今日はブログの書き方についてレクチャーします。あなたがこれからビデオを中心にマーケティングを展開するにしても、そのベースには文字があります。まるで今僕がプロンプターに移るテキストを読み上げているように。僕が知る優れたビデオマーケターは皆、優れた文章の書き手であり、優れたストーリーテラーです。あなたがブログの書き方を習得すれば、マーケターとしての人生は少しだけ楽になるでしょう。
このレクチャーでは、「The Art of Work」 や 「Real Artists Don’t Starve」など、これまで5冊のベストセラー書籍を執筆した、Jeff Goins(ジェフゴインズ)を紹介しましょう。僕はもうかれこれ5年以上、彼のブログを読み続けています。アメリカ留学しているときに彼のブログを見つけて、コンテンツが素晴らしかったので一気にファンになりました。彼の言葉で言うと、僕はTribe(トライブ)の一員になったのです。
今回お届けするノウハウはこちら
- たった18ヶ月で10万人もの見込み客を集めた男の話
- プロライターとアマチュアライターの違いは「プロ意識」の有無
- 石崎は「デジタルマーケター」と名乗るのが怖かった
- マッチョになりたくないのではなく、なれないだけ
- やる前にあれこれ考えても無駄だから今すぐやれ
- 目の前のタスクを1つずつ丁寧にこなしていくしかない
- 人間万事塞翁が馬:プラットフォームビジネスは何が成功するかわからない
- あなたはいつプロを名乗ってもいいのか?「今すぐです」
- パーソナル・プラットフォーマーの中心となるスキルは「書くこと」
- より早くより良い文章を大量に執筆する方法
- 成功するブログは1つのテーマに執着して読者の読みたい記事を書き続けている
- 優れた文章を書く3つのステップで「書けない現象」から抜け出す
- ブログは頻度よりも同じ曜日同じ時刻に公開することが重要
- ブログの記事をMediumで再公開して10万のリストを集めた事例
- WordPressの投稿を別のメディアで再掲載するとSEOで不利になるか?
- 書くことを通して明確なメッセージを見込み客に伝え続けるだけでいい
- 文章を短くすればするほどパワフルになる
- 最初の2年間はブログで全く稼げないことを理解する
- ブログで成功する前の無名でいられる時期を楽しめ
- 景気を楽しみながらゆっくりと目的地に向かおう
たった18ヶ月で10万人もの見込み客を集めた男の話
ジェフは、僕が真剣にブログを書くきっかけになった人です。「石崎力也のブログの先生」です。今日は、僕がJeff Goins(ジェフゴインズ)から学んだノウハウをシェアします。
ジェフは、数年前に自分のブログとWebサイトの両方での執筆活動に力を入れて、パーソナル・プラットフォームを構築し、一時期は、毎週新しい記事をリリースしていました。
魅力的な文章の書き方や、ターゲットとする見込み客に明確にフォーカスを当てる技術によって、彼はたった18ヶ月で10万人もの見込み客、つまりは、彼のトライブ(大勢のファン)を作ることに成功したのです。そのため、ジェフは、それまでの本業をやめてプロに転向し、フルタイムでプラットフォームのための記事を書くようになりました。
「トライブ」とは、もともとは部族を意味し、何らかの共通の興味や目的を持ち、互いにコミュニケーションの手段があることでつながっている集団を指す
と、セス・ゴーディンの本では説明されています。「トライブ~新しい“組織”の未来形」という本です。 一般社会や消費者市場では、すでにトライブ化が始まっているとセスは言います。僕も実際に、rikiyaishizaki.com のブログを通してトライブを作ることに成功しました。
あなたのプラットフォームが成長するために書くことがどれだけ重要であるのか、そして、文章執筆がオンラインであなたのトライブを見つける上でどのように役立っていくのかについて、レクチャーします。
Jeff Goins(ジェフゴインズ)のことをまだ聞いたことがないという人のために、彼の紹介をします。英語圏ではブロガーを目指す人の多くが、ジェフのストーリーを聞いたのがきっかけだと言うくらいです。ぜひ、そんなジェフのストーリーを聞いてください。
数年前、ジェフは「何かが欠けている」と、そんな気持ちになりました。でも、その欠落感を満たす方法を知らなかった。だから、とりあえずブログを始めてみた。その頃に知ったParker Palmer(パーカー・パーマー)の言葉が、今でもジェフの心に残っています。
「人生の中でどんなことをしたいのか伝える前に、『自分が何者なのか』、自分の人生に耳を傾けなければならない」と。
ジェフはブログを始める前に、いろいろなミートアップに参加したり、本を読んだりするようになりました。そしてマイケルハイアットのブログをフォローし始め、マイケルハイアットが書いた『Platform』を読んだんです。その時にジェフは「パーソナル・プラットフォームをやってみよう。僕は世界に向けて何かを伝えたい気がするんだ」と感じました。これが、彼がブログを始めたきっかけです。かつて、Seth Godinがブログを毎日書いていたということを聞いたのも、1つのきっかけだったとpodcastで語っています。
そこでジェフは「ブログを毎日書かないといけない。ライティングの練習をしなければ」と思い、毎日ブログを描き続けました。また、以前の職場にいた頃は、会社がお金を出してくれて、コーチング・プログラムにも参加しました。この頃のジェフは、非営利団体で働いていて、マーケティング・ディレクターを務めていました。そのため、マーケティングについては、いろいろと勉強しており、「マーケティングの知識を、自分のパーソナル・ブランドやブログに活用できるだろうか」と考えるようになっていきました。
プロライターとアマチュアライターの違いは「プロ意識」の有無
コーチング・プログラムに参加している中で、これからJeff Goins(ジェフゴインズ)にどんなことが起こるのか見極めようとしていました。そんな中で、同じくプログラムに参加していたメンバーが彼に「ねえ、あなたの夢って何?」と聞いてきたのです。
ジェフは「正直に言うと、夢はないんだ」と答えました。すると、彼は驚いて、「そうなんだ!てっきりライターになることが夢だと思っていたよ」と言ったんです。その言葉を聞いた瞬間、ジェフは脳に衝撃が走りました。たしかに、ジェフはライターになりたいと思っていました。でも、その気持ちを正直に認めるのが怖かったのです。だから「まあ、いつかはライターになってみたいと思うよ」と答えると、彼はこう続けました。「ジェフ、君はライター志望なんかじゃなくて、もうすでにライターじゃないか。ただ書けばいいんだよ」
この後、どうやって連絡を取ったのか覚えていないそうですが、ジェフはベストセラー作家のスティーヴンプレスフィールドにメールを送りました。もし、あなたが本好きであれば、あるいは執筆に興味があれば、スティーヴンプレスフィールドの本をおすすめします。日本でも幾つかの本が翻訳されています。「仕事で、個人で、目標を達成するためのカベの超え方」という翻訳本にはハリウッドでヒット作を生み出した脚本家が指南!の帯があります。そうそう、プレスフィールドは脚本家なんですね。
さて、Jeff Goins(ジェフゴインズ)はそのメールで、こう書いたんです。「ライターは、いつライターだと自分で名乗ることができるでしょうか?」すると、このような返事が来ました。
あなたがライターだと言えば、いつでも
それから、Jeff Goins(ジェフゴインズ)は自分のことをライターだと名乗り始めました。そして、毎日ブログを書くようになりました。すると、少しずつですが、ブログの記事の質が上がってきました。次にゲスト投稿を始めました。このゲスト投稿は英語圏では、1つの文化として育っているほど盛んな活動です。ほかの人のWebサイトに書くというのは、マーケターにとって本当に重要なことでした。別のWebサイトで好評となれば、Jeff Goins(ジェフゴインズ)のWebサイトにトラフィックを呼び戻すことができます。
そして、彼はメーリングリストを作りました。これを作るのに6ヶ月間は掛かったと言います。残念ながら、メーリングリストを最初から集めていなかったので、もし初めから登録者を募集していたら、今頃、もっと規模が大きいものになっていたでしょうとも後に語っています。とにかく、メーリングリストを作って、見込み客に認められるための方法を探し始めました。
おそらく1年半くらい、パーソナル・プラットフォームに記事を投稿し続けた頃、ジェフは「これでお金が稼げるようになるかも」と思い始めました。その頃、ジェフの妻は1人目の子どもを妊娠していました。彼女もジェフも、子育てをするのに十分なくらいには収入を得ていましたが、初めての子どもを育てるときには、できればジェフも家に長くいられるようにしてほしいというのが、妻の願いでした。そこで、ジェフはパーソナル・プラットフォームをビジネス化するために、真剣に取り組み始めたのです。見込み客をリサーチして、2冊の電子書籍をリリースしました。そして、最終的に冒頭で僕が紹介したような本を商業出版するに至ったのです。
それからJeff Goins(ジェフゴインズ)はオンライン・コースの販売を始めました。2012年の頃です。オンラインコース をローンチしてから、年収が、いつもの5倍に膨らみ、ジェフの奥さんは仕事を辞めることができました。その数ヶ月後に、Jeff Goins(ジェフゴインズ)も非営利団体の仕事を辞めて、それ以来、ずっとオンライン・コース・ビジネスで仕事をしています。
以上がJeff Goins(ジェフゴインズ)の経歴です。本当に素晴らしいストーリーでしたね。僕なんてもう知っているはずなのに、驚きっぱなしでした。
石崎は「デジタルマーケター」と名乗るのが怖かった
先日、沖縄県の美ら海水族館に向かう途中、ガソリンスタンドに寄って、ふとある話を思い出しました。僕の母方のじいちゃんが教えてくれた話です。「人間には2つのタイプがある。1つは、ガソリンタンクを4分の1以下にしない人。もう1つは、ガソリンタンクが空の表示になってから、どれくらいの距離を走れるか考える人です。」
僕は2つ目のタイプで、息子を幼稚園に送るときによくこんなことを言っていました。「幼稚園まで行くのに十分なガソリンがあるかな?無責任なパパでごめんね。」と。そして、学校に行く前にガソリンを入れに行くことになります。ガソリンタンクをいつもいっぱいにしておかないのは、ガソリンの重さで燃費が悪くなってしまうからです。でも、満タンにしても5,000円くらいですし、「もうちょっとくらいのコストを気にしなくてもいいんだ」と気付かされたのです。パーソナル・プラットフォームを始めて、オンラインコース をエバーグリーンファネルで販売し、「次の給料日までお預け」なんて日常を抜け出せたことに、本当に感謝しています。
僕もJeff Goins(ジェフゴインズ)と同じような経験があります。ジェフはさっき「ライターの夢を認めるのが怖かった」と言っていましたよね。僕もデジタルマーケターの専門家を名乗るのはずっと怖かったです。その恐怖は、どこからきていたのでしょうか?
今、振り返るからこそ、わかったことなのですが、デジタルマーケターになるという夢が自分にとって重要なことだと認めるのが怖かったんです。
たぶんあなたも知っている「天才! 成功する人々の法則」という本。 マルコム・グラッドウェルが書いて勝間 和代さんが翻訳した本ですね。当時僕は英語を必死で勉強していたので、原著を英語で読んでいました。Amazonに買収される前のAudibleで原著の「Outliers」を何度も聞いていました。Outlierは日本語で「外れ値」という意味です。統計における異常値を外れ値と言います。人間界における異常値、つまり天才の作り方について書かれた本ですが、その本をとったのは22歳の時でしたから、もう手遅れ。とうとう僕は天才になることなく今に至っています。
この本は、1万時間ルールや計算された訓練、何かで世界トップクラスになる方法について書かれています。この本を読んで「僕は生計を立てるために今働いているけど、もっとストイックになるべきかもしれない。まだまだデジタルマーケティングの技術をマスターできていないんだ。」と感じました。
自分の夢に直接向かっていくことができないこと、夢とはかけ離れたことをしてしまうのはなぜか、僕なりに考えました。その理由は、夢に向かって走り出したときに、失敗するのが怖いからです。夢に対して本気で打ち込むことができなければ、目標を設定していないのと同じようなものです。あなたはよくわかっていると思いますが、目標を達成できないことを恐れて、多くの人は、そもそも目標を設定することができません。これは、イソップ物語の『キツネとぶどう』の話のようなもので、夢に手を出さずに「どうせできない」と言ってしまうことは、よくあることです。
マッチョになりたくないのではなく、なれないだけ
最近僕は筋トレをしています。YouTubeでメトロンブログを見て、自重トレーニングをしています。娘が仕切りのない隣の部屋でPeppa Pig を Netflixで見ています。その横で僕は奇声をあげながら胸筋を作るための3分6種目のハードトレーニングをするわけです。MYPROTEINのIMPACT WHEY PROTEIN「ストロベリーチーズ」フレーバーを飲みながらボディビルダーのコンテンストをYouTubeで見るのがルーチンです。
トレーニングをやっている方はわかると思いますが、筋肉を肥大させるためには負荷をかけて「効かせる」必要があります。1日に1回は「もう無理、これ以上はできん」ってところまで追い込む瞬間がきます。それが先ほどのPeppa Pigの見ている隣で奇声をあげる僕の姿なのです。食事も、炭水化物を減らして、脂肪分の少ないチキンなど、タンパク質中心の生活にします。さらに体脂肪を下げるために、有酸素運動をやります。僕も体重を落とすために今は毎日8kmから10kmほど走っています。
こんなきつい生活を10年も20年も続けるのがボディビルダーです。フィジークという筋肉の綺麗さを競う大会では、若い人よりもある程度歳をとっている人が入賞しやすい傾向にあります。筋肉の大きさでいうと若い人のほうが勝っている感じがするんですけど、筋肉がツルツルなのです。ある程度、長い年月鍛えないと筋肉に線が入ってこない。その筋を「美しい」と考える人がフィジークの大会には多いと聞きます。
ようはしんどいことを長い間続けるってことを言いたいのです。先日、たまたまヤフー知恵袋で「ボディビルダーが気持ち悪い」という質問とそれの回答を見つけました。その中で1つだけ異色の回答がありました。きっとボディビルディングを肯定する人の回答です。
1番下の2人みたいな思考の人間が多いからです。
「マッチョになりたくない」
いや、そんな簡単になれないから大丈夫。「ボディービルダーのテカテカがゴキブリみたい」
メタボ体型や腹だけ出た難民体型よか100倍マシ。
こんな思考の日本人がいる限り、日本にウエイトトレは浸透しないでしょうね。
1番下の人は「マッチョになりたくないから」と答えていました。それに対して「いや、そんな簡単になれないから大丈夫」と答えています。なりたくないんじゃなくて、なれないんでしょ?というわけです。
Jeff Goins(ジェフゴインズ)は本を書きたいと思っていた。文章を書くことでお金を稼ぎたいと思っていた。でもそれに「なりたい」と思い目指してしまうと、きついトレーニングに打ち込まなきゃいけなくなる。物書きになってお金を稼げない自分を認めたくないから、あえて目指さない。そういった思いが「恐怖」に繋がっていたのです。
僕も全く同じでした。デジタルマーケターになろうと思って目指すと、たくさん競争が発生する。僕よりもお金を稼いでいるインターネット業界の人たちから「お前程度の人間がマーケターいうな」と言われるのが怖い。どうせデジタルマーケターなれないなら、デジタルマーケターになりたくないと思っていた方が楽なんです。
やる前にあれこれ考えても無駄だから今すぐやれ
デジタルマーケターを目指すことで、貧乏になると思っていました。たくさんの犠牲を払うことになるからです。だから、マーケティングを勉強することが自分にとって重要なことであると認められなかったのです。正直なところ、失敗よりも成功することに恐れていたところもあります。もし社会に広まってしまえば、責任はすべて僕に返ってきます。単なる趣味じゃありませんし、プロになったときに情熱を失ってしまう可能性もある、と。でも、実際にデジタルマーケターになったときに、これまでの心配は全部、嘘だったのだと気づきました。
僕自身、これまで多くのセラピーを受けて、悩みや恐れを解放しようとしてきました。実際に心理療法を受けに行ったこともあります。大学生の頃から、こういった自己啓発系の怪しいセラピーから、臨床心理まで一通り受けて、自分の意識をコントロールしようとしてきた暗黒歴史があります。
ただ結果として、僕はデジタルマーケターをやり始めた。
そのとき、すべての悩みや恐怖はなくなったでしょうか?もうちょっとわかりやすく言い換えると、恐怖があるときに、その感情を分析し続けるのではなく、実際にアクションを起こしてみた方がいいと思いますか?あなたはどう思いますか?
僕の意見を言います。恐れをハッキリとした形にするためには、アクションが必要です。これは、僕のポリシーの1つでもあります。何かが必要だと感じても、その「何か」がハッキリと見えてくることを待つ必要はありません。誰かがMother Teresa(マザーテレサ)にこうお願いしました。「私の意思が明確になるために、どうか祈ってください。」と。Mother Teresaは、こう返しました。「それはできません。だって、この世の中にハッキリとしたことなんて、ないのですから。私はただ信じているだけです。」彼女の言葉の通り、僕は明確になる前に行動に移すというプロセスが正解だと考えています。
やる前に物事を明確にすることはできません。僕たちはコンサルティングを受ける際に、アプリケーションフォームを挟んで申込者のポテンシャルを計っています。申込書を見て、小川さんが「この人なら一緒に仕事できそう」と思った人だけ採用となります。だいたい1日に2〜3の申込がありますが、実際に採用となるのは極々わずかな人だけです。僕たちは質問項目に「月々10万円投資できますか?」というものを用意しています。そこにある答えのほとんどが「コンサルティングの内容次第です」とか「毎月10万円以上稼げることがわかったら可能です」とか条件をつける人がほとんどです。そういう人たちを僕たちはすぐにはじきます。そういう人たちを弾きたいからあえてこの質問を設定してある。
リターンがはっきりとわかったら、やってもいいと。あなたがのビジネスがどうなるかなんて僕たちにわかるわけがないのです。それはあなた自身がよくよく理解しているはずです。マーケットは水物で、今日まで良くても明日からダメになることもあれば、自分がイケていると思った商品が市場で評価されないことなんて多々あります。もちろんこんなん当たるわけないやん!と思っていた商材が当たることもあります。僕自身がまさにそうです。まさか自分のオンラインコース が売れるなんて思っていなかったけど、たぶん参入タイミングが良かったのでしょう、むっちゃ売れています。マーケットは水物。
お化けは、結局何かわからないから怖いのです。実際目の前に現れたら「お、結構可愛いやん」となるかもしれない。
日本人の僕らにとってアメリカのホラー映画が怖くないのは、お化けを明確に描写してしまうからです。黒い人影。口からは大量のハエが出てくる。自分一人だけがウィスパーを聞こえる。こんなはっきりとした形でお化けが最初の方で描写されたら、そこがリミットになるのです。なんや、これ以上怖いことないわ!と僕はいつも思ってしまうのです。
目の前のタスクを1つずつ丁寧にこなしていくしかない
うまくいくかどうかわからないけど、とりあえずマーケットにダイブしてみる。それがビジネスというものではありませんか。浅瀬で遊んでいるだけでは海で泳いでいるとは言えないでしょう。足がつくかどうかわからないところまで行って必死で水をかく。スキルもなく深い海に飛び込めば死ぬけど、マーケットでは溺れ死ぬことなんてありません。
ビビっている人は浅瀬に立ちマーケットを見て「波がおさまってから、やります」というでしょう。でも波がおさまることなんてないのです。すべての状態があなたのためにパーフェクトに整うことなんてないのです。だから多少の恐怖心を抱きつつも、どこかのタイミングでダイブしなきゃいけない。ずっと浅瀬に立ち向こう岸に渡った人たちを見ながら、波がおさまるのを待ちつつ、10年20年30年を無為に過ごしてしまう。泳ぎ始めてみると、案外波が弱いかもしれない。あるいはスイミングスキルのなさを自覚するかもしれない。じゃあプールに行って泳ぎの練習をすればいいだけの話です。自分のスキルのなさを自覚するためには、まずアクションを起こさなきゃいけない。そうですよね?
自分ならできると信じて、できることを1つずつやっていくしかないのです。
プラットフォームを構築するには、多くのコンテンツを作らなければなりません。オプトインページ、ウェビナーページ、ビデオセールスレター、決済ページ、Eメールシーケンス、オンラインコース 、アップセル、バックエンド・・・などなど。
このことについて、あなたがどのように考えているかわかりませんが、先日、僕なりに考えたことがあります。パーソナル・プラットフォームやメディア、戦略、ブログを変えるには、何が必要なのだろうかと。そして、変わらないものは何か。どうすれば、コンテンツ作成や執筆で生計を立てていくことができるのか。
パーソナル・プラットフォームの世界では、比較的長い時間をかけ、たくさんのコンテンツを作っていかなければなりません。一連の仕事を作り出し、マルチタスクをこなし、通常の場合は、複数の収入源を生み出していく必要があるはずです。僕の場合であれば、Udemyからの収入。コンサルティングからの収入。法人向けの業務委託からの収入。そしてメインのオンラインコース 販売による収入があります。
フルタイムで生計を立てたいなら、少なくとも、収入の流れを分散させて、1つが死んでも他でカバーできるような戦略が必要です。
ヒットを待つことも、一夜にして成功することも、1つの場所から安定して資金を得ることも期待できないのです。
人間万事塞翁が馬:プラットフォームビジネスは何が成功するかわからない
何がうまくいくか分からないのが、パーソナル・プラットフォームの世界です。もしかすると、これは、どんなことにも当てはまるかもしれません。一方で、時々「役に立たない」と思っているアイディアや、まったく自分では誇りに思えないようなことで、トラフィックが生まれることもあります。一方で、これまで必死にやってきたことが、一切ヒットしないということも。
数週間前に、東京に行きました。そのとき、僕のところに20歳のウェイターが来て「もしかして石崎力也さんですか?」「Udemyで免許皆伝フリーランスを販売している石崎さんですよね?」と聞いてきました。僕は彼に同意すると、「そのコースは、僕の人生を変えてくれました。僕にとって、あなたのコースがもっとも必要だったときに、たまたまUdemyで視聴したんです」と言ってくれました。
彼は、その免許皆伝フリーランスがもっとも売れなかったオンラインコース だということを知らなかったようです。もっとも期待していたコースだっただけに、売れなかったのは残念だったけど、彼の言葉を聞いて、思わず嬉しくなりました。免許皆伝フリーランスが売れなかったとき、僕は「ベストセラコースを作ろう」と覚悟を決めて、撮影に取り掛かりました。すると、そのコースがベストセラーになったんです。これが、”Online School Building 2.0 ”です。だから、売れなかったとしても、作る価値はあったかなと今は考えています。
まさに人間万事塞翁が馬。何がプラスで何がマイナスかは、その時点では判断できません。なぜなら将来のいつか、その時のプラスマイナスの評価が一瞬にして変わることがあるからです。
ブログを書いたり、オンラインコースを撮影したり、いろいろなことを一連しておこなっていると、それぞれの仕事が、互いに刺激しあってくれているように感じます。収益性が高く、人気の高いプロジェクトと、収益性が低いプロジェクトが比較されることもありますが、意外と儲かっていないような仕事が大事だったりします。僕はいろいろなことができる仕事が好きですが、すべての仕事が僕のコア・スキルである「デジタルマーケティング」につながっています。
あなたはいつプロを名乗ってもいいのか?「今すぐです」
Jeff Goins(ジェフゴインズ)に「あなたがライターだと言えば、いつでも。」と言ったのは、Steven Pressfield(スティーヴンプレスフィールド)です。
Jeff Goins(ジェフゴインズ)はその言葉を聞いてから、ライターを名乗り始めたと言っていましたが、「ライター志望」から「ライター」になるまでの移行期間はどれくらいだったのでしょうか。すぐに名乗り始めたのでしょうか?もしくは、結構な時間がかかったのでしょうか?
Jeff Goins(ジェフゴインズ)はpodcastの中でこのように語っていました。
そうですね…。まずは、自分がライターであると信じるところから、移行プロセスが始まります。まさに真実であると。そして、ライターだということが本当であるかのように振る舞い、行動します。そうすれば、最終的に本物になることができるんです。
あまり説教じみたことを言うつもりはないのですが、僕はよくダビデの聖書の話と、彼が10代で王様になるために、どのように油が注がれたのかについて考えることがあります。ダビデは、歴戦の勇士・ゴリアテに向かってこう言いました。「僕はこれまで熊やライオンと戦ってきました。だから、あなたを打ち倒すことができるでしょう。あなたはただの獣だ」と。
この話で面白いのは、ある男がダビデの頭に油を注いで「お前は王になるだろう」と言ったところ、彼がその言葉を本気で信じたことです。ダビデは王様になることを本気で信じたのです。それから、彼は真剣に訓練を始め、戦場に兵士を連れていき、数ヶ月から数年の間に、巨大な脅威に直面するための準備を整えたのです。
僕たちは、この話から学ぶべきです。ダビデは10代の頃に「お前は王になるだろう」と言われましたが、実際、王になるのに10年がかかっています。しかし、彼は予言を授かったその日から自分が王であると考えました。だから、もしあなたがライターになりたいのであれば、そして見込み客を獲得するために文章を書きたいのであれば、「いつの日か」「ライター志望です」「ライター候補です」などと言ってはいけません。
ライターになりたいのであれば、今日からライターであると考えなければなりません。すべてのパーソナル・プラットフォーマーは、自分がパーソナル・プラットフォーマーであることを認める必要があります。ブログがうまくいってからではなく、今この瞬間からプロとして振る舞うのです。これは、嘘でもなんでもなく、精神面からプロになる必要があるのです。僕も自分のことをデジタルマーケターだと捉えることができたので、プロのような思考を手に入れ、プロのように振る舞うようになりました。
おそらく世界で活躍しているデジタルマーケターでは、Neil Patel が有名でしょう。彼がUbersuggestをローンチしたときに僕は「このやろう!」と舌打ちしました。くそ、いいサービスを作りやがって・・・と本当に悔しかったのです。心の中では、Neil Patel と真剣にタイマンを張っているのです。いつか打ちのめしてやるぞ!と世界のトッププレーヤーに対して啖呵を切るわけです。それは自分がプロと思っているからこその発想です。
プロ意識を持つ。すごい大事なことです。
パーソナル・プラットフォーマーの中心となるスキルは「書くこと」
もう少し文章について話しを深めていきましょう。僕は、素晴らしい文章を書くのが好きです。まず、僕は本が大好きです。でも、Podcastで放送するのも、ビデオコンテンツを出すのも、楽しんでいます。じゃあ、これらのコンテンツに比べて、書くことの何が特別なのでしょうか。そして、なぜほとんどのプラットフォーム・ビルダーにとって、書くことが出発点となるのでしょうか。
理由は、いくつかあります。
すべての人が日常的に「書く」と言うことをおこなっているから、というのが1つの理由です。僕たちが人と繋がり、コミュニケーションをするために、1日中、何かを通して書き続けています。そういった意味で、みんなライターなんです。
小川さんから「こういった感じのビデオを撮影して欲しい」という仕事内容をメールでもらいました。これも、書かれたものの1つですよね。僕たちは文章を書くことで人と人を結びつけ、何かを創造しているのです。今でも、多くの人が「書く」というコア・スキルを持っているはず。だから、このスキルをさらに鍛え上げ、効果的に見込み客に伝えることに使うことができるのです。
僕は、Tim Ferrissが言っていたことも気に入っています。「テキストよりも、速く移動するものはない」と。いろいろなメディアを使うことができますが、テキストは、帯域幅(たいいきはば)の問題などを心配せずに使うことができるスキルなのです。テキストは人とコミュニケーションをする上で、もっとも普遍的かつ効果的な方法だと僕は思います。
そして、僕にとってもっとも重要なのは、紙の上で考えることができるということです。Podcastやビデオコンテンツの場合、どれだけ経験豊富なスピーカーやコミュニケーターであったとしても、台本が必要です。僕がこのビデオを撮影するときも、話す内容を一字一句を書き出していますよ。いろいろと寄り道のあるビデオ構成にはなっていますが、それは意図したものであり、すでにアウトラインがわかった上でやっています。それはなぜかというと、前もって台本が書かれているからです。
より早くより良い文章を大量に執筆する方法
さて次に、大量のコンテンツを制作する方法について、お話をしようと思います。僕のブログの師匠であるJeff Goins(ジェフゴインズ)は現在も、駆け出しの頃と同じようにコンテンツを書いているかは分かりませんが、きっと、これまでのプロセスの中で、確実に、より良く、より効率的に制作する方法を見つけたはずです。
ジェフはこう言います。
僕はこれまで、ブログを書くのに時間がかかりすぎて、挫けそうになっているブロガーをたくさん見てきました。僕の場合、1時間くらいで何かの記事を書くことができます。それはあなたにとってみれば、そんなにすごいことではないかもしれませんが、ここで言いたいのは、コンテンツを作るのにそこまでの時間をかけることはないということです。
僕自身はコンテンツ制作のためのシステムや役立つツールを用意していますが、すべての人がそうすべきであるとは思いません。例えば、クラウドワーカー を使ってビデオの文章を書き起こしてもらったり、書き起こされた文章をブログの体裁に整えてもらったりと、僕はテキストで情報発信するのにもそれなりのコストをかけています。毎月100万円から150万円くらい支払いながら、こういったスクリプトライターや編集者に文章を作ってもらっています。
それだけ多くの人に手伝ってもらいながら、僕は、多分駆け出しの頃よりも、たくさんの記事を書いていると思います。ただリリース自体は、そこまで頻繁にしていません。最初のうちは時間がかかって、あまりうまくいかないことが多いと思います。良い文章にたどり着くためには、悪い文章をすべて取り除くべきです。
ロバートスミスは、営業のキャリアの初期に、たくさん電話をかけて、十分な数の「No」の返答をもらえば、最終的に「Yes」の返答をもらうことができるということを学びました。だから、良いものを手に入れるためには、たくさんの悪文をより分ける必要があるのです。渡邊みどりさんが翻訳した – 「これから」の人生を悔いなく生きる – というタイトルの素晴らしい本があるので一度読んで見てください。ロバートスミスのファンになるはずです。
もちろん、テンプレートやフォーマットにしたがうこともできます。この方法論については、たくさんの書籍が出ています。多くのブロガーが手法を紹介しています。僕も、今後そういった「文章を早く書く」ためのコンテンツを出していこうと考えています。
これはJeff Goins(ジェフゴインズ)の主張です。
良い文章は、主観的。効果的な文章は客観的
ジェフがライターのコミュニティで教えているのは、効果的な文章の書き方であり、つまり、特定のターゲットに明確なメッセージを独自の方法で伝えるやり方です。彼がコミュニティの中でメンバーにこう伝えています。
誰にとっても、コンテンツを作るということは難しいことです。しかし、ここでの目標は、良いものを作ることではありません。なぜなら、それは途方もなく難しいことだからです。良いものを作る手段や「良いもの」の基準を理解することは、なかなかできません。
もちろん、より良い文法を用いたり、良い話をしたりすることもできます。これらは、すべて上達できる技術です。しかし、書くことにおいて重要なのは、コミュニケーションです。多くの人は、このことを知りながら、避けてしまっているのではないでしょうか。メッセージを効果的に伝えることができれば、それは良いことです。それがライターの仕事です。
そして、より効率的に、効果的な文章を書くためには、テンプレートと手順を改善しながら、学び続けることが必要です。そのための多くのツールがあることは知っていますが、まずは「良い文章を書く」という考えを捨てて、効果的にメッセージを伝えなければならないという考えを受け止めることから始めましょう。
僕も文章を書くときには、あまり自意識を出さないようにしています。僕のブログにおける歴史は、常に自意識との戦いでした。この自意識を出さず、シンプルに読者の欲しい内容を書くことにシフトしてから、ブログが成功し始めたのです。
成功するブログは1つのテーマに執着して読者の読みたい記事を書き続けている
最初の頃は、常に自分のことを考えてしまいますよね。「読者は自分のことをどう思うだろう?」とか。講演者も同じです。自分のことを考えて講演をすることほど、緊張することはありません。自意識が過剰だと、自信を持って伝えることができないのです。自分への意識が薄れれば薄れるほど、相手のことを考えるようになり、相手に直接、ハッキリと伝えられるようになります。「読者はどんなことを知りたいのだろう?」という思考法にシフトします。
ヨガを習ったことがないのに、ヨガの姿勢で座っていたら、急にポーズを思いついて、うまくいくなんてことはないのですから、やり方がわからない状態では、うまくいきません。僕が思うに、練習を通じて、自意識を取り去っていき、もはや自分自身について考えないという境地にまで至ることが大切です。常に見込み客のことを考えて、どんなことを言おうか、書こうか考えるということです。
量をこなせば、質もついてくると思います。
2014年の話です。皮肉な話ですが、僕が毎日記事を書くようになって1年の間、400本の記事を書きましたが、そのうちのいくつかは、他の人のWebサイトのために書いたものでした。つまり他の人から「こんなテーマで書いて欲しい」と要望を受けたことについて書くのです。これは、かなり直感に反するものです。
書けば書くほど、アイディアは増えていき、より具体的になっていきます。これは、直感に反することかもしれませんが、本当のことです。僕はいつもこう言います。見込み客の幅を広げるためには、焦点を絞っていくべきだと。これは、オンラインコース においても当てはまりますし、コミュニケーションにおいても当てはまることです。より多くの人にアプローチしたい場合や、より多くのアイディアを思いつきたい場合には、何かユニークなもの、独自のトピックやニッチで特定の世界観にフォーカスを当てること。焦点を当てれば当てるほど、たくさんの制約が生まれ、その分、多くのアイディアを得ることができます。
制約がなければどんなことだって書くことができますが、一方で、何も書くことができません。もし「猫とセーター」というテーマの制約があるとすれば、どんな種類の猫か、どんな種類のセーターか、気候はどうか、セーターを着ている意味はあるかなど、ディテールを考えることができます。だから、物事を考え始める際には、十分な制約を設けた方がいいのです。
もうご存知とは思いますが、僕のパーソナル・プラットフォーム では、ずーっとデジタルマーケティングのことしか書いていません。二人目の子供ができたこと、ヨーロッパに移住したこと、沖縄で食べたおいしいバーガー、自動車教習所の威圧的な教官の態度、平和島競艇場でぼろ負けしたこと、レアジョブの株を購入したら1年で10倍になったことなど、書きたいことはたくさんあります。でも、書かない。デジタルマーケティング、特にツールの使い方という制約をかけてブログを書き続けています。
毎日、記事を書いているうちに、多くの人が僕のことを注目してくれました。さらにたくさんの記事を書くと、僕に質問を投げかけてくる人が出てきました。実用的なことを言うと、もし執筆を始めたばかりなのであれば、まずは自分に質問をするところから始めましょう。将来的には見込み客があなたに質問をするようになるでしょうが、第一にあなたが自分に問いかけるべきです。「お客さんはどんなことを知りたいだろうか?」「僕がお客さんならどういうことを聞くだろうか」と。
僕はこれまで人から聞かれたことをブログで共有したり、読者をリードするためにデジタルマーケティングのレッスンを受け、それをブログで実践してきたと思います。ブログを通して1日中、誰かから質問をされたり、自分自身に質問を投げかけたりしています。今、こうやって喋っている内容も、やはりお客さんの質問がベースになっているのです。チャットサービスを使って積極的にお客さんとコミュニケーションをとるのは、間接的には、ブログのネタやYouTubeのネタを取るためでもあるのです。
ただ、別にQ&Aブログになる必要はありません。でも、「人生には目的がありますか?」という質問の答えを、ブログの記事にすることもできるのです。世の中にはたくさんの質問があります。あなたのニッチにおける質問がたくさん掲載されている、例えばQuoraや、Googleトレンド、Facebookグループなどをフォローするだけでコンテンツ制作のネタは無限化できます。
これは優れたブログ記事作成ノウハウです。きっとあなたのブロガーライフを少しだけ楽にするはずです。
優れた文章を書く3つのステップで「書けない現象」から抜け出す
次にライターズ・ブロック(書くことができなくなる現象)について話しましょう。あなたは、ライターズ・ブロックを経験したことがありますか?口が聴けない
Seth Godinは「口がきけなくなる人などいない」と言いますが、僕はときどき座って何かを書くのが怖くなることがあります。誰かが僕のことを評価したり、不十分だと思われたり、失敗を恐れたりするからです。これはただの恐怖であり、人間なら誰しも起こりうる現象だと思います。
あるとき、僕もネタを出し切り、内側にストックされているノウハウが底を尽きて、書くことがなくなりました。ライターズ・ブロックかどうかは定かではありませんが、そもそも自分の脳味噌から綴られる文章がすでにどこかで書いた内容である以上、もはやキーボードを叩くことはできません。
解決策は明らかで、内側にストックを積み立てることです。書くは読む、とはよく言ったもので、本を読んでいれば自然と内側から文章が出てくるようになります。幻冬舎からミステリーの書き方という優れた本が出ています。僕の好きな黒川博之、赤川次郎、東野圭吾などの作家が共著で書いた本です。素晴らしいので今すぐ買ってください。僕も定期的にKindleで読み返しています。本の中でこんなことが書かれています。
一生で書ける文章の量は決まっている、だから無駄に文章を書かないこと
僕はこの一文を見て、FacebookやTwitterなど諸々のSNSをやめました。SNSにくだらない文章を書けば書くほど、自分の中のタメが減っていきます。これは先ほどの内側のストックとは別の話です。仮に内側にノウハウがたっぷりと溜まっていたとしても、一生で書ける文章の量を使い果たしてしまえば、手は動かなくなります。
わかりやすい言葉で説明すれば「飽きが来る」となりましょうか。ああなんでこんなことやっているんだろうと馬鹿げてくるのです。その心境になればもう文章を書くことはできなくなるでしょう。普段から無駄に文章を垂れ流すのはやめておいた方が賢明です。
多くの人が、ページに言葉を載せるのに苦労しているように思います。そんな人は「完全にライターズ・ブロックの状態です。座っても何もできない」と感じるかもしれません。ただ、書くという行動は単一的なものではなく、3つの要素で成り立っているため、原因究明は簡単ではありません。あなたは、この要素について聞いたことはありますか?
これをthree-bucket system(3つのバケツモデル)と呼びます。
参考:https://goinswriter.com/three-buckets/
Googleで検索してもらってもいいですが、僕から説明しますね。文章を書くという行為は、3つの要素で成り立っています。複雑なプロセスによって最終的に文章が出来上がるので、書くという行為を「ただ座って文章をアウトプットする」ことだと考えていては、いつか失敗してしまう可能性があります。
#1. Ideas
文章を書くというのは、アイディアを出すための1つのプロセスです。これがまず1つ目の要素で、アイディアを何かにドラフティングしたり、実際に書き留めたり、文章やタイトルを考えたり、500語の小説にしたり、宣伝文や記事にしたり、最後に編集して公開する準備をしていることになります。
僕が実際にやっているのは、まずアイディアを得ることです。アイディアが浮かんだら携帯電話を取り出して、記録するためにイメージや言葉を1〜2文書いておき、Evernoteに保存します。
#2. Drafts
そして、朝にアイディアのバケツから1つずつ、保存しておいたアイディアを取り出して、それを下書きし、コンピュータ上の”Drafts”というフォルダに保存しておきます。執筆時間の半分(30〜60分)程度は、この作業に使っています。
#3. Edits
それから、昨日かその前日に作った古い原稿を引っ張り出します。”Drafts”から取り出したそれを編集して、付け加える部分があれば付け加え、ブログに掲載する準備をしたり、オンラインコースののスクリプトにしたり。何になるかわかりませんが、90%くらいは完成しているので、すでにどこかしらに公開する準備は、ここで完了です。
このように段階を踏んでいけば、明日になって急に「日本史の超大作を書かないといけない」といったように気が重くなる執筆作業ではなく、ただバケツの中のアイディアを次から次へと動かしていくだけの気軽な仕事になるはずです。
文章を書くというのは、そんなに大変で恐ろしい作業ではありませんし、完全に管理できるものです。もしかしたら、これも聞いたことがあるかもしれませんが、ライターズ・ブロックに陥ったら「僕が言いたいのは…」と書き出してみてください。これも誰かから教わったテクニックで、とても役立ちました。
Seth Godinもブログで同じようなことを言っています。そして、僕もライターズ・ブロックを信じていません。たしかに、書くことに対して怖くなるときはあります。少し行き詰まったような気持ちになって、どこから手をつければいいのか分からなくなることも。はじめてドラフトするときが、プロセスの中で1番難しいのです。でも、何か始めることさえできれば、それを編集して形を整え、すばらしいコンテンツにすることができます。
ブログは頻度よりも同じ曜日同じ時刻に公開することが重要
さて、次はブログ記事を書く頻度についてもお話ししましょう。ほとんどのブロガーと同じように、僕もブログを始めた頃は、公開するスパンがとても不安定でした。何かインスピレーションを受ければ、立て続けに3つの投稿を公開することもありましたが、1日に1回など、いろいろな公開頻度になりました。このように続けていると、いつの間にか週に2回というペースになりました。ブログ記事の公開頻度については、多くの人が1週間に1回が良いと言っていますよね。現在、インターネットにコンテンツが溢れかえっていますが、頻度としてはどのくらいが最適なのでしょうか?
僕は週に1度くらいが良いと思います。公開スパンについて、一番大事なのは、長期にわたって維持できる頻度を選ぶことです。なぜなら、一貫して役立つ記事を書き、その記事をほぼ同じ時刻・曜日に公開するということが重要だからです。僕たちが定期購読しているほとんどのもの(新聞・雑誌など)は、週に1度、もしくは月に1度のペースでリリースされています。このように、公開に対して確実な期待を持てることが大切なのです。
たとえ見込み客が3人でも、4人でも構いません。一貫してコンテンツがリリースされるということを示すのです。これを何度も何度も繰り返すと、見込み客は、そのコンテンツのオーナーを信用し始めるはずです。僕はYouTubeでも同じ戦略をとっています。僕と小川さんは月曜日と木曜日にビデオを公開しています。実はその半年前から1年前ほどの撮影も終わっているのですが、あえてそれをスケジュールに落とし込んでいます。ちゃんと組織で仕組み化してコンテンツを作っているんだなという印象を与えたいからです。
ブログの場合は、火曜日と金曜日にブログの更新通知を出しています。毎週同じ時間に似たようなクオリティのコンテンツを提供されるとお客さんは安心するものです。
たとえば、昼食の約束をしているとして、15分早く来たり、20分遅刻して来たりする人の行動は信用できませんよね。それよりも、一貫性のある行動を何度も、何度も、何度も、繰り返しやってくれる人の方が、安心感があります。
公開が週に1度になるかもしれませんし、月に1度になるかもしれません。ただ、ここでの課題はフィードバックループが長くなってしまうということです。1記事書くのに1ヶ月かかる場合、その記事がうまくいかなかったら、フィードバックを生かすことができるのは、次の1ヶ月後の記事になってしまいますよね。
一方、毎日ブログを書くことの利点の1つは、記事に対するフィードバックを毎日受け取ることができるということです。ただ、あまりに短すぎるスパンでフィードバックを受け取っても、生かしきれないことの方が多い。そのため、週に1回、長くなっても良いので、本当に良いものを書く努力をした上で、常に同じ曜日・時間に発表することがおすすめです。
Mariah coz はこう言います。週に3回の普通の記事より、月に1回のワオな記事を書け、と。
ブログの記事をMediumで再公開して10万のリストを集めた事例
あなたは今こんなことを考えているかもしれません。noteやMediumのようなメディアで、コンテンツを再公開することについては、どう思いますか?と。
僕は個人的にMediumが大好きです。最近の優秀なライターはMediumに移行している気がするほどです。でも、Mediumはあくまでも他人の土地です。レンタルサーバーを借りて自分でWordPressをホストしたサイトに比べて、企業側の都合で削除されてしまう可能性は高いと言えます。その点を割り引いてもMediumは魅力的な媒体だと考える人も多くいます。
最近、Jeff Goins(ジェフゴインズ)のポッドキャストで「benjaminhardy.com」のBen Hardyにインタビューをしていました。彼は、Mediumで1年間、独占的にブログの内容を再掲載して、メーリングリストの登録者を1万人から10万人に増やしました。それに、初めての書籍にも関わらず、Hachette(アシェットリーブル)と何千万円規模の書籍契約を結んだんです。これは本当に信じられない話です。Mediumのナンバーワンライターと言っても過言ではありません。
そこまでの成功を掴み取れたのはなぜでしょうか?彼がMediumの見込み客をたくさん抱えていたから?僕もMediumを試してみたのですが、目立った変化はありませんでした。
この点について、Benはポッドキャストでいろいろと語っていました。Jeff Goins(ジェフゴインズ)が「あなたの成果は、他の人には真似できないものですか?もしくは、他の人でも応用できるノウハウがありますか?」と聞いたところ、Benは「あなたの記事を見せてくれますか?できれば、再利用を考えている記事を。Mediumで受ける記事に変えてあげるよ」と言ってくれたのです。僕が思うに成功の秘訣は、Mediumの見込み客を理解して、彼らのために記事を書くことだと思います。
この点に関しては、WordPressからMediumへ、そしてまたWordPressへ、という記事の中で高橋さんが、こう書いています。
上記で挙げたようなコミュニティが非常に魅力的であり、なおかつ自分の発信するコンテンツがそのコミュニティと親和性が高いとなれば、コンテンツプラットフォームで投稿することはアリだろう。また、プラットフォームのコンテキスト(=文脈)を読んで発信する情報を変えられる器用な人なら、バズを起こしやすいはずだ。
はてなブログなら「保育園落ちた、死ね」系の文章を書き、アメブロでは闘病と育児系の文章を書き、noteではクリエイターが好きそうな文章をかき、Qiitaではプログラマが反応する文章を書く。Mediumならテック系、スタートアップ系についての記事を書くと、バズを起こせるかもしれないと。
多々単純にブログの内容をMediumにコピペしただけでは、ダメです。見出しも変えず、フォーマットもそのままの状態で、ブログと同じように機能することはありません。Mediumはライフハックやクリックベイト的な要素を好むコミュニティであり、このプラットフォームで好まれる記事の多くがそういった特性を持っています。クリックベイトは、釣り、ですね。YouTubeのサムネイルをエロっぽくして再生回数のばすのもクリックベイトと言えます。2chのスレッドにも釣りのタイトルがたくさんあります。有名どころでは「ノーバン始球式」でしょう。ノーバウンドをノーパンに誤読させる釣りテクニックです。英語で書かれたMediumの記事を読んでいると、タイトルのほとんどがクリックベイトであることに気づきます。
もちろん深いストーリーに基づいた記事もいくつかありますが、これらは驚くほど出来栄えの良いごく一部の文章です。
クリックベイトの良し悪しについて話しているのではありません。Mediumというプラットフォームではクリックベイトが好まれるコンテキストが存在することを伝えたいのです。あなたがMediumに参入するなら、Mediumに存在する空気を読んでMediumにいる人たちが関心を持つであろう記事を書く必要があります。
WordPressの投稿を別のメディアで再掲載するとSEOで不利になるか?
まず第一にBenがMediumでコンテンツを書くとき、彼は見込み客のために、見込み客が好きな方法で記事を作り始めます。これは、もっとも重要なことですね。もし、これがMediumのプラットフォームではなく、自分のWebサイトであったとしても、同じく、見込み客のために書かれるべきです。僕が見込み客のために記事を投稿するとき、僕の方法で、僕の言葉で文章を書きます。しかし、常に見込み客のことを考えて書くものです。僕があなたの家にゲストとして招待されたら、招待された側として、ハウスルールに注意をします。この家では靴を脱ぐべきだろうか…など。
Benは2つのことをしました。1つは、見込み客のために書くということ。もう1つは、見込み客をMediumに連れて行き、Mediumが好みそうな記事でバスらせたということです。コンテンツの再利用をするのは良いことだと思います。ただ、Mediumをうまく扱える人もいれば、うまく扱えない人もいるでしょう。
僕はSEOのプロフェッショナルではありませんが、聞いた話によると、基本的に「rikiyaishizaki.com」で何かを公開した後、数日後に別の場所で公開しても、それをバックリンクすれば、アルゴリズム的には大丈夫だそうです。だから、元の投稿を消す必要はありません。検索アルゴリズムは、ちゃんとバックリンクがどこに向かっているのか分析できるほど、賢いのです。
僕も同じように試してみようと思います。おそらく、これを聞いている人に対する僕の挑戦になるはずです。いろいろなWebサイトで試してみます。これがBenがおこなったことであり、これから僕が試そうと思っていることです。彼は、Mediumが彼にとってかなりうまく機能するであろうことを発見しました。だから、もしあなたが、自分にあったプラットフォームなどを見つけたら、全力で取り組むべきだと思います。
最終的に彼は、オリジナルの記事もMediumに投稿し、ブログにも再掲載し、メーリングリストのメンバー全員をMediumに移行させました。まさにメガスパイラルです。1記事あたりの閲覧回数は数千万回。ただ、彼がやることは、記事の最後でメーリングリストへの登録を促すというものです。そして、電子書籍のプレゼントを条件にサインアップをしてもらうために、メーリングリストのメンバーをランディングページに誘導しました。
おもしろい事例ですよね。ちなみに、今、僕のブログのアーカイブを再利用する予定があります。たくさんのコンテンツに埋もれないようにするには、どうすれば良いか考えている最中です。答えが見つかればすぐにでも、海外でいうところの、repurpose(再利用)をするはずです。
主に記事の再公開ですね。すべての記事を遅かれ早かれ、エバーグリーン・コンテンツにしようとしています。僕は、人々が検索を通じて見つけるような記事を書くことに関心があります。見込み客に「Mediumにコピペしたよ」なんて知らせるかどうかは別として、公開した記事を僕のフォロワー10万人が見ることより、記事のトピックに関心のある1,000万人の人たちに広く見てもらいたいと思っています。
たとえば、「セールスレター テンプレート」「Udem 稼ぎ方」「セールスファネル 作り方」とGoogleで検索すれば、僕の記事が一番上に表示されます。
これらの記事は、各々のノウハウに関する10のポイントが箇条書きで記載されているものです。500ワードの記事を書くのに20分もかかりましたが、トラフィックが流入してくるのが分かると、この記事を徹底的に見直し始めました。このように、僕はエバーグリーン・コンテンツを育て続けています。別のプラットフォームで再利用するつもりは、今はありません。メールのニュースレターや他の記事で参照リンクを貼ったり、ほかの人の記事にリンクを貼ってもらったりして、トラフィックを維持するかもしれませんが、再利用の予定はないです。
ちなみにソーシャルメディアで、古い記事を新規記事のように宣伝することは効果があるのでしょうか?Tim Ferrissがよくやっている手法です。
90日間のサイクルで同じようなことを僕もしています。トップ100の記事を集めて、それぞれ洗練させました。そして、リードマグネットを使って、できる限り多くの人にメールアドレスを提供してもらいました。石崎力也の過去のトップ100記事を送信してほしい方はここにオプトインしてください、とオファーしました。まだまだやるべきことは残っていますが、ほとんどの人のアーカイブにはすばらしいコンテンツが眠っていると思います。だから、常に新しいものを考えだす必要はないですよね。
書くことを通して明確なメッセージを見込み客に伝え続けるだけでいい
うちのサブスク商品、コンプリートバンドルには、「ライターを目指している」というメンバーがたくさんいます。特に、ブログを書く必要があると考えている人や、いつかは本を書きたいと思っている人は「まだライターじゃない」と言うばかりで、なかなか実行に移せません。どうすれば、彼らが文章を書き出すことができるのでしょうか。
僕はいつもこう答えています。まずは「すべての人が日常的に何かを書いている」という話に戻りましょう…と。
すでに述べたとおり、書くというのは、誰かとコミュニケーションを取るときに、もっとも早い手段です。最小限の技術しか要求されず、間違いを犯す方が難しいくらい。だから、もしプラットフォームを構築しようとしているのであれば、その中心に書くことを用いるべきだと思います。なぜなら、ビデオコンテンツやオーディオコンテンツを作る上でも、まず最初に台本を書く必要があるからです。
ある時、Tim Ferris のTweetを読んだことを覚えています。誰かが「ライターになるにはどうすれば良いですか?あなたは何をすれば良いと思いますか?」とTimに尋ねました。Timは「書きさえすれば、あなたはライターです。さあ、元気を出して。」と言いました。僕は、ライターという職業のハードルをかなり低く見ています。しかし、少なくないライターは、かなりのエリート主義です。僕が「文章を書いているのなら、立派なライターですよ」と言うと、彼らは「毎日走っていてもランナーとは言えないだろう」と言ってくるのです。ライターという職業である必要はありませんが、見込み客を増やして、人々との信頼を築くためには、書くスキルが必要です。ぜひ、あなたのポートフォリオに、書くスキルを入れましょう。後ろめたい気持ちになんて、ならなくて良いんです。
あなたの小説がいつまで経っても出版されなくても構いません。実際にプラットフォームを構築しているすべての人は、明確なメッセージを見込み客に伝えて信頼を獲得することを目的としたコンテンツを作成しています。だからこそ、すべてのプラットフォーム・ビルダーが、ライターである必要があると信じています。
そして、望めば、書くスキルを伸ばすことはできます。
振り返ってみると、僕がこれまで書いたブログ記事はすべて、ほかのプラットフォームではなく、自分のブログに書かれています。2013年まで遡ることになりますが、本当に出来が悪い記事がいくつかあります。メインテーマの周りを曲がりくねって歩いているような…肝心の結論に到達しないようなものもありました。アイディアとしては良かったかもしれませんが、これらの記事はそのままになってしまっています。
今まで書いたブログ記事の中で最悪だったものがあります。“ようこそ石崎力也のブログへ!”というタイトルの記事ですね。おそらく、すべてのブロガーがこんな感じの記事を書いていると思うのですが、誰も読みたいと思いませんよね。
WordPressにデフォルトで入っている「Hello, Dolly. 」というプラグインのようなものですね。入っているけど、何の役にも立たない。
僕が書いた記事の中で最悪のものは、2つ目に投稿したもので、その頃の僕は、Seth Godinに憧れていました。かなり短いブログ記事でしたが、あまりにも小難しい内容でした。タイトルは「リチウム電池と充電器」 というものです。この記事で僕が書いたのは、「1つ目のリチウム電池を充電器に入れました。20分後、充電器はリチウム電池が不良品ですと表示しました。2つ目のリチウム電池を充電器に入れるとまたリチウム電池が不良品ですという表示が出ました。その時気づいたのです、悪いのはリチウム電池ではなく充電器だった」そんな感じの内容です。セスゴーディンが好んで書きそうな文章ですよね?でも僕の書いた文章はあまりにも難解で、誰にも理解できなかったでしょう。
文章を短くすればするほどパワフルになる
さて、そろそろまとめに入りましょう。パーソナル・プラットフォームを構築する上で、ライターが犯す一般的な間違いについてお話しします。
コンテンツ作成におけるミスと戦略ミスの2つがあります。どちらも紹介しましょう。
Jeff Goins(ジェフゴインズ)は一度、だらしなく見える言葉について記事を書いたことがあります。この記事、すごいバズりました。
僕はよく覚えています。僕はその記事を見て、だらしない言葉遣いを改めました。
とても簡単な文法の話だったと思います。これらを辞めたら、印象が変わりますよ、という感じで。
たとえば「切り抜いても意味が通じる副詞は削除しなさい」とか。これは重要なポイントです。僕も一度、小説家から「副詞はできるだけ使わないようにして、強い動詞を使いましょう」と忠告を受けたことがあります。
“I’m very excited(僕はとても興奮しています。)” と言うなら、“I’m excited(僕は興奮しています)”とか“I’m ecstatic(有頂天です)”とか。言葉選びをサボってしまうと、だらしない言葉遣いになってしまいます。Tim Ferrisはこう言いました。「言葉が短くなるにつれ、強くなる。簡潔さは、エネルギーの副産物なのです。」と。
書けば書くほど短く、そして強くなるはずです。これは、ほとんどのブロガーに見られる傾向です。文章を書くのを怠けてはいけません。上手でなくても良いから、無駄な言葉を使わないことです。Mark Twainは、「原稿に目を通しながら、不要な単語を見るたびに赤ペンが入れられ、編集者は悪い言葉をカットアウトしてしまう」と言ったくらいです。
最初の2年間はブログで全く稼げないことを理解する
戦略的な話をしましょう。まずは長い時間をかけて、たくさんの仕事をしなければいけません。2週間以内に実現すると思っていても、結果が出るのに2ヶ月かかる可能性もあります。2年の場合もありますね。それは分からない。Jeff Goins(ジェフゴインズ)の言葉を借りると「もし、本当にそれがやりたいことならば、大きな成功を収める前に、2年間毎日練習することを嫌がってはいけない」ということです。
僕は1年半、毎日ブログを書いていました。パートタイム・ジョブでしたが、一銭も稼ぐことはありませんでした。でも、これらの仕事が積み重なって、ブログだけで大きな金額を稼げるようになりました。僕はたぶん比較的早く成果が出た方だと思います。
2019年の2月に茨城県の大学生と話したことを覚えています。彼は「今年の12月までに月収30万円を稼ぎたいです」と言っていました。それから彼は毎日ブログを書き、YouTubeに動画を投稿し、Udemyにも定期的にオンラインコース を出し続けました。残念ながら2019年の12月時点で、彼は実家暮らしをしながら深夜のコンビニバイトをしています。目標の月収30万円を稼ぐことはできませんでした。悲しいことに、彼は今でもそのブログを継続しているのですが、全くと言って進展がないようです。彼が今でも実家暮らしをしているのかは知りませんし、コンビニバイトを続けているかもわかりません。ブログを成功させるのは、努力だけでは足りないのです。毎日ブログを書き続けたら生活費くらいは確実に稼げるようになるという日本人もいますが、この世の中に確実なものはありません。
誰でも文章を書けるからこそ「ブログでお金を稼げるならそんないいことはない」と思いWordPressを構築してブログを毎日のように書き続ける人が、この世の中にはたくさんいるのです。ネット上で目立つのは成功した事例だけです。成功した人たちの足元は死屍累々(ししるいるい)なんてこともあるのです。失敗と挫折を繰り返した結果、ブログそのものをやめてしまう人もたくさんいます。
いいことだけを言っても仕方ないのでブログのリアル、ネットビジネスのリアルについてお話ししました。その上で、やはり僕は「毎日ブログを書こう」とあなたに言います。
導入時期にかなりの時間がかかるように思います。「2年もかかるの…?」と。しかし、2年後にきっと「すべてが変わった」と言うことになるでしょう。そして、この期間の全てが、自分のためになるのです。
長い間、僕は落ち込んでいました。匿名のはてなブロガーが初めてブログを立ち上げたとき、6日目には6,000人以上のユーザー・アクセスがあったそうです。一方、僕のブログは6日目に7人になり、8日目には4人に減ってしまいました。自分のブログを他人のものと比較することは、往々にしてやってしまいがちです。
多分、一度お話ししたことがあると思うのですが、Seth Godinは僕のヒーローです。彼は、バイラルにヒットしたことが一度もないと言いました。つまり彼のブログは、大ヒットした経験がないんです。しかし、彼は一貫して記事を公開し続け、根強いトライブを形成してきました。ブログにおいて成功への道筋はいくつもあるものだと思います。しかし、成功者に共通するのは、長期にわたって、一貫した、多くの仕事をしてきたという事実なのです。大ヒットすることもあれば、少しずつ基盤ができてくることもあります。
ブログで成功する前の無名でいられる時期を楽しめ
僕は今でもたくさんのライターさんと仕事をしています。彼らの多くはゴーストライターとして著名な作家さんの本を作っています。養老孟司さんのベストセラー「バカの壁」には専門家ならするはずのないミスが見つかり後日、本人がゴーストライターを使ったことを認めました。仮にゴーストライターを使っていなかったとしてもバカの壁は素晴らしい本だと僕は思っています。またイケダハヤトさんも「ぼくの本、半分くらい編集者が書いてますよ」と告白しています。うちのお客さんにはたくさんのベストセラー作家さんや、彼らをサポートする編集者の方がいます。
彼らが数十年の出版業界において、誰かしらのキャリアに起こりうる最悪の出来事は「著しく早い成功を掴む」と口を揃えて言っていました。彼らに見合わないほど早い成功は、彼ら自身をも壊してしまいます。これは、彼らが失敗をしたという意味ではありません。しかし、早すぎる成功は、次のプロジェクトに進む際のハードルを、乗り越えるのが不可能なほど、高くしてしまいます。彼らは、2つ目のプロジェクトで、スランプに陥ってしまいます。なぜなら、彼らの頭の中には「どうやって1つ目のプロジェクトに見合うほどのものにできるのか」という焦りが生じてくるからです。ウサギとカメの話ではないですが、遅くても良いので、安定した着実な歩みを永遠に続けていくべきです。
我が身を振り返ってみても、本当にその通りだと思います。僕自身、満足できる成功を収められたことには感謝していますが、「もっと成功したい」「なぜ、もっとうまくいかないのか」と思ってしまうこともあります。僕の友達の中には、はるかに成功している人もいれば、人気がある人、知名度が高い人も多いです。彼らは何年もかけて、少しずつ対処法を学んできたので、うまくそれらの欲求に対処しているように思います。だから僕も「過度な成功は必要ない」と考えながら、1つ1つのステップを大切に進むようにしているのです。
僕が継続的に読んでいるブログは、Seth Gordin とHugh Mcleoud だけだと繰り返し公言しています。その片方、Hugh Mcleoud はこう言いました。
無名でいられる時期を楽しめ
人々は無名から有名になる方法だけを日々ネットで探し続けています。どうやったらお金持ちになれるだろうか、どうやったら影響力を持てるだろうか、どうやったらビジネスが成功するだろうかと。だけど、いったん成功してしまうとなかなか無名に戻ることはできないとヒューマクラウドは言います。
ロックスターは、地下室でドッグフードを食べていた時の話を嬉しそうに語ります。それは成功する前の話だから、彼らにとっては懐かしいのです。でも今は、取り巻きがいて、客はロックスターに振る舞うべき行動を過度に期待し、禿鷹のようなビジネスマンたちがロックスターから金を毟り取ろうとするわけです。
仮にあなたが、パーソナル・プラットフォーム で年収1億円を目指すのであれば、一気に年収1億円に到達するよりかは、年収1000万円の時期を5年、年収3000万円の時期を3年、年収5000万円の時期を1年経験した方が、様々な景色を楽しめると思いませんか?
僕はこれまで、ライフステージの変化に合わせてビジネスの収入が3回跳ねました。それぞれの収入を経験した時、これ以上は稼げないだろうと毎回思っていました。僕は自分に自信がないので、稼げる才能も少しずつ枯れていて、能力はピークアウトしていると常に思っています。だけど、市場がたまたま僕を見つけてくれて、良い仲間に出会い、仕事はスケールしました。収入が跳ねたあとは、収入が跳ねる前の生活にはなかなか戻れません。固定費は高くなるし、生活水準も上がる。
そういえばバリ島で一泊400円のドミトリーに泊まったね。オーストラリア人のおばちゃんがレイシストだったよね、それでも僕らはうまくやっていたよね、と子供が寝静まったあと、キッチンテーブルで赤ワインを飲みながら、妻と懐かしみます。
景気を楽しみながらゆっくりと目的地に向かおう
僕は青春18切符が好きです。南は福岡まで。北は函館まで、青春18切符で旅をしました。目的地に着くだけが重要であれば、新幹線を使えば良いのだと思います。だけど僕たちは降りたい駅で降車し、その土地の雰囲気と空気を楽しみながら、鈍行で遅々として進まない電車に揺られ、車窓に目をやり「ゆっくりだけど、良いね」なんて言いながら、少しずつ目的地に進むのが好きです。まるで青春18切符のように、確かに具体的な目的地はあれど、そこに到達する過程で見える窓からの景色を楽しみながら、人生をゆっくりとしかし確実に前と進めたいものです。ビジネスもね、ゆっくりで良いじゃないですか。一気に欲しいものが手に入ったら面白くないでしょ?
確実なプロセスを信頼することが大事。ゆっくりと、景色を楽しみながら進んでください。
さて、執筆やプラットフォームについて、最後に言い残したことはあるでしょうか。
Jeff Goins(ジェフゴインズ)のオウンドメディア「goinswriter.com」は、彼の初めてのブログではありません。確か9番目くらいに立ち上げたブログです。
「jeffgoins.blogspot.com」や「jeffgoins.wordpress.com」などです。ちなみに「jeffgoins.wordpress.com」は、”The Toilet Seat”というブログ名でした。
最近、オンラインコースでもメーリングリストでも、Jeff Goins(ジェフゴインズ)のいろいろなブログを紹介しています。彼の2007年に始まったブログはその年に終わり、2008年に始まったブログは2009年に終わったことに気付きました。うまくいったブログもあり、失敗したものもありました。このブログには5人の読者がいて、こっちには100人、これには250人という感じです。
でも、これまでJeff Goins(ジェフゴインズ)が立ち上げた8つのブログを調べましたが、最終的にはどれも失敗したものばかりでした。ジェフはこれらのブログを6ヶ月以上、続けられなかったのです。しかし、今、彼が管理しているブログは、何十万人もの読者を抱えているという意味で成功していますし、彼と彼の家族のためにすばらしい生活を提供してくれるビジネスとなっています。そして、1つの成功したブログと8つの失敗したブログの違いは、「続けたか辞めたか」というだけです。
「優れたパーソナル・プラットフォーマーになるには、何が必要ですか」と聞かれることがよくあります。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、その答えは「辞めないこと」だと思います。僕にとって、「rikiyaishizaki.com」を立ち上げた最初の6ヶ月間は、本当に大変でした。4,5ヶ月目にメーリングリストを始めたのですが、特に増やそうという努力をしなかったので、6ヶ月目に72人しかいませんでした。それから1週間で71人から1,000人になり、年末には10,000人、1年後には26,000人、それからも増え続けていきました。
常に着実に増えていくようなものではありませんが、それでも諦めず「明日も、明後日も成果は出ないかもしれないが、最後には目標にたどり着くはずだ」と思っていれば、必ず最後にはうまくいくはずです。
さあ、ここまでご視聴ありがとうございました。
今日は、Jeff Goins(ジェフゴインズ)をテーマに話を展開しました。いよいよ、執筆を始めるときです。もし自分がライターではないと思って、少し後ろめたい気持ちになってしまっているのであれば、そんなに心配しなくても大丈夫です。僕たちは、書くことを楽しく、少しでも楽にするためのリソースを持っています。これからのレクチャーでもその方法論を紹介していきます。次のステップは、次のトレーニング・ビデオを見ることです。質問があれば、コメント欄までご連絡ください。それでは、また今度。