな経験をした。そして、その経験がこんな人に役に立つはずだ」ということを想定して訴求しましょう。そうでなければ高額な客層には売れません。
安ければたくさん売れるということはありません。新規の集客コストを大量にかけて低価格のものをたくさん売ろうとするよりも、高額な商品を本当に必要としている方に販売しましょう。同じ売上でも集客コストを低下させ、結果的に収益率を向上させると考えた方が良いということです。
顧客の成功率がアップする
顧客の成功率がアップするというのは、高額を支払った分、顧客も真剣に取り組むという効果が期待できるということです。 例えば、タイトルに惹かれて1,600円の本を買いました。結局、他にやることがたくさんあって、時間がないので本を読まずにそのまま積んどくということになったことはありませんか?
下手をしたら1年ぐらい同じところに積まれたまま、たまたま本屋で役に立ちそうな本を買ってきたら同じ本が家にあったなんていうことも結構あるかもしれません。 動画のコンテンツや教材でも同じで、数千円程度の「役に立つかも・・」と感じたものは、とりあえず買っておいて「後から見よう」となりますが大抵は後から見ません。
逆に、5万円の教材を買うと真剣に取り組みますよね。つまり、高額を支払ったおかげで「この教材で何かを成し遂げよう」というコミットメントが働くようになります。商品を提供する方も、自分を信用して高額を支払ってもらっているわけです。その分「クオリティを少しでも良くしよう」「成果を出してもらおう」と提供側の意気込みが伝わってくるような商品が多いかと思います。 つまり、買う側も売る側も高額だからこそコミットメントが働きます。そして、お互いに良い効果が生まれていきます。
買う側は、取り組む高いモチベーションが上がります。売る側は、お客さんが実際に効果が出るように改善を重ねていきます。このように顧客と提供者の間にとても良い循環が出来上がります。高額シフトをした方が成功への道のりは早くなると考えています。
顧客のファン化
高額シフトをするとファンが増えます。 それは、実際に商品を使用した結果、成果が上がるからです。 自分が望む状態を実現するために高額を支払い、その教材を学習し、自分が変化する。教材の内容を理解できたからこそ成果が上がるわけです。
「この人の言ってることは、とてもよく分かるし自分に合っている」「次に何かこの人が教材を出したら、有益なものに違いないから内容を確認しておこう」という一定の評価が出来上がっていきます。そして、ファンになってくれます。 ファン化が進むと「その人が新しい商品を出したら、とりあえず買っておこう」くらいに進んだりもします。
人は物を買う前はいろいろ迷いますが、買った後は自分が買ったものが良いという証拠を探します。だから、自分で自分の判断を正当化しようとします。高額であればあるほど「これはいいものだ」という証拠を一生懸命探し始めるということです。
良い買い物だと思うために、自分がその効果を出します。逆に言えば、効果が出なければ自分の判断を正当化することができないので良いものだと思えなくなります。だから、とにかく効果を出すように行動するようになります。
例えば、教材や商品の説明が多少不足していたとしても、不満に思うのではなく自分で調べさせることで「成長させてくれたんだ」と思うくらいの感覚になっていきます。 そういう方は実際に成功します。お客さんの声として「この教材で学んで、このような成果がありました。これはとても良い教材です」と商品が良いものであることを証明してくれるようになります。
それは、自分の判断が正しかったことを証明して見せたいという欲求の現れです。ファンであることを見せることで、より自分を納得させるという効果があるのです。 そして、提供側が知らないところで「あの商品はいいぞ。本当に買うと良いよ。この成果はあの商品のおかげなんだよな」と商品の効果や、そのプロセスの経験を語ってくれるようになります。
いいこといだらけですよね。 低価格のものであれば商品による効果とは考えずに自分の努力の結果だと考えがちです。 今までの商品と同じものでも構いません。もし、あなたが今1,000円で商品を売っているならば、1万円で売ってみてください。そうすると、明らかに客層が変わります。それだけでも高額シフトは出来るということです。
これまで1,000円で売ってきたものを1万円で売るのは抵抗があるはずです。「こんなものを1万円で売っても良いものだろうか?」と思ってしまうと思います。 そのように思うのであれば、1万円で売るために自分が納得できるようにクオリティをあげてみてください。 このプロセスこそが、コミットメントをあげていくことに繋がっています。高額層の顧客もまた、そのコミットメントに応じてくれるということです。
この高額シフトを是非やってみてください。人生とビジネスには大きな関係がありますが、高額シフトによってビジネスそのものがコロッと変わっていくと思います。それに伴って、あなたの人生も望む方向へと大きく変化をしていくかもしれません。
高額シフトの戦略
まず、大切なことはホット客しか狙わないということです。ホット客とは何かを説明していきます。
お客さんの層を、買ってもらいやすい順番に定義していくと一番上が「ホット客」と呼ばれる層になります。切羽詰まっているかどうかは別にして、今すぐ買いたいという人です。これは全体の1%程度しかいないと言われています。
その次の層が「今検討中」という層です。買いたい気持ちはあるけれど決心ができない状態です。その次が「そのうちに買いたい」という層です。「良い条件が揃ったら」「なにか機会があったら検討するよ」という感じです。少し盛り上がらないけども自分に関係があることは意識しているという状態です。これらの層は合わせて全体の19%程度と言われています。
それ以外の層は「興味はあるけど自分にはまだまだ」という層です。全体の8割がこの層に属していると言われています。
つまり、メルマガやブログの読者の8割は買う気がありません。上位2割でも、その95%はすぐには決断しないのです。もちろん「いつかホット客になる層」を地道に教育していくことも重要な戦略です。広くメルマガ読者を集める戦略が、こちらの教育を主とした戦略になります。
高額にシフトする場合、地道な教育戦略を取ることもアリです。でも、極端にホット客しか狙わない戦略を取ることもアリです。なぜなら「高額を支払ってもいい」と考えているのは、本当に今困っていて解決策を探しているお客さんだけだからです。しかも、解決策を探しているので購買意欲も旺盛です。
本当に買う気のあるお客さんだけを狙って買っていただくことができたら新規集客コストがとても小さくなります。つまり、利益が最大化できるということになります。ホット客だけを狙うことで変な人や、あまり欲しくないけど迷った挙句に買ってしまったというお客さんが来なくなります。
教育をしているうちに「なんとなくホットになってしまったけれども、実は欲しくなかったみたいです」と契約をキャンセルしてきたり、それが高じてクレーマーになったりする方がいますが、ホット客は「本当に効果があるんだったらそれでいいよ、じゃあいくら?」みたいな話にしかなりません。本当に欲しい人というのは今すぐ必要な人なのです。
本当に欲しいお客さんだけに知ってもらうためには、ホット客だけが使う言葉を研究することが早道です。どんなメッセージを出すとホット客に響くのか?決して煽るわけではなく、顧客が「この人は自分のことを理解してくれている」と思ってもらうためにどんなことを伝えれば良いのか?
- ストーリー
- 締め切りを明確に作る
- ヒントを与える
- コミットメント
ストーリー
ストーリーの中で自分が実際にやったこと、苦労したこと、その中で感じたこと、気づいたことを赤裸々に語りましょう。そうすると「この人なら」という信頼感と親近感を顧客は持ってくれるようになります。特に、ホット客だけに分かる言葉で語りかけることです。実際にやったことのある人にしか分からないことを伝えることがポイントです。是非そのポイントを見つけてプロモーションの中に入れていってください。
お金をできるだけかけたくない人は、そもそも何も調べずに手っ取り早い方法を探しています。簡単に言えば、勉強していません。だから「メルマガなどを書く時は小学校5年生でも理解できる平易な言葉を使いましょう」とか「専門用語とか一切駄目なんです」と言われます。それは、勉強していないお客さんにもメルマガを取ってもらって、少しずつ見込み客になってもらう戦略がベースになっています。
ホット客は、既にGoogle検索をして解決策を探しているので、それなりの専門知識があります。つまり、専門用語をバンバン話しても理解できます。あるいは、専門用語が分からなければ検索して調べます。専門用語を理解していない人は基本的な知識を理解していない可能性があるので、商品を買ってもらっても結果が出なかったりします。
だから、情報発信のレベルや専門性を引き上げることによって、ホット客だけをフックすることができるようになります。このレベル合わせは必ず市場でテストをしてください。最適解は市場にしかわかりません。
締め切りを明確に作る
例えば、3日間限定で販売すると案内したら本当に3日間しか売りません。限定と言うだけでずっと売っている商品はたくさんありますが、限定性を厳しく実装することが重要です。海外にとても便利なツールがあります。それは期限を過ぎるとLPやセールスページに一切アクセスできなくなります。
実際に使ってみると、ページを作った自分でさえも自分のセールスページにアクセスできなくて困ったことになるくらい厳格な締め切りです。本気の人だけ購入してください。締め切りは絶対に移動させません。販売側の本気度はコミットメントが厳しい締め切りを設けることでお客さんに伝わります。
締め切りを逃してしまった方は、ここで決断しないことで「すごい損した」という本気の後悔が生まれます。だから、次にチャンスが会ったら絶対に買おうと決心するわけです。そこで、ウエイティングリストに登録をしてもらいます。
例えば、年に1回しかプロモーションしない商品があったとします。ウエイティングリストに登録してもらった方には「キャンセルがあったので追加募集がありますが、いかがですか?」と案内を送ります。もうすでにホット客で、年に1回しかプロモーションしない商品で買うのを失敗したと思っているので絶対に買ってくれます。つまり、ホット客だけをフックして、締め切りを明確に作って厳密に運用するのです。
問題を解決していく方法やプロセスを教えるのは大切なことです。一方で、自分で調べたり試行錯誤すれば問題解決には至ります。プロセスそのものは重要ではないかもしれません。だから、高額商品を買うことによってプロセスをきちんと消化した上で解決をした結果、別の次元に立てるということを訴求することが重要です。
ヒントを与える
問題というのは同じ次元では解決できません。別の次元に立って初めて問題そのものを俯瞰し別の解決方法が見えてきます。問題解決の方法を教えられるということは、別の次元に立っているということです。だから、別の次元に登って行くためのヒントや何に気づくべきかを教えましょう。
商品の内容はヒントだけでいいのです。そのヒントを教えることが高額商品そのものの本質になります。問題解決のためのヒント、つまり、別の次元に引き上げるためのヒントを教えるということが高額商品の本質です。決して問題を解決してあげることではありません。ヒントを与えることが大切なのです。
自分で考えてもらうようにすること、次の問題を解決するための方法を自分の中に確立してもらうことが投資対効果の最たる成果です。「次元を超えるヒントがもらえるよ」と訴求すれば、それだけでホット客は買ってくれます。逆に言えば、その訴求が分からない人に売ってはいけないということです。
コミットメント
高額を支払うのだから、なんでもやってもらえると考える方は排除しなければなりません。行動しないと何も変化しない。行動するのは購入者の責務である。コミットメントのない方は決して買わないで欲しい。ということを明確に伝えておく必要があります。
高額を支払うことによってヒントをもらった後、何も行動しなければ何も変わりません。行動すれば必ず何かが変化します。高額を支払うことによって行動に対するコミットメントが出ます。それは、高額であることの一つの価値なのです。
コンテンツを提供する側からしても高額を支払っていただいているわけなので、
- 分かりやすく伝えること
- 実際に変化や気づきを起こさせるための工夫
- 取り組むべき順序
について、こだわってクオリティを上げていきます。高額を支払うことによるコミットメントと、高額を受け取ることによるコミットメント。この二つが馴れ合いを排除し二者の間でぐるぐると回す良い循環を作り出します。この循環を作り出すことが高額商品の価値を極限まで高めていくために必要なことです。
高額にしやすい商品・サービス
知識を教えるセミナーは、いずれ淘汰されます。ネットを検索すればいくらでも出てくるからです。読みきれないぐらい出てくるので、知識を網羅的に羅列するようなセミナーは価値がありません。では、高額であることの価値とは?それは、雑多な情報を排除して本質的な情報だけを伝えるということです。本質とは、顧客の欲求をピンポイントで満たすように体系化されているということです。
顧客の欲求を満たすように、特定の顧客がその欲求を満たせるように本質を体系化してあるということが価値になります。よく分からないですよね。解説していきます。簡単に言うと、コンテンツ製作者そのものがフィルターになっているということです。
コンテンツ制作者が何を成したのか?何を実現したのか?どんなプロセスで、どのような苦労をしたのか?どのように問題や課題を解決しながらプロセスを進んでいったのか?その体験に基づく情報は製作者自身がフィルターとなって得た体験情報です。それそのものが価値になるということです。
体験したことが価値になります。コンテンツ制作者が思いに悩んだことこそが価値になるのです。人は同じようなところでつまずき、同じようなことに悩み、それを解決するために様々なことを考えます。うまくいく方法を教えられても、必ずしもその通りにはなりません。むしろ、プロセスを進める上で、どんな障害があり、どういう考え方で乗り越えていくと望む成果を得られるのかが一番知りたいポイントなのです。
「結果こうなりました」「それは理論的にはこうです」みたいな話をされても、そんなものはネットを検索すればどこにでも転がっている情報です。わざわざ高額を支払う必要ありません。コンテンツ制作者が何を伝えなければいけないか?それは、何を実現したかということです。
望む成果を実現する過程で、どんなことを工夫したのか?どんな失敗をして、どのように解決したのか?を伝えることが大切です。自分の経験から得た変化を起こすための本質、つまり「こういうことさえ抑えれば着実に変化を起こせるんだ」ということこそが価値になります。同じノウハウでもコンテンツ制作者は複数いてもいいのです。Aさんの経験と、Bさんの経験は同じプロセスであっても違う価値を持っている可能性があります。
何を選んでもらうか?それは自分自身です。コンテンツ制作者自身を選んでもらうということが大切になります。何を選んでもらうのか?の基準を明示しておきましょう。当然のことですが、欲求を満たそうとしている購入者は、コンテンツ提供者と合う合わないがあります。合わない人の話を聞いても入ってきません。
例えば「高額商品を売る」「セールスファネルを構築する」といったテーマに対して、素人状態の人に対して伝えた方が良いことと、ある程度知っていて、より高度な情報を求めている人に伝えたほうが良いことは異なります。
もちろん、経験豊かな人が自分が初心者だった頃を思い出して商品を作るということは可能ですが、多くの場合は既に知っていることは当たり前すぎて抜け落ちていったりします。そこが、合わないという部分になります。
ですから、対象の人を明示し「悩んだり思考停止してしまうようなポイントをきちんと押さえている」ということを対象の人だけがわかる言葉で伝えるようにします。そうすると、商品の価値は何倍にもなる可能性があります。
合う人にだけに買ってもらえばいいです。それが、究極のニッチです。合わない可能性が高い人に「自分の商品は何でも大丈夫ですよ」と売ったとしても、何も効果が無かったり成果が出ない可能性の方が高くなります。
対象を絞り込みましょう。顧客の成長に合わせて順番に商品を提供していくことが出来たら、同じ顧客に対して高額商品を何度も買っていただくことも可能となります。一つぴったり合う高額商品を購入したお客さんは、ぴったり合うので抜群の効果が出て次の段階へと変化します。
そして、次の段階のぴったり合う高額商品をオファーします。お客さんは1回目の高額商品で成果が出たこともあるし、自分にぴったり合うという経験もしているし、提供者に対する信頼が最高に高まっている状態です。そこへ、次に必要だと思っているぴったりのものが提案されたとしたら・・・買うしかないという心理状態になるはずです。
これが顧客の成長ストーリーに合わせた高額商品のチェーン販売という戦略です。最初の商品でお客さんの出口がわかっている訳ですから、出口に置いておくだけで買ってもらえるという状態になります。新規顧客獲得コストはゼロですし、セールスの負荷もありません。
このチェーンをずっとつなげていくことが出来れば、非常に高効率で高収益率のビジネスを展開することが出来ると思いませんか?
高額化しやすい商品・サービスを創る上で考えておくべきことの一つに、顧客からのフィードバックをどんどん取り込んでいくという作業があります。この作業は商品の価値をより高めるという効果があります。顧客が様々な失敗や疑問を提示してくれるおかげで、商品そのものが様々な失敗や疑問へ対応できるものに成長していくということです。たくさん売ることによって、さらに商品の価値が高まっていきます。つまり、より高額に設定しても売れていく可能性が高まるということです。
さらに、商品価値を高めるだけではなく多くの人に選んでもらえるようになります。自分一人の経験、あるいは、少数の経験を元に作られてきた商品・サービスは本当にニッチな対象にしか売れません。その範囲を少しずつはみ出したお客さんからフィードバックを受けることで対象を広げることが出来るようになるということです。
商品・サービスを販売すると色々な質問が来たり、色々なフィードバックが来たりします。それをコンテンツの中に取り込むことで、最初は自分一人の体験ですが自分一人では気づきもしかなかったものが少しずつ増えていきます。そして、より多くの人に合うようになるのです。
その結果、本質は何かが分かるようになります。より広い範囲の対象に、より確実に成果を出せる商品・サービスになるため、その分野の定番商品としてのスタンスが確立されます。これが、高額だけれど間違いなく良い商品・サービスとして広く認知されるものになるのです。
あとは、最新の情報を付け加えメンテナンスしていれば、ずっと売れ続ける高額商品を持つことができます。何年も続いているセミナーや講座は、回を追う毎に改善されていきます。効果が出やすいように改良されていくからです。ですから、セミナーや講座の価格を上げていっても大丈夫という良い循環が出来ていきます。
知識を教えるセミナーというのは淘汰されていきます。知識ではなく、ある特定の変化をどうやって起こしたのか?そのプロセスでどういうことを解決して何に気づけばよかったのか?それを体系化していくことが大事です。
そして、商品・サービスを購入してくれたお客さんからフィードバックをもらって、コンテンツの中にそれを活かしていきましょう。そうすることで、より効果が出やすくなり守備範囲も広がっていきます。それが、結果的には商品・サービスをもっと高額にできる材料になってきます。
課題にアプローチするためには、お客さんを徹底的にリサーチすることが必要です。お客さんしか知らないような言葉は、そのことで悩んだことがある人しか分かりません。そういった、お客さんしか知らない言葉で語りかけることが大事です。そうすることで「あーなるほど。この人は本当に知っているんだ」とお客さんは感じます。
お客さんが言うことを聞いてくれる状態になれば、効果が出る状態を作れるということです。伝えたことを実行していく途中で、どんな心理状態になるのかも把握できます。人は感情の生き物です。この感情を把握して、次に誘導することが出来れば成果も出せるし次の商品も売れていきます。
お客さんの課題を解決するのはノウハウではありません。いかに、実行してもらうかが本当に大切です。やる気になる感情面の推移をコントロールしましょう。高額商品というのは、別の次元から見たポイントを伝えることがとても大切です。「こんなところで失敗するよ」「こんなところでつまづくよ」などをよく知っているということなのです。
失敗から成功へのプロセスで起きることを熟知していることが非常に大切です。熟知していることを伝えることによって、ホット客は「この人だったら大丈夫」と思ってくれます。お客さんの状態、お客さんの歩むプロセスで起こることに対してどう対処すればいいのか?どのようなヒントを与えればお客さんが自分で問題を解決していけるのか?それを熟知していることが高額商品・サービスには必須です。
高額設定しやすい商品・サービスは網羅的な商品というよりも、お客さんとそのことを話すだけで「良く知ってるなぁ」と思わせるようなニッチな分野を追求していた方がいいです。特に、高額商品が初めてという場合にはニッチを追求してください。
お客さんがどうしても解決したいことを追求していきましょう。その解決したいことの多くは根源的な欲求を満たしたいと思うものです。根源的な欲求というのは、正しくありたい、愛されたい、必要とされたい、価値ある存在でいたい、自分らしくありたい、有能でありたい、安全でありたい、幸福でありたい、と自分自身を守りたい、平和でありたいなどです。
マーケティングの商品・サービスを売ろうとしていると全然関係ない感じがしますよね。でも、マーケティングも本当の目的は消費を得ることです。商品を使った結果、望んでいた経済的なリターンが得られたりします。実はそこには経済的なリターンだけじゃないものを求めていたりするわけです。例えば、人とのつながり、人とのコミュニケーション、同じ目的を持つ人を助けてあげたい、その人の役に立ちたいなどです。
経済的なリターンとは手段に過ぎないです。欲求の抽象度を上げていくことで、自分らしくありたい、自分自身の幸福でありたい、自分自身を守りたいなど、そういうたことにつながっていきます。自分が満たされれば家族を。家族が満たされれば知人や仲間を。このように欲求を満たしたい範囲は広がっていきます。
ニッチな分野には確かに特定のノウハウがあったりします。その本質は心理的なものや、ちょっとしたヒントだったりします。ちょっとしたヒントをこう考えれば、問題は解決するのだと自分で気づいてもらうことが高額な設定にあげていくことを可能にする本質的なポイントです。
まず手始めに、高額にするために手っ取り早い方法は対人サービスやコンサルティングを導入することです。デジタルコンテンツは、ある意味一方的なレクチャーになりがちです。人はつながりを感じられる商品・サービスには高額を支払います。
依存的な意味では、教えてもらえる、相談できる、方向性を示してもらえるなどを期待されます。一方で、自立している方でも確認したい、背中を押してもらいたい、ちょっと対話ができると安心するなどの効果を期待する方も多いです。
また、表面的な問題に対して少し別の次元から「こういう問題なんですよ」と視点を変えてあげることで課題の本質と解決する方法を伝えられます。それこそが、自分だけでは解決できない問題を解決するということです。だからこそ、高い金額を支払っても価値があるのです。
最終的にオンラインの教材にまとめて行くという方針であれば、最初のうちはコンサルティングやカウンセリングのサービスを一緒に販売し、様々なケースをお金をいただきながら学ばせてもらうのが良いでしょう。そして、それらをレクチャーやQ&Aにまとめていきます。あるいは、相談者の了解が取れればコンサルの動画そのものを編集したものも、とても参考になる高い価値を提供できるものになるかもしれません。
そういう意味で、グループコンサルはとても有効です。色々なレベルの人が一つのコンサルの中に入ってきます。でも、話してる内容が全くチンプンカンプンな話では困るので、ある程度の範囲に入っている人たちで一つのグループにする必要があります。
その中で質問する人は、もうすでに行動していて少し先を行っている人です。その人が「こんな問題がありました」「こんな課題がにぶつかっています」と質問をしてくれます。その質問を別次元から「このように解決するといいんですよ」と言います。
そうすると、未来に起こる問題や課題を事前に把握することができます。同じことが起きたとしても解決法がわかっているのでスムースに進めます。つまり、他人へのコンサルが自分のプロセスに活かされます。まだやっていない、少しビハインドしている人が自分のプロセスを進めるときに、事前に成功のイメージを掴んでおくこともできます。運営側にわざわざ質問をしなくてもプロセスを進めることができます。
ということで、グループコンサルはとても有効だと思ってください。個別のコンサルを求める人がいたとしたら、それは二つの可能性があります。
- 依存的に何かをしてほしいという人
- もっと早く先に進めて、もっと高みに登りたいという人
このどちらかです。グループコンサルから抜けて、さらに個別コンサルを望む人に対しては別の高額商品・サービスをオファーします。プロデュースをしてあげたり、一緒にやりましょうというジョイントベンチャーを持ちかけるなども有効です。高額に設定した個別コンサルをして、依存系か一緒に事業をやっていけるのかを確かめることが重要です。
まとめます。高額設定する商品・サービスでは絶対に知識だけを教えてはいけません。そして、お客さんの本質的な課題がどういうことなのか、そのプロセスで起きることを熟知しておきます。そのために、徹底的な顧客のヒヤリングをしましょう。
顧客の欲求の中でもニッチの分野を追求し、その根源的な欲求を満たしていきます。例えば、グループコンサルをやった後に個別コンサルに持っていきましょう。それが、更に高額を目指す有効な手段です。
何を学ぶ必要があるのか
- 顧客は成長する人である
- 良い意味で顧客の期待を裏切る
- コミュニケーション
- 具体的なプロセスを提示
顧客は成長する人である
成長する人であるということは、ある一つの問題を解決したら、その次の問題が出てくるということです。ある一つの問題課題を解決をすると人は成長します。そして、別のステージに行きます。別の次元と言っても良いかもしれません。
その次元で新たな課題や問題に突き当たります。それをクリアすると、また別のステージに上がっていくわけです。一つ一つのステージを上がるごとに別の視点が出来ていき、その時に俯瞰している世界がステージを上がる毎に変わっていくのです。当然、ステージによって必要な気づきが変わります。
では、一つのステージを上がるためにどれだけの時間とお金をかけるか?それは、個々人の判断によります。高額商品・サービスを買う顧客は時間をお金で買えることを理解しているということになります。試行錯誤することによって多大な時間を使うぐらいなら、高額であってもお金を支払って最短ルートを知り、さっさと成果を手にしたほうが良いという考え方です。この基本の考え方を、まずは腹に落としておいてください。
価値とは短縮される時間です。では、どれぐらいの金額なら支払うのか?難易度が高くて苦労するようなステージであれば、一つのステージを上るだけで十分に高額な商品・サービスが出来ると思います。
ステージを上がると、すぐに次のステージが待っている場合は、いくつかのステージを組み合わせて一つのパッケージにまとめることで高額な商品・サービスを構築することができます。
この場合、価値とは顧客の変化量と言うこともできます。顧客が支払う金額は短縮される時間と顧客の変化量によります。
例えば「人生がゴロッと根底からひっくり返すような気づきを1時間で得られます」というオファーは100万円でも200万円でもリーズナブルです。これまで変えられなかった人生が、たった1時間で変わるのです。100万円なら安いもんだと考える人も多いかもしれません。
一方で、人生がそんな劇的に変わったら揺り戻しがあったりもします。少しずつ変わっていくという変化の成長のプロセスをイメージし、変化量と経過時間をきちんと設計してあげることも大切です。人はホメオスタシスと言って変化を嫌います。でも少しずつであれば変化できる可塑性も持っています。
高額を支払って変化をしたのに元に戻るようでは困ります。元に戻らないようにしながら次の変化を起こしていくという工程の設計が、結構重要なファクターになります。これを変化の勾配と呼んでいます。この変化の勾配をちゃんと設計することが大切です。
それは、自分が通ってきた道でもあるし、指導してきた人が通った道でもあるし、顧客に進んで欲しい成長のプロセスでもあります。最適な勾配設計ができることが高額商品・サービスの重要な価値になります。そのためには最初から完璧になることはなく、顧客と一緒に最適解を見つけていくプロセスが必要なことも知っておくべきでしょう。
重要なことは、お客さんは成長する人であるということです。変化するということは視点も世界の見え方も変わります。山の頂上に登ったことのある人が山の一番麓にいる人に向かって「このルートを登ればいいんだ」「上手く登るコツは岩を掴むことだ」と登山の経験のない人に向かって、いきなり本質的なことを伝えても登れません。そもそも麓から頂上は見えていないということを念頭に置きましょう。
顧客が受け入れられる成長の速度でしか顧客は山を登れません。この勾配設計が顧客によって違うからこそ、同じビジネステーマでも複数の人がビジネスを成立させることができるのです。顧客は自分に最適の勾配、即ち山登りのルートを選ぶことが出来ます。その最適解こそが顧客にとって最も価値が高いものだということです。
良い意味で顧客の期待を裏切る
あなたが何かを買って「良かった」と思う瞬間はいつでしょうか?例えば、私はいろはすを飲もうと思って手にしているのですが、まだ開封していません。僕が「いろはすを買って良かったな」と思うのは、水を飲み込んで喉の渇きが癒えたぁ・・と感じる瞬間です。
いろはすを買った人は、いろはすを買ったわけではありません。冷たい水が飲めれば南アルプスの天然水でも良かったかもしれないということです。いろはすは100円です。「冷たい水を飲んで喉の渇きを癒したい」というのが顧客の期待です。でも、もし水の味が分かる人がいて「いろはすは本当においしいなぁ」と思うのであれば、いろはすが200円でも300円でも全然構わないのです。
つまり、2倍3倍で売っても構わないということです。お客さんの期待以上のものがこの中に含まれていたら、また買おうと考えるからです。いろはすを飲むと喉の潤いがずっと持続するのであれば(まぁ、ありえないけど、そんな水があったとしたら)いろはすは100円ではなく、2倍3倍の値段でも全然構わないということになります。
年に一回しかない資格試験の早朝に、いろはすを富士山にある金運神社か開運神社でご祈祷してもらって「このいろはすは合格のご利益のある祈祷済みのいろはすなので1万円です!」と言ったらとしたら受験生の何人かは買うと思いませんか?翌年に御祈祷済みいろはすの合格率をうたって同じように売ったとしたら、さらに売上は伸びるかもしれません。
それは、顧客が水に期待してるわけではなく、富士山でご祈祷してもらった水を飲めば「合格をするかもしれない」という期待に対して1万円を支払うわけです。もし、この水を買わず試験に落ちたとしたら(これは煽り系売り方なので、実際にやって欲しくはないのですが)あの時、御祈祷済みのいろはすを買っておけば良かったと思うかもしれませんよね。しかも、隣にいた人が1万円のいろはすで試験に合格していたらもっと思うかもしれません。きっと、翌年は1万円のいろはすを買います。
顧客が商品・サービスに期待しているものは何だろう?と考えることが重要です。そして、顧客の期待に対して恐怖の方から攻めると煽り系になりますが、顧客の期待以上のものを提供物の中に込めることができたとしたら「また、買おう」ということになります。他の見込み客にも「良いものだから買った方がいいよ」という口コミを起こしてくれるようになります。
顧客の期待を良い方向に裏切って期待以上のものを提供すれば、顧客から何かの価値が帰ってくると考えてもいいと思います。だから、良い意味で顧客の期待を裏切りましょう。
コミュニケーション
どんな商品であってもコミュニケーションは必要です。特に、教育系のコンテンツにはコミュニケーションがとても重要です。なぜなら、「これをやった方がいいよ」と言われて「はい、そうですか」と素直にやる人はほとんどいません。
例えば、親が子供に「勉強した方がいいよ」と言います。その言葉を受け入れて勉強する子供はほとんどないのではないでしょうか?「明日は中間試験だから勉強した方がいいよ」と言ってもなかなか勉強する気にはなりません。仕方がないから勉強するだけですよね。それは、勉強する意欲がわかないからです。
いくら良いものであっても与えられたもの、単に教えられたものというのは実行されません。「こうした方がいいよ」というものはほぼ実行されないと思ってください。皆さんもマーケティングの教材を買ったけど、買ったことに満足して開いてもいない教材があるのではないでしょうか?
実際に顧客が高額商品を買うということは変化したいからです。その変化に気づいて、自分自身が選択したと思えるからこそ変化に必要なプロセスを実行しようとするわけです。例えば、教材の通りに実行するとしても、やはり初めてだと難しいことや変化することは大変なことです。
人は出来るだけ変化したくない生物なので変化を止めようとする要素の方が多く見つかります。でも「自分は変化をするために高額の商品を買って高額の支出をしたのだ」「高額に見合うものを得るためには自分自身が何をすべきか」「これは自分で選択したことなのだ」という意識が常にあったら行動してもらえるのではないでしょうか。
もちろんコンテンツ提供者は「こうした方が良い」と教えてくるわけですが、顧客が「自分で気付いた」「自発的に行動している」と思わせるように教えることで顧客に行動してもらうことができます。顧客に抽象度の高い選択をしてもらった後に、具体的なプロセスを提示することが大事です。抽象度が最高に高い状態というのは、やる・やらないの二択です。そこまで抽象度を上げないと決断できないのです。
一つ一つの具体的なステップでは、やる・やらないを考えさせてはいけません。選択の余地がない具体的なプロセスにしておけば「やるしかない」という感覚になりやすいです。顧客が行動を止めてしまう高額プログラムに多いことは、決断と行動のプロセスを分離できていないパターンがあります。
決めるプロセスは抽象度を上げて、行動のプロセスは選択の余地がないくらいに具体的なプロセスにしましょう。行動したら結果が確認できるようになっていると、あとはやるだけなので顧客は勝手に行動していくようになります。
成功している高額商品・サービスは、決断と行動のプロセスを上手く分離しています。決断が必要なセクションや思考のプロセスで顧客自身が成果を評価できない部分について、サポートなりコンサルを上手く取り入れて全体のプログラムを作っています。
具体的なプロセスを提示
プロセスの進捗を報告してもらいましょう。やり方を教わって順番通りにやったとしても、一人で黙々とやっていては一部の超コツコツ型の方をのぞいて、ほぼ間違いなく心が折れてストップしてしまいます。
だから「今日は、こんなことをやりました」「こんなことに気付きました」「こんな成果が出ました」と報告をしてもらうだけで顧客の成果が出る確率は格段にアップします。プロセスの進捗を報告してもらうサービスだけで高額の商品になったりもします。
確認していきましょう。高額シフトのために何を学ぶ必要があるのか?
一つ目は、顧客は成長する人であるということです。顧客の一つ一つの成長プロセスをきちっと描いてあげましょう。顧客の変化が元に戻る可能性が高いので、少しずつ着実に変化するように変化量と時間の勾配を設計していくことが必要です。
二つ目は、良い意味で顧客の期待を裏切ってください。顧客の期待とは何かを先に分かっておく必要があります。期待を良い方向に裏切ることにより、お客さんが「期待以上のものが受け取れた」「また買おう」「誰かに教えてあげよう」という良い方向への追い風になります。顧客自身も確実に変化をしていきます。
三つ目は、コミュニケーションです。与えられたもの、指示されたもの、教えられたものというのは、なかなか実行はされません。ですから、顧客が自ら選択したと思わせるようなコミュニケーション、言い方、伝え方が必要です。例えば、ストーリーを使って顧客自身がその中から気づくというような伝え方をする事によって顧客自身が動けるような状態になっていきます。
そして、具体的なプロセスを提示します。やると決めた顧客が、あとはやるだけのプロセスがきちんと揃っていていることが大事です。何をやって次は何をやるのか、何を飛ばしてはいけないのか、プロセスを完了したことを何を持って評価するのか、などを明確にしましょう。
マインドブロックを克服する
高額化の最大のハードルは自分自身の中にあるマインドブロックです。高額化する自信がない、自分には高額な価値は作り出せない、などの思い込みです。
1,000円で売っていたものを3,000円で売るとします。最初はビクビクするかもしれませんが、それでもなんとなくできたりします。3,000円で売ってるものを1万円で売るとします。桁が一つ増えるとなると「1万円はちょっと出せないかも」と値上げ出来ない言い訳がどんどん湧いてきます。「とても1万円は取れない」と思ってしまうのです。
でも、両方とも価格を約3倍にするという同じことをしています。なぜ1,000円を3,000円で売ることは出来るのに、3,000円を1万円で売ることは出来ないのか?それは、自分のお金に対する価値観、いわゆるお金の器が出来上がっていないということです。一方で「自分が提供しているものの価値がお客さんに認められていない」という思いを抱いてしまっています。正確には、自分で自分の商品の価値を認めていないということです。
「自分の提供しているものには価値がない」という無価値感は根深いものがあるかもしれません。でも、ここをブレークスルーしないことには高額商品の世界に至ることは出来ません。なぜなら、1万円に抵抗がある人は10万円や100万円の商品は売れません。
この無価値感を克服するには、多くの場合は「自己肯定感をあげましょう」みたいな話になります。自己肯定感をあげるのは地道にやる作業だったりします。今日否定しているものをいきなりひっくり返してやるというのも難しいです。
日々色々なことに対して否定的に見ている見方を、少しずつでもいいので肯定的に見るようにしましょう。例えば、何かアドバイスをしてお礼を言われたら「いえいえ、そんな・・・」なんて謙遜せずに「お役に立てて嬉しいです」と堂々としましょう。
これは心理学的には誰にでもできることですが、とにかく時間がかかります。私はもう50歳をとうに過ぎています。例えば、物心ついてから50年間「自分には価値がない」と思ってた人が、いきなり明日から「自分にはとても価値があるんだ」と言われても全く信じられません。「年収1000万の低収入じゃ働けないな」みたいな話には全然ならないです。
例えそうであったとしても、高額化するためには自分の商品を高額に設定することをやってみる必要があります。高額化することで、やっと自分の人生全体の肯定感が上がるという面があります。まずは値上げをやってみてください。とりあえず一桁0を増やしましょう。値上げをしても犯罪にはなりません。損害賠償を求められることもありません。チャレンジすることにリスクはありません。
確かに、値上げ当初は売れません。自分でも売るイメージが出来ないし、これまでのお客さんは10倍の値段だと躊躇してしまう客層なので売れないのです。でも不思議なことに値上げしてしばらくすると、ぽつぽつと売れるようになったりします。それは、価値を認めてくれる客層へと変わったということです。
さて、自分で価値を高めるために出来ることはないでしょうか?3万円で売ってるものがあれば30万円で売れないか考えてみましょう。どうしても30万円で売らなければいけないとしたら、その商品・サービスには何が足りないでしょうか?
30万円で売れるわけがないと言っていても解決策は浮かびません。30万円で売るためには何を付け加えるのか?お客さんに満足してもらうためにするべきことは何か?30万円の価値について朝から晩まで1日中考えることです。
先ほどから価値とはお客さんの変化量だというお話をしていますが、3万円の変化と30万円の変化と違うわけですよね。30万の変化を起こしてもらうためには、どんなプロセスを追加しなければいけないのかな?と冷静に自分の商品・サービスを俯瞰して分析してみてください。
一桁ゼロを増やしてみる行為、それを実際に売ってみる行為が自分を取り巻く世界を変えていくことになります。自分を取り巻く世界が変われば自分も変わらざるを得なくなります。30万円のものを売るのが当たり前という世界の住人になれば、お客さんに30万円の変化を起こさせるためにはどうしたらいいのだろう?と考えるのが当たり前になります。
少しバンジージャンプ的な所があるのかもしれませんが、もし自分のマインドブロックが高額化が難しいということであれば、とりあえず一桁ゼロを増やして売ってみることがとても即効性のある方法です。
もう一つのマインドブロックは、高額商品を買っていただいたのに、お客さんを満足させられないのでは?という恐れです。「クレームが来たらどうしよう」という思いが、その対処を考える思考を疎外します。先に対処をお伝えしておきます。クレームが来たら提供側に明らかな落ち度がない限り、さっさと返金してお客さんとの縁を切ってしまった方が全体から見て最も良いです。
高額を出せるお客さんは、商品・サービスがきちんと提供されていればクレームをしてきません。満足していただけなければ、次も買ってくれるということは期待できませんが、高額層の方は基本的には商品選択は自己責任と考えています。あまりに理不尽なものでない限りクレームをしたりはしません。
お客さんは自分の本質的な要求が満足できるのであれば、高額を支払って満足させた方がいいと思っています。お客さんは、あなたの商品に対してお金を支払ってるわけではありません。お客さんの本質的な欲求を満たすためにお金を支払っているのです。
お客さんの本質的な要求とは何なのかを把握することが大事です。お客さんの本質を把握をするためには、お客さんのファンになることが必要です。お客さんに興味を持って、お客さんのことは何でも知りたがる。お客さんの持ってるものは何でも持ちたいし、お客さんの行くところはどんなところなのか知っておきたい。
このように、お客さんのことを何でも知りたいというくらいのファンになることでお客さんになりきれるようになります。そうすると、お客さんが何を求めているか予測がつくようになります。お客さんの中にある本質的な要求を満足させられるということが分かったら、それをアピールすることが必要です。
アピールすることで、お客さんがあなたの中に同じものがあったということ見つけてくれます。そうすると、お客さんがあなたのファンになってくれます。あなた自身が、お客さんが憧れるファンになりましょう。お客さんの憧れの的があなた自身になるという可能性が高くなります。
少し分かりにくいかもしれませんが、お客さんの本質的な欲求を知るためにお客さんのファンになりましょう。そして、お客さんの本質的な要求を満足している自分をアピールしてください。そうすることで、お客さんもあなたのファンになってくれます。
そして、専門家としてのブランディングをすることが必要です。専門家とは、切り捨てる勇気を持っている人のことです。つまり、本質は何かを追求した人のことです。これ、過去形ですね。
例えば、一流の料理人に「料理の本質は何ですか?」と聞くと「最後は塩加減です」と答えます。確かに塩のひとつまみの差で料理の味が全く違ったりするわけです。それを毎回、最高の塩加減にするからこそ一流になれるわけです。
そば打ちでは、蕎麦粉に水を徐々に足していきます。最適解の最後の一滴がそばに加えられると、それまでバラバラだった蕎麦粉が一気に繋がり始めます。これは、その日の気温や湿度によって最適解が変わります。
蕎麦粉500gに対して水145mlなど、そういった数値で表されるものではありません。最後の一滴が決め手になります。蕎麦打ちの水回しと言うのですが、その本質は最後の一滴だということです。それは、実際に毎日そば打ちをやったことがある人しか分からないことです。
プロとは、何度も経験をしたことから本質が分かっている人のことです。マーケティングのプロは何が本質だと言えるでしょうか?これは正解はありません。私は、顧客の要求を満たすことが本質だと思っています。「それは違う」と議論しても意味がありません。人によって答えは違うし、答えは違っていていいのです。
顧客がどの主張を受け入れるかは、その顧客が置かれた状況によっても違うし選択する基準も方法も違います。マーケティングのプロフェッショナルは山ほどいます。それぞれ「これは本質だ」と言うことは違っています。それでいいのです。その主張は、その人の経験が裏打ちをしていることです。
「マーケティングのプロです」という人が押し並べて同じ答えだったら誰を選べばいいのか分かりませんよね。料理人の誰もが「塩加減が大切です」と言うとしても、その塩加減そのものはみんな違います。みんな同じ味だったら、どの料理を選んだら良いのか分かりません。
つまり、自分に合う塩加減の人が自分にとっては最高の料理人なのです。ミシュランではありませんよ。自分が本質だと思うことを明確にし、その価値を認めることで必ず本質を本質と感じてくれる人が集まってきます。それが、高額商品の本質ではないでしょうか。
プロフェッショナルは、この本質を理解して実践できている人のことです。自分が追求した分野のことは詳しいけれど、他の分野のことは素人みたいな状態でいいわけです。ただ、プロだから何の専門家なのか、どの分野のプロなのかをはっきりさせて、まずは名乗ってみてください。
名乗ることによってセルフイメージが確立できます。「自分は〇〇のプロだ」というセルフイメージができたら、それに必要な価値観や能力は自然に身についていきます。料理人は蕎麦を打ちません。そば打ち職人はマーケティングをしません。
自分がそば打ち職人だったら、水回しの部分で言えば最後の一滴が1番大切だと思います。最後の一滴を的確に足せるからこそ、そば打ちの職人のプロとしてやっていけるわけです。そこには、最後の一滴は大切だという価値観があり、最後の一滴を見つけられる能力があり、最後の一滴を毎日変わらずにやり続けていくという行動が身に付いています。
最後に、自分のビジネスを軌道に乗せるために全人格的に一つの専門家になりきることが必要だと思います。ここでは料理の専門家なのに別のところでは蕎麦うちの専門家で、また別のところではマーケティングの専門家なんてことはあり得ないということです。
全人格的に一つの専門家になりきってください。もちろん専門分野を複数持つことはありえることだと思います。でも、どちらかが本気の仕事モード、どちらかが趣味的なものになるはずです。一つのことで「そのことなら、あの人に相談してみるといい」と言われる人になるまで、プロフェッショナルとしてやってください。そうすることによってプロになれます。
高額の設定をするのも当たり前になっていきます。それは、プロとして自分にしかできないことがあり、その価値があると認められるからです。例えば「幸せに成功したい」という価値観で集まっている人たちの中には色々な専門家がいます。その中で例えば「動画を使ってビジネスを始めるなら〇〇に聞くといい」「仏教と心理学のことなら〇〇に聞くといい」と定評ができていくのです。
一つのコミュニティの中で「〇〇がしたい」という欲求を持つ人に「それだったら〇〇のところへ行くといい」という情報がきちんと循環しています。このようなコミュニティの中にいれば仕事に困ることはありえません。誰かがそのコミュニティに合う新しいお客さんを連れてきたら、その人がそのコミュニティの中で興味を持った専門分野の人たちの商品・サービスを購入してくれます。
自分が連れてきた新しいお客さんにも、他の専門分野について誰かを紹介していく。そんな生き方や価値観の合うコミュニティの中で、一つの専門家として認知されることを目指してみください。