あなたは月額制の会員制サイトの魅力に気づき、自分が誰にどんなサービスを提供できるのか疑問に思っていますか?ここではその答えを探る方法をお伝えします。そのための3つの質問を紹介します。これらの質問に沿って段階的に考えることで、あなたの会員制サイトの方向性が見えてくるはずです。
会員制サイトは月額課金でモノやサービスを提供するビジネスのことです。サブスクリプションやメンバーシップとも呼ばれています。この会員制ビジネスは急速な勢いで広まり、サブスクという言葉で多くの人に認知されています。あなたは個人起業家として、自分もなんとか会員制サイトを作って安定収益を作れないかと考えているかもしれません。そこで今回は3つの質問を通して、あなたがどんな会員制サイトを作るべきかを考えていきましょう。
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質問1:見込み客は誰ですか?
まず、あなたがどんな人をターゲットに選ぶのか考えてください。この時に重要になるのが具体性です。商品のテーマを決めるときに多くの人がしてしまう間違いは、範囲を広くしてしまうことです。例えば健康、英語、料理のようにテーマの設定が大きすぎてしまうのです。もう少し範囲を狭めてください。例えば健康ではなくメンタルヘルスのための瞑想だったり、英語教師向けの指導方法だったり、ベジタリアン料理のレシピという具合です。
見込み客はマーケティング用語でペルソナと呼ばれています。多くの人がこのペルソナを広く取ろうとしてしまうのは、範囲を狭めるのが怖いからです。範囲を狭めるということは、それだけ市場のサイズが小さくなることを意味します。つまり集まるお客さんの数が減るのではないかと考えてしまうのです。ですが、よく考えてください。
例えば健康に興味を持っているペルソナにも色々な種類の人がいます。運動、栄養、食事、ストレス、糖尿病、ダイエット、免疫力、美容という感じに細分化することができます。漠然と「健康になりませんか?」と言った場合と「ストレスを軽減しませんか?」といった時に人はどちらに強く反応するでしょうか?健康だけだと漠然としすぎています。ストレスの軽減の方がより具体的で、反応しやすいです。
さらに掘り下げて「女性が失恋後の辛いストレスを乗り越える方法」というのはどうでしょうか?これは実際にGinger Deanが英語圏で運営している会員制サイト「Loving Me After We」のテーマです。すごく具体的なのが分かりますか?まず女性限定です。そして単なるストレスを抱えた人ではなく失恋後のストレスを抱えた人を扱っています。しかも特に酷い恋愛からの別れを経験した女性に向けて作られています。
このGinger Deanの会員制サイトはすごく良いテーマを扱っています。失恋後に辛い気持ちになっている女性は「あ、これ私のためのサイトだ」と一発でわかるからです。これがもし「心の健康をケアしませんか?」「生活のストレスを減らしませんか?」というだけの広いテーマであれば、見込み客が持つ興味の度合いはグッと下がるはずです。
実際にこのくらい狭いテーマであってもニーズがあればしっかりと会員が集まります。Ginger Deanがそれを証明してくれています。実際に彼女の主催するこのLoving Me After Weには、約1300人の会員が参加しています。月額37ドルなので、月間の収入は約400万円〜500万円とかなりの額になっているようです。
他にも英語圏で成功している例を見ると、犬のしつけに困っている飼い主、10代から20代の若い作家、NPO法人のリーダー、糖尿病患者やその予備軍という風にターゲットを絞り込んだものが多く見られます。このように見込み客を誰にするのか?という質問をしてください。そして、それを出来るだけ具体的にして範囲を狭めることをオススメします。
質問2:見込み客が抱えている問題は何ですか?
見込み客が特定できたら、次は彼らが抱えている問題をリサーチしましょう。見込み客がわかったとしても、彼らの抱える問題が掴めていなければどんな解決策を与えたらよいのか判断できません。またここでしっかりリサーチを行っておくことで、実際にあなたの会員制サイトのセールスレターを書いたりするときにとても参考になります。可能であれば見込み客の抱える問題を5個〜10個ほどリストアップしてください。
さきほどのGinger Deanの例を元に説明しましょう。彼女は「Loving Me After We」を立ち上げる前に、見込み客がどんな悩みを抱えているのか詳しく調べました。英語圏には「Toxic Relationship」と言う言葉があります。これは一緒にいるだけで心がすり減ってしまうような有害な人間関係のことを言います。それが親子関係なら毒親などの言葉でも表現されます。恋愛に当てはめると、暴力的な男性やナルシストで大切にしてくれない彼氏などとの関係などを言います。
Ginger Deanは、これについて自分の持っていたコミュニティの中で見込み客に質問をしました。「有害な恋愛関係について、夜も眠れなくなるような苦しい悩みを3つあげてもらえますか?」というものでした。ここにはたくさんの回答が集まりました。その中身を見ていくと同じキーワードが何度も出てきたそうです。それは拒否、見捨てられる、裏切りなどの言葉でした。
臨床心理士であるGingerは、ここからさらに見込み客である女性たちのことを詳しく分析しました。そうすると有害な恋愛関係に執着してしまう原因が少しずつ見えてきました。彼女たちは何らかの理由で人間関係における傷を負っていたことに気づきます。両親に愛情を注いでもらえなかったり、過去に人間関係におけるトラウマ体験をしたことで、有害とわかっている恋愛への執着を断ち切れなかったりしたのです。
このようにリサーチを行うことで、見込み客が抱えている問題が少しずつ見えてきます。例えば、表面的にはダイエットしたいと考えている人は、内面では自分に自信がないだけかもしれません。多くの問題には、表面的な問題とさらに深い内面的な問題とがあります。このリサーチの段階で両方の問題を掘り下げられるのがベストです。
では実際にどのようにリサーチをしたら良いでしょうか?僕はCopy Stalkingという方法をオススメしています。Copy Stalkingとは、ネット上に存在する見込み客の言葉(Copy)をまるでストーキングするかのごとく集めてくることを言います。
例えばYahoo知恵袋の質問、Amazonのレビュー、Twitterのつぶやきなどから人々の生の声を集めるのです。特定のコミュニティ、例えばFacebookグループやLINEのオープンチャットなどでも良いでしょう。こういうところには、匿名で書き込みができるので実際の生の声が集まりやすいです。
こういったところから言葉を集めてきてそのままスプレッドシートなどにまとめていきます。そうすると、見込み客の考えていることがデータベースのように溜まってくるので、彼らの問題を特定しやすくなります。ぜひこういった方法でリサーチを行ってみてください。
質問3:見込み客の問題解決のために何を提供できますか?
では見込み客の問題が特定できたら、次はあなたが提供できるサービスやコンテンツを考えていきましょう。これが最終的な会員制サイトの中身になっていきます。ここまでであなたの見込み客が誰で、彼らがどんな問題を抱えているかが明確になっているはずです。その問題に対してあなたが何を提供できるかを考えてみます。
先ほどのGinger Deanの例を見てみましょう。Gingerの見込み客は、ひどい失恋で傷ついた人たちでした。そして彼女たちが抱える問題は失恋後の心の痛みでした。それはもっと深い部分では人間関係に関する恐怖や、自分自身に対する不安につながっていました。
そこでGingerは、失恋の痛みに対処するためのマインドセットを学べるコンテンツやワークなどを用意しました。また毎月のライブワークショップで実際にクライアントと話をすることで、クライアントの状況に合わせたアドバイスやフィードバックを与えられるようにしました。また参加者同士がお互いの気持ちを吐き出しあえるプライベートなコミュニティも用意しました。
さらに彼女はもう少し深い部分の問題を解決するためのコンテンツも用意しています。例えば、個々人が失恋を乗り越えた後で成長し、自分のことを愛せるようになるためのコンテンツも用意しました。これは推奨書籍の紹介やワーク、レクチャーという形で提供されています。これらのコンテンツには、彼女の臨床心理士としての知識がふんだんに盛り込まれています。有害な恋愛関係から抜け出すだけでなく、再びそこに陥らないようなプログラムになっています。
このように見込み客の抱える問題を解決するために、あなたがどんなサービスやコンテンツを提供できるのか考えてください。表面的な問題はもちろんですが、可能であれば内面的な問題にまでアプローチできると顧客満足度は高まります。その際にどんなフォーマットで商品やコンテンツを提供したら良いのか?ということまで考えてみてください。
例えば、悩みの深い問題に関してはコミュニティを作ってあげると喜ばれます。人に相談したり、人から共感してもらうことで満足できるからです。また個人個人によって、進捗や状況の違いが出やすいテーマの場合は、定期的なライブコーチングなどをサービスに含めてあげると良いでしょう。動画や音声を聞くだけでは実践しにくい場合には、ワークブックをつけてあげると良いです。
もし実際のモノを送る会員制サイトであれば、商品に何か一工夫してあげても良いでしょう。例えば、詰め合わせの箱の中に手書きのメッセージを入れたり、アイテムについての歴史やうんちくを入れてあげても面白いです。月ごとにテーマを変えるのであれば、今月はどういう考えに沿ってアイテムを選んだかということを書き添えても良いでしょう。このようにして、会員の満足度が上がり、彼らが次の月もお金を払いたくなるような仕組みを考えてください。
まとめ:見込み客と彼らの問題を特定し彼らの満足するコンテンツを与える
ここまで3つの質問を通して、会員制サイトにおいてどんなサービスを提供すべきかを見てきました。最後に要点を3つにまとめます。
- 見込み客は誰ですか?という質問を通じて、あなたの見込み客を特定する。ポイントはなるべく興味の範囲を狭くかつ具体的にする。広すぎるターゲティングは母数を増やすのには有効ですが、その他大勢の中に埋もれる可能性が高い。
- 見込み客が抱えている問題は何ですか?という質問を通じて見込み客の持つ表面的、内面的な問題を特定する。リサーチの方法としては、ネット上から見込み客の生の声を拾ってデータベース化する方法を推奨する。
- 見込み客の問題解決のために何を提供できますか?という質問を通じて、自分が見込み客のどの問題を解決できるかを考える。彼らの問題を解決することで顧客満足度が上がり、継続的に課金してくれる可能性が高まる。