今回は、あなたのオンラインコースを効果的に修了しやすくするロードマップ、「サクセスパス」を具体的にあなたのオンラインコースへ活用する方法について解説します。またサクセスパスをカリキュラム全体に行き渡らせ、フラッグシップコースの作成が始められるところまで進めていきます。
フラッグシップコースとは何かを復習しまししょう。フラグシップコースは、あなたの商品レパートリーのうち主力となる商品です。ユニクロであればフリースであり、マクドナルドであればビックマックのような商品です。主力となる商品のプロモーションに力を入れて、あなたの名前と商品名が結び付けられるのが最終目標です。
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サクセスパスのコンセプトを理解する
まずサクセスパスの基本的な考え方について説明します。これはあなたが見込み客に約束する未来の姿や、受講者がどんな結果を獲得することができるのかを示す「プロダクト・フォーカス」を達成する上で最も重要なことの1つです。
サクセスパスとは冒頭でも示した通り、ゴールまでの道筋を効果的にクリアできるよう作られたロードマップのようなものです。文字通り誰かがあなたのオンラインコースで約束した結果や姿に到達するため、通る必要がある道と言えます。
#1:マイルストーンを設定する
ゴールを通過するための道のりでは、その過程で「マイルストーン」が必要になります。マイルストーンとは、受講者が得る小さな成功を指します。オンラインコースでは、ミニコースのようなイメージで扱うと良いでしょう。
ちなみにマイルストーンのコンテンツは、80%が独立したコンテンツになる可能性があります。なぜならそれぞれのマイルストーンには3つから5つのキーアクションがあり、それぞれをレッスンやビデオコンテンツでクリアできるようにしていくからです。それだけでも相応のボリュームになるでしょう。
ちなみに僕たちはマイルストーンを細かく刻んでいるので、マイルストーン1つにつき、1つのアクションアイテムを用意しています。またマイルストーンはYES/NOで答えられる質問形式にしておくのがコツです。
#2:大切なのはあなたの情熱を忘れないこと
サクセスパスを設定していくのは、大変なことのように思えるかもしれません。全てを台本のように取り決めたり構造化したりして、整然としなければならないように感じるでしょう。
しかし実際には、そのように難しく捉えてしまうものではありません。これは、初めてフラッグシップコースを作る人が犯しがちなミスです。なぜならあまりに台本のようなオンラインコースを作ると、機械的になってしまうからです。
フラッグシップコースは、誰よりも熱のこもっている血の通ったオンラインコースでなければなりません。例えばあなたが好きなことや、情熱を持っていることについて語っているときを思い出してください。好きなことであれば誰よりも熱を持ち、当たり障りのない定型文ではなく最高のアイデアがアドリブで頭に浮かんでくるでしょう。
テクニックとしてコンテンツを効果的に配置するのは大切ですが、あなたの情熱を注げなければそれは魅力的なコンテンツと言えません。大前提にあるのは、あなたの感情や強い思いを忘れないことです。
#3:重要なコンテンツに絞る
あなたが情熱を注ぎ続けられるようマイルストーンを設定するためには、重要なコンテンツの概要に絞って作成するようにしましょう。あなたが喋るすべての単語を台本化するのではなく、自分と対話していくように自分の思いを深堀りしていきます。
例えばフラッグシップコースのコンセプトは何ですか?と自分に問いかけてみましょう。そこからさらに深く掘り下げていくことができます。そして友人や受講生と直接話をするように語りましょう。
例えば、僕自身SNSを熱心にやっていません。FacebookもTwitterもInstagramも手抜きで運用しています。それはシンプルに、SNSを更新するよりも、YouTubeやブログを更新する方が効率的にメルマガの読者を獲得できるからです。この講座でも、SNSに関しては簡単に触れる程度で、ブログの更新やメーリングリストの構築に関する講義に多くの時間が注がれています。それらが重要なコンテンツだと信じているからです。
サクセスパスにマイルストーンを設定するときの考え方
サクセスパスにマイルストーンを設定する際は、いくつかの考えるべき事項があります。具体的に6つの考え方があるため、それぞれ設定しようと思うマイルストーンに当てはめて考えてみましょう。
#1:受講者が前進するために必要な行動を考える
オンラインコースを受講したお客さんが、前進するために必要なアクションは何でしょうか。ただ聞いて終わるだけでは、前に進むことはできません。しかし受講者は「この行動が正しいのだろうか?」と迷ってしまう場合もあるため、一歩踏み出す行動が提示されるとわかりやすいです。
次のマイルストーンへ進むためには、何をすべきでしょうか?どんな行動をすれば、次のステップに進みやすくなるでしょうか。その視点で、彼らの前に現れるであろうハードルを考えていきましょう。
例えば、僕たちのプログラムのモジュール1では、主にオンラインコースクリエイターとしての計画を立てていきます。いきなり計画を立ててくださいと言っても何をすればいいかわかりません。だから、彼らのやるべきことをマイルストーンに落とし込みました。具体的には次のような行動を課しています。
- アーキタイプの決定(覚えていますか?シェルパ型、ストラグラー型、セイジ型を最初に選びましたね?)
- ブランドアイデンティティのステートメントを作る(私はXXの専門家で、XXをどのようにして助けます、と決めました)
- あなたのビジネスに合う形容詞を3つ選ぶ(キャラクターがブレるとお客さんはついて来れなくなります)
#2:次のステップへ進みづらい要因を考える
受講者が、次のステップに進むのを妨げているものは何でしょうか。誰しもオンラインコースを受講しただけですぐに次のステップに進めるなら、簡単ですよね。しかし現実は人によって様々なハードルがあるため、それらを把握している必要があります。
彼らは一体何に悪戦苦闘しているでしょうか。見込み客にアンケートをしてみると、受講者のハードルと同じような回答が得られるかもしれません。それらを把握しておけば、どんなアクションをお客さんに用意すればいいかがわかりやすいです。
僕たちのフラグシップコースでは、テックトレーニングをたくさん用意しています。Deadline Funnel の設定方法、ClickFunnels の設定方法、ConvertKitでキャンペーンを送る方法など。これら技術的なコンテンツを多く用意しているのには理由があります。ここで多くの受講生がつまずくからです。次のステップにスムーズに進んでもらうためにも、予めこけそうな場所を先回りして予測しておくことが大事です。
#3:自分の経験や知識を初心に戻って考える
あなたの業界について、受講者は何を知っており、何を知らないのでしょうか。そして、知ることによって次のレベルに進むことができる知識は、一体何だと思いますか。ここは本当に時間をかけて考えてみてください。
自分の専門分野は既に知っていることなので、その分野の初心者が知らないことを思い浮かべるのは大変な作業です。初心者は、問題や課題をわからないことさえわかっていない状態でもあります。しかし彼らが知っておくべき知識や、役立つヒントは必ずあるはずです。
例えばこれまで、あなたや同僚にとって役立ったヒントやコツは何でしょうか。また、それをマイルストーンの中でどのように適用すれば、受講者を助けることができるでしょうか。あなたができることを、手助けする感覚で深堀りしていきましょう。
#4:よくある質問の本質を捉える
あなたのトピック全般に関し、最もよく寄せられる質問やコメントは何ですか。もしくは、何度も何度も聞かれる同じような質問は何でしょうか。いつもどんなことに答えて、どんな内容を話していますか。よく思い返してみてください。
受講者の多くは、同じ場面で同じことを聞くことが多いです。それは解決すべき問題であり、受講者が興味を持つ内容でもあり、あなたが見込み客から発信される情報に気付けていない状態でもあります。
ただ疑問へ対処するのではなく、なぜその質問を同じ状況で多くの方がするのか?を考えましょう。その背景に必ず、解決すべき大きな問題が潜んでいます。
早く商品をローンチするといいです。商品をローンチしない限り、受講生は集まりません。受講生が集まらないと、彼らから質問を集められないからです。
#5:繰り返し出てくる内容を配置する
見込み客へのリサーチを行う際、いくつかの情報を得られますよね。その中でもサクセスパスに関わる、見込み客が抱く重要な疑問や課題は何ですか?
リサーチの中で繰り返し出てくる項目に目を向けましょう。彼らには、どのような困難や障害があるのでしょうか。そしてサクセスパスの中にどのようなマイルストーンを配置すれば、そういったハードルを乗り越えていけるでしょうか。
繰り返し目にする問題は、多くの方が抱える大きな壁です。できるだけどんな内容が多く挙がっているのか、統計を取ってみると良いでしょう。細かく具体的なものじゃなくても構いません、おおよその数字を取って把握するだけで問題への意識が変わります。
#6:進捗状況を把握できるようにする
どうすれば、受講者がフラッグシップコースの進捗状況を把握できるようになるでしょうか。ただ闇雲に進むよりも、成果を自分で把握してどれくらい進んでいるかを自覚している必要があります。
なぜならフラッグシップコースは多くのコンテンツをカバーすることになるため、進捗状況を把握しづらくなるからです。しかし、進捗状況をしっかりと把握できれば、受講者はしっかりと自分の成果を感じられます。
さらにあなたがいつも側にいてくれているような安心感を持て、受講者にとって得られる効果が高まるのを期待できるでしょう。
Teachableを使っても、Thinkificを使っても、受講生の進捗状況は一覧で確認できます。進捗が止まっているレクチャーがあれば、そこで受講生がつまずいているとわかります。レクチャーを取り直すか、補足コンテンツを出すなど工夫をしましょう。
受講者が進捗状況を確認しつつ圧倒されない感覚を持つためにはどうしたらいいか
コンテンツを見ながら常に進捗状況を確認できるようにし、思っていたよりも圧倒された感覚を持たないようにするには、どうすればいいでしょうか。まだ知識と実践に差がある場合、確認事項が多すぎると感じるかもしれません。
本当はセールスレターやウェビナーで、間違ったお客さんを引っ張って来ないようにするのがベストです。僕たちはフラグシップコースのセールスレター の中で「年収3000万円以上の人限定」と繰り返しています。それは年収3000万円以下の人たちをいくら集めても、僕たちのビジネスはスケールしないことがわかっているからです。そもそもフラグシップコースに20万円の値付けをしているので、お金の人は入って来れません。20万円くらいなら目を瞑ってでも払えるわ!って人しか集めていないからです。とはいえ、全員が僕たちのターゲットであるとは限りません。
彼らが挫折しないようするためにも、コースカリキュラムには工夫を施す必要があります。
そこでこれらの確認事項がどのように適用されるのか、実際にこのコースを用いて説明していきましょう。マイルストーンはどのようなものか、サクセスパスはどうなっているのか。今見ているコースを例にし、解説していきます。
#1:このコースのステージを理解する
このコースの大きなステージは、以下の3つです。
- PLAN – オンラインコース・クリエイターの計画を立てる(モジュール1)
- ESTABLISH – ブログとメルマガを軸としたホームベースを確立する(モジュール2〜6)
- LAUNCH – オンラインコース を作り販売する(モジュール7〜13)
これらがステージであり、ここからカリキュラムの概要、つまりアウトラインが生まれます。僕たちはアウトラインをモジュールと呼んでいます。
#2:ステージをモジュールに分割する
それぞれの目標を達成するためには、1つか2つのモジュールが必要な場合もあります。例えばメーリングリストを作成する場合、2つの異なるモジュールがあります。1つ目のパーツでメーリングリストを実際に作成します。
そしてセクションの目標を達成するために、このセクションで説明する必要がある項目を箇条書きにして項目ごとに理解してもらいます。それぞれのリンクには、オプトインの作り方やメーリングリストへのメール送信方法などを説明するスクリプトにつながっています。これがオンラインコース の最小単位であるレクチャーとなります。
そしてこのマイルストーンに到達するための2つ目のパーツは、メーリングリストの購読者を増やす方法です。これはそれぞれ別のセクションになっています。
#3:マイルストーンの本質を考え抜く
コース上におけるマイルストーンを、よく考えてみてください。結果を得るために達成しなければならないものは、一体何でしょうか?ゴールを設定した後、そのゴールから逆算して作業を進めると、マイルストーンを達成するためにはどんな行動が必要なのか分かります。
さらに一歩進んで、このセクションで説明するべき事項を挙げていきます。ビデオやワークブックなどで何を説明するべきか考えてみてください。カリキュラムの作成に必要な作業はこれだけです。
すでに言いましたが、台本のようにはしないでくださいね。喋る言葉を全て書き出す必要はありません。重要なコンテンツに関してのメモ書きがあれば、リマインダーのように思い返すことが出来ますので、それを見ながら自由に喋ることができます。
まとめ:結果から逆算的に考えることで達成すべきことを見つける
さあ、これでOKです。カリキュラム・アウトラインができたので、各モジュールのコンテンツを作成し、それをTeachableにアップロードしましょう。そうすれば、あなたのフラッグシップコースをオンラインコースとして公開できます。
もしアップロードの方法を忘れた場合や何かご質問があれば、下のコメント欄でお知らせくださいね。
最後に、僕がこれまで連続で公開してきたビデオはあなたをサポートしてくれる強い味方であることを忘れないでください。カリキュラム・アウトラインの枠組みもありますので、これを使用して作業を開始することができます。
フラッグシップコースが完成し、実際に提供できるようになったら、次のステップにどんどん進みましょう。先へ進みにつれ、成功するフラッグシップコースに必要なマーケティング戦略も理解出来るでしょう。