今回のレクチャーでは、あなたのブランドを明確にするため、パーソナル・プラットフォームのビジョン(目標)を決めていただきます。7つの習慣を愛読する人は、ミッション・ステートメントという言葉を聞いたことがあるはずです。シンプルに言って、あなた自身の、あるいはあなたのパーソナル・プラットフォームのゴールを決めましょうということです。
さて今回のレクチャーはブランディング101です。ブランディングで最初にやるべきことです。パーソナル・プラットフォームの明確なビジョンを設定し、どのようにあなたのブランドにつながっていくのか紙に書いていき、それをウェブサイトのデザイン全体に反映させるというプロセスになります。さっそく始めていきましょう。
まずは用語の確認です。
パーソナル・プラットフォーム = トラフィック + セールスファネル + オンラインスクールです。
僕たちは、ブログ、SEO、YouTube、Udemyを使ってトラフィックを集めています。そのアクセスをオプトインページに流します。オプトインページなどの各種ページはClickFunnels を使って構築しています。ClickFunnels で制作したセールスページで、コンプリートバンドルや、Online School Building 2.0 、Online Course Creation 、Evergreen Factory のプレミアム商品を販売しています。それらプレミアム商品はTeachableで実装されたオンラインコース で管理されています。
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ビジョンは5年後の未来を物語風の文章で書いたもの
多くの人は、新しいロゴを作ったり、プロフィール画像を撮影したり、ウェブサイトのキャッチコピーを作ることこそが、良いブランドを確立するための最初のステップだと考えています。しかし、そのずっと前に重要なステップがあるのです。そのステップとはなんでしょうか。そう、パーソナル・プラットフォームのビジョンを設定するということです。これは、あなたのパーソナル・プラットフォームが5年後に、あなた自身、あなたの愛する人たち、あなたの見込み客たちをどこに導こうとしているのかを説明するものです。
なぜ5年後なのでしょうか。第一に、ネットビジネス業界全体が誕生してからまだ20年しか経っていないということが挙げられます。だから、5年後には想像もできないような変化が起きている可能性があり、さらに先を見据えようとするのは、いささか現実的ではないからです。一方で、明確なビジョンを設定するのに5年未満の未来を設定してしまうと、あまりに短期的な目標となってしまいます。短期的なビジョンは持っていてもいいのですが、5年先のビジョンに比べると、もう少し具体的でなければなりません。
パーソナル・プラットフォームのビジョンは、ナラティブ・ステートメントであるべきと、英語圏のビジネスでは説明されます。Narrative、つまり物語風のということです。まさにあなたが成功した5年先を生きているかのように人生を説明し、そのビジョンにおいて成功がどんな意味を持つのかを明確にする必要があるということです。
そう言えば、僕が妻と2年に渡る新婚旅行をしている時に、Narrative Clip というカメラが発売されました。Kickstarterでコンセプトがうけてすぐに目標達成金額をクリアしたのですが、資金難ゆえ、廃業しちゃいました。アメリカのスタートアップが作った商品です。商品名の通り、クリップに小さなカメラが付いています。小さなカメラにクリップがついているという方が正しいかもしれません。カメラからシャッターを切るという概念をなくした面白い商品だったので、ついキックスターターで買っちゃいました。僕たちがシカゴにいるときに商品は届きました。30秒おきにシャッターが自動で切られます。1日で何千枚も写真が自動で撮られることになります。AIがきれいに写っている写真だけを選別してくれます。1日の終わりにiPhoneにデータを転送してみるのが僕たちハネムーンのルーチンでした。
シカゴに1ヶ月滞在して、次の目的はカナダのトロント。グレイハウンドを乗り継ぎ、デトロイトから長い長いトンネルをくぐりカナダの国境に到着しました。みんなバスから降りてPassport Controlに向かいます。バスは外で待っているんです。バスの運転手と入国管理の人は友達。やあ今日もお客さんをたくさん連れてきたよ、みたいな感じ。空港ほど厳しい印象はなく、スルスルと列は進んでいきます。入国審査官はスキンヘッドの優しそうな40代くらいのカナダ人男性。カバンの中に何入っているの?何日滞在するの?旅行目的は?
入国審査官に聞かれる質問なんて決まっていますから、いつも通り答えます。でも次の質問だけは予想していませんでした。
その首元についているやつ何?
その瞬間、やってしまったと思いました。バス移動で疲れていた僕たちはNarrative Clipを取り忘れていたのです。すぐに僕たちはNarrative Clipを首元から外し、ポケットに入れました。入国審査官は「ちょっと待って、それ出して」と。彼の後ろにはデカデカと「カメラ禁止」のサインがあります。彼はそれを指差して「ああ、問題を起こしてしまったね」というのです。You are involving me in trouble とかそんな感じのことを言っていました。
いわゆる別室送りというやつです。さて、四日間これから君たちを勾留するよ、が最初のセリフです。うちの奥さんビビりすぎて、ヒザをガクガク震わせていました。結局4時間程度で解放されたのですが、今でも鮮明に思い出せる記憶の1つです。パソコンから、荷物まで全部調べられました。僕たちがハネムーンの旅中で撮影した映像も1つ1つ確認していました。スキンヘッドの彼を含めて4人の巨漢が腰に手を当てて僕たちのパソコンを見ています。いや、本当にエロい映像とか撮影してなくて本当に良かったとその時思いました。まさか自分たちのパソコンの中身をあんなにもマジマジと見られる機会があるんだなと、渦中にいながらも、割と冷静に考えていたのを覚えています。
あのNarrative Clipさえ購入していなければ・・・。
馬鹿みたいですが、2年後、僕たちはNarrative Clip 2も購入しました。しかもバックパッカーの友人に配りまくったんです。我ながら悪いやつです。
物語でビジョンを記述すると感情がくっついてくる
Narrative Clip は、1日のハイライトです。まるでセリフのない早送りの物語を見ているかのようです。朝、カフェでベーグル食べたな。ウォルマートでターキーを買って家でサンドイッチを作ったな。たくさん水飲むからしょっちゅうトイレに行っているな。スポーツバーでマニーパッキャオの試合見たな。ああ、パッキャオ負けてうちの奥さん悲しそうだな。スポーツバーからの帰り道、マックに寄ったら、中国系カナダ人の子供たちがたむろしてNintendo DSしてたな。
記憶の外注化とでも言いましょうか。1日の記憶、1週間の記憶、1ヶ月の記憶が全て静止画として記録されている。ちなみにNarrative Clip 2には、タップを2回すると動画撮影をする機能が追加されました。
あれから6年経ち、僕たちはいまだにNarrative Clip の写真を見ては、ハネムーンのハイライトを楽しんでいます。不思議なことに、記録された物語には感情がくっついています。その時何を感じていたか。どんな音楽を聞いていたか。写真を1枚みるだけで全ての体験が頭の中で立ち上がってきます。信じられないかもしれませんがこんなことまで思い出すんです。
先日、モントリオールで撮影したNarrative Clipの写真を見ていたら、写真の中の僕たちはNYのセントラルパークより美しいと言われるモンロワイヤルにいました。雪の降る日、階段はツルツルでした。僕は案の定、階段から滑り落ちました。ああ、お尻痛いなあとかいいながらバスに乗り、車窓から映画館を見つけたのです。そう言えば、日本の映画見てないなとふと思ったのです。なぜかその時。そしてその夜、僕は妻とドラえもんの映画を見ました。英語字幕のやつ。のび太は静香ちゃんとの結婚を決めます。河川敷でドラえもんがのび太との別れを惜しむ場面で、二人号泣しました。泣きながら、フィリピン料理のティノラという鶏肉スープを食べていたんです。うちの奥さん、料理で塩の分量とか間違えることほとんどないけど、その日はなぜかすごい塩辛いティノラを作ってしまったのです。仮に1000リットルの涙がスープにこぼれ落ちたその塩分量を割引いても、やっぱりしょっぱかった。
僕は人と比べて記憶力がありません。それは自他共に認めるところです。ビジネスパートナーの小川さんも、記憶力の悪い僕の頭に配慮した簡単な仕事だけを振ってくれます。これは冗談抜きで本当の話しです。明日広告代理店とFacebook広告に関するZoomミーティングがありますと1日前に連絡を受けても、翌日そのアポを忘れてマレーシアで登山して頂上からドローンを飛ばしているような人間です。小川さんから「今どこにいますか?」と電話を受けて「今、マレーシアの山の頂上にいます」と答えると、心底呆れたような失笑が電話口から聞こえます。小川さんはこう言います。「ごめんなさい、朝にリマインドするの忘れてて。僕の責任です」と。それを言わせる自分はなんて情けないのか。自責の念にかられるとは、まさにこのことです。そして次の週もミーティングを忘れて、韓国のカンナムで開催された、ソジュの試飲ツアーに参加してベロンベロンに酔っているのですから、たぶんなんかの病気なんだと思います。
考え事していると、洗顔料で歯を磨くような人間です。エレベーターで1階に降りて、手にタオル1枚だけを持っている自分を発見し「何をしにきたんだっけ?」とまた24階に戻って妻に聞くような人間です。タオルを持っていたら大浴場に行くか、ジョギングするかの二択なのに、それすら忘れてしまうのです。で、妻に「Apple Watchつけてないし、ランニングシューズも履いてないんだから、大浴場に決まってるじゃん」とこれまた呆れ顔で言われます。
そんな記憶力の悪い僕でさえ、たった1つの写真を見るだけで、1つの物語を目の前に立ち上がらせることができるのです。それもかなりビビッドに。感情だけでなく、匂いから味までもが蘇ってくるのです。これが物語の力です。
ちなみに今あなたは「物語は鮮明に記憶を呼び覚ます」という物語を僕から聞かされました。きっと物語の重要性を次の3年くらいは忘れないでしょう。これが物語のパワーなんです。
最初に僕はこう言いました。あなたのパーソナル・プラットフォームのビジョンは、ナラティブ・ステートメントであるべきだと。ただ単に「私は1億円稼ぎたいです」とステートメントを残すだけでなく、1億円を稼いで何をしているか、匂い、感情、全てを物語形式でステートメントにする必要があるのです。なぜか?ビジョンは鮮明であればあるほどあなたに強いパワーをもたらすからです。
ある時はビジネスからブレないというパワーを与え、ある時はあなたを駆動するモチベーションというパワーを与えます。
パーソナル・プラットフォームのビジョンを明確にすると仕事内容が見えてくる
たとえば僕が今、自分のパーソナル・プラットフォームのビジョンを書いているとしましょう。僕は次のようにステートメントを作りました。
僕のパーソナル・プラットフォームのおかげで、毎日好きな時間に妻や子どもたちと過ごすことができます。また日本中の企業から、コンサルタントとして、高く評価されています。僕は毎日、自分の分野で成長し続けるため、新たなハードルに挑戦していっています。もちろん、収入も悪くない程度にはもらっていますし、妻は欲しいものを買うくらいの自由を持っています。僕と僕のチームは、キャッシュフローや請求者の支払いに煩わされることもなく、より大規模かつ興味のあるプロジェクトを追い求めることができています。ほんの数年前、そう5年前にこの旅を始めて本当によかったな、と心から思っています。
これは、あなたからしても「羨ましい」「自分もそんな人生を生きたい」と感じるようなビジョンではありませんか?もちろん僕も、このように生きたいものです。だって、僕が考えたビジョンなんですから。もしかすると、あなたのパーソナル・プラットフォームのビジョンは、先ほどのものとは異なるかもしれません。ビジョンは、あなた自身のモチベーションやライフステージによって変わるものですから、異なることは当然のことです。だから、あなた自身のビジョンに、自分の業界や文化に特化した詳細な情報を追加したり、収入面に関して具体的な数値を入れてみることもできるのです。
重要なのは、あなたに合った方向に進むということ。このトレーニングのポイントは、目的に重点を置くことです。そうすれば、あなたが望む未来を創造するために、どの製品やサービスを追求すべきかということだけでなく、あなた自身が業界の専門家としてどのように位置づけられるのかを決めるのが、ずっと楽になるでしょう。
僕の場合であれば、先のステートメントで「好きな時間に妻や子どもたちと過ごすことができます」と宣言しました。もし僕がサラリーマンだったら拘束時間が大きいので好きな時間に家族と過ごすことはできません。だからサラリーマンは選択肢から外れます。もし僕が東京で売れっ子のセミナー講師だったら、確かにサラリーマンよりかは時間の拘束は小さいかもしれないけど、決まった日付の決まった時刻にセミナー会場にいなきゃいけない。だからセミナー講師も外れます。じゃあ僕がマーケティングオートメーションの専門家で、自分のビジネスを完全にハンズオフで運用することに成功していたら?こちらは字義通り「好きな時間に」家族と過ごせます。
ステートメントを明確化すると、やるべき仕事内容、顧客にオファーするサービス、その実現方法までもが見えてくるのです。
ただ漠然と「金持ちになりたい」だけだど、その目的を達成するための手段があまりにも多すぎて、達成可能性の高いものを選ぶ傾向にあります。ビジネスにおいて達成可能性の高いものは大抵、人生を破壊するものが多いです。例えば、銀行から出てきたおばあちゃんから鞄をひったくれば高い確率でお金を手に入れられるでしょう。でもそんなことしたら日本の刑法で裁かれます。あるいは「コンビニバイトを掛け持ちして毎日23時間働く」という選択肢を選ぶ人もいるかもしれません。僕が高校生だった頃に比べればアルバイトの時給も上がっています。仮に1時間1500円だとしたら、23時間働ければ3万4500円の日給です。これを1ヶ月続ければ100万円超えます。かつてから目標にしていた月収100万円を達成できる確実な方法です。でもそんな生活を長く続けることができません。あまりにも破滅的な選択肢と言えるでしょう。
アルバイトを1日23時間頑張るなんて現実的じゃない。誰がそんなもの選ぶんだとあなたは思うかもしれません。でも僕から言わせれば儲かっていないパーソナル・プラットフォームをいつまでも続けるのは、この23時間バイトと同じ発想だと思うんです。パーソナル・プラットフォームをしている99%の人がコンビニバイトよりもはるかに低い時給で働いてることを僕は知っています。YouTubeのインフルエンサーが「毎日ブログを書いて365日更新を続ければ生活費は稼げるようになる」と言うビデオ撮影したとします。実際にそういうビデオがあります。そのビデオ見てそれを信じてしまった人は本当に1日8時間かけて毎日ブログを書きます。1年後確かにインフルエンサーが言っていたように生活費、そうですね石川県に住む27歳の独身男性が慎ましく暮らすために必要な150,000円ぐらいは稼げるようになったとしましょう。でも冷静になって考えてみると時給換算すれば1時間600円くらい。これならコンビニバイトをしたほうがはるかに生産性が高かったなんて事はよくあるのです。というか99%のパーソナル・プラットフォームをやっている人は、コンビニバイトよりもはるかに低い時給で働いているのが実情です。マーケットに流通するお金の量が一定である以上、誰かが大きく儲けると、その他大勢は大して儲からないのです。それが資本主義の本質です。
確かにインターパーソナル・プラットフォームは人と接する必要がないのでコンビニバイトで起こり得るような店長との軋轢や嫌な客の対応等は無いかもしれません。それでも自分でビジネスを起こしながら時給800円程度の仕事を作るなんて僕は信じられません。実際に99%の人たちはこの市場から退場し、再就職するか、実家で引きこもる運命なのです。僕はそういう人たちをたくさん見てきたので、こんな風にあなたに警鐘を鳴らせるのです。
ビジョンを明確にすることでブレないビジネスを運営できる
ビジョンのステートメントは明確であるべきです。ただ単に「お金を稼ぎたい」という不明瞭なものでなく、お金を稼いだ後の世界をビビッドに想像して欲しいのです。そうじゃないと先ほども説明したように達成可能性は高いが、破滅的な選択肢を誤って選んでしまうことになります。
このビジョンステートメントを作るトレーニングがいかに重要であるかを説明するために、僕がまだ駆け出しの頃に担当した最初のクライアントに関する、痛ましい思い出話をしましょう。僕がオンラインビジネスの専門的な知識を身につけた後すぐに、コンサルタントとして独立しました。当時、クラウドファウンディングのKickstarterでもっとも成功したキャンペーンの1つが、ホワイトボードアニメーションの会社を立ち上げるものでした。僕のコンサルティングには、石崎力也のコンサルティングということで「いしこん」というふざけた名前が付けられています。そのいしこんの、本当に初期の初期のお客さんです。
今ではあまりにも有名になってしまったので、具体的にこのホワイトボードアニメーションの企業名については教えられませんが、とにかくこのスタートアップのスタッフたちは事業拡大のために金銭的な支援を必要としていました。急上昇するビジネスの中で、何千万円ものキャンペーンがKickstarter上で販売されていきました。継続的に広報活動がおこなわれ、新しく立ち上げられたShopifyのストアでの売上がどんどん増加していきました。そうです、PayPalでもStripeでもなく、彼は英語圏の顧客に対してShopifyでサービスを販売していたのです。
そんな状況が数ヶ月間続き、従業員が1人もいない状態で世界中のあらゆる顧客を対象とする数億円規模のビジネスへと成長したのです。ちなみに日本における彼の大口顧客は朝日新聞でした。この奇跡的なビジネスも最初は紙に書いた想像話だったと言います。
設立者のKという日本人の方は文字通り狂ったように働き続けていましたが、いつかそんな働き方は破綻してしまうということにも気づいていたようでした。そこで彼は僕に連絡を取り、事業を拡大するためのサービスを提供して欲しいとお願いされました。そこで、僕は喜んで彼の話に乗りました。僕は彼らと一定期間のコンサルタント契約、つまりリテーナー契約を結び、さっそく事業にジョインしました。
僕の仕事を簡単に表現すると、散らかったものを片付けるということでした。そこで下請業者を雇い、プロセスを文書化し、いくつかのシステムを自動化。また、ホワイトボードアニメーションの納品プロセスで繰り返し問題が発生していたので、納品のために新たなフルフィルメントセンターへ移行していきました。僕は理論的な組織図を作成し、溢れかえっているメールボックスを管理するために、カスタマー・エクスペリエンスの担当者を雇いました。この段階で僕はアウトソーシングするべき作業をどんどん並べていき、仕事を請負業者にどんどん任せていきました。
ただ、この仕事は長く続きませんでした。会社は成長していきましたが、Kさんのニーズもどんどん増えていったからです。リテーナー契約を結んでいる期間、僕は自分の仕事のための時間を見つけるのに苦労していました。そして、少しずつこのプロジェクトに対する不満が蓄積されていったのです。結果として、僕はファウンダーに対して厳しい話をしなければならなくなりました。ただ、そんなことがあった今でも仲の良い友人たちであることには変わりありません。これが僕の痛ましい思い出です。
「どうして、このプロジェクトはうまくいかなかったのだろう。」僕は自分に問いかけました。コンサルタントを務める上で、これまでにないくらいの報酬をもらっていました。しかし、満足できなかったのです。そして「お金のために仕事をしているのではないのだ」と気付きました。僕はビジネスで独立すること、そして影響力を持つことを求めていました。一方で、舞台裏で24時間体勢で働き続けるような仕事は求めていなかったのです。
これが、パーソナル・プラットフォーム・ビジョンが明確であるべきだという理由です。はじめにビジョンを設定しなければ、6ヶ月後に「これまで間違った方向に走っていた」と気付く羽目になるかもしれません。僕はまさにこういった間違いを犯したのです。だから、みなさんが同じような過ちを犯す必要はありません。
パーソナル・プラットフォームのビジョンを決める10の質問
時間をかけて独自のビジョンを構築してください。次のステップに進む前に、このビジョンを完成させてください。完璧に仕上げなくても構いません。また、パーソナル・プラットフォームのビジョンは見込み客とシェアするのではなく、家族や親しい友人とシェアすることができます。
もちろん、今回作ったビジョンをアップデートするために、ある程度時間が経ってから見直しをする必要があるでしょう。それは1年に1回かもしれませんし、2回かもしれません。あなた自身のパーソナル・プラットフォーム・ビジョンを考えるときに役立つ10の質問を用意しました。まずはここで一読ください。
- 質問1:そもそもパーソナル・プラットフォームを作ろうと思ったきっかけはなんですか?そのパーソナル・プラットフォームには、他のパーソナル・プラットフォームではなかなか見つけられない、見込み客を引きつける何かがありますか?
- 質問2:あなたのパーソナル・プラットフォームが誰かに影響を与えるということを望みますか?あなたの家族や私生活の中で親しい人に影響を与えることはできますか?
- 質問3:パーソナル・プラットフォームが成功すれば、あなたのビジネス・ライフが変わると思いますか?あなたはパーソナル・プラットフォームを通して、どんな人生を望んでいるのですか?
- 質問4:あなたが影響力を持ちたいと思っているのは、現在働いている業界においてですか?それとも、それに近しい業界、またはまったく違う業界ですか?
- 質問5:もし5年後にあなたが最高の人生を送っているとすれば、現在から未来に至るまでにどんな成功を収めたと思いますか?
- 質問6:いつでもどこでも好きなことで働けるという未来に対して、あなたのパーソナル・プラットフォームはどのように役立つと思いますか?
- 質問7:あなたは他人に影響を与える能力を持っていますか?また、オンライン上であなたをフォローする人々にどんな影響を与え、どんな人生に変えていきたいですか?
- 質問8:経済的な視点から将来を考えてみましょう。オンライン・パーソナル・プラットフォームを持つことで、あなたの収入にどんな影響が及ぼされると思いますか?
- 質問9:質問6〜8は、パーソナル・プラットフォーム構築における3つの基本的なモチベーション要素に関係しています。その3つの要素とは独立性・影響力・収入です。この3つの要素に優先順位をつけてみてください。すべてを一気に手に入れることはできず、トレードオフの関係にあるからです。
- 質問10:5年後のあなたのキャリアに対して、パーソナル・プラットフォームがどのような影響を与えていると思いますか?現在の仕事をやめてフルタイムで働きたいですか?それとも、パーソナル・プラットフォームを活用して社内での昇進に活かしたいですか?それとも、ほかの可能性を探っていますか?
それぞれの質問について、しっかりと時間をとり、考えましょう。もし可能であれば、コメントにあなたのパーソナル・プラットフォームのビジョンをシェアしてください。この実習が終了したらステップに進みます。次にあなたのやるべきことはパーソナル・プラットフォーム・ビジョンを適用して、戦略的なブランド・アイデンティティを構築することです。