どうもこんにちは、石崎力也です。
今日は「MailChimpでABテストする方法」をお伝えしていきます。このレクチャーであなたが学べることは次の3つです。
- ABテストに使える4つの変数
- 変数を変えてABテストをする方法
- 成約率を最大化する方法
いざABテストをするとなると、本文を丸っと変えないといけないと思っている方がいるんですけど、もっと大事な要素があるので、それをお伝えしていきます。このレクチャーを受講するために必要なものは、
- MailChimpの有料プラン
- 最低でも5000人の読者
- Manager以上の権限
です。MailChimpの有料プランでないとABテストは使えませんので、有料プランに申し込んでください。次の、「5000人の読者」というのは驚いたかもしれませんが、これはMailChimpに書いてあったものをそのまま記載しておきました。5000人以下だったら、ABテストをしても意味がないと言っていましたね。例えば、10人でテストしてみてAの方が成約率が高かったとしても、サンプル数が少ないので、意味が無いということです。あとは、大抵の方はAdmin権限で入っていると思うんですけど、他の方にMailChimpの運用を頼まれている場合は、必ずManager以上の権限をもらっておいてください。受講対象者は、次の通りです。
- Eコマースの運営者
- デジタルコンテンツの販売者
- ウェブマーケター
ShopifyやBigCommerce、WooCommerceといったEコマースの運営者、UdemyやSkillShare、ShareWisといったプラットフォーム、あるいは自分たちでThinkificやTeachableなどでデジタルコンテンツを販売している方もMailChimpが使えます。それから、ウェブで何かを売っていたり、マーケティング関係の仕事をしている方が対象になっています。
今回お届けするノウハウはこちら
1. ABテストとは?
まずは、ABテストの基本的なところからお伝えしていきます。公式ページにも説明があるんですけど、小さな変化が大きなインパクトを生みます。その小さな変化を比べるのがABテストだと思ってください。
これは公式ページに記載されている文章です。ABテストというのは、例えば、件名とか送信者名みたいに異なるバージョンを比較します。この小さい変化が、大きな成果に繋がります。
例えば、「100円割引です。」と言うのか、「100円OFFです。」と言うのか、それとも、「通常価格より、100円安いです。」と言うのかをテストします。どれも同じことを言っているんですけど、これが圧倒的なクリック率の差を生んだり、圧倒的な購買の差を生んだりするわけです。そういう小さいところを比べていくのが、ABテストです。実際に難しいツールを使うわけでもなく、MailChimp単体で可能です。だから、使える方は、どんどん使っていきましょう。
僕からのアドバイスは、変数を理解しましょうということです。ABテストとなると、例えば、レターをガラッと変えてみたり、本文の内容やオファーの内容をガラッと変えなきゃいけないとか思ったりするんですけど、そんなことはありません。例えば、ハイパーマーケティングのジェイ・エイブラハムは、てにをはを変えてみただけで成約率が7倍変わったと言っています。そのくらい大きな結果を生み出すためには、小さい変化だけで良いということを理解しておいてください。特に、こういうリストマーケティングの場合は、オファーの内容をガラッと変えるよりも、件名を「100円OFF」とするのか、それとも「通常価格より100円引き」にするのかでガラッと変わります。
あとは、送信者名もそうですね。例えば、「Haamalu合同会社石崎力也」と言うのか、それとも「石崎力也」にするのか、「石崎」だけにするのか。こういう小さい違いが、大きな結果の違いになります。
2. なぜABテストをするのか?
なんでABテストをするのかということを次にお伝えしていきます。これは、すぐ始められる割には、ものすごく結果に大きな影響を及ぼすからです。あとは、永遠に続けられるというのもありますね。ABスプリットテストって1回やっておしまいじゃなくて、今回はBが良かったら、このBは次回のAになるわけですね。それで、次回の新しいBを作り、それをまたテストする、という勝ち抜きをずっとやっていくわけなので、成約率は永遠に上がっていきます。
理由1. 成約率
ABテストをする1つ目の理由は、シンプルに成約率上がるからです。件名をちょっと変えたら、成約率が変わったみたいなことを実現したいわけですね。
理由2. ベストコレクション
あとは、ベストコレクションです。例えば、別のキャンペーンをやったときに、「そういえばあっちのキャンペーンをやったときに、こういう件名でやった方が、成約率上がったよね。」みたいなのがどんどんできてきて、言葉の集積が出来上がってきます。だから、ベストオブベストコレクションを作ることができます。「こういうオファーの時はものすごく売れた」とか、「こういう送信者名にしたときはものすごい売れました。」みたいなデータが蓄積されていきます。
理由3. 常に改善
あとは先ほど言ったように、永遠に続けられるので常に改善が可能です。
理由4. 小さく始められる
そして、小さく、始められます。今まで、ただ単に単発のキャンペーンで売っていた人が、まずはその前にABテストを1回挟むだけで、だいぶ変わります。また、その始め方も、例えば、商品を丸ごと変えるとか、値段を変えるみたいに、大きいことをしなくても、件名や送信者名、ボタンの色、ヘッドラインのてにをはを少し変えてみるくらいで良いんですね。だから、小さく始められるわけです。
3. ABテストで売上が2倍になった事例
次に、ABテストの事例をご紹介していきます。Lovepop.Incの2017年の売り上げが2倍になったということで、MailChimpからインタビューを受けていました。
これが、共同創業者のRoseさんです。立体的な絵本とか見たことがあると思いますが、それをプレゼントとか、ポストカードにして送りませんか、というコンセプトでやっています。
どういう言葉が共感するのかは分らないけど、MailChimpを使えば、そういうのがすぐわかるようになる。だから、戦略を立てるのが簡単だ。それ故、お客さんのエンゲージメントとお客さんからの利益が本当に2倍になりました。
彼はこのように言っています。2倍はすごい控えめな数字で、もし今までABテストを使ったことない人が、3、4回繰り返したら、それだけで簡単に売り上げが2倍になります。特に、インターネットベースで仕事をしている人は、ほとんどみんな直観的にやっています。例えば、長い件名を付けてみたり、送信者名を会社名だけにしているとか、ボタンの色を何も考えなかったり、他の人の真似してみたり。そんなのはABテストをしてみればすぐ分かることなんですけど、それをやらない人が多いから、ABテストを2、3回繰り返すだけで、売り上げが2、3倍になります。
オファーを丸っと変えたり、分割決済を導入してみたり、商品そのものを変えてみたり、サブスクリプションを導入してみたり、いろんなことを考える人がいるんですけど、まずその前にやっていただきたいのはABテストです。
4. 4つの定義を確認する
ABテストを実際にやっていく前に、定義を確認していきましょう。
定義#01. Variable
これは変数のことです。どこを変えるのかということですね。これは、MailChimpの記事にも書かれていることなんですけど、小さい変化が大きな結果を生みます。その小さい変化というのは、件名とか送信者名、本文、送る時間、ヘッドラインのカラーとかです。メールの内容をガラリと変えるようなことはしないということですね。
定義#02. Combination
例えば、3つの件名とか3つの送信者名を変えたとします。「石崎力也」でいくのか、「Haamalu合同会社 石崎力也」にするのか、「Rikiya Ishizaki」でいくのかみたいな感じですね。それだけで、だいぶ変わってくると言っています。この3つの組み合わせのことを「Combination」と言っています。例えば、送信者名を3つ用意して、件名を2つ用意します。この場合は、2×3で合計6つのコンビネーションが出来上がります。
定義#03. Test
「Test」はそのままテストです。まずコンビネーションを作りますが、そのコンビネーションはリスト全体に投げてはいけません。仮にリストが1万だとすると、1000人に対してテストします。そして、帰ってきたデータを参考にして、件名は「こんにちは石崎力也です。」で、送信者名は「Rikiya Ishizaki」がベストだったとすると、今度は9000人に対してメールを投げます。このように、いろんなコンビネーションを試すのが「Test」の定義です。
定義#04. Winner or Winning Combination
ABテストの世界では、コンビネーション同士を組み合わせて、結果が良かったものを「Winner」にします。そして、その「Winner」を残りの9000に対して送っていくわけですね。
5. ABテストのキャンペーンを設定する
次に、ABスプリットテストがどのように機能していくのかをご説明していきます。まずは、「Set Up the A/B Testing Campaign」ということで、何を変数にしてテストしていくのかを設定します。件名、送信者名、コンテンツ、送信時間から選びます。最高で、3つまでバリエーションを設定することができます。また、それぞれの組み合わせを別々のサブスクライバーに送るから、同じ人が2つ以上のバリエーションを受けることはありません。誰に送るかは、選択することができなくて、ランダムに送信されます。
6. 何を基準にしてWinnerを決めるのか?
次に、何を基準にして「Winner」を決めるのかということなんですけど、まずは、スモールオーディエンスにメールを投げて、10%を抽出して、その人たちでテストします。その結果をベースに、残り90%の人たちにメールを送っていきます。その基準に関しては、2つあります。
基準#01. Automatic
まず1つ目は「Automatic」です。MailChimp側で自動的に決めてくれます。その基準というのは、開封率、クリック率、総収益の3つです。総収益に関しては、オンラインストアと連携している場合に限ります。基本的には、この「Automatic」を使えば良いと思います。
基準#02. Manual
2つ目は「Manual」です。自分で決めるということです。それぞれリストマーケティングの信念があると思うんですけど、どれだけ滞在してくれたかを見ているという場合は、リテンションをベースにして「Winner」を選ぶということもできます。
7. ABスプリットでテストできる変数は4つある
次に、テストできる変数についてお伝えしていきます。ランディングページをベースにウェブでビジネスを展開している方は、セールスページが一番重要だと思っているんですけど、リストマーケティングに関してはコンテンツが一番大事とは言えません。MailChimpは、比較的短い件名や送信者名でも結果が大きく変わることがあると言っているので、適当に件名や送信者名を決めないでください。
変数#01. Subject Lines
件名では、異なるフレーズやオファーを試してみてください。例えば、「オファー」にするのか、「X円割引」、「先着X名」とかにするのかということですね。
変数#02. From Name
会社名にするのか、サポートの人の名前にするのか、代表者の名前にするのかなど試してみてください。
変数#03. Content
3つ目は、本文ですね。本文で何を書くかによって、成約率は変わってきます。
変数#04. Send Time
どの時間に開封率が高いのか、あるいは購買意欲が高まっているかを確認するために、変えていきます。
8. ABテストの結果、何がわかるのか?
そしたら、ABテストの結果から何を知ることができるのかをご説明していきます。
- 何曜日が開封率が高いのか
- どんなインセンティブ、焦らしが効くのか
- エンゲージメントを高めるために会社名を入れた方が良いのか
- 名前だけにするのか会社名+名前にした方が良いのか
- 送る時間帯によってクリック率が変わるかどうか
- ボタンリンクにした方が良いのか、リンクテキストにした方が良いのか
- GIFが良いのか、静止画が良いのか
クレジットカードの申し込みをさせるアフィリエイトをやっている方は、水商売をやっている人が多いから、お昼くらいがちょうど良いんじゃないかとか、サラリーマンを対象にしているなら通勤中の午前7時、午後7時が良いとかがわかります。
2つ目は「この本を100円であげます。」にした方が良いのか、「ものすごいキャンペーンがあります。」みたいにした方が良いのかを調べることができます。他にも、いろんなことを確かめることができるんですけど、何れにせよ、コンテンツの本文をガラッと変えるような話ではなく、ヘッドラインだけとか、GIFなのか静止画なのか、あなたの名前なのか会社名なのか、何曜日が良いのか、みたいに小さい変数をテストしていくのが、ABスプリットテストです。
9. ABテストのキャンペーンを作成する
実際に、ABテストのキャンペーンを作成していきましょう。MailChimpのダッシュボードから、「Create」あるいは「Create Campaign」ボタンをクリックします。今回は、「Create Campaign」ボタンから作成していきます。そして、どのタイプのキャンペーンか聞かれるので「Email」を選択します。すると、「A/B Test」というタブがあるので、これに切り替えます。あとは「Campaign Name」の欄にキャンペーンの名前を入力して、「Begin」ボタンをクリックします。
10. 誰にメールするのかを決める(オーディエンスの選択)
次に、誰にメールを送るのかを選択していきます。これは、ABテストだけでなく、他のキャンペーンを作成するときでも同じです。最近、MailChimpでは「List」から「Audience」という呼び名に変わったんですけど、基本的には同じです。ということで、ドロップダウンから送りたいオーディエンスを選択します。あらかじめセグメントを作っている場合は「Segment or tag」を使えば良いですし、グループを作っているのであれば「Group or new segment」を使っても良いです。
セグメントとかタグ、グループというのはざっくりというと、お客さんのグループのことです。例えば、顧客なのか非顧客なのか、あるいは、見込み客なのか顧客なのかみたいな感じです。これらをどうハンドルするかは人それぞれです。MailChimpの「Tip」では、セグメントを選ぶと14.99%クリック率が上がると言われているので、オススメはセグメントで管理することですね。今回は、「Entire audience」にチェックを入れて、作成していきます。
11. 変数を設定する
ここからは、変数のステップになります。まずは、「Subject line-件名」、「From name-送信者名」、「Content-本文」、「Send time-送信時間」の4つから変数を選択します。プラスボタンをクリックして、コンビネーションを追加していきます。コンビネーションの数はプラスボタンで追加、マイナスボタンで削除することができます。
次に、パーセンテージの項目があるんですけど、ここでどのくらいの人にテストメールを送るのかを設定します。例えば、1000のリストがあって、50%に設定すると、500人にまずテストメールを送り、残り500人で「Winning」を決めていきます。MailChimpには、1つのコンビネーションあたり5000のリストを推奨しています。つまり、3つのコンビネーションなら1万5000のリストが必要ということです。
最後は、いつ最適なコンビネーションを決めるかの設定です。まずは、基準をドロップダウンから選択します。クリック率なのか開封率なのか、総収益なのか、手動で決めるのかを選択できます。また、メールを送った直後に結果が欲しいかもしれませんが、開封はゆっくりされていくので、「1 days」とかに設定しておくと良いと思います。
12. バリエーションを作る
次に、件名の設定をしていきます。「Name your test」の欄にテストの名前を入力します。ここで設定した名前は、お客さんには見えません。だから、管理用にわかりやすい名前をつけておきましょう。
そして、今回は件名を3つテストしていくので、「Email subject 1」、「Email subject 2」、「Email subject 3」のそれぞれに件名を入力していきます。「Preview text」は開いた人の端末によるんですけど、件名の横に表示される文章になります。だから、ここにティーザーみたいな文章を記入しておくと、さらにクリック率が高まると思います。
あとはデフォルトのままでOKだと思います。Googleアナリティクスを連携している方は、「Google Analytics link tracking」にチェックを入れておきましょう。設定が終わったら、最後に「Next」ボタンをクリックします。
13. 本文を作る(メールをデザインする)
ここからは、実際にコンテンツを作成していきます。まずは、テンプレートを選択しましょう。あとは、本文を作成して行ってください。フッター部分が英語表記だと嫌な場合は、日本語に変更する必要がありますね。
作成が終わったら、「Preview and Test」からブラウザでメールがちゃんと見れるかどうか、それからメールを実際にあなたのEメールアドレスに送信してちゃんと作成したメールが届くか確認してみてください。ブラウザで確認する場合は「Enter preview mode」、テストメールを送信する場合は「Send a test email」を選びます。
終わったら、「Confirm Before Sending」ボタンをクリックします。
すると「You’re all set to send!」という画面に遷移するので、ここで全部にチェックが入っているか確認します。テンプレートのままでコンテンツを作成しているとアラートが表示されますので、注意してください。
14. テストメールを送信する
では、実際にメールを送信していきましょう。「Schedule」を選択すると未来配信することができて、「Send」を選ぶと今すぐ送信することができます。「Send」を選んだ場合は、ポップアップが表示されたら「Send Now」ボタンをクリックすれば、実際にメールが送信されます。
今回、僕は「After 4 hours」に設定したので、4時間後に開封率やクリック率、購入率などを総合的に判断して、MailChimp側で自動的にベストな件名を選び出してくれます。
15. お客さんにはこんなメールが届きます
今回は、僕が3通とも受け取るように設定したので、上の画像のように3タイプの件名のメールが届きました。実際にクリックして開いてみると、開封したというデータがMailChimpの方にいきます。そして、4時間後にベストな件名が選ばれて、残りのリストに対してその件名でメールが送信されます。