どうもこんにちは、石崎力也です。
ここからはコンテンツ戦略です。メンバーシップサイトを運営していくわけですが、どのようなコンテンツをあなたが作っていかなければいけないのかを、このセクションではお話していきます。コンテンツ戦略を理解するためには、6つの異なるメンバーシップサイトモデルがあることを理解していただければと思います。
今回お届けするノウハウはこちら
1. 6つの会員制サイトモデル
まずは6つのメンバーシップサイトモデルを紹介させてください。
会員制サイトモデル#1:Publisher Model
Publisher(雑誌)のことです。
会員制サイトモデル#2:UPS Model
クロネコヤマト、佐川急便など。配達するモデルです。
会員制サイトモデル#3:Coaching Model
その名の通りコーチングです。お客さんをコーチング、コンサルティングしていきます。
会員制サイトモデル#4:Community Model
コミュニティに参加することでお客さんにインセンティブを与えるというか、「そのコミュニティに属したい」とお客さんの気持ちを揺さぶるわけです。それを動機として入会してもらうモデルです。
会員制サイトモデル#5:Drip Model
コーヒーのドリップをイメージしていただければ分かりやすいと思いますが、少しずつ、ぽとぽとぽとと、コンテンツを落としていく。少しずつ順番に公開していくモデルです。
会員制サイトモデル#6:Combo Model
上記5つのモデルを組み合わせます。必ずしも「UPSなら、ずっとUPS Modelでいかなければならない」というわけではなく、例えば「Publisher Model」と「UPS Model」を混ぜてもいいんです。そういう複数のモデルを混ぜ合わせたものを「Combo Model」といいます。
あなたがどういうメンバーシップモデルを選ぶかによって、あなたが提供しなくてはいけないコンテンツタイプって変わっていきますよね。だから最初に6つのメンバーシップモデルを紹介させていただきました。次回以降「自分はどういうモデルなのか」あるいは「自分はどういうモデルを作っていきたいのか」というのを想像しながら読んでください。
2. Publisher Model(雑誌モデル)
まずはPublisher Model(雑誌モデル)について説明させてください。これはメンバーシップサイトの中でも最も典型的なモデルで運営しやすいです。
多くの人がPublisher Modelをやっているし、僕もやっています。Publisher Modelをやっている人たちのソース(情報源)がインターネット上には散らばっていますから、彼らのブログとかを読むなり、あるいは彼らのメンバーシップサイトに自分が参加してみるなりすればどういう風にしてこのPublisher Modelを運営しているのかが分かるので、比較的真似しやすい、自分でも構築しやすいモデルだと思います。
Publisher(雑誌)というくらいなので雑誌をイメージしていただければと思います。その時々のトレンドを押さえたコンテンツを作っていくわけですよね。日本だったら「少年ジャンプ」。これは週間ですね。毎週決まった曜日に発行(Publish)されます。少年ジャンプの月間バージョン、もちろん毎週コンテンツを出せる場合は週間でやってもいいです。これがPublisher Modelです。
なぜあなたがコンテンツを出さなければいけないかというと、シンプルにサクセスパスを作り、そのサクセスパスの先に先に先に・・・進んでもらうためです。お客さんに僕たちがレギュラー(定期的)にコンテンツを出していくということです。大事なのは”Less is More”です。少なければ少ないほうがいいです。
「コンテンツをたくさん上げなければいけない」「コンテンツを上げれば上げるほど満足度が上がる」と思っていると思います。会員制サイトをやめる最大の理由は”Overwhelm”(圧倒される)です。コンテンツ量に圧倒されるということです。「石崎さんコンテンツたくさん出してくれているのに、全然こなせてない」と思った瞬間にその会員制サイトをやめていくということです。
だから少なければ少ないほうがいいです。お客さんが3つのビデオを見て成功できるのであれば、わざわざ5つのビデオを出す必要がないということです。コンテンツ量に圧倒された瞬間にお客さんは会員制サイトをやめるので、「コンテンツを上げれば上げるほどいい」という発想はいますぐ捨ててください。
Christina Petersさんの「Food Photography Club」
フードフォトグラフィーですから、どういう風に綺麗に食べ物の写真を撮りましょうか、というものです。僕の奥さんもフードフォトグラフィーに興味を持っています。実際にものすごくおしゃれですよね。Christina Petersさんも毎月オンラインコースを出していっているわけです。
「こういうセッティングでこういう風に撮りましょう」「光の具合はこうしたらいいですよ」「今回はこういう撮影場所を使いました」みたいな感じで、どうやって食べ物を美味しく美しく見せるか、というオンラインコース、メンバーシップサイトを運営しています。
Joan Garryさんの「nonprofit LEADERSHIP LAB」
nonprofitですから非営利ですね。NPOみたいなものです。非営利団体としてどういう風にして成功していくかということです。” Small Nonprofits. Big Impact. ”いいですね。かっこいいキャッチですね。この方もPublisher Modelで、毎月定期的にコンテンツを出しています。
Michael Hyattさんの「Platform University」
文字通り、Platformを構築しましょう。それに関する情報を全部渡していきますよ、というものです。Michael Hyattさんに限って言えばニューヨークのベストセラー作家なので海外では多くの人が知っています。実際に年間365日のうち200日以上を世界中で講演、スピーチに費やしています。ですがその傍らこのPlatform Universityを運営しています。
以上がPublisher Modelの説明でした。
3. UPS Model(配達モデル)
UPS Modelとは配達モデルのことです。メンバーシップサイト、会員制サイトとなると、何か学ぶためのグループであるっていう印象を受けます。別に常に学んでいないといけないわけではなくて、学ばないメンバーシップサイトのモデルもあります。その典型がこのUPS Modelです。
「学ぶ」というよりも「物が届く」というところにお客さんは満足感を感じている、あるいはそれが欲しくてこのUPS Modelを選んでいると思います。実際に僕も、かつてはバリスタのマシーンを無料でレンタルしていました。最後やめるときにはこちらが送料負担で送らないといけませんが、それまではずっとマシーンを無料でレンタルできます。
定期お届け便で月々4000〜5000円以上頼むとこのマシーンが無料レンタルできます。マシーン自体そんなに高くはありません。僕はコーヒーが好きで、どんどんマシーンをレベルアップしていって、今はもう自分で豆から挽いています。ですがその前は、ずっとこのバリスタを使っていました。月に1回バリスタ専用の豆が届くわけです。これがUPS Modelです。
例えば「the FRESH20」
“WE PLAN DINNER SO YOU DON’THAVE TO”(私たちはあなたのディナーを計画します。あなたがしなくてもいいです。)実際に食べ物が届きます。ミールプランがあって、クラッシックなものからベジタリアン、グルテンフリー(小麦粉を使わない)、牛乳とかを使わない、ランチ、ビーガンなどあります。
ビーガンとベジタリアンの違いは、ベジタリアンは野菜しか食べませんが、ビーガンは乳製品すらも取らないです。動物が作るもの、チーズとかミルクとかも一切取らないというのがビーガンです。このような感じで「オーガニックフードが食べたい」となったらオーガニックフードを選び、毎月箱で届きます。これがUPS Modelの典型です。
「happily」
「今日デートしましょう」となった時、家でNetflix見たり、ウィンドウショッピングしたりするんですかね。そうではなくきっかけ、「豆を一緒に入れてコーヒーをドリップしましょう」とか、そういうデートネタ、「これをやったら盛り上がります」みたいなものが箱で届きます。
ラブレターとか。「今まで一緒にいてくれてありがとう、これからもよろしく」みたいなこういう甘いメッセージを書いたりするわけです。あとはデジタルコンテンツのクラスが届きます。実際にボックスでデートネタが届きます。「今日はこれしましょう」「こんなのしたらいいのではないでしょうか」というのが箱で届きます。こういうの面白いですよね。
「Post Coffee」
日本のものでいうとPost Coffee、またコーヒーネタで申し訳ありません。Post Coffeeは豆が届きます。毎月1280円〜始められます。素敵ですね。僕、これ日本にずっといるならばやりたいです。
「月刊ビジネス選書」
皆さんご存知のDIRECT出版さんの月刊ビジネス選書です。2980円で毎月新しい本が1冊届きます。これはただ単に本が届くだけではなくて、電子書籍ライブラリー50冊以上が読み放題です。フィジカルなプロダクトだけではなくデジタルなものも用意されています。Click Funnelsを作ったラッセルブランソンさんも、このパターンをよく使っています。
このパターンというのはつまりデジタル+フィジカルです。手で触れるようなものだけではなく、デジタルなものを送っています。オンラインコースとかはデジタルで送って、教材、本、ワークブックとかはフィジカルなものを送ります。ラッセルさんからすれば僕が日本にいるときは海外です。ラッセルさんの商品を購入すると国際便で届きます。デジタル+フィジカルなもの、配達の組み合わせです。
以上がUPS Modelです。
4. Coaching Model(コーチングモデル)
「お客さんをこの地点からあの地点へ連れていってあげます」「成功に導きます」「あなたの目的を達成するためにお手伝いさせてください」というのがCoaching Modelです。配達モデル、雑誌モデルに比べてより実践的というか参加型です。あなたがお客さんとの距離を縮めて、彼らの成功に関与していく。聞こえはすごいいいですけども労働集約型ですから大変ですよね。
一人一人のお客さんに付き添って成功をお約束するわけですから負担は大きいです。雑誌モデルなんかは、コンテンツを作って「あとは自由に見てください」という感じです。コーヒー豆の配送に関しても「とりあえず飲んでくれたらそれでいい」みたいな感じです。
でもこのCoaching Modelはお客さんの結果にコミットメントしなくていけませんから、もちろんそんなたくさんの受講生、クライアントを一気に募集することもできませんし、大幅に人数を限定した状態でやらなくてはいけません。労働集約型のビジネスになりがちです。その代わりお客さんの単価、サービスの単価は上がります。デジタルコンテンツの月額課金なんて1000〜5000円くらいです。
ですが税理士さんの顧問契約とか、そういうのを考えていただければ分かりやすいと思いますが、数万円はくだらないですね。何十万円を毎月払っている方もおられます。フリーランスで。企業、法人なんかだともっとお金を払わないといけません。それはこのCoaching Model。よりその人の時間を使うというか拘束するモデルだからこそ単価が高くなるのは仕方ないです。
Coaching Modelでいくつか紹介させていただきます。
Suzi Dafnisさんの「Her Business Premium Membership」
女性が起業しましょう、というものですね。起業のお手伝いをさせていただきます、というものです。
Belinda Rosenblumさんの「Money Makers Academy」
「お金作ろうぜアカデミー」みたいな感じですかね。URLに”ownyourmoney”(あなた自身のお金を持ちましょう)とあります。強い女性ですね。夫に頼らず自分でお金を作りませんか、と。
Beth Kinderさんの「Remade」
“What is Remade Mentorship?”メンバーシップではなくメンターシップ。「あなたのメンターになってあげます、私にお手伝いさせてください」というものです。
神様との個人的な繋がり、宗教的なこと、「教えをよく理解することであなたの人生はもっとハッピーになります。」というのがこのRemadeです。これもただデジタルコンテンツを配布するのではなく、コーチングとしてメンターシップとしてその人に関与していくというモデルです。
以上がCoaching Modelの例でした。
5. Community Model(コミュニティモデル)
「コミュニティやグループに参加してください」というもです。このモデルは会員制サイト、コミュニティオーナーが場所を提供するわけです。どんな場所を提供するかというのは、市場、マーケット、お客さんのニーズによって異なるとは思います。
例えば石崎力也の「いしこん」これはコーチング的な要素ももちろんあります。僕に直接質問できる唯一の場所です。それと同時にコミュニティの要素もあります。「メーリングリスト」は僕だけに質問するのではなくて、自分がメール送信すればメーリングリストに入っている全ての人に届くというものです。Googleグループを使って独自ドメインをとってやっています。これもコミュニティの要素です。
あとは「会員同士のコース作成」。あまりこういうサービスをしているところってなかなかないと思います。うちはオンラインコースを作りたいという人たちが集まっているコミュニティですから、会員同士がお互いのモチベーション、ゴールさえ一致すれば一緒にオンラインコースを作ることができますよね。実際にいくつものコースが毎月出来上がっています。これは僕のCommunity Modelです。
「FILTER FREE PARENTS」
ペアレンティングといえば、子どもを教育する、育てるという意味ですが、「ママ一人ではない」「パパ一人ではない」的な感じのコミュニティを提供しています。実際にブログを読んでみたら面白いです。例えば” Science Says Moms All Need A Bitch Buddy ”とか” You Were The Second.But,Not in My Heart. ”こういうエッセイ的なものもあります。
ここで提供している商品はコミュニティです。プライベートのFacebook Groupに参加できます。月々300円くらいです。HOT MESS EXPRESSというものがあるのですが、ストア全体の買い物が10%オフになったり、コミュニティチャレンジ(色々な課題が出る)に参加できたり、デジタルダウンロードができたりします。何よりPrivate Facebook Groupに参加して、より近い距離で会員同士ででやりとりができます。300円は価格的にも魅力的ですよね。これがCommunity Modelです。
6. Drip Model(ドリップモデル)
コーヒーをドリップする、のドリップです。少しずつポタポタと抽出されていくところからDrip Modelというのが作られたのですが、オンラインコースみたいなものです。オンラインコースと何が違うかというと、例えば「今月はこのセクションが公開されます。次のセクションをお楽しみに。」その次の月になったら「今月はこのセクションを公開します。」みたいな感じで少しずつ公開していくというパターンです。
別名Modular Model(モジュール方式)。第一モジュール、第二モジュール、第三モジュールみたいな感じで少しずつコンテンツが公開されていくという感じです。短くても4〜6ヶ月プランのものがほとんどで、長いと1、2年平気で僕は見たことがあります。2年とかだったら一月に一回、コンテンツを渡すのであれば合計24のレクチャーがくるということです。
「StartupCamp」
あなたのビジネス、中小企業を立ち上げましょうみたいな感じです。ただ単にオンラインコースをバンと渡すのではなくて、StartupCampは12ヶ月です。1年間少しずつコースをドリップしていくという感じですね。
「Orchid Made Easy」
“Orchids Made Easy Green Thumb Club”オーキッド(蘭の花)。ガーデニングだと思ってください。花が好きな人に花について教えます、というものです。”The green thumb club is a 12 month, weekly orchid training program”毎週トレーニングが届きます。合計12ヶ月で完了します、みたいな感じですね。僕のイメージでいうと公文式みたいな感じです。
毎週トレーニングが届くからその通りにやっていけばオーキッド(蘭の花)についての知識やガーデニングについての知識がついていきます、というパターンです。
「American Crochet Association」
編み物です。うちの奥さんも好きです。これもドリップタイプのものです。一気にコンテンツを渡すのではなく、「今週はこれ」「今月はこれ」という風に何年間かかけてゆっくりとマスターしていくというやつです。これがアメリカンクローシェアソシエーションですね。
Drip Modelの例でした。
7. Combo Model(コンボモデル)
コンボモデルです。今まで紹介してきた5つのモデルを組み合わせていくものです。あなたらしく、あなたの実現したいものあるいは、あなたのクライアントが実現したいことの、最適な組み合わせ選んでください、と。
例えば、Publisherスタイルのメンバーシップモデルを用意しているが、同時にCommunityの要素もあったりとか。あるいはDripスタイル、少しずつその商品を出していくが同時にCoachingの要素もあるとか。そんな感じでいろんな組み合わせが考えられます。
ただ大事なのは何がプライマリーかということです。1番重要なファクターは何かと。何回も言いますが会員制サイトが失敗する瞬間ってお客さんが圧倒される瞬間です。
僕たちは販売者として、コミュニティの運営者として、あれもこれもあげたくなります。ですが、その気持ちを抑えて「このコミュニティはこれが1番大事な要素。その上でプラスαの要素もある」という言い方をしなければなりません。だから必ず、プライマリーなモデルを選んで「さらににこういうものがAdd-onとしてついてきます」という説明が重要です。
Combo Modelを採用している会員制サイトを紹介しています。
石崎力也のいしこんプラチナで言えば、メーリングリスト、会員同士のコース作成もできますからコミュニティの要素はありますよね。ですが僕はコミュニティの要素をプライマリーにはしていません。「いしこんはオンラインで完結する石崎のコンサルティングサービス」僕からコンサルティングが受けられます。
つまりプライマリーはCoaching Modelです。Coaching Model以外のコミュニティの要素などはセカンダリーで2番目、3番目です。これが僕のCombo Modelです。
DIRECT出版さんの「月刊ビジネス選書」。これは当然UPS Modelがプライマリーに来ています。ですが電子書籍ライブラリー50冊以上が読み放題というものがあります。つまりデジタルコンテンツが届くというわけです。ただ単にUPS Modelとしてフィジカルな本が届くだけではなくてデジタルにもダウンロードできます。
ただしここにはDrip ModelとかCommunity Model、Coaching Modelも入っていません。DIRECT出版さんの月刊ビジネス選書に関して言えば。
別レクチャーでも紹介した「happily」のメインは”Datebox”です。デートするときのネタが箱で届きます。プライマリーはUPS Modelです。2番目として何がくるかというとデジタルのオンラインコースが届きます。これがおそらくセカンダリーですね。何かを配達するところを1番にしているというUPS Modelです。
繰り返しますがCombo Modelを採用する時にはあれもこれもという感じではなくて、プライマリーなものは何か。そして2番目がこれ、3番目がこれと、順位付けするのがすごく重要です。