今回のレクチャーでは、メーリングリストの構築について解説します。まずは卓越したスキルを持つ。そして市場にあなたを認知してもらう。この2ステップであなたの会員制サイトに興味を持ってくれる見込み客が構築されます。次です。集めた見込み客に対して、具体的に、何に気を付けながらメールを配信していけばいいのでしょうか。
ちなみにメルマガは和製英語です。メールマガジンも、英語圏では使われない言葉です。シンプルにメーリングリストという言葉が使われています。メルマガとメーリングリストを混同して使うことがありますが、いずれも同じ意味です。デジタルマーケティングに関する英語のオンラインコースを購入したときに、彼らがメーリングリストと発言した時、それはメルマガを意味することを覚えておいてください。
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メーリングリストが拡大すれば収益も増加する
このステージで僕が最も伝えたいのは、継続的にメーリングリストの登録者数を増やすために、何かしらの仕掛けを用意する必要があるということです。なぜなら、会員制サイトから得られる収益の量と、メーリングリストの登録者数は比例関係にあるからです。
当然ながらメルマガの読者が多ければ多いほど、サブスクリプションに申し込んでくれる人の数は大きくなりますからあなたの事業規模は大きくなります。
メーリングリストの登録者が多ければ多いほど、より大きな収益を得られるようになります。だから、メーリングリストの登録者を積極的に増やし続けることを心がけてください。そうすれば、会員制サイトから得られる収益を最大化できます。
そうは言っても、あなたが知りたいのは登録者をどうやって増やせばいいのか、という方法論でしょう。安心してください。メーリングリストを拡大する方法はたくさんあります。ブログの最下部では、さまざまなタイプの大規模なメーリングリストの例を見ることができます。そちらを参考にしても良いでしょう。
メルマガの読者を4万人集めた具体的な事例
僕が今回、強くアピールしたいのは、メーリングリストの登録者を増やす方法はかなり単純だということです。重要なのは、シンプルなメーリングリストを作るということです。
今から僕が紹介するのはマイケルハイアットの”5 Days to Your Best Year Ever”です。意味は5日間で今年を過去最高の年にする方法、です。
メンバーシップビジネスの世界で有名なStu McLaren(ストゥマクラーレン)はMichael Hyatt(マイケルハイアット)とパートナーを組んで、彼のベストセラーである「5 Days to Your Best Year Ever(最高の一年にするための5日間)」を発表する準備をしていました。彼らはプロモーションを行う前に、メーリングリストの拡大に使えるさまざまなアイディアについて考えていました。
Michaelの長女であるMegan(メーガン)は会社の経営者です。彼女はある日、素晴らしいアイディアを思いつきました。Meganは彼らにこう言ったんです。「いろんな業界のプロフェッショナルに『新年を迎えるにあたって、年末にどんな準備をするんですか?』という質問をしてみたらどうかな?」と。
このアイディアは、彼らが考えていたものに比べて、とても単純でした。そこでMichaelは、Meganのアイディアを実行することにしたんです。彼らはできるだけ多くのプロフェッショナルたちにこのような質問をメールしました。
こんにちは。もし、このメールに返信をしていただけたら、とてもありがたいです。メールでの返信もいいですが、ビデオを撮影して送ってくれると最高です。いずれの方法にせよ、もし僕たちに返信をいただけるようでしたら、期日までにご連絡ください。いただいた返事をまとめて1つの資料にしようと思っているんです。
このメールを送った結果、驚くほど多くのプロフェッショナルたちが返信をくれました。なかでもTony Robbinsがボイスメールを送ってきてくれたことは、今でもはっきりと覚えている、とストゥマクラーレンはポッドキャストの中で語っていました。
ボイスメールのなかで「やあ、Michael。Tonyです。」と彼は喋っていました。そう、アンソニーロビンズがボイスメールを残してくれたのです。
そして、彼らは集まったすべての回答を1つにまとめていきました。多くの回答から共通点を探し出し、それらを整理したのです。そして、整理した情報をもとにメーリングリストを作りました。そのメーリングリストは、こう名付けられました。
「Achieve What Matters in 〇〇, whatever year it was: 8 Strategies Super-Successful People Are Using Now to Accomplish More Next Year(〇〇年に成し遂げた大仕事:超成功者が来年さらに飛躍するために”今”やっている8つの戦略)」
僕が「〇〇年」という部分をあえて空白にしたのは、彼らから教わった8つの戦略がどんな時でも使えるからです。僕らがメーリングリストを作ったのは2015年でしたが、2016年なら「Achieve What Matters in 2016」、2017年なら「Achieve What Matters in 2017」という感じで更新していくことができます。その内容は不変なので、変えるのは年だけで良いのです。
このメーリングリストは面白いほど、成功しました。多くの人にシェアされて、最終的には4万人以上の登録者を集めることができたのです。もちろん、Michaelがもともと多くの見込み客を抱えていたのもありますが、とにかくメーリングリストを作るには簡単で時間もかかりませんでした。
会員制サイトに興味のあるメルマガの読者を集めた3つの事例
ストゥマクラーレンやマイケルハイアットのように、メーリングリストを作ろうとする時にはおしゃれなコンテンツを作成しなくて構いません。大切なのは、いかに早く、シンプルに作るかということです。
今から、僕がこれまでに魅力的だなと思いついつい登録してしまった3つのキャンペーンを紹介します。やはり海外にはこういった優れたアイディアがたくさん転がっています。
例#1:Christina Petersの”Stop Chasing the Sun”
フード・フォトグラファーを支援する会員制サイトを運営するChristina Petersは、「Stop Chasing the Sun(太陽光がなくても素晴らしい写真を撮る方法)」という名前のシンプルなメーリングリストを提供しています。これは、食べ物の写真を撮る際に利用できる照明技術をまとめたコンテンツで、写真家から好評を得ました。先ほども言った通り、このメーリングリストはとてもシンプルに作られており、凝ったレイアウトはされていません。それでも大量の登録者を得るのには十分魅力的だったのです。
僕の妻も料理が好きで、Lumixのミラーレスカメラを使ってよく写真を撮影しています。もちろん夫婦で、Christina Petersの会員制サイトをサブスクしています。
例#2:Akilah Thompkins-Robinson(アキラ・トンプキンズ・ロビンソン)の”The Beginner’s Guide to SEO”
もう1つの事例は、Akilah Thompkins-Robinsonのメーリングリスです。彼女はSEOに関する会員制サイトを運営しており、「The Beginner’s Guide to SEO(SEO入門ガイド)」というコンテンツのメーリングリストを作りました。もちろん、このメーリングリストもかなり簡素な作りのものです。
例#3:Dolores Hirschmann(ドローレス・G・ヒルシュマン)の”The 5 Steps You Need to Take to Get a Large Stage”
最後に紹介する事例は、TEDのステージに立つ方法などを伝えているDolores Hirschmannです。彼女は素晴らしいプレゼンテーションを行う技術を教えており、「The 5 Steps You Need to Take to Get a Large Stage(大きな講演に登壇するための5ステージ)」というメーリングリストを作りました。これは、TED のステージに立ちたいと考えている講演家にとっては最高のノウハウでした。このメーリングリストもここまで紹介してきたものと同様に、凝ったものではありませんでした。
優れたリードマグネットを用意する
繰り返しになりますが、メーリングリスト自体はシンプルなもので問題ありません。ただし、収益を増やすためには、メーリングリスト以外に優れたリードマグネットを用意することは不可欠です。
リードマグネットについてはいろいろなアイディアがありますが、僕が気に入っているのはシンプルPDFファイルとオンラインサミットです。TeachableやThinkificはオンラインサミットを通して、資金集めをすることがよくあります。
例えばTeachableは過去に「Marketing Forecast Live」というオンラインサミット・プロジェクトを立ち上げました。この種のプロジェクトを立ち上げることはよくありますが、やることは基本的に同じで、大勢の人を集めてあるテーマについて話すことです。興味のある人には有意義なことで多額の資金調達ができるので、オンラインサミットは非常に効率的です。その他にも、参加者の質問に答えたり、見込み客に対して何かしらのレビューをしたりすることもできますね。
例えばあなたはプロの写真家を養成する会員制サイトを作ったとしましょう。あなたは、写真家を支援するためのさまざまな商品や技術を紹介しています。あなたがリードマグネットとして用意すべきなのは、参加者の写真家が、それぞれ今どのステージにいるのかをチェックできる評価シートです。この評価シートを使って現在のステージを測った後、それぞれのステージに特化した訓練を受けることができるようにすれば、きっと効率的にメーリングリストを構築できると思いませんか?
僕たちも同じように会員制サイトとリードマグネットを用意しています。オンラインコース・クリエイターとして生計を立てるためにやるべきことを細かく分けて、ステップバイステップのプログラムに再構築しました。各ステージにいる人たちの特徴を丁寧に書き出し見込み客に「あ、これは私のことを言っている」と思ってもらうことで、石崎力也からもっと学びたいという気持ちを喚起するのが目的です。
過去に作ったチートシートやブループリントなどのリードマグネットは5年以上にわたり、いまだに受講生を集め続けています。
成功するメーリングリストが持つ3つの役割
最後に、メーリングリストを構築するポイントを紹介しましょう。成功するメーリングリストは、基本的に以下の3つのいずれかの役割を持っています。それは「Save Bucket(=節約に役立つ)」「Grow Bucket(=成長に役立つ)」「Other Bucket(=その他のことに役立つ)」です。それぞれについて簡単に説明します。
#1:Save Bucket(節約に役立つ)
つまり節約に役立つメーリングリストとは、時間の節約・コストの節約・労力の節約・思考の節約に関するものです。メーリングリストを通して、何かしらの節約に関するヒントを提供することができれば、登録者を集めることができます。
映像編集者には「超使える!Premiere Proのショートカットキー20選」のようなチートシートが好まれます。コピーライターには「もう迷わない。ヘッドライン自動生成ツール」などのソフトウェアを提供するのはどうでしょうか?ダイエットプログラムであれば「あなたはスーパーに行くだけ。5年分の糖質制限レシピ」というリードマグネットを用意すれば確実にリストは集まります。いずれも時間やコストの節約に役立つリソースです。
あなたが専門家として頻繁に訪れるサイトURL一覧をまとめた1枚のPDFだって、特定の人に魅力的にうつるはずです。
#2:Grow Bucket(成長に役立つ)
つまり成長に役立つメーリングリストとは、知識の成長・感情の成長・肉体の成長・メンタルの成長に関するものです。人々の成長をサポートできる内容のメーリングリストは、多くの人にとって魅力的でしょう。
これらリードマグネットやコンテンツは、ダイレクトレスポンスマーケティングで言うところの「教育」にあたります。見込み客の悩みに共感し、自分がその悩みを克服した人物であることを明確に伝え、その悩みは解決できることを伝えます。その悩みの解決方法をテキストやビデオシリーズなどにまとめて、リードマグネットやメルマガの中で伝えることに成功すれば、それこそあなたが断らなきゃいけなくらいたくさんのお客さんが殺到するはずです。
#3:Other Bucket(その他のことに役立つ)
これは、Save BucketやSave Bucketに当てはまらない、包括的なメーリングリストです。魅力的な道具や知識を提供し、登録者を集めていきましょう。もし、あなたが何らかの専門的な知識を持っているのであれば、それを提供することで価値のあるメーリングリストを作れます。
まとめ:メーリングリストの登録者を増加させる
このレクチャーを通してあなたに覚えておいてほしいことは、メーリングリストの登録者を増やす意思を持ち続ける必要があることです。あなたが駆け出しであろうと、ベテランであろうと関係ありません。メーリングリストを常にアップデートしていかなければ、効果的なプロモーションはできなくなります。メーリングリストを最新の状態に保ち、継続的に拡大させることを忘れないでください。
それでは、概要欄に移動し、メーリングリストに関するたくさんのアイディアを見てください。その中から、あなたの会員制サイトに合いそうなものを1つだけ選びましょう。