今日は読みやすい文章の書き方についてレクチャーします。このノウハウは新聞のようなオフラインメディアでは使えません。あなたが今から書こうとするブログ記事はオンラインメディアの文章です。オフラインメディアとオンラインメディアの文章は読まれ方が違うことを覚えておいてください。先に結論から言うと、ブログ記事のようなオンラインメディアには決まったフォーマットが存在しており、そのフォーマットにしたがって文章を整えるだけで読みやすくなります。
あなたには、うまく書かれたコンテンツが、オンライン上でどのように見えるのかについて、知ってもらう必要があります。コンテンツを読みやすいものにするためには、いくつか重要なテクニックがあるので、そのテクニックについてお話をしていきます。
今回お届けするノウハウはこちら
文章を音読をして読みやすいコンテンツに置き換える
コンテンツを読みやすくするためのもっとも重要なステップの1つは、コンテンツが実際に正しく書かれているかどうかチェックすることです。ごく一部のライターは、自然に読みやすく、かつ自然な流れで、そして完璧な文法と句読点を含んだ文章を書くことができます。しかし、ほとんどの人にとっては、そうではありません。
社会派ブロガーのちきりんさんは、こう言います。
もうひとつ気にしているのは、すべらかに発音(発声)できる文章を書くことです。書籍もブログも、最後にはかならず音読し、スラスラ読めるよう“てにをは”や語彙を整えます。
僕たちは誰かのブログを読むときに、頭の中で音読しながらそれを理解しようと努めています。もし書き手の僕たちでさえすらすらと読めない文章であれば、読み手はもっと理解するのに苦しむはずです。そうであればあらかじめ文章を頭の中で黙読、あるいはちきりんさんのように実際に声に出して音読することで、読みやすい文章を綴れるようになります。
これは自分一人で完結できるプロセスです。
しかし、幸いなことに、僕たちには、役立つツールがあります。
僕のブログではさまざまな役立つリソースを紹介していますが、例えば英語圏ではChromeの拡張機能であるGrammarlyがよく使われていますね。無料オプションと有料オプションがあり、WordPressを含むどんなページで書いてもフォローしてくれる上に、言葉遣いを改善するためのヒントやアドバイスをしてくれる機能が備わっています。このように、執筆の流れを改善するのに役立つツールやサービスが、たくさん存在します。残念ながら日本語を校正してくれるサービスはまだ存在していません。デスマス調と断定調の表記の揺れを修正するChromeの拡張機能がありますが、あくまでも個人が開発したアドオンで、Grammarlyほどの豊富な機能はありません。
でも大丈夫。これから編集用のチェックリストを紹介します。このチェックリストを使用することで、ブログコンテンツを公開する前に、コンテンツの形式をダブルチェックし、オンライン上で読みやすいように書かれているか、何か間違っているところはないか、確認することができます。
合格点のブログ記事を書くための5つのチェックリスト
オンラインコンテンツにおける記事の執筆は、ほかのフォーマット(新聞、雑誌、書籍)での執筆とは、大きく異なります。読者を惹きつけ、ついリンクをクリックしてしまうような5つの仕掛けを以下に紹介します。
チェック#1. 問題を解決するのに十分な文字数
ブログ記事の文字数は何文字にすべきか?という議論があります。
本質的な話をすると、文字数は何文字でも良いです。これはお客さんの検索行動を考えればすぐにわかることです。僕たちは何らかの疑問を持って検索をします。検索結果から気になるリンクをクリックし、問題が解決されればサイトを去ります。解決されなければ他のサイトに飛びます。つまりあなたの記事がお客さんの問題を解決している限り、文字数は関係ないのです。
例えば「ClickFunnels 解約」で検索してきた人は、ClickFunnels の解約方法さえわかればそれで満足です。ClickFunnels 解約のトピックで1万文字も不要です。一方で、あなたが今、学習しているこのレクチャーは「読みやすいブログの書き方」です。比較的お客さんの問題が広範囲に及ぶものは自然と説明が長くなる傾向にあります。実際に文字数に直すと7000字ほどになります。
とはいえ、検索エンジンを叩いて上位表示されているものは長文のものが多いです。これは検索者の意図に丁寧に答えようとした結果、自然と文字数は長くなるからです。Googleも情報の網羅性をSEOの評価項目に入れているので、上位表示されているものは長文になる傾向にあります。間違っても、長文だから上位表示されていると考えないようにしてください。
チェック#2. 読者の心に疑問を投げかける印象的なタイトル
どれだけインプレッションがあっても魅力的でないタイトルはクリックされません。これをクリックスルーレートと呼ぶのですが、検索結果に表示された時に競合に打ち勝つタイトルをつけましょう。表示回数を出しているのに、いつまでもクリックされないブログ記事は、Googleの評価を下げます。インプレッションを出せる場所は限られているので、どうせならクリックされるものを優先的に表示した方がいいからです。
僕はいつもたった一人のペルソナを意識してタイトルをつけています。彼ならこのタイトルの記事を絶対にクリックするだろうと見込んで案をいくつか出します。
ブログは常にたった一人のために書かれます。僕たちの知らない「誰か」でもないし、「みなさん」といった集団に書いているわけでもない。僕たちの商品を心から欲しいと考えているたった一人の人間に対してメッセージを送る。それがブログです。
どんなタイトルをつけたら、あなたのペルソナは、リンクをクリックするでしょうか?
チェック#3. アイキャッチ画像の挿入
僕たちはテキストだけでなく、ビジュアルからも情報を得ています。ブログのトップに挿入する写真は、これから展開されるブログ記事の内容が容易に想起できるものであるべきです。コンテンツと全く無関係の写真を使ってはいけません。
また写真とイラストのテイストを統一しましょう。写真を使うのであれば、記事内、あるいはブログ全体で使う画像は写真に統一しましょう。あなたのお客さんがイラストを好むのであれば、ビジュアルはイラストに統一しましょう。
デザインの基本は統一感です。ページが遷移するごとにネオンブルー、ブラッドオレンジ、ライトイエローなどと色が変わることを想像してみてください。この人はデザインだけでなく、ウェブ周りの素人だと思われてしまいます。
画像も様々なテイストがあります。写真とイラストを統一するだけでなく、フォトグラファーやイラストレーターを統一して雰囲気を常に一定に保つ工夫をしましょう。
僕たちはEnvato ElementやAdobe Stock Photoから有料の画像をダウンロードしています。適宜、必要な箇所にはスクリーンショットを挿入しています。
チェック#4. Webサイト内の重要な関連記事へのハイパーリンク
内部リンクを出しましょう。外部に重要なソースがあれば外部リンクを出してもいいです。ただし外へ発リンクをする際はリンクジュースの概念を理解して慎重にリンクを出しましょう。1つの記事には1杯のジュースが入っており、発リンクをする度にリンク先のコップにジュースを分け与えることとなります。Googleはジュースのたくさん溜まった記事、つまり被リンクの多い記事を評価する傾向にあります。外部リンクを出す場合は信頼できるサイトに絞るのが基本です。
あなたのWebサイトの別の記事に対してジュースを与える分には何の問題もありません。読者はそのリンクをたどり他の記事も読みますから、サイト内の回遊率もあがります。
もちろん全く関係しない記事へむやみやたらとリンクを出すのはダメです。重要であり、かつ関連している場合に限りリンクを出しましょう。内部リンクをたどりクローラーが別の記事にも回るため、検索エンジンへのインデックスが促されます。
チェック#5. 記事を書き終えたら、音読して流れを確認する
はてなブロガー・ちきりんさんのノウハウです。冒頭でも紹介しました。僕たちは頭の中で声に出して文章を読みます。自分で読んでみて、スムーズに読めない部分、スムーズに理解できない部分は、きっと読者も同じことを感じています。
音読して流れを確認するプロセスで、誤字脱字を確認することもできます。それでも誤字脱字は残ってしまうのですが・・・。
大事なポイントは、読者が頭の中でスラスラと読めるかどうかです。あなたが校正プロセスの最終段階に音読をする過程を入れるだけでブログ記事のクオリティはまた一段アップします。
ブログ記事は新聞や雑誌とは全く異なる読み方をされる
たしかに、これらのツールやサービスを使わずに、何かしらのコンテンツを公開した方が手間はかかりません。しかし、オンラインメディアを読む方法と、新聞や本などのオフラインメディアを読む方法はまったくもって異なるということを、あなたは理解しておかなければなりません。もうすでに気づいているかもしれませんが、Webサイトにアクセスして記事を読むときに、多くの人は見出しや小見出しに集中して、テキストに関しては軽く読み流している節があります。僕もそうしますし、おそらくあなたもそうではないでしょうか。
段落、つまりテキストの塊はササッと読み流すだけで、ほとんどの人はじっくりと目を通すことがありません。ブログ記事を書くときに考慮すべき細かな調整事項がたくさんあります。それらの事項をクリアするために、編集用のチェックリストが役立ちます。特に見出しと小見出しについて、精通していない人は、使った方がいいでしょう。
ブログ記事やそのほかのコンテンツを見てみましょう。一般的には、本文、つまりブログ記事の大部分を構成している小さなテキスト群と、大きな見出しが表示されます。たとえば、タイトルはもっとも一般的な見出しです。しかし、あえて言うのであれば、タイトルから書き始める必要はありません。はじめにいくつかのセクションを設定するために、コンテンツ全体に小見出しをつけてもいいのです。その方が、記事を読んでいる人にとって、遥かに魅力的な記事ができることもあるのです。
また、記事の中に画像を入れ込むことを検討してみてもいいでしょう。基本的に、記事のトップに少なくとも画像を1つ掲載することをおすすめします。別にプロに撮影してもらった写真でなくても構いません。もちろん、僕もそんなたいそうな写真を使ってはいません。フリー素材でもいいですし、低料金で使用できるストックフォトサイトもたくさんあります。このようなサイトから、プロの写真を用いることもできるのです。
無料のストックフォトサイトにも、たくさんのリソースが含まれています。ただし、有料のものと比べて、自分がイメージしているものと正確に合致する画像を見つけ出すのが難しいことが多いです。いくつかおすすめのストックフォトサイトを紹介しましょう。これらのサイトには、サブスクリプションタイプのものもありますし、Adobe Stock photosのように、1枚あたりの画像に対して少額を払うタイプのものもあります。
読みやすいブログ記事を作る5つのプラクティス
次に紹介する5つのプラクティスに従うことで、読みやすいオンラインメディアのコンテンツを簡単に作れるようになるはずです。
プラクティス1:記事を短くする
これは、あなたの直感に反するかもしれません。なぜなら、見込み客の問題を解決しようとしており、かつ、あなたがプロフェッショナルであるならば、見込み客が要点を把握できるように、トピックを詳細にカバーしなければならないと考えているからです。しかし、実際のところ、見込み客がコンテンツを完全に理解していなくても構いません。
重要なのは、トピック自体をカバーしながらも、人々の興味を維持するということ。そのために、記事を短くするべきなのです。WordPressやGoogle Docsなどのプラットフォームを使用してコンテンツを書いているのであれば、文字数をカウントするツールがあります。このようなツールを用いて、今自分がどれくらいの文量を書いているのかチェックすることができます。
検索エンジンがあなたのコンテンツを見つけられるように、300語以上の記事を公開することがおすすめです。読者に見つけてもらう前に、まずは検索エンジンに評価してもらう必要があります。ただ、それ以上の基準を設定するかどうかは、あなた次第です。平均的なブログ記事の場合、500〜1,000語。この範囲で記事を書いている人は、おおむねうまくいっています。また、中にはPat Flynnのように、1,500語、2,000語、さらには3,000語ほどの長大な記事を書いている人もいます。
しかし、まだブログを書き始めたばかりだという人は、手短に記事をまとめて「このブログの記事は読む価値がある」と認識してもらうことから始めましょう。
プラクティス2:段落を細かく分ける
これは、オフラインメディアとオンラインメディアの違いの1つでもあります。たとえば、英語の授業で先生から「基本的に1段落は、3〜5つの文で構成されている」と教わったことがあるかもしれません。たしかに、オフラインメディアの多くは、それくらいの基準で段落が成り立っていることが多いですね。一方で、オンラインメディアの段落は、1〜2文で構成されています。
かなり短い文が1つの段落に3つほど入ることもありますが、通常は1つか2つの文です。デスクトップから少し離れてみると、段落が大きなテキストブロックのように見えます。そのため、あまりに大きい段落になってしまうと、敬遠してしまう人も出てくるでしょう。
段落を短くすることで読みやすくなりますし、段落を読み終えるたびに達成感を覚えることもできるのです。
プラクティス3:文章を短くする
段落に含まれる文の数を2つにしたとしても、その文が長すぎては、結局、段落も大きくなってしまいます。考えが完結しているか確認するためにも文を音読しましょう。そして、必要のないことまでダラダラと書いていないか確認する必要があります。これは本当に重要なことです。ブログ記事の執筆が終わったら、公開ボタンを押す前に必ず声に出して読みましょう。そして、読んだ文章が会話のように聞こえることをチェックしてください。
ClickFunnels の創業者・ラッセルブランソンは最近、超優秀なコピーライターを雇ったといっていました。そのコピーライターがあまりにも高い成約率を叩き出すレターを書くので、彼にポイントを聞いたところあまりにシンプルな回答に驚いたそうです。彼はこう言いました。「一文一文を短くすることです」と。
そう言えば東野圭吾の文章も短いですね。特に各章の出だし部分は。一文が短いことで、リズムよく本編に入り込むことができます。例えば流星の絆の冒頭はこうです。
男たちは刑事だった。どちらも名乗らなかった。白髪頭を短く刈った男が功一の正面に座り、背の高い若い男がその隣の席についた。
さて、このレクチャーの冒頭も一文一文が短いことに気づいたでしょうか。
今日は読みやすい文章の書き方についてレクチャーします。このノウハウは新聞のようなオフラインメディアでは使えません。あなたが今から書こうとするブログ記事はオンラインメディアの文章です。
石崎が提供するコンテンツは全て出だしが短いです。東野圭吾の小説に着想を得たノウハウです。
プラクティス4:簡単な言葉を使う
技術的な分野を扱う場合、業界用語や知的な印象を与える言葉にとらわれてしまいがちです。しかし、難しい言葉を使うことで、あなたと見込み客の間に高い壁ができてしまっています。特に、見込み客がその分野に不慣れな場合は、なおさらのことです。
経済学者の立場から分散不均一性のような用語を使う場合があるかもしれません。英語ではheteroscedasticity(ヒトロスケダスティシティ)と発音します。舌を噛みちぎりそうですね。
でも、ハッキリ言うと、コンテンツを読んでいる人々にとって、その言葉が使われる意味は一切ありません。1つのブログ記事を読むためだけに、辞書を引かなければならないという状況は避けないといけません。簡単な言葉を使って、自分のアイディアを説明することに集中しましょう。その方が、より良い記事を書くことができるはずです。
この点において、ちりきんさんの音読ノウハウが役に立ちます。読者は常に頭の中で文章を音に変換して読んでいることを思い出しましょう。あなたが自分の書いた文章を音読してみて、すんなりと意味が入ったこなければ、きっとその単語や言い回しは使うべきではないのです。
プラクティス5:内部リンクを貼る
内部リンクを貼ることには、2つの目的があります。1つは、ちょっとしたマーケティングということです。なぜなら、内部リンクを紹介することで、誰かがある記事を読んだ後に、ほかの記事も見てもらえるからです。そして、もう1つは、単一の記事ですべての解決策や問題を包括的にカバーしなくても良いということです。
ブログを書いているときに「ここから派生する話題について書かれた記事があればいいのだけど」と感じたら、必ずメモしておきましょう。
僕たちはピラーページの作成を推奨しています。ピラーページとは、肉厚のブログ記事のことで、1ページからたくさんの内部リンクが出ている文章の書き方です。「コピーライティング」と検索すれば、バズ部のコピーライティング初級講座が上位に表示されます。文字数はなんと701。他の上位表示されているブログ記事に比べて遥かに文字数が少ない。バズ部の記事が上位表示されているのは、ピラーページのフォーマットで書かれているからです。「売れるコピーライティングを書くための10ステップ」から10本の内部リンクが出ており、それぞれのクラスタページがよく作り込まれています。
もし仮に僕がコピーライティングを学ぼうと思ったら、このバズ部のピラーページをブックマークしておき、何度もそのページをチェックします。実際にそういったユーザーの検索行動はしっかりとGoogleに記録されています。
あなたがBingやYahooを使って、かつiPhoneのSafariだけで検索行動をしているのでない限り、しっかりとGoogleのサービス(例えば、Analytics、Android、Googleの検索エンジン)を通っているので、彼らは逐一それらを記録しています。それら記録が彼らのより良い検索エンジンを作るのに貢献し、それはつまり皆が何度も訪れるブログ記事を上位表示しておこうというGoogle側の意図に反映されるわけです。
見込み客のために素晴らしいコンテンツを作成し、文章作成プロセスを合理化することができます。このレクチャーで紹介したチェックリストを使えば、すべてのコンテンツが、一貫してオンラインメディア用にフォーマットされたものかどうかをチェックすることができます。忘れずに確認してみてくださいね。また、実際に役立ったヒントがあれば、下記のコメントで共有してください。