このビデオでは、動画の編集方法をお伝えします。あなたが今見ている動画のクオリティと同程度のもので良ければ、1週間もあれば、作れるようになります。動画編集は深入りしてはいけません。ビデオの編集は凝ろうと思えばどれだけでも凝ることができます。でもそこにかかるコストがとてつもなく大きくなります。ビデオエディティングの学習コストは、アプローチを間違えると、それこそ平気で一年や二年を浪費しちゃいます。あなたは動画編集に必要な3つのスキルだけを覚えて帰ってください。この3つのスキルを使うだけで、学習コストを抑えつつ、プロ並みの映像クオリティを出すことができます。
さて、オンラインコースのコンテンツを撮影できたら、コース作成の4ステップの3つ目「ビデオ編集」に進みましょう。コース作成の4ステップをおぼえていますか?ステップ1は「下書きの作成」です。次のステップ2では「ビデオ撮影」を行います。そして、ステップ3は「ビデオ編集」で、ステップ4は「ワークシートやそのほかボーナスコンテンツの作成」となります。今日はステップ3のビデオ編集について説明します。
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動画の編集スキルは簡単に身につけられる
編集はできるだけシンプルにしましょう。僕たちのチームはAdobeのPremiere Proを使って編集しています。
僕は23歳の時に初めてPremiere Proを触りました。当時、西麻布3丁目に家賃16万5000円で借りていた事務所に、分厚いPremiere Proの本を並べて片っ端から学習していました。それら本には、演習用のCDがついており、サンプルのデータやアセットが入っていました。結論からいうと、挫折しました。もう、学習方法を完全に間違えていた。まるで僕は、辞書を1ページ目から食べるかのように、不必要な知識、使わない技術の習得に時間をかけすぎていました。
僕のようなミスを犯さないでください。動画編集は、取り組み方を間違えるととんでもない時間を浪費してしまいます。必要なスキルだけを学んでください。あなたはビデオグラファーではないのです。マーケターです。経営者です。最終意思決定者です。ビデオの編集に時間をかけすぎないでください。
驚くなかれ。この動画の編集は、去年はじめてPremiere Proを触ったばかりの、うちにスタッフ・鈴木梓が担当しています。まさか鈴木も動画編集の仕事が振られるとは思っていないかったでしょう。しばらくはクラウドワーカーさんに、完成尺10分につき1万5000円から2万円ほどをお支払いして、動画編集を外注していました。でもデータのやり取りの大変さや、納期スピードなど諸々の要素を勘案して、編集スキルを社内に内製化した方がいいという結論に至りました。
ビジネスYouTuberとして成功されている井上さんに頼み込み、鈴木にご指導を施していただきました。いやー、早かった。こんなにも早く、効率よく、井上さんの編集テクニックを内製化できるとは思っていませんでした。今も継続的に井上さんからフィードバックをもらっていますが、鈴木はほぼ井上さんの編集スキルを模倣できるようになっています。これで僕たちは、安心して、ビデオコンテンツに事業のリソースを投下できるようになりました。
きっと動画編集スキルを身につけるのは大変と思っているでしょう。もちろん2、3日で習得できるものではありません。しかし適切なアプローチを使えば、1週間で、あなたが今見ている動画のクオリティと同程度のものは作れるようになります。そのアプローチとは、3パス・プロセスです。そうです、3つのプロセスで、僕たちと同じようなビデオを作れるようになります。
簡単な編集だけでも、あなたのビデオコンテンツをより良くすることができます。編集をするためには映像編集ソフトをダウンロードする必要がありますが、最近のコンピュータにはもとから十分すぎるほどの編集ソフトがついている場合もありますね。
簡単に綺麗な動画を作る3ステップ
編集はできるだけシンプルにしていきたいので、多くの機能は必要ありません。MacのiMovieのようなアプリでも十分です。極論を言えば、別に編集していない映像でもいいのです。でも、もしあなたのコンテンツの“Perceived Value(知覚価値)” を劇的に向上させたいのであれば、編集ソフトを使うことをおすすめします。こちらでは映像編集ソフトを使用する際の “ 3-Pass Process(3パス・プロセス)” をご紹介しましょう。
パス1:ジャンプカット
1つ目のパスは、映像とオーディオをすべてタイムラインにロードして、「うーん」といった声やちょっとした失敗などを、ジャンプカットで取り除くということです。ミスをすべて消し去ることによって、魔法のように素晴らしい映像になります。
ジャンプカット、わかりますか?シンプルにカット編集ことです。不要部分をカットして、前後のクリップをくっつける。映像がピョンと飛ぶので、ジャンプカットと呼ばれています。
パス2:スライドの挿入
2つ目のパスは、映像中にシェアできるスライドを作成するということです。PowerPointやKeynoteにおけるスライドのように考えてください。レッスンのメインポイント、つまり受講者にメモを取ってほしい部分をピックアップして、タイミングよく表示してあげるのです。
僕たちがこのコース全体の映像をどのように作成しているか注目してみてください。適宜、強調したい部分をテキストで表示していますよね?大切な情報をメモするのにとても有効です。多くの編集ソフトにはタイトルカード機能がついていますので、スライドを映像に表示するのはとても簡単です。PowerPointやGoogleスライドの使い方をすでに知っているのであれば、それらのツールでスライドを作成します。そして、各ページをJPEGファイルで保存して編集ソフトに取り込みましょう。
パス3:アニメーションの挿入
3つ目のパスは、レッスンの導入と終わりにアニメーションを追加するということです。ビデオの最初と最後に凝ったアニメーションを挿入しましょう。VideoHiveのようなサイトで、導入と終わりのアニメーション・テンプレートを購入するだけです。僕の動画を編集してくれている井上さんや鈴木さんはEnvato Elements のテンプレートを使ってこのビデオを作成してくれているそうです。だいたい2,000円くらいで購入できますし、わざわざアニメーションを制作するためにデザイナーを雇わなくてもいいので簡単です。
それにアニメーションを挿入することであなたのコンテンツをかなりプロフェッショナルなものに見せることができます。あなたのパソコンで使用している編集ソフトと互換性のあるアニメーション・テンプレートを探す必要があることに注意してください。ビデオを編集するときに、この3パス・プロセスを使用すると、ビデオの仕上がりが本当に良くなるので、是非試してみてくださいね。
映像クオリティの8割は音質で決まる
さて最後に非常に重要なノウハウをシェアします。それは音についてのノウハウです。Vimeo 2014で大賞を受賞したイタリア人のダレサンドリさんが言っていたことです。あなたが少しでも映像に興味があれば、一度は彼の作品をどこかで目にしたことがあるはずです。はい、Watchtower of Turkeyですね。
彼は、メディアの取材で答えていました。
People say that audio makes 50% of a movie; I say it is 80%.
多くの人は音の重要性を軽視している。映像の5割は音だというけれど、僕は8割だと思う、と。
このインタビューは2015年に行われたものですが、僕は今でもこの記事を読み返します。
https://www.fcp.co/final-cut-pro/articles/1582-watchtower-of-turkey-a-stunning-piece-of-cinematic-editing-and-sound-design-created-in-final-cut-pro-x-gets-nominated-best-of-vimeo-2014
もし仮にあなたが素晴らしい画質のビデオを撮影しても、音質が悪いと、人はそれを見ようとしません。生理的に受け付けられないのです。
だからもし予算があれば、マイクに投資するようにしてください。あるいは撮影環境に投資してください。可能な限り静かな場所で、比較的に高めのマイクを使うことで、映像のレベルを飛躍的に上げることができます。
ビデオカメラやレンズへの投資はその次です。