今回のレクチャーでは、会員制ビジネスを構築し、会員を長く定着させるための戦略をお話します。20ある戦略のうち、前回は1から10までを紹介しました。今回はその続きで、11から20までを解説します。それでは、早速見ていきましょう。
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#11:課題を提供する
11番目は、メンバーに課題を与えること。これは多くの会員制サイトで行われることですが、その効果は本当に素晴らしいです。人は、特定の期間に特定のことにチャレンジすることが大好きなのです。
僕が所属している会員制サイトでは、フィットネス・チャレンジが開催されました。ルールは「週に3回、20分以上の運動をしていることを投稿する」というものでした。 もちろん、20分の動画全体を投稿する必要はありませんが、エクササイズをしている写真やショートビデオを週に3回投稿しなければなりません。僕はこのチャレンジに夢中になりました。ちなみに僕が投稿した写真はこれ。
オランダでは、みんなwhatsapp を使っていて、この写真を投稿したら結構笑ってもらえました。もちろん僕はこのあと3時間、真剣にサーフィンをしました。冬でも、雪が降っていても、雨でも、オランダ人に混じってサーフィンをしています。
サーフィンが終わるとと、すぐに写真や動画を撮ります。チームメイトには 「何してるんだ?」と言われましたね。僕の頭には「フィットネス・チャレンジ月間だから、投稿しなきゃ」ということが、常にあったのです。継続的に何かにチャレンジすることで、ワクワク感を持続させることができます。
もちろん、1ヶ月間のチャレンジでなくても構いません。1年を通したチャレンジでも良いでしょう。
SimpleGreenSmoothies.comのジェン・ハンサードさんは、同じような方法でスムージーチャレンジを開催しています。チャレンジにはいろいろな方法があるんです。メンバーに課題を与えることのメリットは、全員でひとつのことに挑戦するからこそ、同じ経験ができて、結束感が生まれることです。チャレンジはメンバー定着率向上の素晴らしい戦略です。
#12:オフラインのミーティングを開催する
12番目は、オフラインのミーティングの開催です。 会員制サイトというバーチャルな世界を現実の世界に移して、実際に会って握手したり、話したりしましょう。これほどメンバー同士のつながりを強くするものはありません。Stu McLarenはTRIBEのコミュニティでこれを始めました。彼がメンバーに「LAのイベントで講演をするんだけど、誰か僕と会って話をしたい人はいませんか?」と呼びかけたところ、彼に会いたいという人や、他のメンバーに会ってみたいという人が集まりました。彼は、10人か15人程が来るだろうと予想してましたが、実際は70人近くのメンバーが集まりました。その日集まったメンバーは、お互いの顔を見て直接話をすることで、より関係性を深められたそうです。これは本当に重要なことです。オフラインで会うことで、会員制サイト上で築いたバーチャルな関係性を、より深いものにできます。だからあなたも、可能な限りオフラインでメンバーと会う方法を考えてください。
去年の6月。僕は沖縄の名護にいました。恩納村も近いし、美ら海水族館も近いし、子供の面倒を見るには最高の場所でした。そうだ、沖縄にいるクライアントさんと会おうと思って、コミュニティに投稿しました。「今日の午後6時に縁という居酒屋でお会いしませんか?」と。
そもそも僕のコミュニティに沖縄県に住まれている方がどれくらいいるかもわからなかったし、当時の案内でどれくらいの方が来てくれるか分かりませんでした。さて、時間になり、当日、二人の方が来てくれました。しかも沖縄に住まれている方ではなく、沖縄に出張に来ていた、中村さんと杉山さんが来てくれました。
お酒も美味しかったし、たくさんお土産もらったし、名護の海に沈む夕日が超綺麗でした。中村さんと杉山さんとは、今でも毎週土曜日に30分ほどミーティングしていますが、やっぱりオフラインで会った人には親近感がわきます。今度はタイあたりで美味しいご飯食べましょうと約束しているので、その日が来るのを楽しみにしています。
さてさて。
オフラインミーティングの際には、オーナーのあなた自身はそこにいてもいいし、いなくても構いません。Stu McLarenの親友でクライアントの1人、キャリー・グリーンは、彼女が運営する女性起業家協会において素晴らしい仕事をしています。彼女は世界中でオフラインミーティングを開催していますが、彼女はそのすべてに出席しているわけではありません。 もちろん、彼女はいくつかのミーティングには出席しますが、他のミーティングでは彼女抜きでメンバーだけが集まっています。彼女がしていることは、メンバーに「実際に会ってみるように」と勧めるだけです。
このように、あなたとメンバー、もしくはメンバー同士が実際に会って話すことは、関係性を深める上で非常に大切です。
#13:共通の目標を達成する
13番目は、サイト内で1つの共通の目標を持つことです。僕が最初にこの戦略を知ったのは、ある会員制サイトで、ダイエットがテーマとなった時です。その会員制サイトでは、個人の減量を目標として設定するのではなく、全員の減量の総量が目標として設定されたのです。つまり「私は何キロ痩せる」といった目標をそれぞれが持つのではなく「全員で何キロ痩せる」という目標設定がされました。みんなで同じ目標に向かうことで、全員が毎日自分の体重を記録し、サイトの教え通りに体重を落とそうとしました。僕たちが減らした体重はすべて「チームとしての減量」という共通の目標に向かったのです。
「共通の目標」には様々なタイプがあります。例えば募金活動で「全員で総額いくら寄付する」といった目標設定がされることもあります。ブログを書くことを目標としているサイトで「全員で月に何文字書く」という目標を見たこともあります。コミュニティの共通の目標の例はたくさんありますし、先ほど話した課題と組み合わせることもできます。いずれにしても、共通の目標は非常に強力です。なぜなら、個人ではなくチームに焦点を当て、みんなが一緒に目標に向かって努力できるからです。
売上アップ系の会員制サイト、例えば、副業、アフィリエイト、せどりなどの会員制サイトを運営されている場合は、全員で総額1億円を稼ごうとか、10億円を稼ごうとかやってみるのも面白いかもしれませんね。
僕が運営するサブスクリプションでは、皆さんにオンラインコースを作るノウハウを提供しています。となると、そこで設定できる共通の目標は「メンバー全員で月に合計10個のオンラインコースをローンチしよう」・・・みたいな感じでしょうか?面白そうですね。
#14:フィードバックを共有する場を設ける
14番目は、フィードバックを共有する場を設けることです。メンバーからのフィードバックを集めて、意見を交わす場を設けましょう。メンバーに、あなたが話を聞いていないと思われてはいけません。メンバーとのオープンな対話を大切にしましょう。
フィードバックはコメントの中で行われることもありますが、意見交換のための特定の場を作ってもいいでしょう。ただフィードバックを読むだけではいけません。メンバーに、あなたが話を聞いていることを示すことが必要です。ですから、メンバーが提案してくれたアイデアを実行するときには、必ずそれを強調して、アイデアを提案した人に感謝の気持ちを伝えてください。そうすることで、メンバーはあなたが話を聞いてくれていると感じ、自分の意見が重要だと感じるようになります。そうなれば、メンバーの定着率は上がります。もしメンバーが自分の声は重視されていない、あなたが話を聞いていないと感じれば、離脱したくなるのは時間の問題です。
フィードバックを得るだけでなく、素晴らしい提案をした人たちに感謝することが重要です。
Facebook グループや、チャットワークがフィードバックを共有する場としてよく使われています。英語圏ではもっぱらFacebook グループが使われています。ニールパテルの10K Profit Roadmap や、ラッセルブランソの One Funnel Awayは、Facebook グループが使われていました。
Platform University のように、独自ドメインでコミュニティを運営する会員制サイトも増えてきました。Facebook に飛んじゃうと、結局、そこはFacebook のドメインです。青色の外観は変えられないし、Facebook のアカウントを持っていないとグループに参加できない。でもMighty Networksを使えば、独自ドメインで展開できるので、ブランドの統一感をより強めることができます。
#15:信頼できるパートナーを見つけてもらう
15番目は、目標達成のためにお互いを励ますようなパートナーを見つけてもらうことです。これは会員制サイト内で自然と起こることもあります。例えば、Stu McLarenのTRIBEのコミュニティには、Michele Lloyd(ミシェルロイド)とJennifer Bowden(ジェニファー・ボーデン)がいます。Micheleはコメントで「一緒に努力するパートナーを募集します」と言いました。Jenniferはそれに返信し、2人はパートナーになりました。1人はイギリスに住んでいて、もう1人はニュージーランドに住んでいます。彼らはTRIBEで学んだことを実行するためにお互いをサポートし合いました。彼らはパートナーを見つけることで、会員制サイトで学んだことを実際に実行に移すことができるようになりました。会員制サイトのオーナーであるあなたは、メンバーのパートナーのマッチングを促進する手伝いができます。
ここでもキャリー・グリーンを参考にしたいと思います。彼女は女性起業家協会の会員制サイトの中で、これを得意としています。メンバーがパートナーを見つけてお互いに励まし合えば、会員制サイトで学んだことを実際に実行できる可能性が高くなるのです。また、学んだことを実践すればするほど、より多くの進歩があり、サイト全体がより強固になります。つまり、励まし合うパートナーを見つけてもらうことは、メンバーに実際に行動を起こしてもらう素晴らしい方法なのです。
#16:会員名簿を制作する
16番目は、会員名簿の制作です。僕がこれを初めて知ったのは、Stu McLarenのWishlist Insiderという会員制サイトでした。
Stu McLaren ってメンバーシップビジネスの専門家ですよね?このWishlist Insider は、彼の前職で展開していたWordPressプラグインのビジネスなんです。今、彼は僕と同じくWordPressのプラグインで会員制サイトを構築するなんて時代錯誤もいいところだと皆を説得しているんですけど、彼自身が一昔前は、WordPressプラグインで会員制サイトを作る会社を持っていたんです。今こうやってサイトを見ても、かなり古いというか、時代遅れ感のあるデザインですね。
大抵のビジネスにおいては、個人が組織より稼ぐことは難しいのですが、僕たちのいるデジタルコンテンツの業界だけは別です。Stu McLaren のように、組織を飛び出し個人プレーヤーになった方が遥かに稼げるパターンもあるからです。YouTuberなどがその好例でしょう。組織でやっているチャンネルよりも、個人でやっているチャンネルの方が遥かに儲かっています。きっと、Stu McLaren 一人で、このWishlist Insider のプラグインカンパニーの会社より大きな収益をあげているはずです。
さておき。
そのサイト、Wishlist Insiderでは、メンバーの数が増えていくにつれ、「この人と連絡を取る方法を知っていますか?」「この人についてもっと情報を持っていますか?」という質問が多く寄せられるようになりました。そこで、Stu McLarenたちは会員名簿の制作に取り掛かりました。そして、これをオンボーディング・プロセスに組み込んで、新規メンバーには、プロフィールを埋めてもらうように促しました。これは非常に効果的でした。
後から、プロフィールには会員のレベルも追記しました。すると、特定のレベルに所属している人たちのステータスと会員制サイト内での知名度がさらに高まりました。高いレベルのメンバーには、サポーターの認定を与えてもいいですね。つまり、会員制サイトで教えることをメンバーが実践するのを助ける役割をしてもらうのです。そうすることで、必然的にサポーターの知名度は上がるでしょう。会員名簿は、メンバー同士がお互いを見つけ、つながりを見つけ、連絡を取り合うえるようにする素晴らしい方法なのです。メンバー同士の関係が深まれば深まるほど、会員制サイトはより強固なものになります。
ちなみに、Stuの会員制サイトでは、サポーター認定を受けたメンバーは、別のサービスの運営もしていました。そして、サイト内での知名度が上がったことで、彼らが提供しているサービスにも人が集まってきたのです。会員名簿はメンバーにサービスを提供するだけでなく、サイトにサービスを提供してくれている会員のメリットにもなり得ると考えてください。
#17:メンバーにスポットライトを当てる
17番目は、メンバーにスポットライトを当てることです。僕たちは、所属しているコミュニティが大好きです。成功体験談も、コミュニティのメンバーを祝うことも好きです。なのであなたは、自分自身やコンテンツのことよりも、メンバーのことをよく考えてください。メンバーにスポットライトを当てることほど簡単な方法はありません。
例えば、ジェイソン・ゲイナードは、マスターマインド・トークという素晴らしい団体を運営しています。彼は、イベントに来る人々のコミュニティを育成するという素晴らしい仕事もしています。彼が行うのは、毎週そのコミュニティに初めて参加した人にスポットライトを当てることです。新規メンバーに質問をして、その答えを毎週シェアするだけです。これは、特定のメンバーにスポットライトを当てて、人脈を築くための素晴らしい方法です。ブログの最下部では、彼がコミュニティ内で毎週配信しているスポットライトの一例を紹介し程ます。とにかく、彼はメンバーによく質問をしています。毎週ランダムにスポットライト当ててそれを共有することで、メンバーはお互いをよりよく知ることができるのです。
#18:成功を共有する場を設ける
18番は成功を共有する場を設けることです。お祝いと同じように、僕たちは良いニュースを共有する必要があります。フェイスブックグループの中で成功を共有するスレッドを見たことがあるかもしれません。成功を共有する場の目的はまさに「自分の成功を報告すること」ですから、自慢しているように感じさせない素晴らしい方法です。そして、メンバー同士がどこでどのように進歩しているかを知ることもできます。そして、お互いにその進歩を祝い合うこともできます。
#19:リーダーを決める
19番目は会員制サイトのリーダーを決めることです。これは、会員数が増えれば増えるほど、重要になってきます。例えば、サイトが数千人規模のものになると、メンバーを管理することが少し難しくなります。なので、メンバーをまとめるリーダーを決めましょう。
リーダーは必ずしも有給である必要はありません。実際、マイケルは何年にもわたってコミュニティのリーダーをしていましたが、給与はもらっていませんでした。しかし、リーダーになることで、サイト内での知名度を上げ、彼が行うイベントやコースへのアクセス数を増やしました。有給ではないにせよ、コミュニティ内での知名度や地位を高め、自分のサービスへの参加者を増やすというメリットを享受したのです。
#20:年間賞を創設する
20番目は、年間賞の創設です。会員制サイトの中で、アカデミー賞のような賞を設けて、努力したメンバーを表彰してください。これはメンバーに努力するきっかけを与え、スポットライトを当て、称えるための素晴らしい方法です。
年間賞があると、メンバーは自分が受賞したかどうか知りたいし、受賞しなかった場合は誰が受賞したのかを知りたくなるでしょう。つまり、これは会員定着率向上の戦略でもあるのです。しかしそれ以上に重要なのは、授賞式がメンバーにとっての楽しみとなる、ひとつのイベントになることです。年に1度の大きなイベントは非常に強力な戦略です。まずは、様々なタイプの賞を作ることから始めましょう。年間で最も進歩した人を表彰するのもいいでしょう。最大の課題を克服した人でもいいですね。対象は何でも構いません。様々な賞を考えて、日付を決めて、毎年恒例になるような受賞式を開催しましょう。
まとめ:戦略は1つずつ取り入れる
前回と今回のレクチャーで、合わせて20のコミュニティの維持戦略を紹介してきました。何度も言いますが、これらの全てを実行する必要はありません。20の戦略の中から1つか2つを選んで、あなたの会員制サイトにどの戦略を導入するかをコメント欄で教えてください。紹介した戦略を詳しく見たい場合は、ブログの最下部をチェックしてください。それでは、次のレクチャーでお会いしましょう。