今回は、今後あなたがプラットフォームを運営していく中で、メディア構築における優先すべき事項を特定していきます。そのためにはアップデートしたブランド・アイデンティティを拡大し、現在のメディア構築戦略の再評価を行わなくてはなりません。
ここで復習をしましょう。僕たちがプラットフォームを運営するにあたって重要なパーツは2つしかありません。ブログとメルマガの読者です。いくらSNSやYouTubeにたくさんのファンがいても、それらは虚像のようなものです。他人の土地に家を建てているようなものです。ビジネスは自分の家、つまり独自のサーバーと独自のドメイン、独自のメーリングリストを使うようにしてください。
じゃあどうやったらメルマガの読者を増やせるのか?これはメディアのコントロールが必要です。どのメディアを使ってどのようにリードを獲得するか戦略に考えていきます。今流行のSNSに乗っかるのはお勧めできません。またこれまで続けてきたからという理由だけで、例えば登録者1000人以下のYouTubeを今後も続けるという判断も間違っています。自分たちの持っているリソースと、見込み客がいる場所を再評価しながら、来年はどのメディアで攻めるのかを熟考する機会です。
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メディア構築までの流れを客観的に評価・観察する3つの質問
メディアとは、それだけで価値を生み出す目的で作成されたコンテンツです。例えばブログ記事を読んでいる読者やPodcastを聴いている視聴者、YouTubeでビデオを観ている視聴者などが対象になります。彼らから何らかの愛着や思い入れが複数ある上で、作成されたものです。
僕らは、ブログ記事をメインになるメディアとして取り上げてきました。しかし他にもPodcastやビデオなど、多くのメディアが存在します。ブログ記事はほんの一例であり、他に有効な届き方が行えるのであればブログにこだわる理由はありません。
安定してクオリティの高い文章を書く基礎スキルを身に付けた今、どのようなコンテンツが見込み客の心に響くのか理解しておく必要があります。何が喜ばれ、何が喜ばれないのかをよく考えてみましょう。3つの視点から特定していきます。
#1:見込み客が特に喜んだコンテンツに焦点を当てていますか?
見込み客が喜んだコンテンツは、ソーシャルメディアで人気のあった特定のブログ記事だったかもしれません。またはメーリングリストの購読者から、あなたの元へ感謝と共に感想が送られてきた他のコンテンツかもしれません。
ここでは主に、メディアに焦点を当てていきましょう。つまり見込み客に無償で提供するコンテンツのことです。もし有料コンテンツがある場合は、どのような種類のコンテンツが見込み客に共感されたかを知ることができるため、それも同様に価値があります。
#2:あなたが特に誇りや自信を持っているコンテンツはありますか?
まだ投稿をシェアする前から、「自分が作ったとは思えない」と感じてしまうほど気に入ったコンテンツはありますか?実際にそのコンテンツが、思ったよりも反響を生まなかったとしても構いません。
そのコンテンツから、あなたが何を作るのが好きかを見極めることができます。これは非常に重要なことです。なぜなら、大前提としてコンテンツ制作を楽しむことが必要だからです。
好きなジャンルを見極めて、意識的に業務の優先事項にできなければなりません。そうしなければ成功し、持続可能なプラットフォーム・ビジネスを構築することは難しいでしょう。無理が生じれば、途中で挫折してしまうのです。大きな見返りがなくとも注力し続けられる強みを知っておくだけで、結果に大きな差が出ます。
#3:ライティングは楽しいですか?そしてその理由はなんでしょうか
この2つの質問はどちらも重要です。なぜなら自分のことをライターだとは思っていないとしても、理由を知れば書くことも楽しめるからです。自分に合った書き方や好きなジャンル、スムーズに書き上げられるプロセスを見つけられればより楽しく打ち込めます。
まずは自分を評価してみてください。あなたは文章を書くことを楽しめているでしょうか?その理由はなんでしょうか?自分に問いかけながら、客観的にどう思っているかを考えてみましょう。
これはとても重要なことです。なぜならあなたは、ライティングに関する2つの決断を瞬時に下す必要があるからです。その決断とは、一体何か。1つはどれくらいの度合いで、プラットフォーム上のコンテンツに依存するかということです。
そしてもう1つは、誰が執筆担当者であるかということです。現時点で、あなたである必要はありません。必ずしも、好きではないことをやり続ける必要はありません。
僕は自分のブログには一切タッチしていません。ですが、ブログがメインの集客口になっています。表に立つ人と、中でそれを運営する人たちが異なっても、ビジネスはうまくいく典型として見ていただければと思います。
僕はもともと腰が弱いので長時間パソコンの前に立つことができません。レーシックの手術をしてからは特にパソコンの画面を見るのが辛くなりました。だから最低限のことだけをパソコンでやるようにしています。ブログライティングとかは絶対に無理です。
プラットフォーム戦略シートの完成までに決定すべき重要な3つの要素
プラットフォーム戦略シートの構築から完成までにかけて、いくつかの決定をして行かなければなりません。最初に決定しなければならないのは、主なメディアをどれにするか選択することです。
一番扱いやすく僕らとしてもおすすめなのは、ブログ記事の作成となります。そして今まであなたは主なメディア・フォーマットを、ブログ記事の作成という内容で焦点を合わせてきたはずです。
ブログ記事をメディア・フォーマットとして選べば、コンテンツ作成のためのトレーニングがスムーズです。その他の追加コストとして、ハードウェアやソフトウェアに投資する必要もありません。そして実際のコンテンツも、ブログ記事にフォーカスして調整や最適化・編集を行うことができます。だから初期の段階でブログ記事をメディア・フォーマットとして選ぶことは、非常に価値の高い行動なのです。
しかしプロのプラットフォーム・ビルダーとなったあなたならば、他のメディア・フォーマットを自由に選ぶことができます。現在、最も人気のあるコンテンツは、YouTubeを中心とするビデオコンテンツとPodcastを中心とするオーディオコンテンツです。
要素#1:どのメディア・フォーマットを選ぶのか決定する
それぞれのメディアはアプローチ方法が異なっていますが、今のところビデオ・オーディオ・ライティングコンテンツという3つの主要な上位カテゴリが存在します。どんなことに尽力するかは、あなたがどのメディア・フォーマットを選ぶのかに基づいて決定する必要があります。
また主要なプライマリ・メディア・フォーマットだけでなく、補助的な役割としてセカンダリ・メディア・フォーマットについても決定する必要があります。主要と補助の役目を持つプライマリとセカンダリというコンセプトは、多くの分野で扱われているメジャーな考え方です。
あなたなら、プライマリ・メディアとセカンダリ・メディアの両方を持つことができます。例えばブログ記事をプライマリ・メディアにしつつ、Podcastなどをセカンダリ・メディアにするといったような形です。
要素#2:役割分担を行うことでエネルギーを効率的に分散させる
プライマリとセカンダリを明確に分けることにより、あなたのエネルギーやリソースを効率的に分散させることができます。それだけではなく、プライマリ・メディアの収益化について、よりハッキリとフォーカスすることができるようになるでしょう。
またセカンダリ・メディアを使用して実験を行い、どちらも最適化することができます。他にもプライマリとセカンダリを組み合わせ、これまで考えられたことのなかったような形式でコンテンツを配信できる可能性もあります。
プライマリとセカンダリは効率的に注力する対象を分けるどころか、相乗効果を発揮させる可能性もあるのです。いわばパートナーのような役目ですね。もちろん補助の役目だからといって手を抜いてはいけません。互いに違う分野を支え合うので、役割が違うだけなのです。
僕たちのプライマリメディアはブログです。ビジネスパートナー の小川さんがスクリプトライターさんたちに少なくない金額をお支払いして、僕たちの考えていることやアイディアを文章にしてくれます。あるときは僕たちの喋った内容や動画の講義をベースにしてスクリプトを作ってくれます。
今度は別のSEOライティングのワーカーさんたちが、それらスクリプトをブログの文章に変えてくれます。
セカンダリメディアはYouTubeです。ブログにあるスクリプトに多少のアドリブや独自のストーリーを加えて、僕がビデオの前に立って喋ります。
喋ったデータは直ちにパソコンに取り込まれて、Google ドライブで日本の動画編集者に同期されます。小川さんが作ったスプレッドシートには、動画のタイトルと公開日が10ヶ月ほど先までリストアップされています。動画編集者がYouTubeに動画をアップロードしてくれたら、うちのスタッフの鈴木が、概要欄やサムネイルなどを整えて公開日を設定します。
もし僕一人で仕事をしていたら1週間働き詰めでも、これだけのコンテンツを安定して出すことはできませんでした。逆にいうと、今僕たちはリソースをフル活用して、プライマリメディアのブログと、セカンダリメディアのYouTubeにコンテンツを提供しているので、これら以外のメディアに手を伸ばすことはできません。
メディアの役割を決めることでエネルギーが1つか2つに集中するように努力しています。
要素#3:配信するコンテンツをより魅力的なものにする
次に、作成するコンテンツの種類を決定します。具体的なタスクやアクションを課して実行する方法や、チュートリアル・ハウツーなど提供できるコンテンツは多彩です。または、見込み客が目標の達成に向けて実際に行動できるように、モチベーションを高めるようなコンテンツもあります。あなたはどれに尽力しますか?
これについては、解決する問題や提供するソリューション、バリュー・プロポジション・ステートメントを参照して選択することができます。ただし、それをさらに明確にしなくてはなりません。
まずは、2つの上位カテゴリーから選びましょう。それは「説得力のあるコンテンツ」カテゴリーと「実現化させるコンテンツ」カテゴリーです。上位カテゴリーを選ぶことによって、より明確にプラットフォーム戦略シートを作成することができます。
僕たちであれば、一眼レフを回して撮影するビデオコンテンツでは概念的なことや理論的なことを話すようにしています。それが1つのフォーマット。もう1つのフォーマットはブログ記事です。ブログ記事でもやはり、お客さんの心に染み入っていくような共感の得られることを書くように意識しています。一方で、テックトレーニングなどツールの使い方に関しては、スクリーンキャストを使って細かくテーマを刻んだ動画をYouTubeにアップロードしています。僕たちは主にこの3つのフォーマットを使ってコンテンツを生成しています。
チームでの運営はあなたのコンテンツをより深めてくれる
チームで運営することは、コンテンツ作成作業とコンテンツの価値自体を維持・向上していくための有効な方法です。これまでと同じようにブログ記事を書き続けたいと思っていても、リソースが限られているため時間が捻出できなくなる可能性もあります。
書いたコンテンツが本当に視聴者の心に響くと思っていても、余裕がないせいで心から好きなことではないと思ってしまうかもしれません。そうなればパートタイムでライターを雇って、コンテンツ作成プロセスを手伝ってもらうことができます。
例えばマーケティングオートメーションツールで有名なハブスポットは、ブライアンハリガンが創業した会社です。ニューヨーク証券取引所にも上場している会社です。彼がインバウンドマーケティング、という本を2009年に書いたときは、まだ彼の経営者としての仕事はそれほど忙しくなかったのでしょう。そう言ったテキストコンテンツを作る余裕があったということです。
じゃあ今でも彼がブログを書いているか。いいえ書いていません。たくさんのライターさんたちが毎日のようにハブスポットのブログを更新しています。ブライアンはブログライティングではなく、経営の仕事に時間を割いています。
インターネットビジネスは、手伝ってもらえることはたくさんあります。例えば最初のアイデアを肉付けして、ライターに構成を作ってもらう方法。箇条書きで構成を作成してもらった上であなたがチェックを行い、問題なければ文章執筆までしてもらって最終的にあなたが仕上げる手順です。これは僕たちが採用している方法です。
もしくはあなたの声を録音したデータをライターに渡し、ブログ記事にしてもらった上で記事にすることもできます。もちろんオーディオデータをエンジニアに編集してもらって、自分のプラットフォームで公開することも可能です。
コンテンツの制作は必ずしも孤独に行うものではない
プラットフォーム戦略シートの作成までに、コンテンツの作成プロセスもしっかり決定していく必要があります。例えば新しいPodcastやビデオコンテンツを作成する場合、誰が実際に編集や制作を行うのかを明確にしなければなりません。
今までは1人でコンテンツの作成をしていたかもしれませんが、チームで行うこともできます。チームでコンテンツを作っていく場合、あなたがより濃密に集中できる時間を作り出すことが可能です。それによって、さらにあなたのコンテンツが洗練される可能性もあります。
チームで運営していく例を、Podcastコンテンツで考えてみましょう。あなたのタスクはコンテンツのアウトラインを作成して自分で録音し、オーディオエンジニアに送信するところまで。そこから先はエンジニアが調整し、ホスティングサービスにアップロードしてくれます。そしてiTunesやGoogle Play、Stitcherなどのプラットフォームに、あなたのPodcastコンテンツが自動的に配信されるようになります。
プラットフォームビルダーが失敗してしまう重要な1つの理由
これらはすべて、コンテンツを作成するための完全に有効な方法です。ただしここでそのプロセスを決定し、一連のアクションに尽力する必要があります。プロのプラットフォーム・ビルダーと見なされるレベルに達したとしても、まだプライマリ・メディアだけではなくセカンダリ・メディアにも引き続き尽力することをおすすめします。
しかしここでプラットフォーム・ビルダーが失敗する、主な理由の1つをお教えしましょう。それは自分がコミットするべきプラットフォームにフォーカスしきれず、力が分散してしまうことです。既存のコンテンツを薄めたり伸ばしたりして、平凡なコンテンツを量産するようになってしまう状態を指します。
マイケル・ハイアット、ゲイリー・ヴェイナチャック、パット・フリンなどの影響力のあるプラットフォーム・ビルダーが、多くの異なるメディアでコンテンツを制作しているのは事実です。ただその舞台裏で、彼らがそれぞれフルタイムのスタッフ・チームを管理していることも知っておいてください。
まとめ:一人よりもチームのほうがあなたの提供する価値は増えていく
こういったサポートチームを自分で管理できるようになったら、プライマリ、セカンダリだけではなく、第3から第4の、5と続くようにメディアへ手を広げることができるようになります。ただそこまでに達するまでの間は、あなたのメイン・メディアとセカンダリ・メディアに尽力してください。
またこのレクチャーでお伝えした課題を完了し、明確なメディア作成計画を作ってください。それが終わったら次のステップへと移り、あなたにとって必要な選択をより具体的かつ明確にしましょう。ここまでの流れについて何か質問はありますか?もしあれば、下記のコメント欄でお知らせください。またお会いしましょう。