今回のレクチャーでは、会員制サイトをもっと販売するプロダクトローンチ・フォーミュラに基づくビデオシリーズについて解説します。たローンチ・ビデオ・プロセスについて、実施する際の注意点を解説します。僕はこのプロセスを、一定のルールの上で行ってきたからこそ、反応の取れるプロモーションを作ることができています。
まずは簡単な復習から。会員制サイトは4本のビデオからなるプロモーションで販売しましょう。ビデオ#1は「ビジョン」です。ビデオ#2は「最初の一歩」です。ビデオ#3は「設計図」でビデオ#4は「セールス」です。ビデオ#1で「あなたはこんな風になれますよ」と伝え、ビデオ#2でそのビジョンを達成するための最初のステップを実行してもらい、ビデオ#3でビジョンに到達するまでにやるべきことを全て提示し、ビデオ#4であなたの商品やオファー内容について詳細に説明します。
それでは、早速見ていきましょう。
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どんなローンチでも同じプロセスで実施する
僕が何度もローンチを成功させてきた理由の1つは、どんなローンチであっても同じプロセスを実施してきたからです。僕は、たとえ高額のオンラインコースを販売するときであっても、定額の会員制サイトをローンチするときであっても、全く同じようにローンチ・ビデオ・プロセスを適用させてきました。多くの人は月額2,000円の会員制サイトと1万円の会員制サイトで、扱いを変えてしまうことでしょう。おそらく、前者の会員制サイトをローンチする際には全力でローンチ・ビデオ・プロセスを実施しないはずです。
しかし、それは大きな間違いです。どのような会員制サイトでも、大成功を収めたいならば、等しく全力でローンチ・ビデオ・プロセスを実践するべきです。そうすれば、より多くの人が加入してくれるでしょう。
僕たちの商品レパートリーのうち、一番安いものはコンプリートバンドルの月額¥5400です。コンプリートバンドルは、いわば看板商品です。多くの人がセールスファネルの入り口でこの商品を購入し、石崎の実力がどの程度のものが確かめます。そこで説明している内容や、提供されているノウハウが優れていれば後続の商品も購入してくれるだろうし、さらに後ろのコンサルティングや業務委託なども購入してくれるかもしれません。
商品の値段に関係なく、全てのローンチプロセスや商品自体に全力を注がないと、ビジネス全体の売上は伸びていきません。僕たちの場合であれば、コンプリートバンドルの売れ行きに応じて、後続商品やコンサルティングの売れ行きは変わっていきます。たかだか毎月5400円しか得られないのだから、と僕がフロントの商品を軽視していればバックの商品まで売れなくなるわけですから、コンプリートバンドルも真剣に販売しています。
継続的にプロモーションを改善していますし、言い回しや切り口を変えたスクリプトを何度も書き直し、撮影を繰り返しています。例えばOSB2.0という商品のプロモーションビデオを作るために僕たちは8ヶ月もの間、家族で世界を回りながら撮影をしました。でも一回作ってしまえばあとは手放しで商品が売れていきます。もちろんこのOSB2.0のプロモーションにも今から紹介するプロセスを使いました。継続的にプロモーションを改善しているコンプリートバンドルにはそれ以上の労力をかけています。
僕が言いたいことはこうです。
安い商品も全力で売りましょう。安い商品も高い商品を売るときと同じく決まったフォーマットで販売しましょう。
マーケティング・プランによってはプロセスのアレンジも必要
ただし、これはクローズド・マーケティング・プランを中心とした考え方です。もし、あなたがオープン・マーケティング・プランを行うのであれば、プロセスをアレンジする必要があります。オープンの場合は継続的なプロモーションを行っているはずなので、継続的にビデオ・ローンチを行うのは厳しいでしょう。少なくとも、クローズド・マーケティング・プランと比べて小規模なプロセスになることは間違いありません。
OSB2.0は締め切りを設けたクローズド・マーケティング・プランを採用しています。一回作ってしまったらあと数年は使い続けるだろうなと思って8ヶ月もかけてプロモーションビデオを作りましたが、もし僕たちがオープン・マーケティング・プランを採用していたら、ここまで力を入れてビデオシリーズを作ることはありませんでした。
同様に、UPSモデルのようなサブスクリプション・サービスを行っている場合も、ローンチ・プロセスが多少異なってくるでしょう。
昨夜、午後8:55に、HelloFresh からベジタリアン向けの食材とレシピブックが届きました。1週間で家族四人分の食材が4食分箱で届きます。小さな子供がいるので大助かりです。だいたい1食30分ほどで完成します。買い出しも行けなくて、料理を作る時間もない時に、健康的なおいしい食事を作れるので非常に助かっています。
もしこのHelloFreshがクローズド・マーケティング・プランを採用しており、例えば毎年4月に一回だけしか新規会員を募集しなかったとしたら。きっと僕たちは彼らの顧客にはなり得なかったはずです。ちょうど、妻が妊娠しているときにHelloFreshの広告を見て、いいタイミングだと思い加入しました。彼らがオープンマーケティングを採用していたからこそ、僕たちはベストなタイミングで入会できました。HelloFreshに限らず、投資情報や医療分野などのサブスクリプションも、随時募集をするオープン・マーケティング・プランを採用した方がいい結果を得られます。
ただ、ここまでお話ししたローンチ・ビデオ・プロセスを応用することはできます。UPSモデルのサービスに関する重要な概念を伝えること、UPSモデルで郵送するものが会員にとってなぜ有益なのかを話すことはできるはずです。このように、会員制サイトのモデルに応じて、ローンチ・ビデオ・プロセスをアレンジする必要があります。
石崎力也のローンチ・ビデオ・プロセス
ここからは石崎の作ったビデオを元にローンチ・ビデオ・プロセスを確認していきましょう。今でも広告で運用しているセールスファネルです。もう5年ほど前に作ったビデオ・シリーズですがいまだに売上を計上し続けています。
1つ目のビデオ:機会、ビジョン
まず最初のビデオで、いまだに単発決済だけで商売をしている人たちに警鐘を鳴らし、サブスクリプションに移行することでどんなハッピーな生活が待っているかを提示しました。
単発決済で苦しんでいる人たちの特徴を記述しました。専門家なのに、創造的じゃない作業に時間を取られている。例えば毎日誰も読んでいないブログやメルマガを書いたり、さほど集客に繋がっていないYouTubeでYouTube向けの視聴者にレベルの低い話をしたり。それだけ時間を切り売りして働いているのに売上がアップダウンするのに疲れている。
そんな単発決済で苦しんでいる専門家たちを助けるのはサブスクリプションの導入しかありません。すでにお金を払いたがっているたくさんの顧客がいるんだから、彼らにサブスクリプションをオファーして、一度の契約で、次の12ヶ月間、3年間、5年間、毎月決済をしてくれるお得意様に変えてください・・・と機会を提供しました。
すでに結果が出ている仕組みをあなたが理解することです、とも強調しました。もしサブスクリプションの導入に成功すると、次のようなリターンがあることを明確に伝えました。
この仕組みは単にお金を生み出すだけではありません。もちろんノウハウを実装すればお金はついてきます。でもそれ以上のリターンがあります。働きたい人とだけ働いて、好きな場所で仕事し、家族と世界中を旅行しながら生活することができる。
・・・
ビデオのいいところは、テキストと違って、背景を見せられるところです。僕がただ口で「家族と世界旅行しながら生活できる」と言っても誰も信じてくれないし、それをブログやメルマガで書いたところでインパクトは小さいですが、映像でそれを表現できれば一発で信じてもらえます。僕たちは実際に、この4本のビデオを家族と一緒に世界を回りながら撮影しました。
2つ目のビデオ:最初の一歩
良い商品は持っているのに決済方法をミスっているせいでビジネスがうまくいっていない専門家に対して、一本目のビデオでサブスクリプションの導入を勧めました。彼らが最初にやるべきことを2本目の動画で説明します。サブスクリプションの導入や、会員制サイトの運営方法なんて百万通りあるし、やらなきゃいけないこともたくさんあります。それらを全て伝えると、見ている人は圧倒されます。
だから1つだけを選んで、それをやってもらう。
僕たちはサクセスパスの作成を最初の一歩として設定しました。サクセスパスを作る過程は本当に楽しいです。僕が自分でやっていても楽しいし、何よりサブスクリプションをローンチしないといけないような気になってくるから不思議です。
このようにワークシートも提供しています。ワークシートに書き込む人ほど成果に繋がりやすいというデータを僕たちは持っているので、チャンスがあればワークシートを提供しています。
3つ目のビデオ:設計図
3つの目の動画で会員制サイトをローンチするために必要な全てを伝えました。とは言っても、先程のビデオ#2と同様、細かいところまで全てを伝えると相手は圧倒されてしまい「自分には無理だ」と思うことでしょう。例えば会員制サイトを構築するのに必要なTeachable というシステムの、CNAME設定も絶対にやらなければいけないタスクの1つですが、そんな細かいことは設計図には含めません。
重要なポイントに絞って、かつ大事な情報を漏らさないように網羅的に伝える必要があります。何より重要なのは、設計図をみた人が「これで会員制サイトを成功させる方法がわかった。私もやりたい」と思ってくれることです。
クラウドワーカーさんに頼んでPDFをデザインしてもらうとより魅力的な設計図が完成します。1つの情報を複数のモダリティで渡すことがポイントです。口で説明して、テキストで再度言及し、ワークシートに書き込んでもらう。あなたの情報を摂取すればするほど、行動すれば行動するほど、プリローンチの段階で、いよいよあなたの販売する商品を購入したいと思うはずです。
4つ目のビデオ:ローンチ
さあ、いよいよセールスです。遠慮せずに売り込んでください。
買えない人に買わせようとするから、どういうふうにセールスしようか迷うんです。違います。
買える人に買ってもらうのがセールスです。嘘をつく必要もないし、誇大表現も不要です。等身大のあなたの実力と商品のスペックを4本目のビデオで提示しましょう。
そもそも多くの人に買ってもらうことを意図したセールスではないので、むしろ絞り込みの表現を僕は多用します。例えば次のようなフレーズです。
- じゃあこのOSBの対象から外れる人は誰か?OSBの参加費を払えない人です。当たり前ですね。年収でいうと、2000万円以下の人です。実業家なら、年商1億円以下の人も対象ではありません。
- さらにテクノロジーに疎い人もダメです。自分でWordPressをインストールできないような人はこのOSBについてこれません。
- さらに英語を読むことにメンタルブロックのある人もダメです。講義は僕が日本語で行いますが、まだ日本でローカライズされていないプラットフォームをいくつか使うので、英語に苦手意識があると途中で挫折するはずです。
お金のない人、ウェブ周りに弱い人、英語ができない人はこの商品を買ってはダメだ、と言い切りました。20万円の商品を買うかどうか迷っている人はそもそも商売人としての素養がないと僕は考えます。彼らが会員制サイトをローンチしたところできっとうまくいかないでしょう。すでにある程度の顧客数を抱えているか、十分なビジネスの経験がある人は、20万円の商品でも、頭の中でパッとコストとリターンを計算し買ってくれます。そういう人は、会員制サイトをローンチしてもうまくいきます。
あなたのサービスや商品を購入しても成果を出せない人は一定数います。もしかしたら大多数の人は成果を出せないかもしれません。じゃあ最初からそう言った人は排除してしまった方が、僕たちのビジネスモデルを健康なものに保てると信じています。
ローンチ・ビデオ・プロセスの2つの実践例
それぞれのビデオの概要と目的が分かりましたね。ここでは、いくつかローンチ・ビデオ・プロセスの実践例を紹介しましょう。ローンチ・ビデオ・プロセスの基本である4つの要素、つまり1つ目で機会を示し、2つ目で第一歩に焦点を当て、3つ目で概要または設計図を説明し、4つ目で会員制サイトを販売することを頭に入れて読んでください。
例1:Scott PaleyとJoan Garryによる非営利団体のための会員制サイト
最初に紹介したいのは、Scott PaleyとJoan Garryの例です。Joanは非営利事業の専門家です。彼はScottと協力して、より多くの非営利事業が繁栄できるサポートをしたがっていました。
Joanは、ローンチ・ビデオ・プロセスの公式に忠実に従いました。1つ目のビデオでは、成功した非営利団体における5つの柱に焦点を当てました。また、ビジョンをしっかりと提示すべく、実際に成功している非営利団体を紹介しました。実際のところ、NPOの世界で成功するのは本当に稀な話だそうです。しかし、そういった成功が実現できるというビジョンをしっかりと示しました。その上で、成功する非営利団体に共通する5つの柱を紹介したのです。
2つ目のビデオでも、僕がこれまで話した通り、最初の一歩とその次の一歩について話をしました。ビジョンを実現させるため、まずはどこにエネルギーを注ぐべきなのか、どこに焦点を当てていくべきかをビデオで提供したのです。もちろん、彼らも非営利活動を成功させるためには100万以上の要素が必要であることは分かっています。しかし、その100万以上の要素をここで全て話す必要はありません。まず何から始めたらいいのか、どの数字に注目をするべきなのか。彼らのビデオの焦点は、ここのみに当てられていました。
彼らが次のビデオで提示したのは、ビジョンを実現するための設計図です。つまり、会員制サイトの概要ですね。彼らはそのビデオに「The Steps from Messy to Thriving Non-Profit(うまくいかない非営利事業を大成功させるためステップ)」というタイトルをつけました。タイトルの通り、彼らはまとまらない非営利団体をどのように盛り上げていくのかについての全ステップを説明しました。彼らの面白いところは、線状のプロセスではなく、マトリクス状のものを使用して説明していたことです。重要なのは、見込み客が今いるところから、どうやって理想のビジョンに歩んでいけるかを手短に示してあげることです。
最後のローンチ・ビデオで彼らは、会員制サイトのメンバーになることを提案しました。驚くべきことに、彼らの会員制サイトは数回のローンチを経て、数千人規模のものになりました。非営利市場は、他のものに比べると小さいので、いかにローンチ・ビデオ・プロセスが有効であるかが分かりますよね。
例2:Susan GarrettのFacebook Liveを活用したローンチ ・ビデオ
さらに面白い実践事例があります。それまでローンチ・ビデオは、事前に録画しておいたものを公開することが前提でした。しかしSusan Garrettは、この革新を押し進めたうちの1人です。彼女は、録画済みのビデオを使うのではなく、Facebook Liveを活用したのです。
ライブで行うこと以外は全て同じです。最初のビデオでは機会に焦点を当て、2つ目では最初の一歩を提供。次のビデオでは設計図を示し、最後に会員制サイト加入の提案をしました。ただ1つの特異点が、Facebook Liveの機能を用いたことです。そして、もちろん、彼らはローンチを成功させました。
誤解してもらいたくないのは、彼らがユニークなことをやったから成功したわけではないことです。ライブ形式であろうと録画形式であろうと、成功した仲間たちはみんなローンチ・ビデオ・プロセスの目的に焦点を当てていました。見込み客から寄せられた質問にただ答え続けたわけではなく、それぞれのビデオの位置付けに応じて話すべきことを話し、達成するべき目的に向かって実直に突き進んでいたのです。
ブログの最下部に、ローンチ・ビデオの原稿例が用意されています。これを見れば、どんなことを話すべきなのか正確に理解できるでしょう。録画するにしても、Facebook Liveで配信するにしても、事前にこの原稿を確認してください。そして、どんな言葉遣いにするべきか、どこに焦点を当てて話をするべきか、ビデオの目的は何なのかをきちんと理解しておきましょう。
ローンチ・ビデオ・プロセスの本質さえ掴めば、どういった方法で映像を配信するにしても、一定の成果を得られるはずです。ぜひ、4つのビデオの目的について、心から理解してくださいね。
まとめ:各ビデオの目的を考えてプロセスを進める
ここまで、ローンチ ・ビデオ・プロセスにおける注意点と実践例をお話ししてきました。
ローンチをする際には、ビデオ以外にもいろいろな要素を用意する必要があります。僕たちは、それら全ての要素を解説していくつもりです。ウェビナーやライブキャスト、Facebook Liveなど、やるべきことはたくさんありますので、がんばっていきましょう。しかし、心配はいりません。それぞれのステップで何をするべきなのか、どこに焦点を当てていくべきなのかを分かりやすく説明します。
また、それぞれをどのタイミングでやるべきなのかについても、まとめてお話しします。ローンチ・ビデオの1〜4はそれぞれどのタイミングで発表するべきなのか、ウェビナーやライブキャスト、Facebook Liveはいつから使うべきなのかなど、初めての場合は全体のプロセスが見えず不安なことも多いと思いますが、大丈夫ですよ。それら全ては、今後のレクチャーで順番に取り上げていきます。
それでは、ブログの最下部に移動して原稿の例をチェックしてください。台本を作る準備ができていない人も、それぞれのビデオがどのように構成されているのか、どういう言葉遣いで話すべきかを確認する意味でも、ぜひテンプレートを見てください。
それでは、次のレクチャーでお会いしましょう。