今回のレクチャーでは、ローンチ、つまり会員制サイトの販売における5つのフェーズについて説明します。この5つのフェーズこそが、僕のマーケティングにおける非常に重要な要素であり、プロモーションを大成功させる道のりでもあります。
5フェーズと言われると長い道のりだと感じるかもしれません。その通りです。マーケティングを行う際には、緻密に計画を立て、忍耐強く進めていく必要があります。ローンチまでの長い5つのフェーズを乗り越え、時間をかけてプロモーションを行うことで、大きな信頼を得られるでしょう。それまでに構築してきた見込み客と強い絆で結ばれることで、あなた史上最高の成約率を叩き出せるのです。
それでは、具体的にあなたは何をすればいいのでしょうか。タイトルにある通り、これから紹介する5つのフェーズにやるべきことの全てが詰まっています。ただし、想像以上に長いプロセスを歩むことになるということは忘れずにいてください。
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#1. コネクション・フェーズ
1つ目は、コネクション・フェーズです。「繋がりを作る段階」であるこのフェーズでは、あなたは見込み客と知的・心的に繋がりを作るようなコンテンツを作成していきます。コネクション・フェーズで重要なのは、見込み客と心から繋がることです。そして、あなたのメッセージに対して、見込み客に心を開いてもらうことがゴールです。
それでは、どうすれば心からの繋がりを作ることができるのでしょうか。その答えを得るために、まずは、あなたの価値観、哲学、信念について考えてください。以前のレクチャーで、あなたが持つ考えを明確にすることの重要性について話しました。なので、ここで僕が言っていることを理解できるはずです。価値観や信念は、マーケティングの全てに関わってきます。
価値観・信念をコンテンツにする
僕自身もマーケティングを行う際に、見込み客に対して価値観、哲学、信念についての話をしました。どんな話をしたかというと、ずばり「お金」についてでした。「仕事をしてお金を稼ぐことに罪悪感を覚えてしまう」という僕の話に、多くの人が共感してくれたのです。
僕はその価値観を元に1つのビデオを作りました。そして、そのビデオをネット上に公開したところ、たくさんの人が共有してくれたのです。そのビデオは今現在でもどんどん拡散されていて、20万人以上の視聴回数を記録しています。
スクショを見てください。僕は手にベルを持っています。このベルを鳴らすと、江南の街並みが瞬間にして夜景に変わるのです。
これは朝5時と夜10時に2回、全く同じ2時間のスクリプト読み上げました。もちろんカメラと三脚は一切動かしませんでした。僕は自分の哲学のおかげで今、言葉では形容できないくらい幸せな毎日を送っています。だからどうにかこの哲学を伝えたいと思い、Airbnbで借りた屋上付きの物件で、合計4時間もたった一人で撮影しました。朝3時くらいに起きて準備しているので、すごい眠い声で話しているのが唯一の心残りです。
とはいえ、わざわざ自分の哲学を伝えるためとはいえ、我ながらよくやったなと思います。
あなたも、僕のように本気で信じている価値観や信念などに基づいたコンテンツを作ることができれば、共感してくれる人はたくさんいるはずです。そして、共感したコンテンツというのは共有されるものなのです。
このフェーズの目的は、心的に見込み客と繋がることの1点のみです。見込み客に会員登録などの行動を呼びかける必要はありません。そういった行動を促すことは、今の段階では忘れてしまって問題ありません。
#2. アウェアネス・フェーズ
2つ目はアウェアネス・フェーズです。アウェアネスとは、認知を意味する言葉です。つまり、見込み客や市場において、会員制サイトの認知度を高める段階です。あなたの会員制サイトを通してどんな変革が待っているのか、会員はどんな将来を期待できるのか。こういった意識を高めて、市場における会員制サイトの認知を上げましょう。
成功事例を紹介するビデオを撮る
アウェアネス・フェーズで認知を高める方法として僕が特に気に入っているのは、会員の実績や成功談を共有することです。
僕らはOSB2.0のプロモーションを行う際に「メンバーからのおすすめコメント」のような推薦ビデオを使ったことはありません。推薦ビデオと事例紹介ビデオには、大きな違いがあります。推薦ビデオとは、例えば会員からの「石崎さんは最高だよ」「OSB2.0はクールだ」といった肯定的な意見を紹介するものです。
一方、事例紹介ビデオは、会員自身の成功談や変革を紹介するものです。そして、僕が好むのは事例紹介のビデオです。つまり、OSB2.0のプロモーションビデオを作ったとしても、最後に「また石崎さんと一緒にOSB2.0を楽しみたいよ」とか「あなたはには絶対にOSB2.0に入ってほしい」とか、そういった声は入れたくないのです。
僕の意図を理解できるでしょうか。僕のことが好きだからOSB2.0に入りたいとか、OSB2.0が気に入ったから登録したいとか、そういった新規メンバーを迎えたくないのです。それよりも変革への欲求を持って欲しい。「この会員制サイトでどんなことが可能なのか」という認知を高めたい。それには事例の紹介が有効なのです。会員の成功談を紹介し、どんな変革が待っているかを理解してもらうのがアウェアネス・フェーズです。
Teachable である程度の売上を計上すると、Teachableから1ミリオンダラー達成のトロフィーがもらえたり、専属の担当がついたりします。僕たちにも専属の担当がついており、ビジネスパートナーの小川さんが毎月のペースでTeachableと連絡をとり僕たちの要望を伝え、Teachableの改善を継続的に手伝っています。
先日の話です。定期ミーティングしていると、Teachableの担当者からこんなことを言われました。「あ、宮澤クリニックのことを知っているの?じゃあ連絡先を教えてもらっても良いですか?1ミリオンダラー達成のトロフィーを送りたいんです」と。
一緒に仕事をさせていただいている宮澤クリニックの宮澤さんはTeachableだけで1億円以上を売り上げました。これは自己申請の数字ではなく、Teachableに計上されている数字ですから、誤魔化して達成できるようなものではありません。
その宮澤さんがうちの商品を購入して少なく見積もっても5000万円以上の売上に繋がったことをビデオで話してくれています。僕はこういった成功者のお手伝いをしたいし、可能であれば彼らからのビデオレビューをもらいたいと常に考えています。
ビデオを用いた認知向上の成功事例
もちろん、まだ駆け出しで紹介できる事例がない人もいるでしょう。そこで、データの統計を使ったAnna Digilio(アンナ・ディジリオ)の素晴らしい事例を紹介しましょう。

彼女の会員制サイトでは、小学校2〜3年生の子どもを担当する教師の授業計画をサポートをしています。具体的に言うと、ガイド付きの読書授業と数学の授業の方法を教えています。僕も親ですが、彼女に出会うまでは普通の授業とガイド付きの授業の違いなんて知りませんでした。しかし、教育会では議論を呼ぶほどに大きな問題があったのです。
通常、ガイド付きの授業というのは、特定の必要性を持った生徒のために作成されます。一方、普通の授業というのは、例年通りのやり方で平均的な学力を持った生徒のために行われるものです。
当然、ガイド付きの授業の方が1人1人に合わせて作成されるため、授業計画の手間は大きいです。だから、忙しい先生たちの多くはガイド付きの授業をしません。
しかし、Anna Digilioはデータの統計を持ち出してこう言います。「ガイド付きの授業の方が、はるかに教育的な成果が大きい」。彼女がやろうとしているのは、ガイド付きの読書と数学の授業に対する認知を高めることです。ガイド付きの授業なんて知らなかったという僕のような親ならば、自然とそういった授業をしてほしいと思うでしょう。彼女は、人々の欲求を生み出すことに成功しました。
アウェアネス・フェーズでは、このように、人々に気づきを与え、欲求を生み出し、市場での認知を高めることを目標としてください。
#3. デザイアー・フェーズ
3つ目は、デザイアー・フェーズです。デザイアーは欲求を表す言葉です。このフェーズでは、見込み客の「会員になりたい」という欲求を高めることが目標です。ローンチに最も近いステップだと言えるでしょう。
僕はローンチするときには、Jeff Walkerが作った公式を使っています。それは僕のプロモーションにおいて何度も何度も使用され、非常に実績のあるものだと証明されています。今後のレクチャーでは、この公式の中から役立つヒントをお話しします。詳しい話は後で述べますが、このフェーズでは「会員制サイトに入会したい」という欲求を生み出す必要があることを覚えておいてください。
#4. パーチェス・フェーズ
4つ目はパーチェス・フェーズです。パーチェス、つまり購入してもらう段階ですね。このフェーズでは、見込み客が2つの道に分かれることになります。あなたの会員制サイトに入会するかしないかの2つです。以前のレクチャーでもお話しした通り、入会には期限が設けられます。だから、いつまでも迷い続けることはできません。
#5. ワオ・フェーズ
5つ目は、ワオ・フェーズです。ここでは、あなたの会員制サイトに新規入会した人が「ワオ」と驚く何かを提供することが目標となります。
ここで少しだけ、4つ目のフェーズに視点を戻しましょう。もし彼らがパーチェス・フェーズで入会しなかった場合、彼らはウェイトリストに入ります。ウェイトリストには、プロモーション期間に間に合わなかった人はもちろん、入会を決断できなかった人も追加されます。あなたは、今回のプロモーションで入会しなかった人にも、できれば次回の機会には入会してほしいと思うでしょう。

これに関して、とても興味深い事例があります。Susan Garrettは犬の訓練についての会員制サイトをローンチしました。しかし、想像以上に入会者は少なかったのです。彼女はウェイトリストに入った人たちの割合を追跡しながら、2回目のローンチを行いました。そこで分かったのは、2回目で入会した人のうち、30%が前回ウェイトリストに入っていた人たちだったということでした。
驚くべき数値です。なぜなら、購入しなかった人の多くは、それ以降興味も示さず去ってしまうと考えられていたからです。しかし、それは大きな誤解でした。1度目のローンチで入会しなかったとしても、ウェイトリストに参加させてコツコツと関係を育てていけば、次のローンチで購入してくれる可能性はあるのです。Susan Garrettは、この革命的な事実を明らかにしてくれました。
各フェーズにかけるべき時間
それでは、ここまで紹介したそれぞれのフェーズは、どのタイミングで、どれくらいの期間行えばいいのでしょうか。
コネクション・フェーズとアウェアネス・フェーズは、1〜3ヶ月くらいの期間を設定してください。まずは見込み客との心的な繋がりを築き始め、そこから徐々に市場での認知獲得に移行します。特にコネクション・フェーズは長い期間をかけて問題ありません。なぜなら、このフェーズでは見込み客と心からの信頼関係を築くことが重要だからです。時間がかかってもいいので、丁寧にこのフェーズを進めていきましょう。アウェアネス・フェーズにも同じことが言えます。
デザイアー・フェーズでは、ローンチを行うことになります。7〜10日間くらいの期間が目安です。パーチェス・フェーズはそれよりも短く、4〜7日間となります。ワオ・フェーズは会員期間と同義なので、言うに及びませんね。あなたの商品を買った後もずっと彼らを感動させ続けてください。
各フェーズで用いるべき媒体
以前、ローンチの際に使う4つ媒体を紹介しました。Facebook Lives、ウェビナー、ライブキャスト、ビデオの4つですね。これらは、それぞれどのフェーズで使えばいいのでしょうか。
デザイアー・フェーズで使うのは、ビデオです。ビデオでプロモーションを行い、購買意欲を高めましょう。
次のパーチェス・フェーズではFacebook Lives、ウェビナー、ライブキャストを使ってください。ここは、最も頑張らないといけない時期なので、たくさんのことを行う必要があるのです。オンラインコースにしろ会員制サイトにしろ、あなたが売りたいものを見込み客が購入できる唯一の時期です。全てのことを全力で行うようにしてください。
あなたのペースでフェーズを進める
5つのフェーズの中で、あなたの行動も緩急をつける必要があります。何度も言う通り、コネクション・フェーズはできるだけゆっくりと関係構築に集中してください。このフェーズの重要性を知らない人は、パーチェス・フェーズまでスキップしてしまうことがあります。しかし、デザイアー・フェーズまでの助走が長ければ長いほど、良い結果を得ることができます。だから、できるだけ丁寧に時間をかけて進めてください。
さて、ここまでがローンチの5フェーズの説明でした。全てのフェーズを完了させるにはかなりの時間を要します。でも、焦らないでください。ゆっくりと時間をかけ、あなたはあなたの成功への道のりを進めてください。OSB2.0のメンバーもそれぞれの時間軸で動いています。
先ほど例に出したSusan Garrettは、たったの6週間で会員制サイトのローンチを成功させました。一方で、1年以上かけてローンチのフェーズを進めていくメンバーも少なくありません。
ローンチに当たって、あなたが持っている全てものをコンテンツとして、会員へ棚卸する必要があります。人によってペースが違うのも当たり前です。
もしあなたがすでに見込み客を一定数抱えているのであれば、ローンチまでの時間は大幅に短縮できるでしょう。一方で、見込み客やメーリングリストの構築に時間をかけなければならない人もいるはずです。それはそれで構いません。それらは会員制サイトの基礎となるものですから、時間をかけて構築してください。
まとめ:5フェーズを正しく使えば会員制サイトに人は集まる
ローンチには5つのフェーズがあります。コネクション・フェーズでは、見込み客と心的な関係性を作り、見込み客に心を開いてもらいます。アウェアネス・フェーズでは、会員制サイトでできることについて認知を高めます。デザイアー・フェーズでは「会員になりたい」という欲求を作り出すことに集中しましょう。パーチェス・フェーズでは、見込み客に初めて入会の機会が与えられます。そして、ワオ・フェーズです。入会した人が思わず「Wow」と言うような驚きの体験をさせてください。
もし1度目のローンチで入会に至らなかったとしても、見込み客との関係を育て続けることが大切です。ウェイトリストに並んだ人たちに注意を向けてください。そうすれば、2回目のローンチで入会する人が増えるでしょう。
会員制サイトのローンチに関しては、考えることがたくさんありますが、5フェーズを使うことで、プロセスを単純にできます。5フェーズに従い作業を進めれば、僕らのように大きな成果を得ることも可能です。長年の経験から僕が言えるのは、正しいルートを歩めば、誰もが会員制サイトで成功することができるということです。

New York Timesのベストセラー作家であるGabby Bernstein(ガブリエル・バーンスティン)は、かつて会員制サイトについて悩んでいました。Gabbyは当時すでに1,000人ほどの規模の会員を抱えていましたが、彼女はまだまだ会員を増やせると確信していました。
彼女は5フェーズの考え方を使って、ローンチまでの手順を再構築しました。その話し合いは丸1日かかったと後日ポッドキャストの中で語っていました。彼女がどんなコンテンツを作れば見込み客と心的に繋がることができるのかについて、充実した議論ができました、と。
Gabbyがその話し合いにしたがってローンチビデオを改良した結果、会員が1,000人から5,000人になったのです。1回のプロモーションで4,000人ものメンバーが入会するなんて、ありえない話ですよね。でも、これがGabby Bernsteinが実際に体験したことです。意図と戦略を持ってローンチを行えば、あなたも同じ経験をするでしょう。
ブログの最下部に、コネクション・フェーズやアウェアネス・フェーズで成功したコンテンツ事例があります。それを参照してください。さまざまなアイディアを見ることで、あなたの会員制サイトのアイディア作りにも役立つでしょう。
それでは、次のレクチャーでお会いしましょう。