今回のレクチャーでは、会員制サイトのコンテンツ作成に関してのヒントについてお話をしていきます。具体的には作業量を減らし、あなたの負担を軽くするための方法です。会員制サイトのオーナーというと、日々コンテンツ作成に追われているようなイメージを持っている人も少なくありません。
しかし、これは古いイメージなんです。なぜならこの考えに囚われたままだと、あなたの仕事量はいつまで経っても減らないのですから。それに、そんな状態ではせっかく9時5時の仕事から解放されても意味がありません。そこで少しでも日々生み出す作業を効率化し、より質の高いコンテンツを生み出しやすくする工夫を提案します。では早速始めましょう。
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コンテンツを生み出す作業の効率化で生産性を高める
コンテンツは定期的に配信しつつ作業を効率化していけば、もう作業に追われる日々とはおさらばです。とはいえ、どのようにコンテンツを制作していけばいいのか?疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。
まずここで覚えておいてほしいのは、なぜメンバーが会員制サイトから脱退していくのかという理由です。どんな理由だと思いますか?ヒントは「あ」から始まる言葉ですね。そう…会員制サイトを辞めてしまうのは、「圧倒されてしまうから」という理由なんです。2019年ごろから海外で Overwhelmという言葉が頻繁に使われるようになったのは、従来の「たくさんコンテンツを渡すことが正義」みたいな風潮を否定するためです。
あまりにも多くのコンテンツが配信され「自分では消化しきれない」とギブアップしたとき、会員制サイトを退会してしまいます。そのため、レクチャーを「一口サイズ」に分割することをおすすめします。
よく「1つのレクチャーは地下鉄一駅分」と表現されます。だいたい2分から3分の間にサクッと消化されるコンテンツ量がベストですよということ。現代人は忙しいですから、1つのレクチャーに20分も30分も費やす時間はありません。次の駅で降りまでにもう1つだけレクチャーを見ておこうといった人がほとんどであることを忘れないください。
かくいう僕も1つのレクチャーが10分を超えると、その途端見る気を失ってしまいます。小さい子供が二人いるので、10分以上集中する時間を与えられていないのです。仕事部屋(という名のベッドルーム)に入りパソコンを開いても「ドンドンドン!」とドアをぶち破る勢いで殴打するのが聞こえます。はいはい、なんですかとドアを開けると「お尻拭いて」とトイレットペーパーを持った息子が立っています。お尻を拭いて部屋に戻ると今度は遠くから僕を呼ぶ娘の声がします。右手にコップを持って左手にミニーのぬいぐるみを持って「水をくれ」と言います。はいはいわかりましたと言いながらコップに水を入れて部屋に戻ると、自分が何のレクチャーを見ようとしていたのか忘れているのが通常です。
僕に限らず、現代人ってこんな感じではないでしょうか。日常を生きているだけで時間が過ぎ去っていく。だからこそ重たい長尺のコンテンツは時代にマッチしていないのです。
コンテンツの量が多いと消化しきれず価値を感じない具体的な例
僕の例を挙げましょう。数年前、僕は妻とともにオンラインコースを購入しました。この当時、僕は妻とともに英語の料理サイトを運営していた頃ですね。しかもOne Shopping CartというEコマース用のソフトウェアから、Infusionsoftというプラットフォームに移行した時期でした。
One Shopping CartからInfusionsoftへの移行は、思ったよりも簡単なことではありませんでした。すでにいろいろな商品を販売していましたし、アフィリエイト契約も結んでいたので、いたるところにリンクを掲載していて作業が膨大だったのです。
だから、移行に関してはかなり大変だったと言えます。でも、Infusionsoftへの移行は正解でした。なぜなら、このプラットフォームがこれまで以上にいろいろな機能を提供してくれたからです。移行作業自体は大変でしたが、今から振り返ってもそれだけの価値があったと確信できます。しかし購入したオンラインコースは、コンテンツの量がとても多いと感じるものでした。
あなたが一日に割ける時間はどれくらいありますか?
僕らは初めからInfusionsoftをフル活用できたわけではありません。右も左も分からないまま、このプラットフォームを使い始めたのですから。だから、Infusionsoftを活用するためのオンラインコースを購入したんです。
このコースはソフトウェアを活用する方法だけではなく、ビジネスを自動化するテクニックも教えてくれるものでした。僕らはInfusionsoftと料理サイトを掛け合わせた壮大なビジョンを持っていたのですが、そのビジョンを実現するためのヒント全てが詰まっていたと言えるでしょう。つまりとても価値を感じていたんですね。
そしてそのオンラインコースは、10のモジュールで構成されていました。それぞれのモジュールは、およそ10〜13のレクチャーから成り立っている構成ですね。僕らはさっそくモジュール1のレクチャー1を始めました。
しかしレクチャーの長さを見ると、なんと90分。あまりの長さに驚きました。そこで全レクチャーの長さを確認してみると、45分〜1時間半のものばかりだったのです。
僕は心配になりました。週にモジュール1つをこなすとすれば、最低でも一週間あたり10〜15時間は確保しないといけないじゃないか、と。そこであなたに質問です。今の生活の中に10〜15時間もの余裕はあるでしょうか?具体的に自分に置き換えてみると、僕の伝えたいことがわかるはずです。
情報量に圧倒されるとコースを進めることさえ困難になる
さて、僕はそのオンラインコースをどこまで終わらせたと思いますか?答えはゼロです。僕はパートナーがなんとかオンラインコースを修了させてくれることを願いましたが、案の定、妻も一切そのコースを進めていませんでした。僕らはそのオンラインコースを結構な金額で購入しましたが、結果としてなんの価値も得ることができなかったのです。
確かに僕らは最初、そのオンラインコースに確かな価値を感じていました。でも、レクチャーの長さからとても大きな壁を想像してしまったんです。あまりにも高い壁を前にすると、あなたも越えようと思うことはなかなか出来ないですよね?確かに価値はあると実感できていたのに。
ただ、僕らはこのコースから素晴らしい教訓を得ることができました。あまりの情報量に圧倒されると、なんの価値も得られなくなってしまうのだと。これは非常に重要なことです。例えばあなたが全力を注いで、たくさん情報を詰め込んだ会員制サイトを作ったとします。そんな非常に価値のあるサイトが、一切活用されることなく辞退されてしまうんです。そんな状態は、ぜひとも全力で阻止したいですよね。
コンテンツは消費されてこそ価値がある
この頃、僕の妻もオンラインコースを購入していました。このコースはレクチャーを短くまとめてくれていて、素晴らしい出来上がりでした。僕自身、妻がそのコースをどんどん進めていくのを目の当たりにしたのです。
このオンラインコースの場合、1レクチャーの所要時間が5分で、作業時間を含めても10分で終わるような形式になっていました。これだけ短ければ空き時間に終わらせることができますし、寝る前のちょっとした時間に「1レクチャーだけでも進めよう」という気になれますよね。
しかも、このオンラインコースはうまく構成されていました。初めのうちは5分だけのビデオだったのですが、受講者が勢いづいてくることを見込んで、8分、10分…と少しずつ所要時間が増えていくんです。
しかし妻は、見事にそのコースを修了させました。このオンラインコースも僕に素晴らしい教訓を与えてくれたのです。「コンテンツは消費するからこそ価値がある」と。この経験を忘れたことは一度もありません。
コンテンツは少しでも消費しやすい形に効率よく
まず前提として、コンテンツは長ければいいというわけではありません。熱量を込めると長くなるのも仕方ないですが、ユーザーは気後れしてしまいます。そのため、コンテンツの長さは週に60〜90分前後で消化できるよう調整してください。
一回辺りの時間を短くしようとすれば、あなたの作業時間も減りますよね?そして短い時間で伝えようとすれば、どうすれば伝わるかと工夫することになります。つまり、より密度の高いコンテンツを少ない時間で生み出せるようになるわけです。
さらにどうしても伝えきれない内容は、いっそのこと次のコンテンツにしてしまうのです。そうすれば複数のコンテンツが一度にたくさん作れますよね。ストックするようにコンテンツを生み出しておけば、あとは定期的に配信するだけです。こちらも生産性を高めるヒントですね。
ライブコンテンツの配信を考えているなら安全策の導入は必須
最後に、もしあなたがライブコンテンツの配信を予定しているのであれば、安全策を用意しておくことをおすすめします。ライブ配信は万一の事態に陥ることもありますので、失敗した時に何かしらの代替案がないと危険です。
これは世界最大のデジタルコンテンツのサブスクであるPlatform Universityで起こったことです。マイケル・ハイアットはコミュニティ限定のライブQ&Aを配信していました。基本的には予定通りのライブ配信ができていたのですが、時にはアクシデントが起こって配信できないこともありました。
しかし不慮の事態が起こったからと言って、単純に「今月はライブ配信なしです」と言うことはできません。そんなことをしてしまうと会員の期待を裏切ることになりますし、何よりもお金を払ってもらっているのですから。会員の不満を溜めてしまう要因になります。
代替案があるとアクシデントが起きてもすぐに対応できる
そこで、マイケルがライブ配信に参加できない時は、その月にインタビューに出演してもらったエキスパートを呼ぶことにしていました。エキスパートがテーマについてより深く話をし、メンバーからの質問に答える機会を用意したのです。
このように代替案を用意しておくと、ライブ配信でアクシデントが起こっても安心です。マイケルが出席できるなら彼とホストで、マイケルが出席できないならエキスパートとホストで。このような形で、彼らは常にライブ配信ができる体制を整えておいたのです。
あなたも会員制サイトでライブ配信をするのであれば、安全策を必ず用意しておくようにしてください。あなたが出席できない場合は、代わりに出演してくれる人や代わりのコンテンツなどといった形ですね。
最も大切なのは、確実に会員へコンテンツを届けられるように準備をしておくこと。アクシデントがあったからといって、コンテンツを提供できない理由にはなりません。メンバーを裏切らないためにも、ぜひ代替案を考えておいてくださいね。
まとめ:コンテンツは短く密度の濃いものを短期集中で作り上げる
本レクチャーで紹介したヒントをまとめておさらいしましょう。まずは、コンテンツを一口サイズのものにすること。これは絶対に実践してください。長すぎるコンテンツは喜ばれないどころか解約の原因になります。1週間に60〜90分程度で消費できるものが好ましいですね。このラインを越えるとコンテンツを消費しきれず、会員に価値を与えられなくなります。
2つ目のヒントは、コンテンツの作成を一括して行なってしまうことです。一度にたくさんのコンテンツを作っておけば、あとは配信スケジュールを決めておくだけです。準備のことも考えると、一気に作ってしまうことが最も作業効率の高い方法ですよ。
最後のヒントは、ライブ配信をする場合には代替案を用意しておくことです。ライブコンテンツにはアクシデントがつきものなので、何かしら他のものを確実に用意しておいてください。困ったときの、あなたの安心感にもつながります。
これでコンテンツ作成のコツが分かりましたね。本レクチャーには課題がありませんので、少なくとも今回お話しした内容を忘れないようにしてください。不明点があれば、遠慮なくコメント欄でお知らせしてくださいね。それでは次のレクチャーでお会いしましょう。
ワークシート2:会員制サイトに魅力的なコンテンツを用意する
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