このレクチャーでは、あなたの会員制サイトビジネスを拡大し、成長させる方法、つまりスケーリングについて紹介します。英語圏で有名なJames Wedmore(ジェームス・ウェドモア)は、会員制を作りスケールさせることで年間で数億円規模のビジネスを築きました。 彼は月49ドルのプログラムを年間50万ドル以上の収益をもたらすビジネスにまで成長させています。年に2~3回しか新たな会員募集をしていないにも関わらず、です。
僕たちには、これまで会員制サイトを作り運営してきた経験があります。だからこそ、新しいビジネスを立ち上げて、成長させて、会員数を拡大させることに加え、人々にビジネスをスケールさせるためのアドバイスをすることが可能です。
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スケーリングのマインドセット
スケーリングの話をするときには、まず考え方から始まります。正しいマインドセットを持って、考え方を変えることから始めましょう。
まず最初に大事なのは「成長は段階的に起こる」ということを知っておくことです。そして、例え正しい行動であっても、それを間違ったフェーズで行ってしまうと、大きな問題が起こるリスクがあります。僕がいつもお客さんに言っているのは「ある地点に来たからといって、必ずしもゴールに辿り着けるわけではない」ということです。
実際の例を挙げてみましょう。 新しいビジネスを始めるとき、最初のうちは袖をまくって「何でもやってやる」と気合が入っている人が多いと思います。確かにスタートアップ時には、その気持ちが必要です。初めてビジネスをする場合、チームやお金などのリソースを持っていないことがほとんどです。最初は、ご自身の努力が大事になります。しかし、ビジネスが軌道に乗り始めて、その規模を拡大する段階にきたら、ただひたすら努力の量を増やすのでは上手く行きません。
もっと具体的な例を出しましょう。James Wedmore(ジェームス・ウェドモア)のオンラインコースに参加しているクライアントの話です。彼女は、自身のオンラインコースを立ち上げで大成功を収めました。しかし、そこで彼女には新たな疑問が生まれました。「もっと成功するために、次は何をすべきか」というものです。成功を手にした多くの人が持つ疑問でしょう。
彼女が次にやろうとしていたのは、また別の製品を作ってローンチし、お金を稼ぐことでした。ゼロからやり直して、別のオンラインコースを作ろうとしていたのです。しかし、Jamesは彼女を止めました。そして「今あるオンラインコースをもっと成長させよう」と言ったのです。今、売れているオンラインコースの活用ポイントはどこにあるのか。何をすれば、より拡張性を高めて成長させることができるのか。それについて考えるように言いました。Jamesのアドバイスに従い、彼女は新たにオンラインコースを作るのではなく、既存のオンラインコースを拡大させることに注力しました。その結果、12ヶ月で1億2000万円の売上にまでなっています。そして、彼女は今年それをさらに拡大しようとしています。
会員制サイトをスケーリングさせる4つのポイント
ビジネスを拡大させていくためには、正しいポイントを押さえ、実行していくことが大切です。ここでは、効率的に会員制サイトを大きくしていくための4つの考え方を解説します。これらは僕とビジネスパートナーの小川さんが愛読する、ティム・フェリスの書籍「週4時間だけ働く」でも繰り返し強調されていて、それはそのまま僕らが働くときの指針にもなっています。
ポイント#1:成長は努力に比例しない
最初のポイントは、スケールアップの哲学についてです。ビジネスを拡大させるためには、立ち上げ直後のように、ただひたすら時間を使って努力するのではいけません。僕らはもっとスマートに働く必要があるのです。
スケールという言葉には「アウトプットを増やすこと」という意味が内在されています。会員数や収入を増やすことに、必ずしも比例したインプットをする必要はないのです。つまり「成長とは、仕事の量に比例した成長ではない」ということです。
ビジネスの拡大に付いて考えるとき、Anna DiGilio(アンナ・ディジリオ)のことを思い浮かべます。彼女は、小学2年生と3年生の教師を支援する、とても人気のある会員制サイトを運営しています。彼女は色々な試行錯誤の結果、会員数を何千人にも増やしました。しかし最近、アンナは考え方の変化について話していました。 「私が今まで通り大量の仕事をすれば、会員制サイトはもう少し大きくなるかもしれない。でも、このままでは大きな飛躍はしないの」まさにその通りです。
1日の時間はみんな同じで、僕たちのエネルギーは有限です。僕たちはそろそろ労働量で問題を解決しようという思考から、卒業しなくてはいけません。だから、本当の意味でビジネスを拡大するためには、自分のリソースを一番効率よく使えるポイントを見つけなければならない。だから、僕はクライアントに考えてもらいたいのです。 自分自身に問いかけてみてください。「自分のビジネスを拡大させるためには何が必要なのか?」
「ビジネスの規模を拡大するには労働時間を伸ばす必要があって、そうすると家族と過ごす時間も、自分の好きなことをする時間も減ってしまう。そして、それはあまりにもコストがかかりすぎる」これは、僕のお客さんからもよく耳にする言葉です。しかし、これは思い込みで、この思い込みが人々の足を引っ張っているのです。僕たちは、ビジネスを構築することは、24時間365日努力することではないという信念を持っています。自分の人生に役立つビジネスを構築することが大切です。より多くの努力でスケーリングするのではなく、より少ない努力でスケーリングすることは可能なのです。これが、第1のポイントです。成長は努力に比例しないのです。
ポイント#2:明確なビジョンを持つ
2つ目のポイントは「明確なビジョンを持つことから全てが始まる」ということです。あなたが意識していようと、してなかろうと、ビジョンはあります。なぜなら、あなたが今までやってきたビジネスは、あなたが持っていたビジョンの結果だからです。あなたは、ある時点で「僕はこれをしよう」と決めたはずで、それこそがビジョンです。
そのビジネスを、仕事を増やすことなく、規模を拡大させ成長させるためには、適切な人材を集め、適切なプロセスを確立する必要があります。そのための最初のステップは、もっと大きな、そして他の人が賛同してくれるようなビジョンを持つことです。ビジョンというのは「どうやったら仕事を辞められるだけのお金を稼げるか」を考えることだけではありません。いつ、どこで、どんな動きをするか、人々にどんな影響を与え、彼らにどんな生活の変化をもたらすのか。いつサービスの提供を開始して、どんな風に世界をより良くしていくのか。このようなビジョンを、あなただけではなく、チームで共有することが大切です。目的を持って、あなたの理想とするムーブメントを作るのです。
多くの人が、ビジョンを重く考えすぎています。マザー・テレサのように、アメリカの有名トーク番組の司会者オプラ・ウィンフリーのように、なにか大きなことをやらなければと考えているのです。しかし、もっとシンプルに考えることが大切です。ビジョンとは、あなたが次に行く場所、次に行う具体的な行動です。
設計図なしで家を建てることはできません。あなたのビジョンを実現するために重要な2つの指標を考えてください。1つ目は、収入の目標です。月に何人のメンバーが欲しいかを考えます。それが終わったら、月や年にどれくらいの収入が欲しいのかを考えてください。2つ目は、どんなインパクトを与えたいのかについてです。人々にどんな変化をもたらしたいのか。そして、変化をもたらしているかどうかを、どのように測定するかも考えます。ケーススタディを通して確認するのか、コメントを通してなのか、あるいはメンバーの話を通してなのか。
ブログの最下部から、あなたのビジョンを明確にするための一連の質問のダウンロードが可能です。これに答える形で、ビジョンを具体的にしてみてください。
ポイント#3:収益を生み出す活動に時間の80%以上を費やす
収益を生み出す活動に、あなたの時間の80%以上を費やすことは大切です。これは「利益の80%が、労働量の20%からもたらされている」というパレートの法則から来ています。ビジョンを設定し、チームで動いていく中で、またはそれがあなた1人だけのチームであっても、収益を生み出す活動に最低限の時間、労力、エネルギーを費やすことができる状態にしておきましょう。
会員制サイトの場合は簡単で、より多くの会員を入会させ、会員を維持することで収益が生まれます。つまり、僕たちの時間の80%はそこに費やす必要があるということです。さて、皆さんは時間の80%を会員の獲得と維持に費やすことができているでしょうか。多くの人は、そうではないかもしれません。 僕たちの場合も、カスタマーサポートの対応に時間をかけてしまったり、1日中ソーシャルメディアを見てしまったりすることがあります。しかし、そうではなく、会員を入会させ、維持することに時間を使うべきなのです。だから、長く働くことではなくて、どこに時間とエネルギーを集中させるかが重要です。
会員を集める新しいファネルを試す、広告をチューニングする、新しい広告クリエイティブを撮影する、ライブプロモーションのスケジュールを作成する、会員を維持するためのマンスリーコンテンツが自動で出来上がる仕組みを作る。これら全ては、会員の獲得と維持という利益に直結した活動です。ここにあなたの大事な時間を使ってください。労働量ではなくビジネスへのインパクトで、ご自身の仕事を評価する癖をつけてみてください。
利益を生み出す活動に大事なリソースをつぎ込むために、僕らはそれ以外のビジネス活動を積極的にクラウドワーカーさんの手を借りて仕組み化しています。カスタマーサポートのメールに返信する方、ブログ記事を書いてくれる方、ワークシートなどコースのマテリアルを作ってくれる方、動画編集や広告クリエイティブを作ってくれる方、こういったことは全て小川さんが仕組み化しています。
ポイント#4:より少なく、しかしより良く
ここまでの話は、最後のポイントにつながってきます。最後のポイントは、「より少なく、しかしより良く」です。これはグレッグ・マキューンの「エッセンシャル思考」にも繰り返し書かれていることです。
僕たちは何に対しても「多ければ多いほど価値がある」と考えがちです。例えばオンラインコースならば、ほとんどの人は「コンテンツが多ければ多いほど会員数が増える」と考えます。そかし、真実はそうではありません。実際には、コンテンツが少ないほど会員数が多いのです。コンテンツが多すぎると、会員はコンテンツ量に圧倒されてしまい、迷子になり、結果的に成長を感じられずに会員制サイトを去ることになります。
実際、メンタリストDaiGoさんのニコニコは、会員数がズバ抜けて多いのですが、解約理由の第1位が「コンテンツが多すぎるため」なんだそうです。僕らの過去の商品でも、量を訴求点にした見放題サービスゆえに「どこから取り組んだらいいのか?」という質問がよく来ていたのを覚えています。オンラインコースにおける価値とは、コンテンツの数ではなく、メンバーがコンテンツを身につけられるスピードにあるのです。そして、僕たちはこの「少ないことは多いこと」という考え方をビジネス全体、つまり成長戦略やプロモーション戦略、ローンチ戦略にも適用しています。
だから僕らはOnline School Building 2.0という商品で、「コンテンツ量で勝負するのはやめましょう」と口酸っぱくお客さんに伝えています。お客さんの成長のために必要なことをリストアップし、それを順番に並べてサクセスパスというロードマップを作り、サクセスパスに沿ったコンテンツを作ることを推奨しています。
規模を拡大するためには、より多くのコースを発表することや宣伝を作ることが大切ではありません。まずは、すでにうまくいっているものをよく見ることが重要です。既にあるものが、どうすればもっと良くなるのか。それを考えることで、ビジネスが大きくなっていくのです。別のレクチャーで具体的な製品の発表やファネル内でのパフォーマンス測定基準の見極め方や、メンバーの取り込み方を紹介しています。そして、別の商品を作って自分たちの手を広げすぎるのではなく、すでにうまくいっているものを最適化して完璧にする方法をお教えします。
まとめ:4つのポイントを押さえビジネスを拡大させる
スケーリングの考え方として、4つのポイントを覚えておきましょう。1つ目は、スケーリングと成長は努力に比例しないことです。2つ目は、明確なビジョンを持つこと。3つ目は、収益を生み出す活動に時間の80%以上を費やすこと。そして4つ目は、「より少なく、しかしより良く」という概念です。いずれも労働量や時間で解決しようとするのではなく、質という観点を意識してビジネスをスケールさせていってください。それでは、またお会いしましょう 。