あなたは会員が満足して毎月継続してくれるサブスクを作るにはどうしたら良いか?と考えているかもしれません。あなたが会員の成長や問題解決を助けるサブスクやオンラインサロンを運営していると仮定します。会員の解約率を下げる方法をお伝えしていきます。
実は同じようなコンテンツを提供するとしても、その提供方法を変えるだけで会員の満足度を大きくアップさせる方法が存在します。会員がコンテンツに満足すれば、来月もサブスクを継続してくれる可能性が高まります。会員の解約率を下げることは、サブスクにおいて重要な問題です。それでは早速コンテンツの提供方法について解説していきましょう。
今回お届けするノウハウはこちら
そもそもなぜ会員は解約するのか?
会員の解約率を下げる施策を打つ前に、まずは会員がサブスクやオンラインサロンを解約する理由を考えてみましょう。そもそもなぜ会員が解約するのかを理解することで、適切な対策ができるようになるからです。
結論からお伝えしてしまうと、会員が解約する理由で一番大きいのはコンテンツの量に圧倒されてしまうことです。つまり、量が多すぎてどこから手を付けてよいか分からないからです。結果的にコンテンツを消費しきれないと感じて、辞めてしまうのです。
会員が解約する理由には、表面上はいくつかの種類があります。あなたも何かのサブスクを解約したことが1度はあるはずです。その時に何を考えて解約したのかを思い出してみてください。例えば金額が高すぎる、コンテンツに魅力を感じなくなった、コンテンツを見なくなった。などがすぐに挙げられます。
つまり、会員がサービスに満足できなくなったときに解約をするのです。これらをもう少し詳しく見ていくと、根本的な部分で共通していることがわかります。金額が高いと感じるのは、払っている費用に対してコンテンツが見合っていない。割高感を感じている状態です。
会員の問題を解決するのが目的のサブスクの場合、会員自身が進んでいる感覚を得られないとお金を払う意義を見失ってしまいます。これはコンテンツに魅力を感じなくなったという場合も同様です。あなたのサブスクのテーマに興味を持てないという会員もいるかもしれませんが、その人はそもそもサブスクに入っていないはずです。そのため、あなたのサブスクに入った当時はサブスクのテーマにお金を払うくらいの強い興味を持っていたのです。
つまり、あなたのコンテンツが会員を満足させられなかったということになります。会員が自分の成長や問題解決を目的としている場合は、会員自身が自分の進歩を感じられないと不満がたまります。体重を10キロ減らしたい、絵が上手になりたい、ギターが弾けるようになりたい。会員がこのような目的を持っている場合、自分が進んでいる感覚を得られれば喜んでお金を払い続けてくれるはずなのです。
またコンテンツを見なくなったというのは、単純に会員の生活が忙しくなり見る時間が無くなったこともあるでしょう。ですが、コンテンツが長すぎたり消費しにくい形式で提供されている可能性が高いです。例えば、忙しい人が2時間のセミナー動画を見るのはかなりの努力が必要です。例えば今はYouTubeであっても、30分の動画だと長いと感じてしまうような時代です。このようにコンテンツを見る側にまで配慮がされていないコンテンツは当然見られなくなっていきます。
ネット上を見ていると実際にはこのような、たくさんのコンテンツを用意してユーザーを迷わせているサブスクが非常に多いです。例えば、講義やレクチャーが見放題という風に大量のコンテンツを脈絡なく会員に渡す。これはある意味、運営者側にとっては楽な方法です。
確かにエンターテイメントを求める会員に取っては喜ばれるかもしれません。例えばNetflixやAmazonプライムのようにエンターテイメントの場合は、できるだけ多くのコンテンツがある方が良いです。僕もよくNetflixで映画を見ますが、自分の好きな映画を選べるので量が多いというのは良いことに感じます。
しかし、何か会員が抱えている問題を解決しようというサブスクの場合、とにかく大量のコンテンツを会員に渡すというのは逆効果になります。なぜなら会員の望んでいることは、多くの動画を見ることではなく自分の問題を解決することだからです。その場合、会員が喜ぶコンテンツというのはなるべく短く、かつ最短経路で自分の問題を解決してくれるコンテンツです。
会員の解約を防止する方法
では実際に会員の解約を防止するには、どのようなコンテンツをどのような形で提供していけば良いのでしょうか?そのためには、次の2つの戦略を行ってください。
- カリキュラムに沿ったコンテンツを作る
- 1つのコンテンツをバイトサイズに区切る
1つずつ説明しましょう。まずカリキュラムに沿ったコンテンツとは、何でしょうか?これは会員が自分の今いる場所から理想の姿に近づくための道筋を、1つのカリキュラムのようにまとめたものです。ギターを弾くのであれば、まずはギターの扱い方から学んでいく必要があります。そして指の抑え方や引き方といった風に徐々に難しいものに移行していきます。
こうした1つ1つの段階をカリキュラムにまとめて、会員が順を追って成長し問題を解決できるようにします。カリキュラムがあることで、会員は自分が今どの段階にいて、どこに向かっていけば良いのかを把握することができます。こうしておけば会員が次にどのコンテンツを見れば良いのか、迷うこともなくなります。
会員はカリキュラムに沿って1つ1つの課題をクリアしていけば良いので、確実に前に進んでいくことができます。次に何をしたら良いのか?も非常に明確になります。また全体が大きなカリキュラムになっているので、自分がどこまで進んだかと確認できるのもモチベーションの維持に寄与します。
もう1つの方法は、コンテンツをバイトサイズに区切ることです。バイトサイズ(Bite Size)とは、英語で一口サイズを意味します。つまりコンテンツを消費しやすい単位に細かく区切ることです。例えば30分の動画があった場合、それを5分の動画に分解するといった具合です。合計で6本の動画に分かれますが、1つ1つのサイズは短くなり隙間時間でも見られるようになります。
確かに世の中には長くても質の良いコンテンツは存在します。ですが、コンテンツはしっかりと消費されて初めて意味を持ちます。たとえ良いコンテンツであっても、会員が見やすい長さにするということには十分な意味があるのです。コンテンツだけでなく、会員に出す課題などもなるべく一口サイズに刻んであげてください。
例えばコンテンツの中で「実際にギターを買いにいきましょう」という課題を出したとします。でもこれだけだと、どんなギターをどのように選んで購入したら良いのかわかりません。一口が大きすぎるのです。そこでこの課題を細かく刻んであげます。
「予算はいくらですか?」「買うべきギターの種類は?」「派手なブランドものが良いか、地味でも堅実なブランドが良いか」など、考えるべきことがたくさんあります。それらを1つずつ会員に考えてもらったり、ワークシートに記入してもらうという方法が考えられます。
そういえば昔僕がプログラミングを学んでいたころ、バイトサイズで勉強しやすいサイトがありました。ドットインストールというサイトです。このサイトは1つの動画が3分です。例えば1つのコースが60分あったとしても、1つの動画が3分以内にまとまっています。3分だとすぐ視聴できてしまうので、受講生は1つずつこなしているうちにあっという間に1つのコースを修了してしまうのです。
もう1つ例を紹介します。言語学習アプリのDuolingoです。僕も毎回言語を学習するときは、Duolingoを使って隙間時間に勉強しています。Duolingoは1日5分ほどで少しずつ単語やフレーズを覚えられるよう工夫されています。1回のレッスンがとても短いので、ちょっとした待ち時間などにもすぐに勉強できるようになっています。
1回のレッスンが短いので集中的に学習する時間が要りません。思い立ったときにサッと始めて、サッと終わりにすることができます。このDuolingoを使った言語学習はずっと僕の習慣になっています。これもコンテンツをバイトサイズにして成功している素晴らしい例です。
このようにサブスク内のコンテンツを体系的なカリキュラムとして作ることはとても重要です。それと同時に重要なのが、コンテンツをバイトサイズまで細かくするということです。この2つを満たす形であなたのコンテンツを提供してください。
まとめ:体系的なカリキュラムを一口サイズに区切る
ここまで、サブスクの解約率を下げるためのコンテンツの提供方法をお伝えしてきました。最後に要点を3つにまとめました。
- 会員がサブスクを解約する最大の理由は、コンテンツの量に圧倒されることである。量ばかりが多く、消費しにくいコンテンツは会員の問題解決を停滞させ満足度を低下させる。
- 会員が自分の進歩を感じることができるコンテンツにするには、理想の状態に向けて一歩ずつ前進できるようなカリキュラム形式のコンテンツが最適である。
- コンテンツを一口サイズになるべく細かく区切って提供すると、会員はコンテンツを消費しやすくなる。