今回は、プラットフォーム戦略シートを作成していきます。この内容はこれまでに学んだことの集大成であるため、非常に重要な通過点となることでしょう。あなたがプラットフォームと深く関わってきた今日までの過程で、多くのことを得られたはずです。今回は少し時間をかけながらこれまでの過程を振り返りつつ、方針を見誤らないよう軸となるプラットフォーム戦略シートをともに作り上げていきましょう。
プラットフォーム戦略シートは、あなたのオンラインコース ・ビジネスをさらなる高みへと導いてくれる計画書です。僕たちはこれまで時間をかけてブログとメルマガ読者を構築してきました。その過程でたくさんの経営判断をしてきました。将来においてもたくさんの決断をするでしょう。それら経営判断の元になるのが今から一緒に作っていくプラットフォーム戦略シートです。
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ポスト・ローンチから得られるものを最大化する3つのプロセス
すでにあなたがある程度プラットフォームの運営について、実践した経験と知識が備わっている状態だと仮定します。その上でこのレクチャーを参考にしているとすれば、もはやあなたは受講生や顧客にとって最適な環境を誰よりも作り出せるプロフェッショナルです。プロのプラットフォーム・ビルダーと言っても過言ではありません。まずはここまで順調に歩まれてきたことに対して、祝辞を述べさせてください。本当におめでとうございます。
現在あなたのパーソナル・プラットフォームは、次のレベルへ向かう段階にあります。そこからの景色は、おそらく今見えているものと全く違うものになるでしょう。今がまさにその分岐点です。そしてここからあなたがどの方向に向かうのかについて、重要な決定を下していかなくてはなりません。これが本モジュールの目的でもあります。
この機会を利用して、これまでの旅程とも言えるプラットフォーム・ジャーニーを振り返ってみてください。そして今後の方向性を決定付けるために、あなたが経験した成功と失敗を特定してください。
あなたは最初のローンチを終えました。海外では、ローンチ後のことをポストローンチと呼びます。日本ではローンチまでがゴールになっていますが、海外ではローンチ後の復習をするのが常識になっています。なぜなら一通りローンチで使ったセールスマテリアルなどをもう一度再利用して、次のローンチ、そうですリローンチで大きな利益を上げるためにやるべきことを発見するチャンスだからです。
ポストローンチにあなたがやるべきプロセスは3つあります。
プロセス#1:これまでに得た成果を明らかにする
まずはこれまでの道のりを思い出し、あなたにとって最大の成果を明らかにしましょう。プラットフォーム・ジャーニーの中で、あなたが最も誇りに思っていることはなんですか?そしてさらに同じ方向性で、より大きなことをしたいと考えていることもあれば抜き出しておいてください。
例えばプロモーションが成功して大きな成果や結果に繋がったとか、特定の方と協力して大きなパートナーシップを締結したとか。もしくは多くの人から称賛を受けたことがあるとか、そういった成果はありますか?
これまでに得た成果はあなたの自信に繋がっていて、この出来事があったから前に進めたという経験になっているはずです。今当たり前にできることでも、最初の頃は遥かに高い壁だったということもあるでしょう。できるだけ深く考えてください。
プロセス#2:お客さんからのクレームは改善の原動力
成果を洗い出すことと同様に、やるべきことがあります。これまでプラットフォームを運営していく中で、最大の損失や失敗のいくつかを思い出してください。うまくいかなかった新規プロダクトの立ち上げや、見込み客の共感を得られなかったコンテンツなどです。そういった失敗はありますか?
辛いかもしれませんが、最大の損失や失敗を特定する必要があります。なぜなら失敗した原因を正しく特定・分析すると、成功する要因が隠されていることに気付けるからです。
例えば見込み客から批判されたり、クレームをもらったりしましたか?プラットフォームに大きな変化や成長を促すためには、それが苦痛であってもハッキリとさせておかなければなりません。
以前、僕たちはThinkificというプラットフォームを使ってオンラインコース を管理していました。コンプリートバンドルという商品には100以上のコースが詰め込まれており、お客さんたちはどこから学べば良いかいつも迷っているようでした。というか、実際に「どこから始めれば良いかわからない」というメールがいくつもサポートに届きました。だから僕たちは見放題のライブラリを独立させて、Teachableで新しいスクールと契約をしました。そして「この順番でコースを視聴してください」という案内をすべてサクセスパスに書き込み顧客に渡すようにしました。
それ以降、顧客のリテンションやサブスクの継続率が伸びたのはいうまでもありません。
プロセス#3:失敗や成功から新しい可能性を見出す
第3にあなたが考えてほしいことは、失敗や成功から可能性を見出すこと。あなた自身や見込み客、あるいはプラットフォーム戦略に関わる成功や失敗からどんなことが学べるか、ということです。
成功や失敗も含め、これまでの方向性から一変させれば飛躍できそうな要素や可能性はありませんか?何かあなたが飛び抜けて結果を出せそうなことはありませんか?ハッキリと断定できなくても構いません。心のどこかで「これをやれればうまくいくはず」と、うっすら思いつくことでも大丈夫です。できるできないは別にして、多くの可能性を想定する思考のクセをつけると良いでしょう。
僕たちの場合であれば、アップセルオファーの導入が1つの分岐点になりました。これまで導入してきた海外のウェブサービスも、いかにアップセルオファーを効率的に行うかを基準に探してきた感じです。
TeachableでもClickFunnelsでも、OTO、つまりOne Time Offerの成約率が以上に高いことがわかりました。じゃあ、OTOをもっと増やして、顧客にできるだけ多くの商品を購入してもらい、彼らの成長を手助けしようという考え方に変わった時、毎月の売上は桁を変えるようになりました。
あなたにも「もしかしたら、これをやったらビジネスは急に成長するかもしれない」という兆候みたいなものは見つかっているはずです。
そしてまさに今、これからの方向性を決めるときです。どの道を歩むのか、選択肢はたくさんあるかもしれません。しかし今、あなたのプラットフォーム・ジャーニーを決めるのはあなた自身です。
あなたのパーソナル・プラットフォームをアップデートする具体的な3つの手順
少し時間をかけて、プラットフォーム・ジャーニーを思い出しましょう。これまでのプラットフォームで得られた過程全てが含まれます。そしてあなたのプラットフォームの成長に影響を与える重要な成功と失敗を特定できたら、到達点であるプラットフォーム・ビジョンを見直しましょう。
プラットフォーム・ビジョンはかなり初期の頃、あなた自身がプラットフォームを作成する段階で見出しているものです。もう1度思い出してみましょう、あなたのプラットフォームの展望や見通し・理想像はなんですか?正しく作成されたプラットフォーム・ビジョンは、あなた自身やあなたの見込み客だけではなく、あなたの愛する人々まで影響を及ぼします。
それらの人々を、あなたのプラットフォームがどこに連れて行ってくれるのか。その過程を詳しく説明するストーリーが、プラットフォーム・ビジョンです。今までの経験を経た状態のあなたなら、多くの視点やアイディアが生まれてくるはず。まずはプラットフォーム・ビジョンから振り返っていきましょう。
手順#1:プラットフォーム・ビジョンをアップデートする
あなたが最初に作り上げたプラットフォーム・ビジョンを振り返った上で、ビジョンを現在のあなたの視点からアップデートを行いましょう。なぜならこれまでの過程を通過したことで、最初にビジョンを見出した頃から考えがより深まっているはずだからです。
あなたのプラットフォームで、一体どんなことをしようとしているのか。その思いを改めて文字に起こしましょう。具体的には現在から5年後のビジョンをイメージし、修正を行ってください。
このレクチャーを参考にしているのであれば、プラットフォーム・ビジョンを形にした頃からそれ相応の時間が経過しているはずです。もう1度プラットフォーム戦略の全てがうまくいっていることを仮定した上で、今から先の5年後をイメージしながら自分の人生を思い描いてください。
僕たちも起業当時はただ単に生活費を稼ぐために働いていました。オンラインコース ・ビジネスは生活費を稼ぐための仕事にしか過ぎませんでした。生活費を稼げるようになると、少し欲が出ます。僕であれば子供の教育のために移住したいという目標ができました。ここで一度、プラットフォームのビジョンを更新しました。
生活費が稼げるようになり、家族をオランダでも養えるようになり、次の目標ができました。ここで話すと長くなるのであえて言及しませんが、やはりこのタイミングでももう一度ビジョンをアップデートしました。
あなたもライフステージ、ビジネスのステージが変わるごとにあなたのビジョンを更新なさってください。
手順#2:アップデートしたビジョンを客観的に考察する
どうでしょうか。あなたのプラットフォームはあなた自身や家族の人生、あなたの見込み客からあなたの愛する人たちまでにどのように影響を与えていますか?あなたは、世界にどんな変化をもたらしましたか?
ここで重要なポイントは、独立性、影響力、収入というカテゴリについて具体的に考えることです。なぜならこれらのカテゴリは、プラットフォーム業界に多くの人を引きつける3つの主要なモチベーションだからです。
影響力と収入は理解できると思います。ビジネスをやることで影響力を持ち、貯金額が増えていく。これはわかりやすい動機です。では独立性とはなんでしょう?ブロガーのJohn Meese は次のように説明しています。
Independence – Many entrepreneurs are looking for a business that allows them to work when they want, where they want, on projects they enjoy―an overall sense of freedom.
独立性 – 多くの起業家は働きたい時に働きたい場所で彼らの楽しめる仕事を求めている。つまり仕事の自由度を求めている
仮に影響力が大きく収入が大きくとも、家族との時間を取れないような仕事は独立性が極めて低いです。明日、サーフィンをしたいと思ったらできる。来週、テスラのオートパイロットで家族と一緒にデンマークのレゴランドに行きたいと思ったらできる。来年、船を買ってフランスのマルセイユで航海を楽しむ。僕にとってこれらやりたいことを実現できないような仕事であれば、仮に影響力があっても収入があっても全く意味がないと考えます。
人によってモチベーションは違うので、カテゴリそれぞれに見ていかなくてはなりません。アップデートしたプラットフォーム・ビジョンを、具体的に上記3つのカテゴリと比べて考えてみましょう。
手順#3:バリュー・プロポジション・ステートメントをアップデートする
そしてこのタイミングは、バリュー・プロポジションに関する説明をアップデートする機会でもあります。繰り返しになりますが、これはプラットフォーム・ビジョンを作り出した頃に到達している考えです。つまり初めて作成したときから、かなりの時間が経っているはず。バリュー・プロポジション・ステートメントは「自分が何者で、誰を、どのようにサポートするか」を定義する文書ですね。
これまでに学んだことをすべて考慮に入れて、あなたが作成したバリュー・プロポジション・ステートメントをよく見てください。あなたの立場になにか変化はありましたか?あなたが伝えたかったメッセージは、初期の頃と比べて変わっているかもしれません。
見込み客について、もう少し具体的に定義ができますか?最初に特定した見込み客を振り返ってみて、彼らについて追加できる詳しい情報はありますか?今のあなたの視点なら、もう少し踏み込んだアップデートができるでしょう。
ソリューションの再評価であなたのプラットフォームはさらに次の段階へ到達する
このレクチャーを見ている人の中には、完全に方向転換して別の業界を目指す人もいるかもしれません。ただどの業界に方向転換したとしても、特定した見込み客を確認し、もう少し具体的な情報を追加できればより問題解決のテーマが明確になるでしょう。
例えば、はじめに設定していた見込み客は働いているお母さんだったかもしれません。しかし、これはまだ抽象的でややぼんやりした設定だと言えます。なぜなら「働いているお母さん」では、設定するカテゴリとしてはやや対象が広すぎるからです。
実際にプラットフォームを構築する中で見込み客への理解が深まり、「心身の健康を維持することに情熱を持っており、幼い子どもを育てながら働くお母さん」だと分かっているかもしれません。これくらいピンポイントに特定できれば、見込み客に対してより明確で効果的なアプローチが可能になりますよね。
また現在あなたが見込み客に構築・提供している問題の解決策、ソリューションを再評価してください。ソリューションは、顧客に提供する価値である「バリュー・プロポジション」の重要な部分です。見込み客が抱える問題に対して提供する解決策である、あなた独自の確約です。
ここまで考えていければ、対象は見込み客が抱える問題や彼らを支援する方策だけに留まりません。さらに広い視点からプラットフォームやビジネスの目標にも役立つソリューションについて、より明確に理解できるようになります。
いちばん大切なのはあなたというブランドをお客さんにどう見てもらいたいのか
最後に、見込み客に約束した変化や姿をより明確に現すことはできますか?あなたが実現させようとしている見込み客の人生は、一体どのようなものでしょうか?より深く考えてみましょう。
顧客からどう見られたいのかを明確にするブランド・アイデンティティに関して、もし不明な点があればもう一度このレクチャーを振り返ってみてください。ただし前提にある目標を忘れないでください。それはプラットフォームが向かうべき次の段階をより明確にし、より良いプラットフォーム戦略シートを作成するために情報を集めることです。
すでにお伝えしているプラットフォーム・ビジョンとバリュー・プロポジション・ステートメントのアップデートには、できるだけ時間をかけてください。これらはプラットフォーム・ビルダーとしてのあり方、アイデンティティを形成するものです。
またプラットフォーム戦略シートへどうアプローチをするのか、方向性や関わり方を決定するものでもあります。非常に重要な項目のため、納得できる答えが見つかるまでじっくりと自分と向き合いましょう。
まとめ:一度形づくったものを今の視点から深堀りするとさらに洗練されていく
最初の頃は不慣れ部分もあったはずですが、一度プラットフォームを形にすることであなたの表現力は格段に上がっています。そしてこれまでの実体験を踏まえて振り返るということは、より精細な視点や濃密なアイディアが生まれやすい状態です。
さぁ、早速始めていきましょう。すでにプラットフォーム戦略シート用に作成した、すぐに使用できるテンプレートへのリンクを概要欄に記載しています。そのためゼロから作る必要はありませんので、安心してください。
ブランド・アイデンティティに関する最初のセクションを完了したら、どんどん次のステップへと進めるでしょう。ここまでの内容について何か質問はありますか?もしあれば、下のコメント欄で教えてください。またお会いできるのを楽しみにしています。