このレクチャーではネットビジネスにおける「ブランド・アイデンティティ」をはっきりとさせることに重点を置きます。まずはブランド・アイデンティティについて説明します。ブランド・アイデンティティとは「顧客にどうイメージして欲しいか」を明確化したものであり、あなたとその他を差別化するものです。
あなたがネットビジネスを始めるにあたり最初にやるべきことは「ブランド」の設計図を描くことです。ブランド・アイデンティティがあると、ビジネスがブレません。ブランド・アイデンティティがあると集めるべき見込み客が明確になります。ブランド・アイデンティティがあると見込み客の記憶に残りやすくなります。それはつまり、お客さんに選ばれるということです。
ブランドと聞いて、クリスチャンルブタンやドルチェ&ガッバーナなど、舌を噛み切ってしまいそうな企業名の高い品物を思い浮かべるのは、日本人だけです。特に港区女子。ブランドの辞書的な意味は「① 自己の商品を他の商品と区別するために,自己の商品に使用する名称や標章。銘柄。商標。② 特に優れた品質をもつとして知られている商品の名称や標章。」
標章って記号のことです。あなたとあなた以外を区別するための記号。それがブランドです。あなたのネットビジネスには、競合と区別するための明確な何か、つまりブランドがあるでしょうか?
今回お届けするノウハウはこちら
- パーソナル・プラットフォームを構築しよう!
- ジェフウォーカーの本を読んで「ブランド」の意味を再認識した
- ネットビジネスの初心者にとってブランド・アイデンティティが必要な理由
- テーマを絞り込んでブログを書くと儲かり始める理由
- あなたは何屋さんですか?
- 見込み客にとってあなたのネットビジネスがどう役立つかを明確化する
- ブランドカラーを決めることで見込み客の記憶に残りやすくなる
- プロフィール写真はあなたのキャラクターを反映させた1枚を選ぶ
- コンテンツを通して見込み客を引きつけ冷やかし客を突き放す
- ブランディングで最初に着手すべきことはバリュー・プロポジションを決めること
- オウンドメディアを自前で構築するのにかかる費用
- Airbnbのエクスペリエンスでプロの写真家に撮影をお願いする
- クラウドワーカーに2〜5万円でサイトのデザインを発注する
- デザインよりも見込み客の問題を解決するコンテンツの方が遥かに重要
- ネットビジネスの第一歩は特定の業界でポジションを取ること
- ネットビジネスの初心者がブランディングをすることで軸がブレなくなる
- まとめ:多肉植物のオウンドメディア = 最強のニッチ
パーソナル・プラットフォームを構築しよう!
僕は、独自のパーソナル・プラットフォームを構築し、ネットビジネスで成功するまでになりました。ブランド・アイデンティティに基づいて構築されたネットビジネスは、今や僕のフルタイムの仕事に取って代わりました。ちなみに僕のパーソナル・プラットフォームは次のパーツから構成されています。
石崎力也のパーソナル・プラットフォーム = ブログ + Udemy + YouTube +セールスファネル + オンラインスクール
ブログとUdemyとYouTubeはあくまでも僕たちが今成果を出せているトラフィック誘導のメディアです。SNSやウェブ集客の方法には流行り廃りがありますから、どのようにトラフィックを集めるかは、参入するタイミングや商圏、地域、国によって異なるでしょう。そう言った諸々のことを勘案し、ここでパーソナル・プラットフォームの定義をします。あなたがこれからネットビジネスに参入して、オンラインコースやeBook、あるいはサブスクリプションなどのデジタルコンテンツを販売するためには、以下に説明するパーソナル・プラットフォームが必要になります。
パーソナル・プラットフォーム = トラフィック + セールスファネル + オンラインスクール
見込み客を集められるならトラフィックソースはなんでもいいです。SEOでもいいし、ブログでもいいし、Instagram、Facebook、Twitterでもいいです。僕のようにUdemyのようなマーケットプレイスを使う人もいれば、ビデオが得意な人はYouTubeを使うでしょう。編集者や出版社とのつながりがあれば書籍もトラフィックソースになりますし、すでにテレビのコメンテーターとして活躍しているならテレビもトラフィックソースになり得ます。
ネットビジネスで成功するためにそんなにアクセスはいらないです。
例えば、これはうちのClickFunnelsの売上ダッシュボードです。1つのセールスファネルで7600万円の売上があります。この7000万円近くの売上を計上するために必要なページビューはたったの12,419です。もちろんこれは恣意的にアクセスされたものではなく、石崎のコンテンツがみたい!という動機でオプトインページにランディングしたホットトラフィックの数で、Facebook広告などのコールドトラフィックは含まれていません。これが意味するのは質の良いトラフィックさえ集められれば、それほどアクセスは必要ないということです。
僕たちはデジタルマーケティングの使い方に特化した、マニアックなブログを更新しています。マニアックな内容だからこそ、お客さんが絞り込まれるのです。絞り込まれたお客さんのほとんどは今すぐ客です。すぐにコンバージョンできます。もし僕たちが芸能人の名前を絡めたり、トレンドやニュースに乗っかったブログ記事を書きコールドトラフィックを集めていたら、仮にページビューは伸びても、ここまで売上を計上することはできなかったでしょう。
大事なことなので繰り返します。ネットビジネスで成功するためには、それほどたくさんのアクセスは必要ないのです。いかにホットトラフィックを効率よく集めるかがキーポイントとなります。
ブログはWordPressで構築されており、Teachableでオンラインスクールを運営しています。他にも、メールシーケンスにはMailChimp、締め切り管理にはDeadline Funnelsを使います。オプトインページやプリローンチコンテンツのセールスマテリアルは全てClickFunnelsで作ります。それぞれのアプリを連携させるためにZapierを使います。パーソナル・プラットフォームは1つを指すのではなく、あなたのネットビジネスを有機的に動かす集合体だと思ってください。
ジェフウォーカーの本を読んで「ブランド」の意味を再認識した
先ほども言った通り、今回のレッスンでは「なぜブランド・アイデンティティを明確にすることが重要なのか」というテーマについてお話をします。
僕のことを知らない人のために自己紹介させてください。赤ちゃんの頃の話はスキップして…僕の経歴について説明します。どうやって今のポジションを掴み取るとこまで来たのか。
僕もともと僕は大学で法学を専攻していました。あの頃は、法学とコンピューターサイエンスの勉強に夢中になっていました。だから、法学ついてのアイディアを、いろいろな人と議論し合いたいと思っていたんです。そこで僕はブログを始めました。タイトルは「オープンマインドな法学部生」。タイトルには自分の名前すら使っていませんでしたね。
匿名でやってたブログだったのでだれも知らないと思うし、とっくの前に削除しました。今はアーカイブにも残っていません。そのくらい昔のブログです。
このブログはまったく軌道に乗らなかったんです。その頃の僕は自分のことを「オープンマインドな法律家」と呼んでいました。そして、誰かが「お前なんてオープンマインドじゃない」と言ってくれるのを待っていたのです。そうしたら僕は「じゃあ、議論をしよう」と返事しようと思っていたのです。想定では完全にこれらの思考と討論と議論がうまく回るはずだったのですが、実際のところは何も起こりませんでした。ほとんど誰との交流もなかったのです。たしかに、いくつかのブログ記事には、ちょっとしたフォードバックやコメントがありました。
うまくいかなかったのは、ブログに自分の名前や顔を出さなかったということもあるかもしれません。でも、誰とも議論できなかったというのは、僕にとってかなりショックなものでした。そこで次に「格闘日記」という別のブログを立ち上げました。これは、格闘技と法律のコンビネーションがテーマのブログでした。
難しそうなテーマですよね?
だから、この匿名ブログもあまり成功しませんでした。ここまででお分かりと思いますが、僕はかなり自意識がこじれた大学生だったんです。我ながら、こんなひねくれた奴とは付き合いたくないなと思うような人間でした。
その後、飛行機に乗っているときに、ジェフウォーカーの『Launch』という書籍を読んだんです。ちょうど僕がアメリカに留学している時でした。
その頃、ジェフウォーカーは『LAUNCH』を出版したばかりでした。もちろん僕は長い間、ジェフウォーカーのことを知っていたので、ジェフがどんなことをやっているか、なんとなく知っていました。でも、そこまで詳しくは知らなかった。だから、ナッシュビルからボストンまでのフライトで本を一気読みしてしまいました。その時にこう思ったんです。「僕は間違ってた」と。
これが『LAUNCH』を読んだあとの最初の反応でした。そして、すぐに「僕は石崎力也。僕のことを知らない人へ」というブログ記事を投稿したのです。それから僕は、これまで書いたいくつかのブログ記事やプロジェクトをまとめて「rikiyaishizaki.com」というブログにまとめました。そしてこれを僕のパーソナル・プラットフォームにしようと決めたのです。
そこでブログを書き、自分の考えをシェアし始めました。最初はいろんなトピックを扱っていましたが、少しずつブログの視聴者が増え始めたので、彼らの話を聞いて、どんなトピックを求められているのかを理解していきました。そして、彼らのニーズを満たすノウハウを学び始めたのです。こうやって、僕のパーソナル・プラットフォーム がビジネスになっていっていきました。だから、最初から計画性のあるビジネスであったというわけじゃないんです。
最初はただ…本を読むのも、誰かに何かを教えるのも好きだったというだけでした。だから、自然と「自分の頭の中にあるアイディアを教える」という考え方に惹かれていったのです。結局、今でもやっていることはほとんど同じです。セールスファネルも、サブスクリプションも、マーケティングオートメーションも、全部、僕の頭の中にあるアイディアを共有しているに過ぎない。それに金銭的な対価が付くんだから不思議な世の中です。
インターネットは誰かに自分のアイディアを伝えるための素晴らしいツールです。だから、インターネットが僕を今の道に導き、最終的にビジネスになったのだと思います。さらに踏み込んだ話は後ほど話しますが、インターネットがあれば、オンラインコースやソフトウェア、アフィリエイトプロダクトなど、すべてがビジネスになります。
ちなみに、僕はジェフウォーカーの”Secret Launch Lab”というサブスク商品を今日までずっと購読しています。彼の月額課金は毎年値上げされますが、古いお客さんの値段は据え置きのままなんです。だから僕の月額課金は、一番低い値段に設定されています。そのくらい古いお客さんなんです、僕は。
はじめて彼の商品を購入したのは2014年でした。かなり早い時期だったと思います。Secret Launch Labは、ジェフウォーカーにとって2番目のローンチでした。
僕はジェフの1つ目のローンチには参加しませんでした。おもしろいコンテンツだなって思ったんですけど。その後すぐに、Secret Launch Labは月額2,000円から2,500円に値上がりしました。
Secret Launch Labを見たときに「これは参加しなきゃダメだ」「このままじゃもっと会費が上がってしまう」って思って参加を決めたんです。参加してみて、すぐにSecret Launch Labを気に入りました。すでにその頃の僕は自分のネットビジネスで『LAUNCH』の原理を扱えるようになっていて、ある程度の成功も収めることができるようになっていました。この成功を掴めたのもSecret Launch Labのおかげです。
ネットビジネスの初心者にとってブランド・アイデンティティが必要な理由
ジェフウォーカーのネットビジネスについてのストーリーを通して、ブランディングの重要性を理解しました。ブランディングの重要性について、僕の考えをシェアします。あなたにとってブランディングはなぜ大事なのかや、どれくらいブランディングが大事なのかについて話します。
僕がパーソナル・プラットフォームを作り始めたとき、「ブランディング」と言われるとコルゲートやフォードを思い浮かべるようなレベルでした。そうですね、あとはCoca-Colaとか。英語圏で出版されているブランドに関する本でも、いつもこの3つが取り上げられていました。たしかに、これらはブランディングをうまくやっている代表例ですよね?
実際にこれらの企業には、Brand Editor という肩書を与えてその道の専門家に企業のブランドを管理させています。僕たちはマーケターであると同時に、ブランドエディターとして自らのビジネスをデザインする必要があります。
ちなみに僕はフィリピンに行くたびにコルゲートをたくさん買います。あれ使って歯磨くと、歯が真っ白になります。研磨剤が入っていて、あんまり良くないという意見もネットにはチラホラありますが。歯が白くなる、歯磨き粉ならコルゲートっていうブランドが僕の頭にはこびりついています。
僕は「これらのブランド・アイデンティティに共通点がある」という考えについてまったく理解ができませんでした。だから、この点について少しずつ、そして真剣に考え始めたのです。僕はこれまでどんなことをした結果、成功をしたのか。もしくは、どんなことをして失敗したのか。そして、これらの経験から何を学ぶことができるのか。最後に、知り合いがどんなことをやって成功しているのかなどについても観察し始めたのです。
時が経つにつれ、僕はブランド・アイデンティティに対して深い敬意を払うようになりました。これについては後ほど詳しく説明をしますが、ブランド・アイデンティティとは、コンテンツの意味、プロダクトの意味、いかなる状況での適切な対応方法など、すべてを判断するためのフィルターだと僕は理解しています。ブランドロゴはただのロゴであるだけではなく、「なぜ僕が存在しているのか」という深い意味にもなり得るのです。
これは、僕自身が見込み客に対して冒頭で発する言葉で「どうもこんにちは、石崎力也です。」というものがあります。ある種のお約束ごとです。この言葉を聞いた人は「お、デジタルマーケティングの講義が始まるぞ」と期待してくれます。僕はそれを想定していつも同じフレーズを冒頭に使っています。
たとえばCoca-Colaは、お客さんが「本物のコーラ」を手に入れること、そして「ピザとハンバーガーに合う飲み物」を約束するブランドですが、このように各ブランドは市場に何らかの約束をしています。パーソナル・プラットフォーム・ビルダーの僕たちにとっても、このような戦術が必要だと思うのです。
実際に僕がUdemyに出すコンテンツやYouTubeに出すビデオの冒頭で「どうもこんにちは、石崎力也です。」と言い続けることで、「石崎力也」の指名検索が増えるようになりました。アフィリエイトをやっている人や儲かっているブロガーなら知っていると思いますが、指名検索はホットなトラフィックです。「MailChimp 使い方」で僕のページにランディングしてくるコールドトラフィックと、すでに僕に興味を持ち「石崎力也」というキーワードで検索してくるホットトラフィックでは、コンバージョン率は全く異なります。もちろん石崎力也で検索する人をコンバートする方が遥かに楽です。
最初にネットビジネスを作り始めたとき、僕は見込み客に約束をしていませんでした。だから、結果を出せなかったんです。友達に「僕のブログを見にきてみなよ」と言ってみても、これによって十分な「引き」を得ることはできませんでした。ブログを軽くチェックして「良いね。ブログ、興味深く読ませてもらったよ」と言ってはくれますが、その後に投稿した記事を彼らがチェックすることはありませんでした。後から考えると、これは僕が市場に対して約束をしていなかったからです。市場に対する僕のポジショニングができていなかった。要は何屋さんかわらかなかったのです。法律が好きな人?ただネブラスカ州立大学に通っている留学生?ネットビジネスで儲かっている人?それとも儲かっていない人?もう何の人かわからなかった。ただ「僕の意見を知るべきだ」と押し付けていただけだったんです。
テーマを絞り込んでブログを書くと儲かり始める理由
まさに僕は自己満足で意見を押し付けていただけでした。「これが僕のアイディアです。」「これが僕が学んでいることです。」もちろん、こんな内容でも価値を見出してくれる人はいました。彼らは「良いね。僕もあなたと同じような境遇なので、どんなことを経験しているのか分かるよ。それに他の人の視点が知れるのも魅力的だしね。」と言ってくれました。でも、彼らにとって僕のブログは、あくまで僕のためのものであり、彼ら自身のためのものではなかったのです。
僕もいろいろなテーマでブログを書いていたけれど、似たようなことをしている人は当時からたくさんいました。でも、テーマを絞り込んで見込み客をフィルタリングするようなケースはなかった。つまり「メルマガの使い方」についてブログを書き、YouTubeの広告収入についてブログを書き、ネットビジネスについてのブログを書き、経費で落とすためかどうか知らないけど行った先の食堂で食べた980円のランチまでブログコンテンツにしている。たまに育児について書いて、自分のかかった病気について書き、おすすめのクレジットカードのアフィリエイトもやっている。でもそれだとダメなんです。
僕はブランド・アイデンティティについて考え始めました。ある程度時間が経つとそれがフィルターのように働き始めたんです。「ブランドはお客さんに何を約束するのか」「市場の中でどのように知られたいのか」と考えていくことで、一気にターゲットが絞られた。ブランドは直感でやるものではなく、正確さが必要なものですよね。あなたは何屋さんですか?この質問に即答できるようでないと、ネットビジネスでは成功できません。
きっと「そうそう」と頷いてくれている方も多いと思います。
すべての人のためにブログを書くというのは、誰のためにもならないブログを書いているということです。
あなたは何屋さんですか?
さて、ジェフウォーカーは彼の3ヶ月250万円のプレミアムコンサルの中でこんなことを言っていました。「誰もが心の中にローロデックス(卓上回転式の名刺整理文具)を持っている」と。
この言葉、すごい心に残っています。僕と同い年くらいの人は、たいてい「ローロデックスって何?」と言います。現代人にはiPhoneの「連絡先」アプリがそれにあたります。
誰もが頭の中にコンタクトリストを持っています。そこには、知っている人の名前とタイトルがリストになって書かれています。彼らがそのコンタクトリストからあなたのことを見つけたとき、最初に考えることはなにか、ということですよね。僕のコンタクトリストにある「小川さん」の欄には「ビジネスパートナー、仕組み作りの天才、石崎力也の相談役」と書かれています。小川さんは僕のビジネスパートナーです。うちのバックオフィスを管理しているだけでなく、僕たちのビジネスの戦略・企画・集客の全てを担ってくれている天才です。うちのビジネスがうまくいっているのは小川さんがいるから、ただそれだけです。
あなたは信じられないかもしれませんが、僕が喋っているこの内容も、全ては小川さんが発注したスクリプトライターの方が書いた物です。僕はただ「こんな内容で喋りたい」ということをリストアップするだけ。それをスクリプトライターの方が口語体の文章にしてくれます。さらに小川さんはその文章を別の編集者に投げます。編集された物を小川さんが読み直し校正し、それが僕の読む台本になり、あなたが今聴いている僕の発話内容になるのです。
僕は土曜日の午前中に、糖質制限の発泡酒を飲みながら、小川さんの作ってくれた台本をプロンプターに写して読み上げているだけです。
さて、僕のローロデックスが回り始めます。小川さんの名刺が見えた。あるいはiPhoneの連絡先アプリで小川さんの名前を見た。僕の頭の中に「小川さん = ビジネスパートナー、仕組み作りの天才、石崎力也の相談役」の等式が瞬時に浮かびました。
もしあなたの連絡先に石崎力也の名前を発見したら、こういう風に等式を描いてくれると嬉しいです。「石崎力也 = マーケティングオートメーションの貴公子」と。それが僕のブランド・アイデンティティだからです。僕の専門は、インターネットビジネスの自動化です。どれだけ待っても誰も貴公子とよんでくれることはありませんでしたが。
ここで大事なのは、等式で思い浮かべるその人のブランドが、どこかの会社のCEOであるかどうか、といったビジネスタイトルや肩書を意味するわけではありません。コンタクトリストの持ち主が、4秒以内であなたを理解するために使っているラベルは何か、あなたはどんなサービスを提供しているのか、ということです。コンタクトリストは、その人について思い出し、理解することができる便利なものです。
ちょっと軽くやってみましょうか。YouTuberを対象にやってみます。僕のコンタクトリストにある名前と、その人のラベルです。
- メトロンブログ:筋トレの人
- ヒカキン:Mac Proの一番高いやつを買った人
- Neil Patel:デジタルマーケター(特にSEOが得意)
- Peter Mckinnon:ビデオグラファー
- Casey Neistat:ストーリーテラー
世間的な評価ではありません。あくまでも僕がどう思っているかです。ヒカキンはガジェットレビューの人ではないだろ、と思うかもしれませんが、僕の中ではヒカキンはいつもApple製品の一番高い物を買う人という印象が強いのです。
シンプルに言えば、ラベルとは「あなたは何屋さんですか?」の答えになります。あるいは「何の専門家か?」アメブロ界隈には、ヒーラーやら、コーチやら、カウンセラー、女性起業支援家、スピリチュアルコーチなど、何屋さんか全くわからない人たちがたくさんいます。彼らは全くうまくいっていません。仮に出版している人でも上手くいってないです。なぜそんなことを知っているかと言えば、彼らは僕のもとに来て必死に勉強をしているからです。正直、今からビハインドを取り戻し、ネットで稼いでいる人たちのグループに入るにはかなり難しいことですが、なんとか頭のスイッチを切り替えて頑張ってもらっています。
アメブロを使っている時点で、デジタルマーケティングに弱いのが明らかなんです。昨日本で読んだ内容を、あたかも自分の名言のようにして情報発信するだけでお金が稼げると思っている人たちです。アメブロでセールスレターを書いて、PayPalで決済を受け取り、手動で一人一人に商品を手渡しする。こんな非効率なビジネスモデルをたった一人で運営していると、まるでラットレースから抜けられないように、いつまでもしょぼいビジネスモデルにしがみつくことになります。
ちなみに金子隆祐さんはこう言っていました。
手動でコンテンツを渡してたのが懐かしいです。teachableに乗り換えて本当に良かったです。
teachableでサブスクリプションの決済を受けて、teachableが自動的にユーザーアカウントを生成します。お客さんがサブスクリプションをやめたら、自動的にコースにアクセスできないようになります。もちろん毎月の領収書は、teachableで連動して動いているStripeから自動で送られます。
ブランド・アイデンティティとは全体像のことです。普段からアメブロを更新して自らを「ウェブ集客の専門家」やら「起業支援コーチ」などと名乗る人がいたら、自分のやっている行為に齟齬が生じていることに気付けなければなりません。ウェブ集客の専門家や、起業をする人は、アメブロなんか使うわけがないからです。
まず何屋さんかを決める。次に、ちゃんとした英語圏のプラットフォームを使いネットビジネスを構築する。英語が苦手です、とか言っている時点でアウト。ネットビジネスからは退場です。英検準1級か、TOEIC900とってからまた戻ってきてください。
見込み客にとってあなたのネットビジネスがどう役立つかを明確化する
英語圏のデジタルマーケティング業界には「WIIFM(What‘s In It For Me?)」という言葉があります。これは「私にとってどんなメリットがあるのか」といった意味ですが、人々は「私にとって、このコンテンツはどんなメリットを与えてくれるの?」ということを知る必要があります。そしてその疑問に対して、すぐに思い出すことができて、とても簡潔な答えを与えるのが僕たちのやるべきことです。いろいろな情報を発信していると、彼らはラベルを貼るのに苦労します。そうなってしまうとエネルギーを無駄にしないように、離れていってしまうでしょう。
ラベルがあることで、興味を持ってくれる人々を惹きつけ、興味を持たない人を遠ざけることができる。これがブランディングの大きな価値だと思うのです。まさに僕があなたにやっているように、より自分のことを知ってもらい、信頼してもらい、魅了し続けるようなコンテンツを作ることが必要です。これはお金を稼ぐための前提条件だけど、さらに必要なのは影響力を持つことでしょう。
インターネットでお金を稼ぐことは、影響力を持つということの一面に過ぎません。莫大な影響力を持っていてもお金を稼げない人もたくさんいますし、影響力を持っていなくてお金を稼げない人もいます。ネットビジネスでうまくやっている人はお金も影響力も持っていると思うけど、彼らのやっていることは基本的にブランディングなんです。まずは自分のブランド・アイデンティティが何であるかを明確にすることが大事。ポジション、立ち位置、ジャンル、ニッチ。いろんな呼び方があるけど、どれも同じ意味です。あなたは何屋さんですか?の答えをちゃんと持っていましょう。
僕のブランド・アイデンティティは、先ほども話しているようにマーケティングオートメーションです。オンラインコース を販売するのは、マーケティングオートメーションの一環にしか過ぎません。自動化できるからフォーマットにオンラインコース を選ぶだけであって、自動化できないのであればわざわざデジタルコンテンツを選ぶ必要はありません。
そして、ブランドを明確化するために、僕がいつも話しているのは「自立」です。副業であれ、本業であれ、趣味であれ、パーソナル・プラットフォーム を作る際には、この点をハッキリとさせておかなければなりません。まさに真正面からクリアすべき問題です。ネットビジネスを作る際の理想としては、どの程度の自立を想定しているのか。ネットビジネスからどんな収入が得られるのか。どんな影響を与えるのか。優先順位は人によって違うでしょう。このようなことを決めた後に、ブランドを構築し、そこから逆方向でプラットフォーム戦略を構築します。まずは目的を考え始めるところからです。
あなたにとって役立つ内容ですので、もう少し詳しく話をします。あなたは「明確なブランド・アイデンティティを構築するものはなんですか?どんな要素があるのでしょうか」という問いになんと答えますか?
僕はなら「約束」と答えます。コミットメントですね。あなたはどんな市場にコミットしますか?そして市場に何を約束しますか?どんな人として認知されたいですか?まずは、先ほど話していた「約束」から始めるのが良いと思います。基本的には、あなたのネットビジネスが誰のために何をしているのかについて文章にまとめるような方法となります。
ブランディングをする際、最初にすべきことは「あなたはどのような問題を解決するのか」という質問に答えることです。そして「誰のために」「どうやって」という視点がとても大切です。これは最初のステップです。もちろんそこで終わるわけにはいきません。ただ、「どんな問題を」「誰のために」「どうやって」という視点は、その後のプロセスでも必要となるものなのです。
ブランドカラーを決めることで見込み客の記憶に残りやすくなる
それからブランド・アイデンティティを確立するため、定期的に使用するコア・カラーを1色か2色、あるいは3色選びましょう。もちろん数多くのカラーパレットから適当に選ぶというわけではありません。色を選ぶためには、まずこのように考えましょう。「コンタクトリストを見て私のことを考えるとき、どんな形容詞や感情を思い浮かべてほしいだろうか」と。
明るい感じか、モノトーンな感じが、奇抜な感じか、それともユニークな色合いか?
次に、逆方向から作業を始めましょう。カラー心理学の研究はたくさんあります。「誰のために」「どんな問題を」という話に戻すとすると、たとえば僕が、ランニングを継続することをサポートしようとしているとしましょう。マラソンイベントに参加するために毎日走れるようになりたいと考えている人もいるでしょう。そんなニーズを満たすために「ついサボってしまう」という問題を解決しようとしています。
このような人々は、定期的に運動をすることにはある程度慣れています。なぜなら、彼らは運動をまったくしない人ではなく、より上質な運動ができるようになりたいと考えている人だからです。このような人々には、互いに励まし合って、責任感を持って行動できるようなグループを作ることがいいでしょう。
さて、こんなブランド・アイデンティティを作るときに頭に浮かぶキーワードはなんでしょう。たとえば「エネルギー」や「アクション」でしょうか。この言葉から最初に思い浮かぶ色はオレンジやブルーなど。またオレンジやブルーなどの色の中でも、特定の色調によって人に狙った印象を与えることができます。これが色心理学の基本的な考え方です。
ある色調のオレンジやブルーを見た人は、「エネルギー」や「アクション」を感じることができます。そして、コンタクトリストのあなたに対してのイメージがより強化されるのです。だから、まずは「どんな問題を」「誰のために」「どうやって」という視点をしっかりと持ちましょう。すべてのことはこの軸が基準となります。
例えば僕の場合、モノトーンをベースにサイトを構築しています。うるさい感じにはしたくないのです。僕のブランド・アイデンティティは「オートメーション」でした。自動化を専門とする人間のサイトは、どちらかというとシンプルにすべきだと僕は考えました。個人的な意見ですが、カラフルなサイトを僕は信用しません。素人っぽいからです。Keynoteでプリインストールされているアニメーションが楽しくてスライドにたくさんに動きをつけているプレゼンを見たことはありませんか?あんなん見ると「こいつは素人か」って思いますよね。それと同じ印象をサイトから受けちゃうのです。ついつい嬉しくてデフォルトのエフェクトを多用してしまうプレゼンターと同じように素人臭がプンプンするのです。だから僕はあえてその逆をいきました。白黒をベースに、オレンジ色の1色を質素に使うサイトカラーです。
あなたは何にコミットするか。すべてはそこから始まります。自分の見込み客が誰であり、彼らにどんな価値を与えるのかを理解できれば、僕たちのレクチャーを繰り返し視聴することで、ブランドロゴを選択するようなことがとても簡単になります。なぜなら、トレーニングを通して、そのロゴに一貫性があるかどうか、ブランドをしっかりと表現できているかどうかなどがわかるようになりますから。
たとえば銀行が大きな建物を建てようとするとき、太い柱を用いることが多いですね。これは「安心してお金を預けられますよ」とか「誰もコンクリート製の金庫室に入ることができませんよ」などといった信頼性を表現したデザインなわけです。優れた建築には思慮深いコンセプトがあるものです。もし銀行の建物がプレハブ小屋だったら、誰もお金を預けたくないですよね。
不安すぎてお金を預けられないです。もしくは銀行がテントだったら…絶対だれもお金を預けない。
プロフィール写真はあなたのキャラクターを反映させた1枚を選ぶ
ビジネスブランドやビジネスカラーって面白いですよね。それではブランドがなんなのかという話に戻りましょう。あとは、それに関連するいろいろな話もしなくちゃなりませんし。僕たちが普段から教えているパーソナルプラットフォームやパーソナルブランドの話や、それからプロフィール写真のことも話さないといけませんね。
多くのユーザーにとって、プロフィール写真はオンラインプラットフォーム上ではじめて対話するときの、あなたの具現化です。これ意味わかりますか?多くの人は静止画のプロフィール写真とコミュニケーションをするわけです。僕なんかはナタリーポートマンの教養がにじみ出る写真を見て「かわいいなあ」とか「こんな美人でハーバードってすげえよな」とか「世の中不公平だよな」と様々な会話を繰り広げています。どちらかというと独り言ですね。
あるいはサイトにランディングして、トップに表情の硬い写真が掲載されていたとしましょう。ある人はこう思うかもしれません。「おいおい、こんな貧相な顔のやつがウェブマーケターだって?自分の顔がネガティブキャンペーンに繋がっているって気付けよ」とか「メガネが全然似合っていない。実家暮らしの田舎もんみたいな顔しているな」とか「この顔は典型的なマザコンの顔」など。ちなみにいずれも過去に僕が受けたコメントです。メガネが似合ってないことを何度も指摘されたので、レーシックで視力を回復させました。(あとはスノボとサーフィンのため)
僕たちが「コレはイケている」と思う要素も、マーケットに通してみると、大してイケてないことがあるのです。漫才師はよく「客席との温度差」という言葉を使いますが、同様に「マーケットとの温度差」を感じられない人が世の中には大勢いるのです。以前、50代の痩せ細ったおばちゃんが、おかめさんのような化粧をして青色の水着を来てコタツの上に立ってポーズをとっている写真をFacebookで発見したんです。僕の友人が「これ見て笑」とその写真をシェアしていました。それを見ている人と、自分のやっている行為の温度差を感じられない人は、自分が痛い行為をしているということを気づかずにどんどん暴走しています。
はじめてのやりとりでは、ブランドロゴよりもあなたのプロフィール写真の方が重要です。だって、コンタクトリストにおさまる1つの情報ですから。暴走した写真を載せないためにも、セルフィーではなく、他人というフィルターを通した写真を使いましょう。
プロフィール写真を工夫することで、個人的な距離が近くなりますし、人間的な関係が築けるようになるでしょう。見込み客との繋がりがとても簡単になります。
さて、それではブランド・アイデンティティがどのようにプロフィール写真の選び方に影響を与えるのかについて話をしていきましょう。プロフィール写真を撮影する際、ランニングウェアのようなスポーツウェアに身を包んで写真を撮ろうと思うかもしれません。もしくは専門家のような見込み客と話しているときはジャケットを羽織ろうと思うかもしれません。ジャケットを着たら少しプロっぽく見えますからね。もしくはティーンエイジャーや幼い子どもたちと話すためにカジュアルな服装をしようとするかも。こうやってプロフィール写真を撮影する前に、まずは自分の見込み客がいったい誰なのか考えなければなりません。
僕の場合は、完全に普段着です。僕はそんなつもりはないのですが、どうやら側から見ると癖の強い人間のようです。なんとなく扱いにくいような印象を受ける。僕はただ、世間や空気などを気にせず、嫌なことは嫌といい、好きなように生きているだけです。もし僕がここで着飾ったスーツの写真を掲載したとしましょう。ちなみに僕はスーツを一着も持っていません。僕がスーツを着ていることで「ああ、この人はちゃんとした人だな」と判断するような人には僕のもとに来て欲しくないのです。そういう人はそもそもデジタルマーケティングの世界には一切なじみません。だから仮に来たとしても相手にしたくないし、彼らを成功させる自信はないのです。
だから普段着の僕を見せている。僕が好んで使う表現は「カオサンロードをステテコで歩いています」です。バックパッカーのハブスポット、タイのカオサンロードには旅慣れした欧米人が、動きやすい格好に身を包み、カオマンガイを食べています。基本的に旅行というものは、ものすごく自己中心的な行為です。他人がどう思うと関係ない。自分が一番動きやすい格好をする。そうでないと1年スパンでの長期旅行は不可能です。他人が自分をどう見るかではなく、自分がどれだけ気持ちいかで判断をする。その結果、僕のように、カオサンロードをステテコで歩くような人間が生まれるわけです。ヨーロッパ人のはいているのはサルエルパンツでステテコではないといった揚げ足どりは受け付けません。自分が一番気持ちの良い生き方をしろ、というのが僕の言いたいことなのですから。
僕は好きなように生きています。その好きなことを実現するために、仕方ないからデジタルコンテンツをオートメーションで販売しています。値段が高いのでお勧めしないけど、必要であればうちの商品を買ったり、コンサルティングに申し込んでくださいね。・・・そういった雰囲気や、メッセージを写真から出せるようにするわけです。
こういった話をしているときに思い出すのは、Josh Axe(ジョシュ・アックス)博士のことですね。彼のウェブサイトは「DrAxe.com」です。
健康が専門の彼は、オウンドメディア上のプロフィール写真を見てみると、白い医療用コートを着て聴診器などを持っています。かわいい奥さんとキッチンに立ち、プロテインをシェイカーを混ぜている写真もあります。このプロフィール写真からユーザーは彼の仕事や専門性を理解することができます。
これが、僕が伝えようとしていたことです。だからプロフィール写真はブランド・アイデンティティに適したものじゃないといけないんです。もしちょっとふざけたブランドなのであれば、面白い写真を撮る必要があるかもしれませんね。つまりブランドとプロフィール写真の適合性を考えなければならないということです。プロフィール写真だけではなく色や口調など、すべてがブランドと一致している必要があります。だから、ブランドについてしっかりと理解するということが大切なのです。
コンテンツを通して見込み客を引きつけ冷やかし客を突き放す
そうそう。「ちょっとふざけたブランド」って言ったときに、つい、Stu McLarenを思い浮かべました。
僕のブログで何度も登場するサブスクの専門家、Stu McLarenです。日本ではジェフウォーカーのプロダクトローンチフォーミュラの認知度が高いですけど、英語圏ではStu McLarenのTribeの方が有名です。1回のプロモーションで彼のフラグシップ商品 – Tribeは毎年5億円売れますから、売上の観点からもプロダクトローンチフォーミュラよりも優れていると言えます。Stu McLarenはジェフウォーカーのプラチナコンサルのメンバーですから、一蓮托生と言った具合でしょうか。
さて、そのStu。他の人が提示するブランドと彼のブランドを比べてみると、コミュニケーションの仕方に大きな違いがあります。
彼のプロフィール写真はStu McLarenの意図的なものです。コミュニケーションの仕方はあなたのブランドの一部であり、あなたの一部でもありますから。だからコミュニケーションの仕方は、あなたの個性の延長線上であるべきです。Stuの個性といえば…あえて言えば”Fun”かな。
”Fun”がぴったりですね。エニアグラムの性格診断で言えば、タイプ7の「熱中する人」「楽しさを求め熱中する人」。もし彼がスーツを着て真剣な顔で写真に映っているようなブランドを作ったのなら、多分「フェイクだ」って思っちゃいますね。彼らしくないですからね。僕がスーツを着ても似合わないのと同じです。そういえばメトロンブログの中の人は、いつもタンクトップを着ていますね。きれいな筋肉が見えます。彼がスーツを着ててもやはりなんか違うとなるのかもしれません。
あなたは自分の個性をデジタル化して見込み客に提供するような方法を見つけなければなりません。僕、Online School Building 2.0 という商品を販売しています。4本のビデオを見せて、最後に20万円の商品をエバーグリーンローンチで販売するセールスファネルを組みました。この4本のビデオを作るために、家族と文字通り世界中を回って、8ヶ月かけて制作しました。アレ見れば一発で僕がどんな人間か、わかるようになっています。
さて、自己評価についてです。自分よりも、周りの人の方が自分のことを理解してくれるってこともありますよね。
自分のことを深く理解してくれている人がいれば、彼らはさらに他の人が理解できるような言い方で自分のことを説明することができます。
あとは、キャッチフレーズも重要ですね。英語圏では、タグラインと呼ばれています。これはブランド・アイデンティティのもう1つの要素です。クイックサマリーにキャッチフレーズを入れるべき理由は、それがブランド・アイデンティティすべてを集約する表現だからです。クイックサマリーは、見込み客に対するコンテンツのバリューを提案するものですが、後ほど説明します。
ユーザーがあなたのブログにアクセスし、文字通り5秒間だけ、あなたのサイトを見てくれるでしょう。しかし、もしその5秒間で彼らがあなたに興味を持たない場合、どこか別のサイトに行ってしまうでしょう。だから、ユーザーに共感を覚えさせる必要があります。このときに使えるのがキャッチフレーズなのです。
僕の場合、「Your marketing-automation mentor.(あなたのマーケティングオートメーション・メンター)」というのがキャッチフレーズです。もしユーザーがマーケティングオートメーションに関するメンターを求めていないのであれば、すぐにサイトを離れるでしょう。一方マーケティングオートメーションについて学びたいという人がアクセスしたら「やっと見つけた。マーケティングオートメーションを知りたいと思ってたんです」と感じるはずなのです。
ちょっとデジタル・ローロデックスの話に戻りましょう。そうです。コンタクトリスト。僕はさっき「小川さんの欄には『ビジネスパートナー、仕組み作りの天才、石崎力也の相談役』と書かれている」と言いましたよね。多くの場合、パーソナル・プラットフォームに来たユーザーはこう思います。「この人は、私のコンタクトリストのどこに入れればいいの?端的に言って、あなたが誰かわからない」と疑問を持っています。そんなとき「Your marketing-automation mentor.」とプロフィールに書かれていたら、すぐにその疑問も解けるでしょう。先ほど言った通り、明確なキャッチコピーやブランドがあれば、興味のない人はすぐに去ってくれます。これはとても重要なことでもあり、難しいことでもあります。
特にネットビジネスを始めたばかりのときは慣れてないので難しいでしょう。すべてのアクセスユーザーは、貴重なゴールドのようなものです。受け入れるのは難しいことですが、「成功したい」「成長したい」と思っているのであれば、強力な磁石のような存在になるべきです。強い磁石は共鳴するものを強く引き付け、合わないものを強く弾くことができますから。
ダンケネディはマグネティックマーケティングという言葉を使いますね。いざ磁石となると、引き付ける側面ばかりが強調されますが、おなじ極同士はむしろ反発して離れていきます。マグネティックマーケティングの表向きのメッセージは「見込み客を引きつけよう」ですが、サブメッセージには「見込み客じゃない人は離れてもらう」があるのです。まさにブランド・アイデンティティは、磁石のような機能を持っています。引きつける機能と、引き離す機能。
ブランディングで最初に着手すべきことはバリュー・プロポジションを決めること
それでは、どのようにネットビジネスを展開していくのかについて話していきたいと思います。明らかなことですが、ブランディングが1番の仕事です。これから登場するすべてのモジュールよりも最優先すべきなのがブランディングです。なぜなら、オウンドメディアにとってのベースとなるべきものだからです。
ブランディングが完全に終えるまで、何もブログに書くことはできませんし、収益化を図ることも不可能です。メーリングリストやその他のコンテンツを作成することもできません。あなたはこう疑問に思うはずです。
しかしブランディングと言っても、プロフィール画像や色調、ブランドロゴや対象ユーザーの明確化、バリュー・プロポジションの提案などありますし…どれから着手すればいいんでしょうか。
これはいい質問で、多くの人が知りたがっていることだと思います。まずは「最初に何をしてはいけないか」について答えていきたいと思います。たとえば「まずはパーソナル・プラットフォームを構築して、ブランドロゴを作ろう」と思っている人もいるかもしれません。ただブランドロゴなどは、最後に必要になるものです。
失敗談から始めましょう。まず僕がやったのは、デザイナーを見つけて、彼に数万円払うということでした。実はデザイナーと言っても僕のいとこだったので探す必要はそんなになかったんですけどね。僕は彼に2万円払いました。いとこは優秀なデザイナーなのですが、家族割引で助かりました。たしかその頃、僕は「RI」と書かれた吹き出しをロゴにしました。Rikya Ishizakiだから、RI。シンプルでしょ。
でも、後から振り返ってみると「ロゴなんて作っても、見込み客のためになんてならないな」と思ったんです。ロゴを持っていると、よりオフィシャルな感じに見えていいかもしれません。でも、ブランドや見込み客の詳細な情報、自分が解決しようとしている問題などを明確にしていけばしていくほど、「僕が誰で、何をしていて、どんなことを教えていて、どのように見込み客を助けられるのかについて、ロゴを作ることで分かりやすくなっただろうか」と思うと、全然そんなことはなかったのです。
だからすぐにロゴを変えましたし、最終的にロゴは削除してプロフィール画像を貼り付けました。rikiyaishizaki.comについて考えたとき、私たちがが思い浮かべるのは小さなロゴではなく、あなたの顔です、と以前クライアントから言われたことがあります。そう考えると、人々はブランディングの際、ロゴに執着しすぎていると思いますね。
もっとも基本的なことは、バリュー・プロポジション、つまりコンテンツの核となる価値の提案です。なぜなら、中心となる価値を提案することで、対象となるユーザーに焦点を当てることができるのですから。対象ユーザーが定まれば、どんな人とコミュニケーションを取る必要があるのか、そのユーザーが抱える問題は何なのか、自分がどのようにガイドをして問題を解決していけばいいのかなどを知ることができます。これは他の誰でもなく、自分がやらないといけないことですね。とても時間がかかりますが、しばらく熟考して時間が経過すると、考えなければならない事柄がより鮮明にわかってくるでしょう。ネットビジネスにとってのコアを明確にすることは、とても有効です。すべてに応用できるフィルターとなるからです。
あなたはバリュー・プロポジション・ステートメントを作る必要があります。ステートメントを作り、引き出しにしまっておいてください。あるいは紙に書いて壁に貼っておいてもいいでしょう。バリュー・プロポジション・ステートメントはあなたが誰であるか、誰を助けるのか、そしてどのようにして助けるのかについて定義した説明文です。
そして、バリュー・プロポジションに基づき、こう考えましょう。「どんなプロフィール写真を使えば、見込み客に共感してもらえるだろうか。」「バリュー・プロポジションを表現するためには、どんなカラーがマッチするだろうか。」「見込み客のガイドとして、自分はふさわしいだろうか。」「どんなキャッチフレーズが覚えてもらいやすいだろうか。」と。バリュー・プロポジションが明確になれば、ロゴがあるべきかどうか、という検討事項もより考えやすくなるでしょう。
バリュー・プロポジションの構築からスタートさせて、次にキャッチフレーズを作るのがいいでしょう。長々としたものよりも、簡潔なキャッチフレーズの方がいいですね。それからプロフィール画像を決めましょう。イメージカラーを決めるのも大切だけど、プロフィール画像より先にしなくてもいいかな。それで、次にロゴ。
オウンドメディアを自前で構築するのにかかる費用
僕も同じようにあっています。僕たちは最近、パーソナル・プラットフォームを再設計しました。ブログ、YouTubeのチャンネル、オンラインスクール、Udemyの講師ダッシュボード。ブランドを象徴するような写真が撮影できたので、その写真からイメージカラーを決めました。こうしたらプロフィール画像と調和して、とても素敵になりますしね。
パーソナル・プラットフォームを設計し直してから、とても良くなったとたくさんの人に言ってもらいました。ブランド・アイデンティティを再設計する際には、必ずバリュー・プロポジションをすべて1から話すようにしているのです。オウンドメディアのライフステージがネクストステージに到達したときには、このように変更する必要が出てくるでしょう。うちが運営する新たなオウンドメディアは、かなり開放的な印象になりました。
オウンドメディアは最初から完成させる必要はなく、シーズンごと、ステージごとに変えていけばいいのです。完璧じゃなくていい。
おそらくオウンドメディアは数年に一度くらいのペースで、アップデートすることになるでしょう。うちのブログも何度かテーマを変えています。親テーマにGenesisのフレームワークを入れて、子テーマを2〜3年に1度変更しています。だから、作業を進めながら調整していけばいいのです。僕たちのオウンドメディアも常に調整をしています。少しずつ変更を加えていくのが基本ですね。いくつか写真を変えて失敗したこともありました。これがまさに、僕たちの業界の本質です。先が読めないダイナミックな環境が僕は大好きです。
オンライン・プラットフォームのあらゆる商品、コンテンツ、要素はまるで固まっていないセメントのようなもの。だから形を変えていくことはできます。まさに自由なのです。先を読み、その予測を調整していけばいいのです。だから、100%完璧なオウンドメディアを作る必要はありません。常時、ブランドイメージが反映されていると自分が感じられるような構成を考えていきましょう。失敗すれば、また元の構成に戻ることもできます。
オウンドメディアを構成することに関して、すべてのコストをお話ししておきましょう。話しておかないと、企業体質の方は「大変だ。これは一体いくらくらいかかるんだ」と心配になってしまうでしょうからね。
かつてアンソニーロビンズのThe Moneyという音声教材を聞いていました。彼はその教材の中で、会社のロゴを全体的にリブランドしたと言っていました。そのとき、ブランドデザイン会社に対してアンソニーロビンズは、1,500万円ほどの費用を支払ったそうです。デザイン会社は、膨大な種類のロゴから、ウェブサイトにおけるロゴの表示方法や、便箋・展示スペースでの表示方法など、なんでも提供してくれたと言っていました。でも、僕たちが話しているのは、そんな大規模なものではありません。では、コストと言えばどんなものがあるのでしょうか。
1,500万円も予算をかけられる人なんてなかなかいないでしょう。特にスタートしたばかりの人は、たとえ1,500万円をかけられる資金があったとしても、絶対にそんなことに使っちゃダメです。
僕もオウンドメディアにそんな大金を使ったことはないです。
100円から1,500万円まで、どれだけ使える資金があったとしても、駆け出しのときには、見込み客のブランド・エクスペリエンスに最大の効果をもたらすであろう要素を優先していかなければなりません。すでに説明したブランディング要素で言えば、バリュー・プロポジションなど。これは時間がかかりますが一切お金はかかりません。時間をとにかく割いて、ホワイトボードの上のいくつかのバージョンを実際に検討してから、実装していきましょう。キャッチコピーも無料ですよね。でも、時間をかけなければいけません。優れたキャッチコピーを考えるのには時間がかかりますから。誰かにフィードバックをもらいましょう。誰もいないところで作っていても深まりませんから。
Airbnbのエクスペリエンスでプロの写真家に撮影をお願いする
プロフィール写真についてですが、おそらくオウンドメディアを作る上で始めにお金を払う要素になるでしょう。もちろん友人にスマートフォンやカメラを使って撮ってもらうということもできます。ただ、見込み客があなたのことをどう捉えるのかという観点についてとても重要なものであるため、僕なら身近なプロの写真家を探すでしょう。
マレーシアにいった時、Airbnbのエクスペリエンスで、プロのフォトグラファーと街を散策しながらたくさんの写真を撮ってもらいました。僕もLumixのS1を持っていたので、僕がカメラで撮影している時の様子を彼の一眼レフで撮影してもらうという少しおかしな風景が出来上がりました。モスクに向かうマレー系の人たちは僕たちのことをジロジロ見ていましたね。Airbnbのエスクペリエンスはお勧めです。旅行先でぜひ活用してください。
実際、僕がオウンドメディア上で使う写真は、過去いずれもプロの写真家にお願いしました。ウェディング写真家にアポをとって会いにいき、「あなたはプロフィール写真を撮影できますか?」と尋ねました。すると彼女は「時々ですが撮りますよ」と言ってくれたので、お願いしたのです。2回のプロフィール撮影で3万円程度を請求されました。僕の友人はフォトグラファーにコーチングをすることを交換条件に、撮影してもらうことができました。物々交換、スキルの交換は、お金を節約する一つの手法です。
1番のポイントは、カメラを持ったアマチュアの友人にお願いをしなかったという点です。「プロフィール写真なんかに…」と思う人もいるかもしれないのですが、やはりプロフェッショナルにお願いすべきですね。プロフェッショナルに撮影してもらうことの利点の1つは、照明設備がしっかりとしているということです。明るい環境の中で撮影してもらうというのが大切ですね。逆光で写ってたり、目の下にたるみがあるように見えたりする写真はアマチュアっぽくなってしまいますから。
だから、スマートフォン以上に機能の良いカメラを使う必要があります。もちろん照明が明るければ適当なカメラでも撮れるかもしれませんが、たしかな撮影の腕を持ったカメラマンに撮ってもらう方がベターでしょう。僕の場合は、プロフィール写真だけではなく、すべての写真をプロのカメラマンに撮影してもらいました。思いつく限りすべてのショットを、2時間のセッションのような感じで。それで2万円くらいでしたね。
僕はコンサルティングサービスを立ち上げようとした時に、あるアイディアを思いつきました。最初はプロフィール写真と風景に合わせた何枚かの写真を撮影するだけの予定でしたが、ふと思いつきで「僕が誰かをコーチングしているような風景を撮ってもらえますか?」とカメラマンに尋ねてみました。そうするとカメラマンは快諾して、彼女のFacebookに「無料でプロフィール写真を撮影してほしい人を募集します。参加条件は、座って撮影に参加してもらうだけです。」といったコメントをポストしてくれました。
結果として、撮影当日には2人が参加してくれ、僕がコーチングをしているような写真を撮ることができました。撮影の時には参加者に対して「いくつかアドバイスをするので、ぜひメモをしてみてください」と言ったので、フェイクとは言いつつも、実際にセッションをしているような雰囲気の写真を撮ってもらえたのです。本来なら参加者に撮影料を払うものでしょうが、その代わりに参加者たちも無料でプロフィール写真を撮ってもらえたため、物々交換のようになりました。
この時に撮影された写真のうちの1枚は、後日、僕のオンラインコースのカバー写真に使われるようになりました。理由はシンプルで、かなり良い写真だったからです。この写真を使ったコーチングサービスで、僕は何百万円ものお金を稼ぐことになりました。そのプロフィール写真のROI(投資収益率)は異常なほど高いものでした。コストの話に戻しましょう。プロフィール写真を撮影してもらうと、結局2万円ほどはかかると思います。もしお金に余裕がないのであれば、あなたが提供できるサービスと交換しても良いでしょう。ただ、最初のプロフィール画像などに何十万円ものコストをかけなくても、すばらしいオウンドメディアはできますよ。もちろんお金をかければ苦労をせず簡単にできてしまうかもしれません。ただブランド・アイデンティティの軸がぶれてしまいかねないので、なんでもかんでもお金で解決はしない方がいいと思います。特に最初の1年は。
クラウドワーカーに2〜5万円でサイトのデザインを発注する
それからヘッダーの設計も必要になってくるでしょう。ただ、ボタンやサイドバーなど、オウンドメディア全体のデザインを施す必要はありません。良いテンプレートやテーマを選んで、ヘッダーをカスタムデザインするといいでしょう。その中で、自分の写真とキャッチフレーズを合体させたくなるかもしれませんね。その辺りのコストに関しては、いくつかアドバイスがあります。
僕はこれまでいくつものプロジェクトで、何人かのデザイナーと仕事をしてきました。何度も言いますが、はじめのうちは節約することが一番です。重要なのはROI(投資収益率)です。その上で、もしプロのデザイナーにヘッダー画像の作成費用を数万円くらいかけられるのであれば、カラーの選定を手伝ってもらうことがおすすめです。
たとえば、うちのサブスク商品・コンプリートバンドル全体の再設計のためにクラウドワークスでトーマスというデザイナー兼デベロッパーを雇いました。僕はトーマスとすでに何度も仕事をした経験があります。僕が彼に対して「僕たちはこんなブランド感を求めています」とか「ブルーやオレンジがいいかな」といったことを言うと、彼は僕が好むデザインを教えてくれるだけでなく、正確な16進コードなどを持って来てくれるのです。僕の漠然としたブランド感とカラーイメージを、デザイン業界と出版業界に10年以上のキャリアを持つプロの彼が「まさにこの色が、あなたの希望を反映したトーンです」と提案してくれるのです。
この16進コードは、プロが撮影したプロフィール画像やヘッダー写真と同じくらいの価値があるものです。これらすべてを手に入れるのであれば、2万円から5万円程度のコストがかかると考えて良いでしょう。
99 designsやFiverr(ファイバー)のようなプラットフォームを使うことで、かなり低コストでデザインを依頼することもできますね。こういったアウトソーシングプラットフォームを使ってみると、運がいいときにはかなり良いデザインを仕上げてくれることもあるものです。
ただ、99 designsやFiverr(ファイバー)のようなプラットフォームを使う上で注意点があります。もし、自分が求めているカラーやデザインが明確であるのなら、こういったアウトソーシングプラットフォームを利用しても問題はありません。ヘッダー画像を500円くらいで仕上げることもできるでしょう。ただ「どんなカラーを使いたいか分からない」「どんなヘッダーデザインが良いか分からない」という段階で、プラットフォームを利用するのはおすすめできません。
自分のブランドイメージが明確ではない状態では、カラーもうまく選択ができないからです。たとえばブルーにも千差万別の色合いがあります。たくさんのオウンドメディアを見ていくと、かなり不愉快なネオンブルーを使っているサイトがありました。彼らはデザイナーを雇うお金をケチって、自己流でカラーを選んだのでしょう。しかし、このような選択は結果としてブランドにダメージを与えることになります。どの色合いを使うべきなのか自信がないときには、プロフェッショナルデザイナーにお金を払い、色選びを手伝ってもらってください。
Pinterestのボードに好みの写真を保存していくというのも一つの手段でしょう。好きなウェブサイトやデザイン、ロゴなどをコレクションしていくと良いでしょう。僕たちも何か作る前に、気に入った他のコンテンツを集めています。それらをデザイナーに渡して「これが僕たちの目指す外観や感覚です。」「正確に言葉で表すことはできませんが、頭の中にあるイメージはこのような方向性です。」と伝えるだけでも、かなり自分の想定するデザインに近づけることができます。
そういえばコストにおいて、まだロゴのことには触れていませんでした。繰り返しになりますが、ロゴについては、もしかすると最初は必要ではないかもしれないと言うことをすでに述べました。ロゴを具現化するために、まずはどのようなブランドがいいか分かっていること。これが大事ですね。その次のステップとして、もしロゴを作るのであれば…。99 designsやクラウドワークスでデザイナーに依頼するとすれば、どれくらいになると思いますか?だいたい、1万円くらいです。もしかすると15,000円くらいになるかもしれませんね。もちろんロゴに5万円から10万円をかけることもできます。ただ、その必要はまったくもってありません。
特に最初の方は必要ありません。
デザインよりも見込み客の問題を解決するコンテンツの方が遥かに重要
もし、自分自身のビジネスで幾らかの収益を生み出し、次のステップとしてロゴを利用し、さらに上のレベルの品質や権威性に引き上げたいということであれば、何の問題もありません。ただ、スタートしたばかりのときに覚えておかないといけないのは、ブランドやデザインよりも人とのつながりを優先すべきだということです。
人とのつながりを作ることによって、彼らはあなたのコンテンツにつながっていくのです。かなりの時間を基本的なことに費やしましょう。当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、僕は人とのつながりがもっとも重要であると信じています。もしあなたがお金をかけてリッチな見た目のブランドを作ることに成功したとしても、人の心がつながっておらず、本気で魅力的だと思ってもらえなければ、成功を掴み取ることはできないのです。
本当にそうですね。ウェブサイトにアクセスしたときに「サイトのコンテンツはひどいけど、デザインは綺麗だから今後もアクセスしよう」と思ったことはありますか?
ないですよね。一方で、たとえ見た目がひどいサイトであったとしても、コンテンツが充実していたらアクセスしたくなるものです。
インターネット上でもっとも人気のあるサイトの1つとして、Drudge Report(ドラッジリポート)を挙げることに異論はないでしょう。クリントン元大統領とモニカルインスキーのスキャンダルを他のメディアに先駆けて報じたことで有名です。
これは本当に見た目がひどいサイトで、デザインに至ってはすべての原則に反していると言っても過言ではないのですが、彼らのターゲットユーザーたちは、ヘッドラインとニュースを見るために1日に何度もDrudge Reportをチェックしているのです。すごい人気ですよね。
つまり、デザインは重要であり、ブランディングが明確であることも重要なのですが、それ以上に、解決しようとしている問題を把握して、その問題にコミットしようとすることの方がはるかに大切なことなのです。ユーザーのニーズに全力で答える。これはウェブサイトをきれいに見せることよりも優先すべきことなのです。
さて、ここまで僕たちは「なぜブランディングをするのか」ということについて話してきました。また、ブランディングを構成する要素についても少し話をしましたが、これは僕たちネットビジネスのオーナーだけではなく、見込み客にとってもメリットがあることだと思うのです。見込み客にとって、ブランディングのメリットと言えば、どんなことだと思いますか?
僕が思うに1つ目のメリットは「彼らがあなたのことをどう捉えるべきか知ることができる」ということでしょう。ローロデックスの例に戻ると、彼らは知り合い1人1人を心のコンタクトリストに登録し、興味があるかどうかについても分別することができます。だから、もし彼らが僕に関心を持ってくれれば、すぐに意識をこちら側に向けることができるのです。特にこちら側がどんな問題を解決できるかについて伝えることができていれば、集中力をしっかりと向けてくれるでしょう。
だから明確なブランディングをすることによって、見込み客たち自身も問題を解決するためにアクションを取りやすくなるというメリットがあるはずです。ネットビジネスの適切な評価基準は人々の問題をどれだけ解決して、人々が生活を変えることができたか、ということですから。そうですよね?
あなたのネットビジネスによって見込み客にメリットがもたらされることによって、彼らはさらにそのネットビジネスに頼るようになるでしょう。
ネットビジネスはいろいろあります。アフィリエイト、物販、オンラインコースの販売。いずれも共通しているのは、顧客の問題解決です。例えば痩せたい人がいたとする。痩せたいけど、痩せる方法はたくさんあり、しかも玉石混淆。どれが正しいかわからない。
あなたがアフィリエイターなら「私はこの商品を使って痩せました」とサプリメント を紹介しつつアフィリエイト報酬を得るでしょう。あなたのアフィリエイトビジネスの成功を決めるのは、検索エンジンで1位を取ることでもないし、トラフィックの量でもありません。あなたのアフィリエイトビジネスがどれだけ見込み客の問題を解決できるかにかかっています。そう思いませんか?
あなたが自分で在庫を抱えて物販をするとしても同じです。あなたがダイエット方法をまとめたオンラインコース を販売する場合もやはり同じです。どれだけ見込み客の問題を解決できたか?それだけが重要なのです。ネットビジネスの成功は、見込み客の問題を解決した度合いで決まるのです。
ネットビジネスの第一歩は特定の業界でポジションを取ること
これは僕の意見ですが、こちら側が提供するものを見込み客へ明確に提示できればできるほど、多くのユーザーとより深い関係を築くことが簡単になります。またそれだけではなく、こちら側のネームバリューを向上させることも容易になるでしょう。逆にいうと「何をやっているのかよくわからないサイト」はユーザーと関係を築くことはできません。で、結局この人は何をやっているの?と思われる間もなく、彼らはあなたのサイトを去っていきます。
正直なところ、ネットビジネスを成長させるために広告を打ち出したとしてもあまり効果はないでしょう。それよりもブランドイメージを明確にして、ユーザーに「ニーズが満たされそうだ」と感じてもらわなければなりません。ブランドイメージを明確にできれば、特定業界のプロフェッショナルだと思ってもらえますから。
僕たちはその点について、これ以上意識を注げないほど意識を注いできました。脳に汗をかくくらい考えたのち、決めたことはこうです。僕たちのブランドは「あなたの既存の収入をオンラインコースビジネスにリプレイスします」です。既存の収入がポイントです。僕たちのメインの顧客は、既存の収入を持っている人です。例えば、セミナー講師として成功している人や、ビジネス書のベストセラー作家、YouTubeで登録者100万人を持つインフルエンサーなどです。市場をリサーチするうちに、彼らの悩みは「お金ではなく時間」であることに気付いたのです。お金を稼ぎましょうという訴求ポイントは、お金のない人を集めてしまいます。一方、既存の収入を持っている人に「あなたのビジネスをオンラインコース に置き換えて、マーケティングオートメーションで売り、時間を作りませんか?」という訴求ポイントは、ドンピシャで効くのです。
まあ、金払いのいい人をターゲットにした方が、僕らのビジネスの運営が楽になりますし。実際、僕たちがドン引きするような金額を稼いでいるお客さんが、うちに来られます。たくさんのフォロワーを持つインフルエンサーであれば、月に2000万円から3000万円を広告収入だけで稼いでいるのですから驚きです。こういうお金を持っている人たちは、僕らがフロントで売っている20万円の商品なんかも、ワンクリックで複数購入されます。まるでマックスバリューでイチゴのパックを3つ4つとカゴに放り込むような要領で。
僕はブランドイメージをはっきりとさせるために、こんな練習をおすすめしています。まず見込み客の誰かが友人と話しているとしましょう。その見込み客は、あなたの名前を出して友人たちにおすすめしてくれます。では、なぜ見込み客は自分のことを友人に勧めてくれたのでしょうか?「あの人はマーケティングオートメーションの専門家だから、質問があれば聞いてみると良いよ」とかね。
たとえば、友人たちの会話の中でこんな話題が出たとしましょう。「最近、昇進をしたんだけど、今までに経験したことがないリーダーシップが求められているんだ。しかも、これまで以上に多くのスタッフをマネジメントしなくちゃいけない。上からのプレッシャーもすごいし…。だからリーダーとして成長しなければならないと感じているんだけど、正直、かなり大変でどうしたらいいかわからないんだ。どうすればいいかな?」そうすると、きっとこんな答えが返ってくるでしょう。
「エリックシュミットのことは知ってるかい?彼は”1兆ドルコーチ.”ってキャッチフレーズだから、きっとリーダーシップについて指導してくれるはずだよ。」と。こういった会話の中で、あなたの名前が出てくるような理由を明確に打ち出さなければなりません。
ネットビジネスを構築し始めたのであれば、こんな会話が想像できるようになる必要があります。「毎日運動しないで15キロも痩せようとしているの?それならこのブログをフォローした方がいいよ。時間を無駄にしないシンプルなダイエット方法がたくさん紹介されてるから。」と。「器具を使わない筋トレの方法を知りたい?じゃあメトロンブログを見るといいよ。編集方法もすごいイケてるし」って感じ。
ここで大事なのは、自分のファンが、彼らの友人に対して、こちら側の魅力などについて伝えることができるようにするということ。ブランディングをするメリットの1つはここにあります。ファンがファンを呼んできてくれるのです。
もっと分かりやすい会話をイメージしてみましょう。たとえば「石崎力也って知ってる?あなたは、彼のことをフォローしてる?」と聞かれた際、きっと僕のことを知らない人は「知らないよ。彼はどんなことをしているの?」と返すでしょう。そこで「彼はいろんなことをブログに書いてるし、その内容がとてもいいんだよ。」と。正直「いろいろ」って言われても、知らない人からすると「ああ、そうなの」って感じになりますよね。
そう、切迫感が足りません。
ネットビジネスの初心者がブランディングをすることで軸がブレなくなる
じゃあ、ネットビジネスの初心者にとってのブランディングのメリットは何でしょう?
ブランド・アイデンティティが明確になることで自信を持てるということですね。たとえば、コンテンツを公開しようか迷ったときにも、ブランドイメージがはっきりとしていれば、フィルターにかけることができます。「これは自分のブランドに一致したコンテンツだろうか」「これは僕が解決しようとしている問題にコミットするものだろうか」と自問できますよね。もしこの自問への答えが「いいえ」であるならば、公開しなくて済むのです。一方で、答えが「はい」ならば、コンテンツを公開するだけではなく、そのコンテンツに対してどれだけ情熱を傾けているのか、出会った人すべてに伝えるべきです。
そう、これが自信を形成する大きな理由です。ブランドイメージから外れているものに迷わず「ノー」を言えること、そして明確なブランドイメージを持つことで、気が散るような儲け話やうまい話に乗せられずに済むということです。下手な儲け話に乗ってネットビジネス構築に集中できなければ、本当のチャンスを掴むことができないですから。ブランディングのおかげで僕たちは美味しい話に騙されたり、二兎を追おうとしたりしなくて済みます。いやもう本当に疲れるんですけど、僕のもとには「石崎さんにお世話になったから」という前振りで、いろんな儲け話を持ってくる人が困るんです。
この前は電力の自由化だかなんだかわからない内容を長々と連ねたメールを送ってきました。電力の自由化で僕がどうビジネスに関わっていけばいいか全くわからないのです。要は僕の持っているリストで宣伝してくれ、ただそれだけのことでしょう。そういう面倒な人は死んでしまって構いません。唐揚げでも天ぷらでも高温の油で熱されてください、本当。もちろん僕は自分のブランドを知っているので、そんなゴミみたいな儲け話に騙されません。
達成しなければならないことがもし1つでもあるのであれば、もしくはできるだけ早くネットビジネスを構築したいのであれば、その一点に集中しなければなりません。焦点を当てるには明確さが必要です。
僕もブランディングが明確になる前に、KKという日本人がアプローチしてきたことがありました。彼はこう言ったのです。「こんにちは。石崎さん。あなたはとても有名なブロガーだよね。どうして僕の……を宣伝しないんだい?」と。彼は僕に近づき、彼の自費出版に関するオンラインコースを宣伝してほしいと言ってきたのです。
正直この話はこれまで誰にもしたことがなかったのですが、その話を聞いたとき僕は「いいですね。おもしろそうです。」と言ってしまいました。
でも、僕は自費出版のためにネットビジネスを構築しているわけではありませんでした。それに出版社で働いていたわけでも、本を執筆していたわけでもありません。いわゆるアフィリエイターのようなことをしていたわけです。当時はなぜこんな話を請けてしまったのか正直分かりませんが、今になって振り返れば完全に失敗でした。役に立つオンラインコースをブログで宣伝するというアイディアに惹かれていたのだと思います。僕の見込み客ではないわけですが「自費出版のノウハウを必要とする人がいる」ということがとても興味深かった。アフィリエイトを経験する機会としては良かったですが、自分がコミットする対象ではなかったということです。
だからブランディングをはっきりとすることで、より自信のあるプラットフォーマーになり、自分の仕事に自信を持ち、人々を助けることに情熱を傾けることができるはずです。これはとても重要なことなのです。オンラインネットビジネスとは、1つの長い長い登山のようなものですから、なぜ登山をするのかという理由を明確にして、自分自身を維持できなければなりません。
さて、最後にブランドを確立する際にありがちな間違いについていくつか見ていきましょう。パッと思いつくのは、見込み客を明確に定義することに時間を割かず、すべての選択肢を視野に入れてしまい、「どうやってネットビジネスを拡張すればいいのか」と悩んでしまうことです。
僕のクライアントには出版業界に携わる人が多いです。独立系の編集者から、本を出版すれば必ず平積みベストセラーになる作家さんまで。ある作家さんはよくこう言っていました。「もしあなたの本が万人受けなのであれば、それは誰のためにもならない」と。どんなものでも、特定の人のためである必要があります。最高のネットビジネスの初心者とは、ターゲットを的確に絞れる人でもあります。
初めて僕がコアバリュー・プロポジションを作るというトレーニングに参加したとき「それは誰を助けるの?」という質問に対して「すべての人」と答えました。これはまったくひどい回答ですよね。だって「みんな」なんて、ありえないんですから。
だから、初めの段階ではまったくもってうまくいきませんでした。だからその後に見込み客の定義を明確にして、少しずつ成功することができました。ただ、僕は見込み客を「すべての人」だと答えてしまうような、ありがちな間違えをすることに対しては、割と肯定的でもあります。なぜなら、見込み客をニッチにしすぎるのもよくないことだからです。
まとめ:多肉植物のオウンドメディア = 最強のニッチ
今年の夏、大規模なオンラインプラットフォーム事業を運営している女性に出会いました。彼女は小さなサボテンのような、多肉植物(たにくしょくぶつ)の世話をする方法をオウンドメディアでオンラインスクール上で提供していたのです。このニッチはとても深いですね。なぜなら、多くの人が気になっていることだからです。だから、あなたが本当に情熱を注いでいることを考えましょう。その情熱の矛先こそ、ニッチな分野なのです。
たとえば「僕は政治に対して熱い情熱を持っています」と言ったとしましょう。残念ながら、これは情熱的だとは言えません。なぜなら、政治と言ってもジャンルが広すぎるからです。具体的な政治理論や、政治における特定の専門分野に対して熱い情熱を持っているのであればいいでしょう。ただ「政治」というのはジャンルがあまりに広すぎます。多くの人は、このように見込み客をあまりにも広く捉えすぎているという過ちを犯しがちです。
もう1つは、すでに触れたことでもありますが、実際にサービスを提供する前に、ロゴなどのコンテンツ制作にこだわりすぎて多くの時間とエネルギーを費やしてしまうということです。明確なブランドを確立するためには、見込み客が誰であり、どのような問題を、どのように解決するのかを明確にすることが重要です。コンテンツ制作に時間を費やすことはとても簡単なことです。だからこそ、問題になるのです。
みんな自分のデザインセンスを過大評価してしまう傾向にあるのです。自分がキモいものを作っている自覚がないのです。特にこれまでデザインの仕事をしてこなかった人は、デザインに対する見る目があまり育っていません。
ただ、この点についてはあまり指摘してくれる人もいないでしょう。
ウェブサイトを公開したときに「悪くないな」と思うかもしれませんが、もしウェブデザインに多くの時間を費やしていないのであれば「悪くない」というのは楽観的すぎるかもしれません。おそらく致命的なミスを犯していますが、それに気づいていないだけです。マーケティングツールやテクニック、ローンチなどに何百万円も使っているのに、ウェブデザインに一切お金を使わないという人をこれまでたくさん見てきました。彼らは決まってこう言います。「うちのウェブサイトは大丈夫だから」と。
でも、こう考えてください。銀行のような外装・内装の飲食店を建てたとしましょう。お客さんはお店に入っても混乱してしまうでしょうし、テーブルに着くのにも時間がかかるでしょう。それに、会計をする場所もわからないでしょう。お店側としても、入店したお客さんをどう導くのか、どんな絵を壁に掛けるのか、お店を一言で言い表すとすれば、など分かりませんよね。ウェブサイトとは、あなた自身のロケーションなのです。
ウェブサイトはサイバースペースにおける小売店のようなものですね。現実世界で建築をする際にプロに頼るのと同様、パーソナル・プラットフォームを制作する際、プロへお金を払うことを躊躇してはいけません。
安く作ろうとしてはいけません。ただ、そこまで費用は掛からないので安心してください。
そうです。倹約していたとしても、投資は惜しんではいけません。あなたのパーソナル・プラットフォームをさらに進化させるには、投資をする姿勢が大切です。初めてローンチする際には特に、実際に収益が発生するまでは自分のパーソナル・プラットフォームに大金を使いたいとは思わないでしょう。そのため、パーソナル・プラットフォームに再投資できるようになった段階ですぐにユーザーエクスペリエンスを向上させる方法について考えてください。ユーザーが時間を費やすのはパーソナル・プラットフォーム上ですから、パーソナル・プラットフォームのクオリティは重要なのです。
ここまででブランディングについては、しっかりと説明をしてきました。また、ブランディングの構成要素についても同じく話をしました。さて、次のステップはなんでしょうか?
次からは具体的なハウツーを学んでください。ここまでは「こういうことをすべきだ」というハイレベルな話をしてきましたが、ここからは具体的にどうすればいいのかということを学習してください。
たとえば、バリュー・プロポジションとは何かについて詳しく調べてください。そして構築方法についても学んでください。いくつかのプロセスを歩みながら、全体を見ていくという流れになります。
ブランディングの設計図を描き終わると、いよいよあなたのパーソナル・プラットフォームを立ち上げることができます。
みなさんには今すぐ、現在のブランドを評価し、何が出来ていて、何が出来ていないのかについて評価する時間を取ってほしいと思います。ご不明な点があれば、コメント欄でお知らせください。それではまたお会いしましょう。