あなたは自分の運営するサブスクを成長させて収益性の高いものサイトにしていきたいと考えていますか?でもどのようにすれば、自分のサブスクを成長させることができるか悩んでいるかもしれません。そこでこれからサブスクを成長させていくための道筋をお伝えしていきます。実際の事例なども踏まえて分かりやすく解説します。
収益性の高いサブスクを作りたい。サブスクを作る人すべての願いです。実際、サブスクの制作にはイニシャルコストが掛かります。そのため収益性の高いサブスクを作ろうと思った場合には、有料会員の人数を増加させることが鍵になります。まだサブスクが無い場合でも大丈夫。有料会員を増やすために必要な施策を、それぞれの段階に合わせて解説します。
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レベル1:まだサブスクもリストもない
このレベル1にいる人は自分でサブスクを始めたいが、まだEメールリストもSNSのフォロワーもいない段階の人です。ここにいる人がやるべきことは2つです。1つはサブスクのコンセプトを決定し、実際にサブスク内の有料コンテンツを作り始めることです。もう1つはEメールリストやSNSフォロワーのような見込み客を集めることです。
ここで一番重要になるのは、サブスクで扱うテーマを決めることでしょう。つまりあなたが作るサブスクで、誰にどんなコンテンツを提供するか?ということを決定するのです。これはサブスクの有料コンテンツの制作に関係するだけでなく、集客コンテンツの制作にも関係してきます。サブスクのテーマによって、どんな方向性のコンテンツで集客するのかが変わってくるからです。
1つ実例を紹介しましょう。Brian Singhはバレーボールチームのコーチを対象に、選手への指導方法を教えるサブスクを運営しています。この会員制のサブスクはDigital Volleyball Academyと呼ばれています。このサブスクは当初、コーチだけでなく選手や愛好家などバレーボールに関係するすべての人を対象としていました。ですがこれは扱うテーマが広すぎました。
確かにバレーボールを愛するすべての人を対象にすれば、お客さんを集める際の分母は大きくなります。ですが、誰に向けてコンテンツを届けて良いのか分からなくなります。焦点の定まらないコンテンツは、必然的に質が下がります。テーマを広げるとふわっとしたことしか言えなくなるからです。
そこでBrianは、対象をコーチだけに絞ることにしました。バレーボールコーチだけをターゲットとして、選手への指導方法を教えることに専念したのです。コーチだけに絞ったことで有料の会員数が4倍になりました。しかもコーチというのは、選手の指導に情熱を注いでいる人が多いです。そのため多くの会員が月額プランではなく、年間プランを選択して参加してくれました。
Brianのサブスクの場合は月額プランが月49ドル、年間プランが390ドルです。年間プランの方に33%の割引を適用して、年間プランに入りやすくしています。年間プランなら前もって1年分の会費を払ってもらえるので、収益が安定します。サブスクのテーマをコーチ向けという適切なものに絞ったことで、結果的に会員の人数が増え収益を安定させることができました。
このようにまずはサブスクのテーマを決めることが重要です。可能であれば、テーマの範囲はなるべく具体的に絞ってください。このテーマが決まるとどんな集客コンテンツを作ったら良いのか、SNSでどんな発信をしたら良いのか?そのような方向性がしっかり決まってくるはずです。それを元にサブスクを制作を進めて、見込み客を集め始めてください。
レベル2:リストが集まっているのでサブスクを始めたい
もしあなたがメールリストや、コミュニティを持っている場合はすぐにサブスクをローンチしましょう。あなたの周りに人が集まっているということは、あなたの知識や専門性に興味を持ってくれているということです。見込み客はもっと知りたい、自分の抱える問題を解決したいと思っているはずです。あなたがサブスクを通してコンテンツを提供することで多くの人に価値を提供できます。
でもリストや見込み客の数が少ないと感じているかもしれません。確かに数も大事ですが、あなたと見込み客とのエンゲージメントの強さも重要です。つまり、見込み客がどれだけあなたのことを信頼し、あなたの知識やノウハウを楽しみにしているかということです。少ない見込み客でローンチしても、多くの会員が入ってくれた事例はたくさん存在します。
Emily Jeffords(エミリー・ジェフォード)は、印象派のアーティストです。彼女はアートで生計を立てようとしているアーティストを支援する会員制サイトを運営しています。彼女はもともと、自分には会員制サイトなんか無理だと思っていました。今の仕事の他に会員制サイトを運営するとなると時間や、エネルギー、それにコンテンツが全然足りないと思っていたのです。
しかも彼女はすでにリアルなアートクラスに沢山の生徒を抱えていたので、そちらに手一杯で難しいと考えていたのです。ですが、すでに彼女にはネット上にフォロワーがいました。人から会員制サイトを作ることを勧められたEmilyは、数ヶ月後に会員制サイトを試しにリリースしてみました。最初のローンチでなんと彼女は750人の会員を集めることができました。
フォロワーを持っていた彼女がもし会員制サイトを作っていなかったら、この750人の有料会員は存在しませんでした。なので、サブスクを作ってフォロワーに向けてリリースするというのがどれだけ大事か理解していただけるはずです。もう少し小さな規模の話も紹介しましょう。
映像クリエイターのJustin DeMers(ジャスティン・デマーズ)は、ライブ配信をビジネスに応用する方法を教えています。彼は自分のサブスクをリリースする前に、彼には小さな規模ですがフォロワーがいたり、Facebookグループがありました。Facebookグループが170人、Eメールリストが80人、合計で250人くらいの小さなオーディエンスです。
実際にサブスクを作ってリリースしたところ、そのうち131人が有料会員になってくれました。これは彼がコミュニティの中の人や、メルマガの購読者から信頼を集めていた結果です。このように小さなオーディエンスだけでも、彼らと密なコミュニケーションを取っていれば高い確率でサブスクに入ってくれる可能性があるのです。
レベル3:サブスクに人が集まっている
サブスクを立ち上げ、既に会員が入って動き始めているケースを考えてみましょう。この場合、サブスクをさらに大きくしていくにはどうしたら良いかを考えてみます。この段階まで来ると、いくつか考えるべき要素が出てきます。大きく分けると会員を継続させること、運営のリソースを確保すること、新たな集客をすることの3つになります。ここでやるべきことをまとめておきます。
- アンケート等で会員の解約理由を特定する
- アンケートを元にリテンション対策を実行する
- 運営チームを育てる
- 広告、JVやコラボ、アフィリエイト等による集客
- 集客コンテンツを出し続ける仕組みの整備
- コンテンツを再利用して集客経路を広げる
- KindleやUdemyなどのマーケットプレイスを使って集客を外注する
まずは新たな集客を行ってサブスクを拡大していく前に、会員の解約率を下げる必要があります。穴の空いたバケツに水を入れる前にまずは穴を塞がないといけません。サブスクでは何も対策をしなければ、会員は必ず解約という選択肢を取ります。毎月課金を続けるべき理由を失うからです。
解約の理由をアンケートで調べる
解約率を下げるためにまずは解約の理由を特定しましょう。僕らはサブスクの解約時に会員にアンケートを実施しています。アンケートの中で「なぜ解約するのか?」という項目を混ぜています。これを元に会員が解約する理由を特定していきます。また同じアンケートの中には「全体のうち、どこまで取り組みましたか?」という項目も入れています。
会員がどこでつまずくのかを把握するためです。またこのようなアンケートを用意する際には、アンケート回答者にちょっとしたインセンティブを与えると回答率が高まります。僕らは「アンケートに回答してくれたら有料のコースを無料でプレゼントしますよ」というようなインセンティブを付けています。
アンケートを元に会員が継続したくなるような仕組みを考えてください。例えば会員が「サイトの使い方が分からない」というのであれば、サブスクに入った全員にサイトの利用方法に関する説明動画を用意しても良いでしょう。またコミュニティが盛り上がっていないのであれば、会員に毎週取り組んだことを報告してもらうようにするのも良いでしょう。
運営チームを育てる
サブスクの規模が大きくなってくると、運営にかかる人手が必要になってきます。例えばカスタマーサポートまで手が回らなくなってきたり、動画編集が追いつかないなどの問題が出てくるかもしれません。その場合は、 サブスクの運営を手伝ってくれるチームメンバーを集めましょう。今はクラウドソーシングサイトなどもあるので簡単に外注先を探すことができます。
実際に僕たちもカスタマーサポートを外部の方に依頼しています。 動画の書き起こし作業や編集作業もクラウドワークスで探した方にお願いしています。チームメンバーとして正式に雇用しても良いのですが、こういったクラウドワーカーの方々に業務委託でお願いすることもできます。
外注をお願いするにあたって、どのように仕事を進めるのか?といった初期教育が必要になります。1つ1つお仕事をやってもらう中で擦り合わせしていくことで、教育を行うことができます。ある程度の教育が済んでしまえばこちらの要望どおりにお仕事をしてくれるのですごく助かります。このように少しずつ運営チームとして手伝ってくれる人材を育てていくことも必要です。
さらなる集客経路を開拓する
解約理由が特定できて、サブスクの解約率が減少しました。運営チームも育ってきて、会員が増えても余力を持った運営ができるベースが整いました。これで会員数が増えても問題なくサブスクを成長させることができます。ここまで来たら次は新しい集客経路を開拓しましょう。
集客経路としては、まず広告が考えられます。僕らもYouTubeやFacebookで広告を打っています。広告を打つと、良いことが2つあります。それはお金を使うことで集客ペースを圧倒的に早くできることです。オーガニックの集客はハッキリ言って時間がかかります。広告をやるとお金を燃やすかわりに、オーガニック集客よりも早いペースで見込み客が集まります。
また競合他社や、ジョイントベンチャーのパートナーにアフィリエイトしてもらうのもアリでしょう。英語圏では互いのメルマガリストを交換してローンチを行う方法もあります。また有名メルマガ配信者にお願いすれば、号外広告として有料でメルマガ内に広告を掲載してもらうことも可能です。
集客コンテンツを出し続ける仕組みを整える
オーガニックの集客を行う場合は、集客コンテンツを出し続ける仕組みに投資をすることも考えてください。オーガニック集客を行う上で、集客コンテンツを出し続けることはとても重要です。オーガニック集客は広告に比べて時間が掛かります。そのため、少しずつコンテンツを出しながらそれを長い期間続ける必要があります。
例えば、あなたがYouTubeでスライド形式の動画を出しているとしましょう。その動画を作るために色々な工程が必要です。台本を作る、台本をスライドに起こす、動画を撮影する、動画を編集する、クオリティチェックをしてアップロードする。これらの工程の中で他人に任せられるところがあれば、外注などであなたの負担を軽減します。
そういった外注などを作ったコンテンツ制作を1つの仕組みと考えて、そこに時間やお金を投資するというイメージです。これをやっておくと、誰かが台本を書き、台本からスライドができるのであなたの仕事は撮影だけになります。撮影後のデータは、動画編集者に共有されカットやエフェクトを付けて編集されます。最後に動画の出来上がりを確認する人がいて、アップロード作業をやってくれます。
これはブログ記事を出す場合でも、SNS投稿を行う場合でも同じことです。僕らも実際にYouTube動画を制作する際には、このような分業制で1つの動画を作っています。こうすることで、集客コンテンツの制作が途中で止まる可能性を低くすることが可能です。
集客コンテンツを様々な場所に再利用する
集客コンテンツを出し続ける仕組みが整ったら、次は集客コンテンツを再利用することを考えましょう。例えば、僕らの場合はブログ記事になった文章を台本としてYouTube動画を作ります。ブログ記事は再編集をしてKindleとして出版します。また動画の内容を1つのオーディオブックにまとめてAudibleに出版します。
このように1つのコンテンツを様々なフォーマットとして再利用すると、出来上がるコンテンツの量は爆発的に増えます。コンテンツを1つ作れば、それが5つ6つという風に化けるのです。このようにして限られた作業リソースを使って効率的にコンテンツを出す事が可能です。この戦略は1つの情報を色々な場所で使うことからワンソース・マルチユースと呼ばれています。
KindleやUdemyなどのマーケットプレイスで集客する
自分の集客コンテンツをブログやSNSなどのメディアだけでなく、有料商品としても販売してみましょう。AmazonのKindleや、オンラインコース販売サイトのUdemyでは自分の集客コンテンツに値段をつけることができます。このように自分の商品を出品できる場所をマーケットプレイスと呼んでいます。
マーケットプレイスに集客コンテンツを出すことの利点は、マーケットプレイス自体があなたの商品を宣伝してくれることです。例えば、Udemyに集客用のオンラインコースを出すとUdemy自身がお金を払って僕のコースを宣伝してくれます。Udemyはマーケットプレイスに並んでいる商品を使って、自社サイトに集客をしたいからです。
なので、たまにInstagaramなんかを見ていると自分の商品が広告として流れてきます。端っこに小さくUdemyと書かれていて、Udemyの広告であることがわかります。Udemyなどのマーケットプレイスがあなたに代わってコンテンツを宣伝してくれるのです。このようにマーケットプレイスにコンテンツを出すことで、新たな集客経路の開拓を行うことが可能です。
まとめ:サブスクをスケールさせて収益性の高い仕組みを作る
ここまで会員を増やしサブスクを成長させるための方法を見てきました。最後に要点を4つにまとめました。
- まだサブスクも見込み客リストも無い場合は、まずはサブスクで扱うテーマを決定する。テーマは漠然としたものではなく的を絞った方が効果が強い。テーマが決定すれば、サブスクと集客コンテンツの制作が進められる。
- すでに見込み客リストが集まっている場合は、早めにサブスクを作りローンチする。ローンチすることでそれを必要としている人に早く価値を提供できる。見込み客の数が少ないことを気にするよりも、彼らとのエンゲージメントの強さを気にするべきである。
- サブスクに会員が入り動き始めたら、さらなる成長のための施策を行う。まず解約率を下げる施策を行い、運営チームの増強などを行う。その上で広告やマーケットプレイスなど新たな集客経路の開拓を行う。
- オーガニック集客を行う場合には、集客コンテンツを出し続けられるよう外注などを使って制作プロセスを整えると良い。制作プロセスがうまく回るように投資をするという考え方が必要である。