石崎力也からマンツーマンでコンサルティングを受けている人は、ほぼ確実にサクセスパスを作っています。あなたが会員制サイトを運営するおつもりであれば、僕ならこう言います。「サクセスパスないと、サブスクビジネス失敗しますよ」と。会員制サイトの会員を満足させながら、継続的に成長させるためには、はっきりとした道筋を提供する必要があります。この道筋をサクセスパスと呼んでいます。
今回のレクチャーでは、サクセスパスを構築するためのポイントや、各ステージの特徴、またマイルストーンの概要から、マイルストーンがなぜ重要なのかについて説明していきます。あなたの会員制サイトの会員が、会員であり続けてくれるかどうかの、大切な話になります。心して聞いてください。
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サクセスパスのステージ数は3〜7つがオススメ
これは一緒にお仕事をさせていただいている宮澤医院のサクセスパスです。栄養療法のスペシャリストである宮澤さんからノウハウを学ぼうとたくさんの医療従事者が宮澤さんの元に集まっています。
まずは具体的に、サクセスパスにおけるステージと、各ステージにたどり着いた人の特徴について考えていきましょう。サクセスパスにステージを設定する際には3つから7つのステージに分けるのがおすすめです。ステージが3つより少ないと、サクセスパスを通してあまり進歩することができません。ステージが少ないと経験できる変化が少ないです。
一方、サクセスパスのステージが7つ以上だと、会員は圧倒されてしまいます。サクセスパスに対して気後れしてしまうと「道筋を明確にする」というサクセスパスの目的自体が台無しになります。このサクセスパスは、人々の思考を合理化して「彼らが今どのような状態なのか」や「現状から前進するためにはどのようなことをしなければならないのか」などを明確にすることを目的としています。
宮澤さんのステージは4つに分かれていますね。ステージが2つだとその会員制サイトから学べることは少ないと思われてしまう一方で、ステージ10も20も分かれていたら、ゴールに到達するまでの道のりがあまりにも遠すぎて会員制サイトに入ることを断念される恐れがあります。
ただサクセスパスを全く用意していないサブスクリプションよりかは、まだ10個に分けられたステージの道のりが示されていた方がましです。うまくいっていない小規模な会員制サイトは、会員にゴールを示せていません。曖昧な言葉で会員を勧誘し、曖昧なまま事業をスタートしています。
いざ会員がサブスクリプションを購入しても、会員制サイトに入った途端何をすればいいかわかりません。そしてどこを目指せばいいのかもわからない。明確なゴールがなければ道筋も存在しない。ただ毎月のようにたくさんのコンテンツがサイト内に投げられるだけ。どのコンテンツから消費すればいいかわからない。
こうなると、会員は退会する以外の選択肢はなくなります。
魅力的なサクセスパスを作る5つのヒント
では、サクセスパスを作るためにはまず何をすればいいのでしょうか。答えは、両極端から始めることです。左端から右端に向かって時系列・タイムラインを描くこと、左側に会員の悩みや解決したいことを、右側にそれを解決した状態を描くことをおすすめしています。左端から右端に進歩するにつれて、ステージを登っていくかのようなイメージです。
まずは、最悪のシナリオを考えましょう。それをタイムラインの左端に設置します。その次に一番良いシナリオを右端に設置しましょう。それができたら、中間の段階について考えてみてください。中間の段階について考えるためには、会員がサクセスパスを前進する中で見えてくるであろう大きな変化はなんだろうかと考えることがコツです。
ヒント#1. 達成段階ごとにステージを設定する
また、サクセスパスの中にあるすべてのステージを関連付け、それぞれの段階を整理しましょう。
各ステージで大切なのは、進捗を示してあげることです。こうすれば、あなたの会員制サイトは会員や見込み客にとって魅力的なものになるでしょう。見込み客は、人生の中に何らかの問題や課題を抱えており、それらを解決したり、何かしらのスキルを習得したりするような進歩を期待しているのです。しかし、何かを学ぶにしても今自分がどのレベルにいるのか、進歩を測定する基準や方法がなければ、どれだけ成長したのかがわかりません。
ヒント#2.各ステージにいる人の特徴を書き出す
サクセスパスを用意するもう1つの大きなメリットは、すべての情報を選別し、会員や見込み客にとって、重要度や関連度が高い情報をはっきりと把握できるということです。
ステージを分けてあげることは彼らのためになります。そして、ステージごとに到達した人の特徴を設定しましょう。特徴を設定することで「自分が今、どの段階にいるのか」ということを彼らが理解するのに役立ちます。
その特徴とはそのステージにいる人が「何を考え、何を感じているのか」「どんなことをしているのか」「そのステージにおいて彼らにどんな習慣があるのか」などを指します。その特徴を見ながら、見込み客が「はい・いいえ」と二択の問題で自分がそのステージに当てはまるかを確認できれば、どのステージにいるのかが分かりやすいというわけです。
例えば、宮澤さんの栄養療法に関するサブスクリプションのステージ1では次のような特徴が書かれています。
栄養やサプリメントについての知識がネットで得られる情報で止まっている。言われるがままにサプリメントを摂っている状態。
ネットで情報をとってサプリメントを摂取している人や、医者や営業マンに言われるがままにサプリメントを採っている人は自覚があります。そうそう私のことだ!と。そうであれば、彼らはステージ1から学習をスタートする必要があります。
ちなみに僕が毎日練習しているギターのアプリ、Yousicianのサブスクリプションも各ステージがレベルごとに分かれています。
各レクチャーやレッスンが短く区切れらており、サクサクと受講している感覚があるため進捗を感じられます。また各セクションのスキルを総合的にアップすることで次のレベルへと進める仕組みにもなっています。アプリ開発やソーシャルゲームの世界で有名なゲーミフィケーションの機能が実装されていますね。
ヒント#3.ステージにはポジティブな名前を付ける
ステージと特徴についてもう1つアドバイスをしておきましょう。それは、ステージに名前を付けるのであれば、ポジティブな名前を付けるということです。なぜなら、どんな人であったとしても自分がマイナスなステージにいるとは、あまり認めたくないからです。タイムラインの左端、つまり最悪のシナリオのステージであったとしても「完全な敗者」と呼んだり、右端のステージを「素晴らしい未来」と呼んだりすることは好ましくありません。
会員や見込み客が今最悪のステージで、そのステージに立っていることに誇りを持つことができなくても「僕もそのステージの人たちの一員なんだ」という気持ちを伝えられるような名前をステージに付けることをおすすめします。今自分がいる場所を認識できる名前や、今いるステージを誰かに伝えるために、後ろめたい気持ちを持つことのない名前などが良いでしょう。
ここで重要なのは、見込み客が自分の現在地を認識して、コミュニティでシェアできるようにするということです。そうすれば、コミュニティに互助作用が働き、たがいにサポートをしあって前進することができます。ステージや特徴について理解できたでしょうか。ステージは、成長への道筋を示すのにとても役立ちます。特徴は、各ステージにたどり着いた人の特性を表しており、それによって見込み客自身がどこにいるのかを認識できるようになっています。
ヒント#4. 明確なサクセスパスは人を駆動する
宮澤さんの場合、次のようなステージ名をつけました。
- ステージ1:サプリ・マスターになる Supplement
- ステージ2:食事と生活習慣を極める Foods
- ステージ3:自分に足りないものをとる Personalize
- ステージ4:足りなくなる原因をなくす Rootcause
ちなみに、宮澤さんのビジネスを深く理解するために僕も宮澤さんの患者となり、おしっこの検体をFedexのメディカル便でオランダからアメリカのバージニア州まで送って、僕の体調をチェックしてもらいました。今は宮澤さんの指導のもと、カゼインフリー、グルテンフリー、カフェインフリーの生活を送っています。
もともと「病気からは遥かに遠い」と診断されていました。健康であるとお医者さんからお墨付きをもらったわけです。宮澤さんは「最上級の健康を目指してみませんか?」と僕にオファーをしてくれました。あの時、オファーを受けて本当によかったです。
体重は4kg減り、朝の目覚めが遥かに良くなり、サーフィンやスノボのパフォーマンスが上がりました。小学生の時太っていてできなかった逆上がりもできるようになりました。
最初にやったことは何か?宮澤さんは僕の症状に特化した診断書を書いてくれました。3ヶ月プランで最上級の健康を目指すプランです。つまり僕は贅沢なことに「テーラーメイドのサクセスパス」をその分野の権威からいただいたのです。やらないわけにはいかないでしょう。ゴールも明確でしたし、そこへ至る道のりも丁寧に書かれていました。
1ヶ月目はこのサプリメントをとって、2ヶ月目はこういうことに気をつけて、3ヶ月目からは少しずつサプリメントを減らしていきましょう・・・といった具合に。
改めてサクセスパスの威力を実感しました。明確なサクセスパスは人を駆動します。それはつまり、会員の行動に繋がり、結果に繋がります。会員はあなたのサブスクリプションを継続してくれるし、結果を出した会員はあなたのサブスクリプションを多くの人に広めてくれるでしょう。
僕も今こうやって宮澤さんのビジネスを紹介しているのは、宮澤さんのサブスクリプションで実際に結果が出たからです。明確なサクセスパスは人を駆動する、覚えておいてください。
ヒント#4.サクセスパスの種類
基本的にはタイムラインを使った直線型のサクセスパスで説明をしていますが、サクセスパスの形状や形式は変わる可能性があります。円形のサクセスパスやマトリックス型のサクセスパスなどもありますが、直線型のサクセスパスが一般的な形式となります。大事なのは、サクセスパスを用いて、会員や見込み客が現時点のステージを認識でき、そこから前進するためには何をすればいいのかを知ることができることです。会員制サイトのツールとして、ぜひサクセスパスを活用してください。
サクセスパスにとことんこだわり、考え続け、グループディスカッションをすればするほど、あなたにとっても、あなたの会員や見込み客にとっても、分かりやすいサクセスパスが出来上がるでしょう。もし不明な点があれば、いつでもコメント欄で教えてください。
会員制サイトに欠かせないマイルストーンの3つのルール
ここからは、マイルストーンについて説明していきます。見込み客に対して「はい」か「いいえ」で答えられる質問がマイルストーンです。
マイルストーンは指標です。マイルストーンがあることで、見込み客に対して「自分が今どの位置にいるのか?」を知るための指標を提供することができます。サクセスパス全体の目的は、言うなれば進捗状況を確認するための測定基準を作ることです。ただ、サクセスパスを提供したとしても、多くの会員や見込み客は、現在どの地点にいるのかという定義や解釈を勝手に変えてしまう傾向にあります。ここでマイルストーンが必要になってきます。
ルール#1. マイルストーンにはYES、NOで答えられる質問を設定する
見込み客や会員が、どのステージにいるかを認識するために役立つ具体的な方法を考えてみましょう。まずサクセスパスの中に、ステージ1からステージ5まであると仮定します。もし僕があなたに「ステージ3にいる人と、他のステージにいる人ではどのような違いがありますか?」と尋ねたら、あなたはどのように答えますか。もしかするとあなたはこう言うかもしれません。「こういった人はステージ3です。なぜなら、〇〇を成し遂げているからです。」と。
このような基準こそがマイルストーンです。マイルストーンは、自分がどのステージにいるのか、または別のステージに進むべきなのかなどを確認するためのものです。マイルストーンでやってほしいのは、「はい」と「いいえ」の二択問題を出すことです。二択問題は、見込み客がどのステージにいるのかを明確にするのに役立ちます。
ルール#2.マイルストーンの質問は解釈が明確になるように設定する
重要なのは、彼らの尺度で自己評価をさせるのではなく、あなたが作った測定基準で現状を測らせることです。彼らの成長を測定する方法を定義しなければなりません。もし測定基準を定義しなかったら、見込み客の想像力に成長度合いを委ねてしまうことになります。そうなれば、十人十色の解釈が生まれてしまうことになるでしょう。
例えば「運動をしていますか?」この質問はマイルストーンに相応しくありません。なぜなら、10分のウォーキングを運動と呼ぶ人や30分からのランニングを運動と呼ぶ人など、運動の解釈は人それぞれだからです。そのため、あるステージから次のステージに前進する際に達成しなければならない事柄について、具体的にリストアップすることが重要です。まさにそれがマイルストーンなのです。とにかく、今どのステージなのか認識することができるポイントを探すことが先決です。
しかし、ステージ1なのか2なのか3なのかなんて、どうやったらわかるのでしょうか。たとえば以下のような問いがヒントとなるでしょう。「彼らは何かを成し遂げましたか?」「何か気になることはありますか?」「彼らは何かしらのアクション・アイテムを完了しましたか?」これらの問いはじっくりと考えなければ分からないことです。
ルール#3.会員の離脱を防ぐために進めやすいマイルストーンを作る
マイルストーンは非常に重要です。なぜなら会員制サイトの会員たちに、自分たちの進歩を常に意識させることができるからです。また、彼らに自分の進捗状況を振り返る機会も与えてくれます。過去の進捗状況を追跡する方法がなければ、彼らたちにこれまでの歩みを思い出させることはできません。進捗状況が分かるようなものがあれば、メンバーは会員制サイトにとどまり続けます。進歩ができる環境であれば、そしてその進歩を意識できる環境であれば、会員であり続けるでしょう。重要なのはマイルストーンを明確にすることです。
まとめ:サクセスパスとマイルストーンは、会員制サイトの成功に欠かせない
今回は、会員制サイトで、会員に会員であり続けてもらうために、必ず取り入れるべきツールサクセスパスとマイルストーンを説明しました。成長するために何をすれば良いか分からない、自分が成長しているのかを確認する術が無い、このような状況は会員や見込み客に大きなストレスを与えてしまいます。
サクセスパスは進捗状況を確認するための測定基準として役に立ち、マイルストーンは今どこのステージにいるかの指標、また過去の進捗状況を追跡することができます。この二つのツールを上手に活用し、いつまでも会員に価値を感じてもらえる会員制サイトを作り上げていきましょう。今日のレクチャーに関して、質問したいことがあれば、いつでもコメントをお待ちしています。それでは、またお会いしましょう。
ワークシート1:会員制サイトの土台を作る
複製してお使いください。(Googleへのログインが必要です)
https://docs.google.com/document/u/1/d/1cE0zMqIFQkhA1fnl21B3nju1N6TxXOV7_X-WlGCrpP4/copy