あなたはサブスクの継続率を高めるために、会員にどんなコンテンツをどんな順序で提供したら良いのかと悩んでいますか?安心してください。これは会員がしっかり結果を出せて満足してくれるコンテンツカリキュラムの作り方を教えます。具体的には4つのステップで作っていきます。
会員が結果を出すためには、まるで学校のカリキュラムのようにしっかりとした土台が必要になります。そのカリキュラムが固まってしまえば、あなたはそれに沿ってコンテンツを作るだけでよくなります。まずはカリキュラムの重要性をお伝えしつつ、後半では具体的なカリキュラム作りに必要な手順やノウハウをお伝えしていきます。
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会員が自分の進捗を感じられるカリキュラムの重要性
サブスクにおいて重要になるのは、会員が来月もその次の月もお金を払って続けたいと思ってもらうことです。そのためには会員自身にサブスクに対して満足をしてもらう必要があります。 その1つの方法として会員が自分自身の進捗を感じられるようにすることです。つまり、自分が問題解決や理想の姿に向かって一歩ずつ歩みを進めていると感じられることです。
そのためには、順番通りにこなしていけば問題解決や理想の姿に近づけるようなカリキュラムを整えましょう。もしこのようなカリキュラムがないと、会員はサブスク内で提供されるたくさんのコンテンツの中から自分で道筋を見出さなければなりません。お客さんは、理想の姿に近づくための最短経路を教えてくれる人には喜んでお金を払ってくれます。この順序でやれば大丈夫と思ってもらえる体系的なカリキュラムを用意しましょう。
ではそのような体系的なカリキュラムをどのように作ったら良いのでしょうか?これからその作り方を解説していきます。ちなみにこれは僕たちが毎回オンラインコースを作る際に使っているカリキュラムの作り方です。それをここですべて公開します。僕たちはカリキュラムの作成にサクセスパスという考え方を使います。少しそれについて詳しくお伝えしましょう。
ステップ・バイ・ステップのカリキュラムを作る「サクセスパス」とは?
サクセスパスというのは、英語で成功の道筋という意味です。会員が自分の今の状態から理想の状態に行くための道筋だと思ってください。これは英語圏のオンラインコースで使われている言葉です。理想の状態に行くまでに会員は何をしなければならないのか?これを考えて決めたものがサクセスパスです。最初はこれをやって、次にこれをやってというようにやるべきことを段階別に整理したものです。
サクセスパスがどんなものかのイメージを持つには、一本の横線を想像してもらうとわかりやすいです。左端が今の状態、右端が理想の状態だとしましょう。今の状態から右へ進んでいき、色々な過程を経て右側の理想に近づいていきます。そのときに通る道筋がサクセスパスです。その間には、色々な課題ややるべきことが存在します。それらすべてを含めた流れと過程がサクセスパスです。
実際の例をお話しましょう。僕が自分の運営するサブスクであるCashLabという商品を作ったときのサクセスパスが残っています。このCashLabというサブスクは、オンラインコースビジネスを1から立ち上げて成長させていく方法を解説したものです。日本でオンラインコースと検索しても大した情報が出てきません。しかも実際にオンラインコースだけで生計を立てている人がいません。
僕は家族でオランダに移住しましたが、オランダで6人家族を養っています。オランダの高額な生活費をオンラインコースからの収益だけで賄っています。さらにオンラインコースを1億円売って、ClickFunnelsという販売ツールの会社から1億円達成の表彰をされた唯一の日本人です。オンラインコースビジネスを体系的に学ぶコンテンツが市場にないので、自分で作ろうと思いCashLabを立ち上げました。
僕もこのCashLabを作るときに、どうやってお客さんを理想の状態まで連れて行こうかと考えました。 実際には理想の状態にまでなるためにたくさんのステップが必要です。僕はサクセスパスをプレッドシートの形でまとめました。まずはオンラインコース作りの前にカリキュラムを作る。次に実際のコースを作ります。その中で撮影機材を揃えたら動画編集のやり方を覚えます。
コースが出来たら実際にローンチして最初の収益を上げてみます。そこから少しずつ、見込み客や商品数を増やして収益を大きくしていく。収益が大きくなってきたら仕事を外注したり、チームメンバーを増やして自分の時間を増やす。そういうサクセスパスを作りました。このようにして会員が少しずつ前に進んでいけるようなサクセスパスを作ることが重要になります。
サクセスパスに必要な用語
サクセスパスを作る際にいくつか理解してほしい言葉があります。サクセスパスを構成する要素の名前です。それではサクセスパスの具体的な作り方を見る前に、サクセスパスの作成に必要な用語を3つほど紹介していきます。
用語1:ステージ
まず1つ目の言葉はステージです。これはサクセスパスをいくつかの大きなセクションに分けたものです。サクセスパスは会員が理想に近づくまでの段階的なステップをまとめていますが、その中もいくつかの大きなまとまりに分けてください。例えば、僕の商品CashLabではサブスクの目的は、オンラインコースビジネスを1から立ち上げ成功させるということです。
それをいくつかのステージに分けます。そうすると次のようになりました。ステージ1は「コースのカリキュラムを作る」です。オンラインコースを作る前に、まずはどんなコースを作るのかをコンセプトを明確にします。次のステージ2は「コースを作る」です。コンセプトが明確になったオンラインコースを実際に作っていきます。
ステージ3は「コースをローンチする」です。中身を作り商品として完成したオンラインコースを実際に市場で売り始めます。ステージ4は「トラフィックを集める」です。トラフィックとは見込み客のことです。リリースしたコースを買ってくれる見込み客を少しずつ増やしていくのです。
このように会員の理想に到達するまでの過程をいくつかに区切ったものをステージと呼んでいます。会員が自分の現状を把握し、次に何をやればよいのかを明確にするためにサクセスパスの中にステージを作ります。
用語2:マイルストーン
次はマイルストーンです。マイルストーンというのは、ある課程の中で通る小さな中継地点のことを言います。サクセスパスで言うマイルストーンとは、ステージをさらに細かくアクション単位に分解したステップのことです。
サクセスパスではこのマイルストーンを質問形式で表しています。例えば「あなたはどんなテーマのオンラインコースを作るか決めていますか?」という質問、これがマイルストーンです。お客さんの能力や経験には個人差があります。なので同じ目標を持って、取り組んだとしても人によって既に出来ること、まだ出来ないことが異なります。
もしマイルストーンの質問にYESと答えられるのであれば、その会員はそのステップを飛ばすことができます。もしNOと答えたのであれば、その会員はそこで設定された課題やレクチャーに取り組むことになります。そのため、マイルストーンにはYESまたはNOで答えられる質問を設定してください。
用語3:アクションステップ
次はアクションステップです。これは実際に会員が取り組むべき課題のことです。最終的な理想の状態に近づくために、会員には具体的な行動が要求されます。それはただコンテンツを見るというだけでなく、何か具体的に手を動かしたり実践を伴うものです。
またこのアクションステップは、マイルストーンと1対1で呼応させます。マイルストーンで聞いた質問にNOと答えた会員だけに、このアクションステップを実行してもらいます。例えばマイルストーンが「あなたはどんなテーマのオンラインコースを作るか決めていますか?」だとします。
これに対応するアクションステップは「付属のワークシートを使ってオンラインコースのアイデアを3つ決定してください」という風になります。課題を乗り越えるために実際に会員に取ってもらいたい行動を記述します。これがアクションステップです。
サクセスパスを作るための4つのステップ
では実際にサクセスパスを作る際に、どのように進めていけば良いのでしょうか?そのためのステップに必要なステップを4つに分解して解説していきましょう。
ステップ1:ステージを分ける
まず最初にやるべきことは、全体をステージと呼ばれるいくつかの大きなセクションに分けることです。例えばダイエットを例にすると次のようなステージが考えられます。
- ステージ1「現状を把握する」
- ステージ2「食事を変える」
- ステージ3「運動量を増やす」
- ステージ4「それらのモチベーションを維持する」
このように、ダイエットを成功させるために必要な過程をまずはざっくりとしたステージに分けてください。ステージの数があまり多いと、会員自身がどんな道筋をたどったら良いのかがイメージできなくなります。そのためステージの数は3つ〜7つをオススメします。このくらいの数であれば、どのように進んでいくのかがわかりやすくなります。
またステージを分けるときには、それぞれのステージの内容が重ならないようにすることも重要です。例えば「おやつを食べない」と「野菜中心の食事にする」という2つのステージは「食事を変える」というステージにまとめられるかもしれません。ステージ数が増えてしまう場合には、まとめることが出来ないかを考えてみてください。
また分けたステージに名前を付けるのも忘れないでください。ステージ名にはなるべくポジティブな言葉を選んでください。ステージ名が「コタツデブをやめる」よりも「ジムで運動する」の方がモチベーションが上がります。ポジティブな名前をつけることで、会員のモチベーションを刺激することができます。
ステップ2:各ステージの特徴を書く
ステージに分けたら次は、各ステージごとの特徴を書いていきます。特徴とは、そのステージを開始する時点の会員の特徴や現状を説明する文章です。仮にダイエットに関するステージ1を「現状を把握する」だとしたら、ステージの特徴の例は次のようになります。
「ダイエットの必要性をずっと感じているけど、具体的にいつまでに何キロ痩せたら良いのか分かっていない。目標が不明確なので、オススメに出てきたモデルの食事ルーティンみたいなYouTube動画を見る、たまに朝ごはんをバナナだけにするバナナダイエットをやるなど曖昧で場当たり的な行動が多い。そもそもなぜダイエットをしたいのか考えてみると、実は女性としての自信を取り戻したいという理由があるように思える。具体的な目標さえ立てられれば、それに向けて努力する自信はあるけど、今はどうしたら良いかわからない」
このステージの最初にいる人は、この特徴に当てはまっているはずというものを書いてください。ステージの特徴に書くのは「痩せたい」というような表面的な思考だけではありません。可能であれば「実は女性としての自信を取り戻したい」のような内面的な思考も書くことで、あなた自身のステージへの理解が明確になります。
また具体的な固有名詞などを入れるとさらにイメージが固まってきます。固有名詞とは「モデルの食事ルーティンみたいなYouTube動画」や「バナナダイエット」といったものです。一般名称ばかりを書くとふわっとした文章になり、リアリティが出ません。
このステージにいる人はこういう人だというイメージを強く持てるよう、この特徴部分はしっかり作り込んでください。もし特徴を書くのに苦労する場合は、ネットで検索してどんな悩みがあるのかをリサーチしてみるとヒントが見つかるはずです。
ステップ3:マイルストーンを書く
次はステージの中を細かくわける、マイルストーンを書いていきます。マイルストーンは質問形式にしてくださいというのは既にお伝えしました。これは会員がこのステップをやる必要があるかをふるい分けるためでした。ダイエットの例で考えてみましょう。
例えば、まずはダイエットを始める前に会員自身に自分の体脂肪率を把握してもらいたいとします。その場合、マイルストーンは「自分の体脂肪率を知っていますか?」となります。もしこれにYESと答えられる場合は、会員はすでにこの課題をクリアしています。次のマイルストーンに行ってもらいます。
もしNOと答えたら、これをYESに変えるために何らかのアクションステップを実行してもらうわけです。そのためマイルストーンはYESかNOで答えられるものにしてください。このマイルストーンの書き方に迷う方が多いので、いくつか例を挙げておきます。
- プロのカメラマンに撮ってもらったプロフィール写真を使っていますか?
- Udemyで3コース以上を公開していますか?
- 新しく作るオンラインコースに関して第三者からアドバイスをもらったことはありますか?
- コースを撮影するための機材と編集ソフトはありますか?
- 週に1度はYouTubeに動画を投稿していますか?
- パスワードマネジャーを使っていますか?
このようにマイルストーンはなるべく細かいステップになるように書いてください。大きなステップというのは、完了させるのが難しくなります。英語圏ではベイビーステップといって、赤ちゃんのように1歩ずつ進むという言葉があります。1つ1つの行動が短くなるように、マイルストーンもなるべく細かくしてあげてください。
マイルストーンを書くときに犯しやすいミスは、会員が分からない言葉を使ってしまうことです。特にこの後のアクションステップに誘導しすぎるような質問をしてしまいやすいです。例えば「リパーパス戦略を知っていますか?」というマイルストーンを書いても何の話かわかりません。
リパーパスとはコンテンツの再利用のことですが、普通の人にはわかりません。そこで代わりに「ブログ記事を電子書籍などの他のコンテンツに再利用していますか?」とすると、どうでしょう?随分とわかりやすくなったように感じるはずです。このようにマイルストーンを書いた後に、相手にわかりやすいかどうか見直すようにしてください。
ステップ4:マイルストーンに呼応するアクションステップを書く
最後のステップです。マイルストーンに対応する具体的なアクションを書いていきます。アクションステップにはマイルストーンでNOと答えた人が行うべき行動を記述します。例を挙げた方がわかりやすいでしょう。いくつか例を紹介します。
- カメラマンと契約し写真撮影シートに従ってプロフィール写真を撮影しましょう
- Udemyに公開するコースを3つ決定してください
- コミュニティに投稿して自分のコースのフィードバックをもらいましょう
- 予算別の機材シートを利用して必要な機材をAmazonで購入しましょう
- YouTubeに投稿するテーマを決めて定期的に動画をアップロードしましょう
- パスワードを管理するためのツール1Passwordを導入しましょう
このようにアクションステップはなるべく具体的な行動として記述してください。例えば食事の中の野菜の量を増やすのであれば、「食事の中の野菜を増やしましょう」ではなく「スーパーで買う野菜を今より3つ増やして、それを3日間続けましょう」といった具合です。
またあなたのコンテンツの中の教材を参考に行動してもらう場合もあります。僕はよく商品の中にワークシートやテンプレートを作ります。例えば「写真撮影シートに従って写真を撮影しましょう」とか「レターテンプレートを使ってセールスレターを完成させましょう」といった書き方をしても良いでしょう。
このように4つのステップに従って、1つずつサクセスパスを作っていってください。ポイントは具体性を意識することです。特にステージの特徴や、アクションステップには具体的な内容を盛り込んでください。この出来上がったサクセスパスがコンテンツのカリキュラムであり、設計図になります。手を抜くことなくしっかりと作り込んでください。
まとめ:作り込まれたサクセスパスで会員の継続率を上げる
ここまでサクセスパスの解説とその作り方を見てきました。最後に要点を4つにまとめました。
- サブスクにおいては会員の継続率をアップさせるには、会員自身が進捗を感じられる体系的なカリキュラムが必要である。
- ステップ・バイ・ステップのカリキュラムを作るには、サクセスパスを用いる。
- サクセスパスの作り方は、4つのステップに分かれる。ステージ分け、ステージの特徴の記述、マイルストーンとアクションステップの作成である。
- 特にステージの特徴とアクションステップには具体的にすると良い。ステージの特徴は各ステージにいる人をイメージしやすくしてくれる。アクションステップは彼らが取るべきアクションが明確になる。