今回のレクチャーでは、どのようにゲーミフィケーションを会員制サイトへ適用させられるかについて考えていきましょう。実はゲーミフィケーションと会員制サイトというのは、とても相性がいいんですよ。
だから適用させるのはとても簡単ですし、実践した時のリターンもかなり大きいです。おそらく会員制サイトでは、物理的に会員へ配るウェルカムパッケージのようなものよりも、何かを達成した時の修了証のようなものの方が良いでしょう。そのほうが、会員にとって重要な意味を持つようになりますから。
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あなたの会員制サイトにゲーミフィケーションを導入する4つの手順
まずはサクセスパスを見て、どこにゲーミフィケーションを適用できるか見てみましょう。サクセスパスとは、会員が今の姿となりたい姿をつなげて、目標を達成するまでのハードルを可視化したロードマップのことですね。
つまりサクセスパスには、超えるべきハードルに合わせて何段階ものステージがあるんです。そして各ステージに、タスクが書かれたボードを用意していきます。すべてのステージにボードを用意することで、より広い視点でサクセスパス全体を見ることができるようになりますよ。
これが会員制サイトにとって非常に有効である理由を、もう少し詳しくお話ししましょう。すべてのステージにボードを用意してみると、まず会員制サイト全体の枠組みを作成することが可能となります。
全体的なフレームが出来上がれば、1ヶ月ごとのような短期間の視点から、1年スパンでのプロセスを捉えることができるようになります。月額サブスクリプションという観点からすると、どうしても1ヶ月ごとのくくりで見てしまいがちですよね。しかし会員制サイトで何か大きなことを達成しようとするのであれば、1年間くらいの視点でパスを捉える方がいいでしょう。
ではこれらを踏まえた上で、ゲーミフィケーションをあなたの会員制サイトに導入する手順を4つご紹介します。
手順#1:パートナー制度やコミュニティに深く関われる仕組みを導入する
会員制サイトだけではなく、オンラインコースにゲーミフィケーションを導入する方法もあります。しかし両者とも、基本的に本質は変わりません。会員制サイトやオンラインコースでも同様に、パートナー制度やコミュニティに関わることができるような工夫をすることがおすすめですよ。
パートナー制度は、会員同士をパートナーとしてともに助け合う仕組みを作ることですね。一人でワークをこなすよりも、相方がいるだけで進捗状況は大きく変わります。各オンラインコースごとにFacebookグループや、チャットワークなどでコミュニティを開いておき、自由にパートナーを探せるようある程度オープンにしておく。
最初は、縦の繋がりを求めてオンラインコースを購入する人がほとんどです。つまり「先生」と「生徒」の関係です。ある程度、作業量が進んでくると、生徒はこんな風に考えます。「先生から秘密のノウハウを教えてもらうことで成功できると思っていたけど、秘密のノウハウなんて存在しない。それより今取り組んでいるビジネスをローンチすることの方がはるかに重要だ」と。
僕はOnline School Building 2.0 のコミュニティをチャットワークで開いています。もしかしたらこのオンラインコースの中に秘密のノウハウがいくつかは含まれているのかもしれません。でもそんなの1つか2つ程度です。僕や小川さんに対して「認識のずれ」を確認するのはいいでしょう。それでも、迷うことなどそれほど多くはありません。あなたが会員制サイトを作り、サブスクリプション収入を得たければやるべきことはたった3つです。
- サクセスパスを作る
- サクセスパスに従ってコンテンツを作る
- Teachableにコンテンツをアップロードし、Subscriptionのペイメントプランを選択する
この3つのプロセスです。難しくないですね。
じゃあ集客はどうするのか?という話ですが、ここにも特別な秘密はありません。他の人たちがやっていることと同じことをするしかありません。あなたのライバルはマーケットのアテンションを集めるためにどんなことをしていますか?石崎はブログを更新し、YouTubeに動画をアップロードし、たまにUdemyのコースを出し、足りないトラフィックを広告で補っています。これ以外にできることありますか?
そうです、ビジネスについて考えるよりも、ビジネスを前に進めることの方がはるかに重要なのです。縦の繋がりに価値を見出すのは「ビジネスについて考えること」。先生から秘密のノウハウを教えてもらおうという姿勢です。なんの意味もない行為です。いくらビジネスについて考えたってお金は生まれません。お金を生み出すには、具体的な成果物を一つ一つ完成させ、ビジネスを前に進めるしかないのです。
会員制サイトならではのゲーミフィケーションもありますね。例えば、月ごとの定例集会のようなもの。毎月何かしらのコンテンツを提供しているのであれば、それに従って交流を図ることが可能です。これもやはりビジネスを前に進める施策です。
また、新たな参加者を紹介するような時間があってもいいですね。定例集会を行うのであれば、ゲーミフィケーションをいろいろな場面で導入することができるでしょう。大切なのは進捗が遅れている人に、適切な援助ができるようにすることです。
手順#2:ライブセッションにも受講者が積極的に関われるよう工夫をする
ライブセッションについても考えてみましょう。ウェブ上で行うセミナー形式のウェビナーであれ、Q&Aセッションであれ、Facebook Liveであれ、どういったものでも構いません。あなたが会員制サイトの中で行っているオンライン・セッションを中心にして、ゲーミフィケーションの要素を取り入れていってください。
例えばオンライン・セッションによく参加してくれる方へ特別な賞を受賞したり、自分が良いと思う行動をする会員を紹介したり。あなたがいいと思ったことを、皆の前で共有するんです。そうすると会員はよりあなたの期待に応えようとし、オンライン・セッションの参加者もどんどん増えていきます。
チャットワークを運用しているとわかることですが、100人の会員がいればアクティブにチャットに参加するのは半分ほどです。特に2〜3人は頻繁にチャットに参加してくれます。彼らは、一方的に質問ばかりする人ではなく、チャットワークを盛り上げようとしてくれる人たちです。こういう盛り上げ役のような人が数人いるだけで運営がかなり楽になります。
僕はそういう人たちを見つけると表彰したくなります。何か役に立つものをプレゼントしたい気持ちになります。きっと一番役立つプレゼントはお金なんだろうけど、お金を渡すのはあまりにも生々しいので、もう少し間接的に、例えば、彼らの商品をコミュニティで紹介したり、ブログで取り上げたりすることで、
しかし何をするにしても、常に2つ先の行動を見据えておいてほしいところです。
- 自分の会員制サイトで行っているイベントやアクティビティを見直し、より多くの方に会員制サイトを活用してもらうにはどうしたらいいのか。
- またゲーミフィケーションをどうすれば導入できるのか、常に先手を考えながら行動しましょう。
そういった工夫をこらしていくことで、会員を増やしていけるでしょう。
手順#3:サクセスパスを進むごとに会員を祝福して成長へのリターンを実感してもらう
今、ちょうど話が出たので、会員制サイトの規模を大きくするための方法についても言及しておきますね。サクセスパスが確立され、ゴールまでの超えるべきハードルが出来上がったら、会員たちはその道順を追って成長していくことでしょう。実はその成長するタイミングこそが、会員を増やす絶好のチャンスなんです。
具体的には、既存の会員がサクセスパスを進むごとに、何かしらの手段を使って祝ってあげましょう。会員の成長を見逃さないためにも、1ステージをクリアするごとにChatworkグループに投稿するよう会員へ伝えておくことがおすすめです。
そして1度Chatworkグループに達成報告が投稿されたら、祝福のコメントを書くのはもちろんのこと、必ずその投稿のスクリーンショットを撮影しておいてください。そうすれば後日行うであろうマーケティング活動で、絶対に活用することができます。
そのスクリーンショットを見た見込み客たちは「この会員制サイトに入会すれば、こんなに成長できるんだ」と思えますし、どんな宣伝文句よりも実例の方が説得力があるのです。もしできるのであれば、Chatworkグループへの達成報告は、ぜひビデオでしてもらいましょう。そちらの方がコメントよりもマーケティング効果が大きいです。
これはOnline School Building 2.0 のセールスレターです。このレターにはたくさんの、チャットワークに寄せられた達成報告のスクショがたくさん掲載されています。「これだけ盛り上がっているんだ!」と思ってもらうことが重要です。受講生の達成報告は社会的証明のパワーが強いです。
手順#4:達成報告をビデオで報告してもらうテクニックを活用する
そして実は、ビデオを撮影してもらうテクニックがあります。問題なくビデオを撮影できる方なら問題ありませんが、中にはビデオの撮影というだけで抵抗感を示す場合があるのです。そういう方には、タスクとして設定してしまう方法が有効でしょう。
サクセスパスに従って作成するボードについては、最初の方でお話ししました。このボードの中で「達成したコメントをビデオで撮影して、Chatworkグループに共有する」というタスクを設定しておくということです。そうすれば進捗のある会員のコメントは、確実にビデオで残すことができるはずです。
僕たちもたった今、改訂中のコンプリートバンドル2.0というサブスク商品には、リカルドのコースから着想を得て、「達成したコメントをビデオで撮影して、Chatworkグループに共有する」のタスクを追加する予定です。
リカルド・テイシェイラはサクセスパスやボードを活用して、会員たちに達成報告してもらうことが大好きです。もちろんマーケティングに使えるということもあるのですが、何よりも会員の喜びの顔が見れるというのがいいですよね。僕もこれまで何度もリカルドのコミュニティに、自分の自撮り動画や写真を、達成報告とともに投稿しました。投稿するたびにたくさんのお祝いがあるので、2回目以降の投稿がどんどん気持ち良くなっていったのを覚えています。
会員制サイトを立ち上げた初期のころだと、なかなかこういったビデオは集まりにくいです。しかし時間が経過するごとにどんどん増えていきますので、しっかりと管理しておきましょう。そうすれば、いざという時に活用することができます。
まずはゲーミフィケーションを導入してみて実際にフィードバックを得られることが大切
リカルド・テイシェイラはこれまで、オンラインコースにゲーミフィケーションを導入することをメインでやってきました。そのためまだ会員制サイトへの導入については、いろいろな新規アイディアが集まっているように思います。
そこであなたにお願いしたいのは、あなたの会員制サイトの中でゲーミフィケーションを導入するという実験を行ってほしいということです。そうすれば初めはうまくいかないかもしれませんが、何度も繰り返すたびに少しずつ歯車が合って効果を発揮し始めるでしょう。
リカルド・テイシェイラも、ゲーミフィケーションをオンラインコースに導入したばかりの頃は失敗も多くありました。何度も繰り返し実験し、多くを学ぶ中で成功する方法を感覚的に学んできたんです。今でも新しく学ぶことがたくさんありますよ。
リカルド・テイシェイラのコミュニティでは、ゲーミフィケーションに関するフィードバックを提供してくれる風土があります。だからオンラインコースを始めるたびに、今まで気づかなかった視点に気づかされるんですよ。だから、まずはゲーミフィケーションを導入してみて、あなたのコミュニティからフィードバックを受けてみることはとてもおすすめです。
ここにいくつか僕がコンプリートバンドル2.0に導入を検討しているゲーミフィケーションの実験を紹介します。
- 達成したコメントをビデオで撮影して、Chatworkグループに共有する
- パートナー制度を設けてお互いの進捗を報告する
- ステージを達成するごとにデジタル表彰状を届ける
- ウェルカムパッケージの中にTシャツやマグカップを含める
色々アイディアが湧いてきます。全て同時にはできないかもしれませんが、1つずつ追加して長く続けてもらえるよう、リテンション戦略も継続的に実行していく予定です。
まとめ:ゲーミフィケーションによってコンテンツの消費は加速され会員は価値を多く受け取れるようになる
さて、ここまでの話をまとめていきましょう。つまるところゲーミフィケーションは、会員の愛着心とコンテンツの達成度を確実に高め、会員との良質な関係を向上させてくれる優れたテクニックです。
なぜならゲーミフィケーションという仕組みによってコンテンツの消費を促すことで、会員たちはより多くの価値を受け取ることができるからです。そして価値を受け取れば受け取るほど、会員制サイトへの滞在期間は長くなるのです。
ゲーミフィケーションを思いつくのは簡単です。ただし常に世界を見回し、ゲーム化できる要素を探す必要があります。空手で白帯から黒帯になる時、その選手は最高の達成感を覚えるでしょう。今でも覚えています。高校生の時、10人組手をして黒帯をもらった時のこと。小学5年生から初めて、6年かけて黒帯を取りました。不思議なことに黒帯を取ると大会でも入賞する回数が増えました。自分は黒帯になったんだという自負が、自分を強くしたのだと思います。
ボーイスカウトに入っている少年たちは、自分のバッジを常に意識しています。そういった世界にあふれるゲーミフィケーションの可能性を探し続け、あなたの会員制サイトやオンラインコースに適用させるのです。
よくよく考えると僕たちのビジネスや経営者として人生もゲーミフィケーションみたいなものです。最初はスキルゼロからスタートし、毎日のように勉強し、ちょっとずつ仲間が集まり、途中裏切りや離別を経験し、途中でスーパースターのようなパートナーがジョインし、事業売上が少しずつ増えていき、ある時マーケットを捉えて一気に売上が爆上げする。住む場所も、地方から、都市、世界へと変えていく。生活水準も少しずつ上がり、最初は松屋で牛丼ばかり食べていたけど、大盛りを頼めるようになり、コンビニで値段を見ずに買い物ができるようになり、欲しかったエスプレッソマシーンを買えるようになる。
ガールフレンドがお嫁さんとなり、子供がひとり、ふたり、さんにん、と生まれ、長男が幼稚園に行き、小学校に行き、長女が幼稚園に行く。次女はまだゆりかごの中ですやすやと寝ている。
僕たちは日常に張りをもたらすために、毎週金曜日に好きなものを食べていい日を設けています。息子が ugly Friday と命名したので、僕らもそう呼んでいます。木曜日の夜に近くのスーパーに行って、普段は食べれないチョコレートやロリポップキャンディーを購入します。まるでお供物をするかのように、そのお菓子を暖炉の下に置いて、金曜日を迎えます。息子がキックボクシングジムのトレーニングから帰ってきて、夕食をおえ、シャワーを浴びて、Netflixで映画を見ながら、カウチでそれら ugly な食べ物を口に放り込みます。「今週もよくやったよ、朝早く起きて、学校でたくさん勉強して、週3で習い事をしている君たちは本当に偉い」と子供達を讃えます。
実は、ugly Fridayを一番楽しみにしているのは僕なんです。普段は、グルテンフリー、カフェインフリー、カゼインフリーの生活をしているので、ugly Friday の日だけは、昨夜半額で買ったクロワッサンをオーブンで温め直し、ツナマヨを中に挟んで食べます。これは妻と貧乏旅行をしているときに、北米のダンキンドーナツでいつも食べていた一番安いメニューです。
ツナクロワッサンを食べコーヒーを飲むたびに、ブルックリンのダンキンドーナツを思い出します。12月でした。ニューヨークの冬は本当に寒かったです。ユニクロのヒートテックを着てても寒かったです。Airbnbで借りているお家から、歩いて7分の距離にあるダンキンドーナツのイートインを利用して、文字通り毎日ツナクロワッサンとコーヒーのセットを食べていました。プエルトリコ系アメリカ人のお兄ちゃんと毎日顔を合わすものだから、最初は「お前らまた来たのかよ」みたいな顔をしていたのに、最後に日には「お前ら本当にいっちまうのか、寂しいよ」と言いながらハグをしたほどです。
こう言った素晴らしい記憶は僕の人生のマイルストーンです。そういったマイルストーン、あるいはアクションアイテムの積み重ねが僕の人生であり、それら積み重ねの上に今の僕があります。
スマナサーラ長老が1997年にこんなタイトルの本を出版しました。
「人生はゲームです」
なんて説明不足な本のタイトルでしょう。笑
まるでゲームの世界のように、経験値をため、レベルアップし、仲間を作り、困難に直面し、それを打破し、また次の街へと繰り出すような人生を送りたいものです。
さて…最も重要なのは、ゲーミフィケーションを実際にあなたが実践してみることです。思いついただけでは、何も起きませんよね。そのアイディアが成功するかどうかはやってみなければ分からないものですから。だからまずは、あなたのできる範囲で試行錯誤してみてください。
僕がここまでお話ししてきたことをすぐには理解できないかもしれません。でもまずは僕が言ったことを信じて、試してみてほしいのです。そして今すぐ自分のオンラインコース、または会員制サイトに導入してみれば、僕の言っていることが伝わりますよ。
質問があればコメント欄で教えてくださいね。それではまたお会いしましょう。