今回は、あなたの会員制サイトでどんなコンテンツを提供するのかについて考えていきましょう。本レクチャーでは、あなたが会員制サイトで提供できる全てのコンテンツのタイプについて、より詳しく解説をしていきます。
しかしより良いコンテンツを作成したいのであれば、とても重要な事実に目を向けなければなりません。その事実とは、「さまざまな様式でコンテンツを提供していくべき」だということです。
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状況に合った様式はコンテンツの価値を享受しやすい
数年前、僕はトニー・ロビンズのNew Money Mastersという会員制サイトに入っていました。日本ではアンソニー・ロビンズと呼ばれていますね。ここでは彼をトニーと呼んぶことにしましょう。
トニーは、毎月全てのメンバーに複数のコンテンツをパッケージし、提供していたのです。パッケージの中には、DVDやオーディオCD、ワークブックやその他さまざまなコンテンツが入っていました。
もし彼がDVDだけ、オーディオCDだけといったような単一の様式でコンテンツを提供していたとしたら、僕はすぐに会員制サイトを解約していたでしょう。具体的に僕の例を挙げていきますね。
複数の様式はそれぞれ最適な時間に合致する
僕はコンテンツの様式の中でも、特にオーディオ・フォーマットがお気に入りです。当時も今も週に3回ほどスノボをしにいくのですが、山や室内スキー場まで行くのにかなり長い距離を運転しなければなりません。だからその時間を無駄にしないためにも、コンテンツを消化して勉強を進めれば効率がいいですよね。運転中なら、音声を流しながら聞けるオーディオコンテンツが最適なのです。
もし提供されるのが書籍形式だったら?ビデオ形式だったら?車の運転中に見ることはできませんよね。でも、オーディオだったら…つまりCDやMP3の形式だったら、聴覚を使って学びたいことを全部学ぶことができるわけです。
もしトニーの提供しているコンテンツが、全てDVDフォーマットだったら…おそらく彼のコンテンツを使うことはなかったでしょう。それはつまり、会員制サイトの価値を実感することができなかっただろう、ということです。
トニーは自分のコンテンツをテキストだけではなく、CDやDVDにして配布してくれました。だから時間がない時には内容が要約されたテキストを、運転中はオーディオを、時間がある時にはDVDを…といった感じで、その時その時にあった使い方ができたのです。
人それぞれには、学びやすい感覚があります。NLPなんかでは、VAKモデルと説明されていますね。V(ビジュアル)に強い人はビデオ講義やテキスト資料などからたくさんの情報を得られますし、僕のようにA(オーディトリー)に強い人は耳から情報を受け取るのが得意です。一方で自分でやってみるまでわからないという人もいるでしょう。彼らはK(キネスティック)に強いのです。視覚情報や聴覚情報よりも、とにかく自分で触ったり食べたりやってみることで情報を吸収します。K(キネスティック)に強い人は身体感覚優位と言われています。
自分のコンテンツを効率よく消費してもらうにはどうすべきか
あなたの会員制サイトのメンバーの中にも、ビデオフォーマットが好きだという人は一定数いらっしゃるでしょう。反対に、オーディオフォーマットの方がありがたいという人もいるはずです。また時間がない人にとっては、テキスト形式がまとまっていて嬉しいかもしれません。可能な限り多くの人の生活に沿うことができるように、さまざまな様式のコンテンツを提供していきましょう。
ただ当然のことではありますが、全ての会員制サイトのモデルで、様式をたくさん用意できるわけではありません。例えば一般的な会員制サイトのモデルであるパブリッシャーモデルなら、毎月のコンテンツ更新に合わせていろいろなフォーマットを用意しやすいでしょう。
ここで鍵となるのは、「どうすれば自分のコンテンツを消費してもらいやすくなるか」について考えることです。ビデオコンテンツを提供しているのであれば、オーディオのみのバージョンは作りやすいでしょう。話している内容をそのままテキスト化しても分かりにくいかと思うので、時間がある限り、喋った内容を要約したテキストを作ることがおすすめです。
ビデオコンテンツも見方を変えればバリエーションが豊富
クリスティーナ・ピーターズのFood Photography Clubは、まさに今回のレクチャーにうってつけの例だと言って良いでしょう。彼女はウェビナー形式でビデオコンテンツを提供するだけではなく、ウェビナー内で使用したスライドすらも提供しています。ビデオを最後まで見る余裕がない場合には、スライドだけを見て、ウェビナーで教えられている情報の本質だけを把握することもできます。
また、クリスティーナはウェビナーの動画だけではなく、より視聴者が理解しやすいようなアレンジがなされたビデオも提供しています。動画の中で写真をレビューしているので、視聴者はどんな写真が良いのか、悪いのかについて理解しやすくなっています。
ビデオコンテンツと言っても、クリスティーナのようにいろいろなバリエーションで提供することができます。直接カメラに向かって話すこともできますし、パワーポイントを使って授業のような感じでレクチャーをすることもできます。
これは僕のTeachableアカウントです。このコースの中では、Photoshopでマグカップの商品モックアップを作る方法についてスクリーンキャスト(画面共有の録画)で説明しています。ソフトウェアの操作方法などを伝えるときはスクリーンキャストがベストです。
これはJVパートナーの竹岡さんと一緒に撮影したコンテンツです。一眼レフカメラを2つ回して、1カメと2カメを切り替えながら自然の中で撮影をしています。スクリーンキャスト同様これもビデオコンテンツのフォーマットの1つです。画面共有だけだと飽きが来るので、適宜このように顔出しの映像を含めることをお勧めします。
これはスライドをスクリーンキャストしたもの。これもビデオフォーマットです。あらかじめ話す内容をKeynoteに落とし込んでおいて、それをもとに喋るだけなので制作が楽です。編集も楽です。
こんな風に顔の前にカメラを置いて一人で話すのが最も典型的なビデオタイプですね。
ビデオコンテンツと言ってもいろんなフォーマットがあることにお気づきでしょうか?あなたの持っている機材と、あなたの持っているスキル、さらには受講生が学びやすいフォーマットを総合的に勘案して選択してください。
サッカーの上達方法をテキストで教えるのは、あなたにとっては楽かもしれません。ビデオを回す必要もないし、Premiere Pro で編集するスキルも必要もない。だけど受講生が学びやすいフォーマットとはいえません。「先生、サッカーのやり方をビデオで教えてください」と思っている受講生がほとんどです。
コンテンツのパッケージを郵送するUPSモデルの切り口
では、UPSモデルの会員制サイトの場合はどうでしょうか。UPSモデルはコンテンツのパッケージを、実際に郵送するモデルです。例えばLeader BoxというUPSモデルの会員制サイトは、リーダーシップを育むためのコンテンツをボックスに詰め込んで郵送します。
Dateboxなども、UPSモデルとしては有名です。これは、デートのために使えるグッズを毎月提供しているサービスです。良いニッチだと思います。ライバルは少ないのに、需要はある。僕もこう言ったニッチをいずれ見つけて物販をしたいと思います。
僕の子どもが好きなUPSモデルの会員制サイトは、Kindness Ninjaです。四半期ごとにアイテムが届けられるのですが、そのテーマは「子どもが周りの人に優しくなるためのチャレンジ」です。このテーマを題材にしたグッズが届くのを、子どもたちはとても楽しみにしています。
素晴らしい映像なので一度は見てみてください。
会員に届けるものを明確にすれば伝え方も想像できる
あなたが会員に届けるものは何でしょうか?まずは、この点を明確にさせたいところです。TeenLife Ministriesという会員制サイトを運営しているポール・エバンスの場合を例に挙げましょう。
TeenLife Ministriesは、子供がいるお母さんやお父さんが対象です。自分の子供に神様とのつながりを見出してもらえるよう資料を配布したり、いくつかのコンテンツを通して理解の手助けをしたりします。複数のコンテンツはあるものの、会員の75%はポールが提供しているパワーポイントのプレゼンテーション資料に魅力を感じているようです。
とはいえそのスライド資料こそが神様を効率よく知れるコンテンツで、お客さんの目線から見ると明確で正しい伝え方だったのでしょう。そこに気付けたポールはよりプレゼンテーション資料に注力し、量よりも質を高めています。
ほかにもコミュニティモデルやコーチングモデルの会員制サイトの場合、お互いに共有できるコンテンツを提供するケースが多いですね。例えばFacebook Liveを使ったメンバーとの交流、ウェビナー、もしくは対面でのコミュニケーションなどが例として挙げられます。
スージー・ダフニスは会員制サイトのメンバーに対し、四半期ごとに交流する場を設けています。彼女は黒子のように立ち回り、メンバー間での交流をできるだけ活発にしようとしているようです。また、ライブを頻繁に行い、メンバーとのコミュニケーションの場を多く持っています。
しかし必ずしも、複数のフォーマットでコンテンツを提供する必要はありません。ただ、スージーがライブでのコミュニケーションに重きを置きつつも、対面での交流を行なっているのには理由があります。それくらいさまざまな形式でコンテンツを提供するということは、多くの会員を惹きつける要素となるからです。
コンテンツを消費しやすくするために選択肢を提供する
あなたの会員制サイトがどんなモデルであったとしても、考えるべきことは同じです。つまり「どうすれば会員があなたのコンテンツを消費してくれるのか」これをしっかり考えてどんな形式でコンテンツを提供するのかを決めてください。そして会員のために考えることが、会員の離脱を防ぎ、ひいてはあなたの会員制ビジネスを成功に導いてくれます。
単一のフォーマットでコンテンツを提供しても、多くの場合問題はないでしょう。しかしさまざまな形式のコンテンツで提供されていた方が、より多くの人を惹きつけ、会員ごとに適した形でコンテンツを消費してくれるようになるはずです。
僕がサッカーへ行く時にオーディオ版のコンテンツを使っていたように、人それぞれに合ったフォーマットというものがあります。特定のコンテンツしか提供しなければ、そのフォーマットに合わない会員は解約するしかありません。なぜなら、コンテンツの価値を手に入れることができないからです。
もしトニーがDVDバージョンのコンテンツしか提供してくれなかったら、僕はすぐに彼の会員サイトから脱退していたでしょう。もちろん、彼が持つ価値も一切、受け取ることはできませんでした。
だからコンテンツをまとめる時には、他の形式で再パッケージできないかについて常に考えておいてください。コンテンツのフォーマットには、ビデオ、オーディオ、テキスト、ライブなど、さまざまな可能性があります。
そして再パッケージを念頭に置くと、コンテンツづくりの際も非常に効率的です。複数のコンテンツをゼロから作り上げるよりも、形を変えるだけならあなたの手間は最小限ですよね?しかし会員にとって、自分に適したフォーマットが用意されるだけで、価値を最大限に受け取れるようになるのです。
まとめ:それぞれに合ったフォーマットはコンテンツ消費を加速する
今回のレクチャーでは、さまざまな手段であなたのコンテンツを消費してもらう考え方について触れました。あなたがこのレクチャーを修了した後、すぐにするべきことは、「どんな様式でコンテンツを提供できるか考えること」です。
あなたが最も慣れ親しんだコンテンツのフォーマットは何でしょうか?どうすれば同じコンテンツを、他のフォーマットで提供できるでしょうか?これらについて、ぜひ考えてみてください。
ここまでの内容で疑問や不明点、その他質問などはございますか?もしあれば、下のコメント欄で教えてくださいね。あなたのコンテンツが、どんな姿形に変わるのか楽しみです。それでは、またお会いしましょう。
ワークシート2:会員制サイトに魅力的なコンテンツを用意する
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