あなたはこれからサブスクや月額課金のコミュニティを運用するのに、なるべく失敗を避けたいと思っていませんか?多くの人が陥ってしまう初歩的なミスを避けて、長く続くサブスクを作りたいと思っているはずです。そこでサブスクビジネスの先進国である英語圏の知見をもとに、継続的に収益を上げられるサブスクの始め方をお伝えしていきます。
初めてサブスク型のコンテンツを作り運営していく場合、色々な不安がよぎるはずです。サブスクのコンセプトはこれで正しいのか?お金を払って入ってくれる会員はいるのか?コンテンツは会員に喜んでもらえるのか?といったことも気になるはずです。サブスクの運営を本格的に始める前に知っておいてほしいコツを10個集めました。これからそれらを1つずつ紹介します。
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コツ1. 自分が夢中になれるものを選ぶ
会員はあなたのサブスクのテーマに興味を持って集まってきます。彼らは自分の抱える問題を解決したいと考えていたり、自分の理想とする姿へ近づきたいと思ってサブスクに入ってくれます。しかし同時に運営するあなた自体にも興味を持ってくれています。あなたが情熱を傾けている姿に人は引き込まれるという側面があります。
例えばオンラインサロンを思い浮かべてください。堀江さんやキンコンの西野さんなど、彼らは思いっきりパーソナリティで勝負しています。西野さんが夢中になって絵本を作っている。その情熱に惹きつけられて彼のオンラインサロンに入会するわけです。
また英語圏にはちょっと変わったサブスクもあります。HerbMentorはハーブを使って自然療法や健康維持を目指すためのサブスクです。作ったのは個人のJohn Gallagher(ジョン・ギャラガー)さんです。2004年から約20年も続いているメンバーシップサイトです。
Johnはもともと植物やハーブについての興味が強く、1人でハーブに関する勉強を何年も続けていました。夢中で研究してしまうほどの情熱を持っていたのです。またその知識を家族にも活かしていました。まだ小さかった自分の子どもたちに、自分のハーブの知識を使って食べ物や漢方を与えていました。
この知識を自分の家族以外の人の役に立てたい。もっとハーブの力を使って多くの人の健康維持に貢献できるはずだと考えたのです。彼のハーブへの情熱はこうして月額制のメンバーシップサイトになりました。彼のサイトを見るとそういった情熱が本当に強く感じられます。彼の情熱に惹かれて入会したメンバーは5,000人です。情熱が人を引き付けるという素晴らしい例です。
このようにあなた自身が情熱を感じられるテーマを選ぶことをオススメします。お金になるテーマだけで選ぶと後々しんどくなります。定期的にコンテンツを出すのを楽にするためには、夢中になれるテーマを選ぶのがベストです。またその情熱は会員にも伝播していきます。あなたが夢中になって作ったコンテンツは、会員のことも夢中にしてくれます。
コツ2. 自分のアイデアが正しいかチェックする
自分のアイデアを早めに形にして市場に出してみましょう。それが果たして市場に受け入れられるのかどうか、アイデアの段階では分かりません。アイデア段階で最高だと思えても、見込み客が実際にお金を払ってくれるかどうか。自分のアイデアを市場を通して検証するんです。
これをやるのに一番良い方法は、サブスクの初期メンバーを割引価格で募集することです。例えば、自分が持っているコミュニティやフォロワーに自分のローンチするサブスクのビジョンを語ります。そして、彼らに自分のサブスクの初期メンバーとして参加しないか?と誘ってみるのです。
これはTasha Cochrane(ターシャ・コクラン)が行った方法です。 彼女は個人向けのファイナンスに関するサブスクをつくりました。最初のメンバーを募集する際に初期メンバーを有するローンチ方法をとったんです。結果的に30人もの顧客が彼女のサブスクに参加してくれました。
初期メンバーには継続する限り、ずっと割引価格で居続けられるようにします。それ以降の参加者には正規価格を提示します。これはグランドファーザープライシングと呼ばれる方法ですが、初期メンバーが入りやすくまた抜けにくいという素晴らしい戦略です。まず自分のアイデアが正しいかを検証する際には、この初期メンバー価格を使って販売してみてください。
コツ3. 魅力的な名前をつける
忘れられがちなことですが、サブスクの名前を魅力的なものにするというのも重要なポイントです。カッコ悪い名前や、発音しにくい名前はサブスク自体の商品価値を下げてしまいます。例えば僕の運営するサブスクはCashLabという名前です。最高の名前かどうかはわかりませんが、短くて呼びやすい名前です。またオンラインコースでお金を稼ぐというテーマにもマッチしています。
もしこれが「石川県で生まれた僕が教える最強のオンラインコース大学」みたいな名前だったらどうでしょうか?ハッキリ言ってダサいし、長すぎて覚えられません。このようにたかがネーミングと思ってしまいますが、意外とサブスクの名前は商品の魅力と関係しています。 もちろん名前だけ良くてもダメですが、名前に気をつけると言うことも念頭に入れておいてください。
コツ4. 見込み客の問題をリサーチする
サブスクを運営する際には、見込み客の抱える問題や悩みを徹底的に調べ上げておくと良いです。見込み客がなぜそのサブスクに入る必要があるのか?ということを把握しておく必要があるからです。このような見込み客の悩みを調べるときは、表面的な悩みと同時に内面的な悩みも一緒にリサーチすることをオススメします。
例えばギターを習いたいと思っている人がいるとします。彼は本屋でいくつか教本を買うけど、やはり本だと練習を続けることができません。そういう悩みを抱えているとします。表面的な問題は、ギターの良い学び方がわからないことです。内面的な問題はもっと心の中にあるものです。
例えば、ギターを習いたいのは自分の見た目が悪いというコンプレックスを克服したいからなのかもしれません。このように表面的な悩みと同時に内面的な悩みもリサーチしておくと、見込み客のことを深く理解することができます。そもそもどうして問題を解決したいのか。彼らが心のなかで持っている恐怖や不安は何なのか?という深い部分まで調べてみてください。
これを行っておくことで、サブスクを販売していく時に見込み客が刺さる言葉を使えるようになります。また彼らの本当に欲しているものを理解することで、それをサブスク内のコンテンツ制作に役立てることができるのです。その結果、会員の満足度を高めることが可能になります。
コツ5. 専門家としての権威を確立する
権威というと何を思い浮かべるでしょうか?専門分野の学者などでしょうか?政治家や医師などを思い浮かべる人もいるかもしれません。権威なんていう言葉は自分とは関係のない言葉だと思う人もいるでしょう。権威と言うと難しく感じてしまうかもしれませんが、つまり専門家のことだと思ってください。
専門家というのは、何も大学で学位を取ったり研究をしないといけない訳ではありません。あるテーマに関する情熱を持ち、それに対する専門知識や経験を持っていればあなたは立派な専門家です。僕はよく自分のお客さんに「コンテンツを売る人は、買う人の半歩先を行っていればよい」と話しています。
つまり、お客さんから見てあなたの方がそのテーマに関する知識を持っていると感じてもらえれば良いのです。これは信頼という言葉に置き換えることができます。あなたのような知識豊富な人から何かを教わりたいという信頼です。この信頼を確立することで、あなたはお客さんからそのテーマの専門家として認識されるようになります。結果的にあなたから教えて欲しいと、サブスクに人が集まるようになるわけです。
権威として見込み客の信頼を勝ち取るための最善の方法をお伝えします。それは誰かが自分の問題を解決し、前に進むことを助けることです。彼らが問題を解決して理想の状態になる。それをあなたが助けることで、あなたはその分野の専門家として認識されやすくなります。だから、どんな小さな結果でも構いません。まずは他人の成功を助けて、専門家としての権威を少しずつ確立させていってください。
コツ6. ネット上での自分のフォロワーを増やす
6つ目のコツは、SNSなどのフォロワーを増やすことです。これは前のコツで紹介した権威を確立するというのと同じことです。それをネット上のフォロワーという数値化できるものに置き換えたものです。実際にはYouTube、Twitter、InstagramなどのSNSが中心になります。またそこからメールリストに登録してもらうのも良いでしょう。
サブスクをローンチし、実際に販売する際にこのフォロワーが必要になってきます。サブスクをローンチしても、それに興味ある人に向けて売り込んでいけなければサブスクの成長は難しくなります。そのため、実際にサブスクを作るのと同時にフォロワーも集め始めてください。
その際に1つ注意点があります。それは最初から複数のプラットフォームでフォロワーを増やそうとしないことです。始めはTwitterならTwitterだけとか、1つのプラットフォームに絞ってフォロワーを増やしてください。最初から複数のプラットフォームを狙うと、労力が分散してしまい結果的に質の低いコンテンツを量産する傾向が強くなるからです。
まずは1つのプラットフォームに集中して集客コンテンツを投下しましょう。その中でどういうコンテンツを作るべきかなどの知見がたまっていくはずです。また集客コンテンツを作るためのプロセスなども学べるはずです。1つのプラットフォームで慣れてから、少しずつ他のプラットフォームにも手を出すようにしてください。
コツ7. サクセスパスを用意する
見込み客がサブスクに入る理由は問題の解決です。または現時点の姿から理想の姿に近づくためとも言えます。サブスクを通して会員がしっかりと問題を乗り越えられるように、サブスクのコンテンツを設計してください。会員が理想の姿に至るまでに、やるべきこと、こなすべき課題などをステップ・バイ・ステップで並べていきましょう。
このようなコンテンツを作るのをサポートしてくれるのが、サクセスパスというコンセプトです。サクセスパスとは、見込み客が現在の姿から理想の姿にたどりつくまでの道筋です。その過程で必要となるアクションをすべて順番に並べたものだと思ってください。サクセスパスを作り込むことで、会員は最短経路で理想の姿に向かうための道筋を通ることができるようになります。
例えばサーフィンをマスターしたいのであれば、サクセスパスは次のようになるでしょう。まず最初にやるべきは、サーフィンに関する基礎知識を理解することです。サーフボードの種類、波の性質、守るべきルールなどです。次にボードへの乗り方を覚えるプロセスが入ります。その上でまずは沖に出るためのパドリングの練習をしようとか、実際に沖に出てみようという流れになるわけです。
サクセスパスは会員だけでなく、運営者であるあなたにもメリットがあります。サクセスパスがしっかり固まっていると、サブスク内にどんなコンテンツを用意するかが明確になります。サクセスパスに沿ったコンテンツを作れば、会員はそれら1つ1つを消化することでゴールに到達しやすくなります。会員自身も今自分がどこにいて、どこに向かっているのかを把握しやすくなります。
コツ8. サクセスパスに基づいたコンテンツを作る
サクセスパスが出来上がったら、サブスク内のコンテンツをサクセスパスに基づいて作成してください。サクセスパスを無視したコンテンツを作ると、会員はゴールがたどり着くまでに時間がかかります。会員自身が自分でゴールへの道筋を見つけないといけないからです。サブスクによくあるミスが、このサクセスパスを無視して大量のコンテンツをバラバラに渡してしまうことです。
「月額で課金するのだからNetflixみたいにとにかく大量のコンテンツが見放題じゃないとダメ」と考えてしまうのです。ですが、なにか問題を解決するためのサブスクではこれが逆効果になります。会員が月額見放題のサブスクを解約する最大の理由は、コンテンツの量に圧倒されることです。コンテンツが多すぎて自分のゴールにたどりつくためにどれを見て良いのか分からなくなります。
量が多ければ良いという思い込みは今日ここで捨ててください。サブスクにおいては毎月会費を払ってもらうという性質上、会員の満足度の方が重要です。少ないコンテンツでも会員のニーズを満たすものを用意してください。例えばあなたの悩みをすべて解決する30分の動画と、同じ内容を100時間で解説したものがあるとします。あなたはどちらにお金を払いたいでしょうか?
30分の動画は一見すると量が少ないので損をしているようにも見えます。ですが、会員から見れば100時間の動画を見るよりも30分の動画で問題が解決した方が効率が良いわけです。100時間で治るケガの治療法よりも、30分の方で治る方を人は欲しがります。なので、大量のコンテンツを会員に渡すのは辞めてください。その代わりにサクセスパスに基づいた体系的で親切なコンテンツを用意してください。
コツ9. ローンチ日をしっかり決める
サブスクのコンテンツがある程度出来上がってきたら、サブスクのローンチ日を決めてください。ローンチ日を決めるのは確かに怖いです。ローンチに間に合わなかったらどうしようとか、ローンチしても売れなかったらどうしようといった恐怖が常にあるからです。ですがローンチ日を決定することで、すべてが動き始めます。
ローンチ日から逆算することで自然とスケジュールが定まってくるのです。ローンチに向けたプロモーションや告知の計画を立てられたり、コンテンツの制作スケジュールも明確になります。逆にローンチ日が決定しないと、アイデアが空中分解してしまう可能性も高まります。
サブスクのコンセプトを決めたあとで、やっぱり別のコンセプトが良いんじゃないかとやり直す人もいます。期限がないためにコンテンツの制作がなかなか進まない人もいるでしょう。サブスクの中身が完璧に出来上がるのを待っていたら、いつまでも完成しません。先にデッドラインとなるローンチ日を決めて、まずはそこに向けて走り始めてください。
コツ10. 常にコミュニティを大切にする
最後のコツを紹介しましょう。最後のコツは、自分のサブスクに入ってくれたメンバーを大切に扱うということです。サブスク内のコミュニティなどで積極的に会員と交流し、彼らの進捗を助けてあげましょう。会員が自分の進歩を感じられることは、会員の満足度ひいてはサブスクの継続率に直結します。またあなたのサブスク内から成果を出した会員が出れば、その成果を外部に宣伝することも可能になります。
またコミュニティでの交流が活発になると、会員はコミュニティやサブスクに愛着を感じてくれるようになります。また活発な交流のあるコミュニティは、サブスクを継続するモチベーションにもなります。同じ境遇の人とつながり、質問したり励まし合ったりすることもできます。またお互いの進捗を共有することで、会員自身のモチベーションを維持することもできます。コミュニティがあるからお金を払い続けるという状態を作ることができるのです。
実際に僕たちのサブスクCashLabでは、日々たくさんの書き込みが行われています。日々の作業報告や、悩み相談などを通してコミュニティに一体感が生まれています。あなたは、そのようなコミュニティの勢いを作り出す最初の1人になってください。会員の質問に答えてあげても良いし、会員同士の会話に参加しても良いでしょう。たまにはライブでグループコーチングを行うのも、会員との接点を増やす1つの方法です。
コミュニティが盛り上がれば、サブスク自体に勢いがつきます。メンバーが他人に口コミをしているかもしれません。またコミュニティが盛り上がっていると、それまでコミュニティでおとなしくしていたメンバーも参加してきます。このようにあなたが中心となってコミュニティのメンバーを大切にし、コミュニティを盛り上げるという視点を忘れないでください。
まとめ:コツを押さえて失敗を避けながらサブスクをスタートする
ここまで、サブスクを新しく運営する人が失敗を避けるためのコツをご紹介してきました。最後に要点を9つにまとめました。
- サブスクのテーマは自分が情熱を持てるものを選ぶ。情熱が持てるテーマであれば難なくコンテンツを用意することができる。また会員はあなたの情熱に惹きつけられてサイトにお金を払う。
- サブスクを実際に販売することで、自分の考えたサブスクのアイデアが市場に受け入れられるかをチェックする。サブスクのローンチ時には、初期メンバー限定の据え置き価格を用意し最初のメンバーを集める。
- サブスクの名前には会員が喜ぶようなネーミングをつける。
- サブスクを作るにあたって、見込み客を理解するため彼らの抱える問題や悩みをリサーチし把握する。問題や悩みは表面的なものだけでなく、深い内面的な理由や感情までリサーチしておくと良い。
- サブスクに入る会員を増やすため、あなた自身の専門家という地位を確立する。具体的には他人の成功を手助けすることで市場から専門家と認識してもらうことが可能である。
- サブスクの見込み客となるフォロワーをSNSやネット上で集める。始めは1つの発信プラットフォームだけに絞り質の高い集客コンテンツを投下する。慣れたら徐々に複数のプラットフォームに展開する。
- サブス内に会員がゴールへ最短距離で進めるようなコンテンツを用意する。そのためには会員のゴール達成までの道筋を示すサクセスパスの作成が必要である。
- 早めにローンチ日を決定する。ローンチ日が決まることで具体的にサブスクのローンチが動き出す。
- サブスクの会員を大切に扱う。コミュニティなどで会員と交流したり、彼らが結果を出すのを手助けすることでサブスク自体に勢いがつく。