あなたはオンラインコースを作りたいと考えている講師やコンサルタントとして、どのテーマで進めるべきか迷っていませんか?大枠のジャンルは決まったものの、これだ!と思うテーマがなかなか定まらないと感じているなら、ブレインストーミングの力を借りてみましょう。ここでは、10個以上のテーマ案を出し、そこから最適な1つを見極める手順について紹介します。
オンラインコースの成功は、コンテンツの質だけでなく、テーマ選びにも大きく左右されます。独自性のあるテーマを見つけ、市場ニーズと自分の強みが合致したコンセプトを打ち出せれば、他の講師との差別化も容易になります。ブレインストーミングを通じて複数のアイデアを比較検討することで、受講者の心に刺さるテーマを発見できるはずです。適切な指標で各案を評価し、最終決定前に小さなテストを行うことで、後悔のないテーマ選びが可能になります。
まずは10個以上のアイデアを出す
ブレインストーミングの黄金ルールは「質より量」を出すことです。テーマを選ぶ際、最初から1つに絞ろうとすると先入観にとらわれがちで、革新的なアイデアが生まれにくくなります。まずは自由に思いつくままに書き出していくことを心がけましょう。最初の段階では良し悪しを判断せず、とにかく数を出すことに集中します。
目標は10個、できれば15個以上のアイデアを出すことです。3〜5個だと普段の思考パターンの範囲内に留まることが多いですが、10個を超えると脳が新しい接続を始め、思いもよらない切り口が浮かんでくるはずです。例えば「初心者向けExcel講座」と考えていたものが、「40代女性管理職のための実務で差がつくExcel戦略」のような具体性を持ったテーマへと発展するかもしれません。
ブレストのコツは複数の切り口を組み合わせること
効果的なブレインストーミングのコツは、複数の切り口を組み合わせることです。「ターゲット層 × コンテンツ形式 × 達成ゴール」などの要素を掛け合わせると、一気にバリエーションが増えます。例えば「主婦 × 動画編集 × 副業収入」といった具合です。この段階では、まだ分類せずに独立したアイデアとしてリストにしていきましょう。
時間を決めて集中的に行うのも効果的です。20分から30分程度の時間制限を設け、その間はひたすらアイデアを書き出します。スマートフォンの通知をオフにして、中断なく思考を巡らせましょう。思いついたアイデアは、どんなに突飛なものでも否定せずにメモしておくことが大切です。後から見返したときに意外な価値を発見することもあります。
アイデアを評価する3つの視点
いくつかのアイデアを出し終えたら、その中から1つを絞り込んでいきます。ですが、その時にどんな基準で選べばいいのでしょうか?ここでは3つの視点からアイデアを評価するための基準を紹介します。
視点1:市場性があるか?
ブレインストーミングで出したアイデアを評価する第一の視点は、需要と市場性です。似たテーマが検索されているか、SNSやコミュニティで話題になっているかを確認しましょう。Googleのキーワードプランナーやアマゾンの書籍カテゴリをチェックするだけでも、ある程度の需要が把握できます。
競合の有無も重要なチェックポイントです。競合が多い場合は市場が大きい証拠かもしれませんが、差別化要素が必要になります。逆に競合が少なすぎる場合は、需要が薄い可能性もあるので注意が必要です。理想的なのは、競合はある程度存在するものの、自分ならではの切り口や専門性で勝負できるニッチなテーマを見つけることです。
視点2:自分の強み・情熱に合っているか?
オンラインコースは制作から販売、継続サポートまで長期的な取り組みになります。そのため、自分が本当に楽しめるテーマを選ぶことが成功の鍵となります。嫌々作る内容だとモチベーションが続かず、途中で挫折する可能性が高まります。「このテーマなら喜んで1年以上取り組める」と思えるかどうかが重要な判断基準です。
また、人に誇れる実績や経験があるテーマは強みになりやすいです。他の講師と差をつける大きな要因になるからです。独自のストーリーや成功体験、失敗から学んだ教訓があるテーマは、受講者にとっても説得力のあるコンテンツになるはずです。「なぜあなたがこのテーマを教えるのか」という問いに自信を持って答えられるかどうかも考慮しましょう。
視点3:マネタイズしやすいか?
最後に、マネタイズの可能性と運営コストも検討する必要があります。高額商品化しやすいか、継続課金やアップセルの余地があるかを想定しましょう。例えば、専門性が高く、成果が目に見えやすいテーマは価格設定を高くしても受け入れられやすい傾向があります。
また、制作・運用コストも考慮すべき要素です。必要な機材やツール、専門スキルなどを自分が負担できるかを検討しましょう。例えば、高品質な動画が必須のコースなら、撮影機材や編集ソフトへの投資が必要になります。初期投資と予想される収益のバランスが取れているかを確認することが大切です。
石崎力也のコーステーマ事例
では実際に僕の販売しているオンラインコースを例に、複数アイデアからのコースのテーマを選定するプロセスを見てみましょう。
事例1:「明日、会社を辞めても『食える人』になるメルマガ運営方法」
まず、「明日、会社を辞めても『食える人』になるメルマガ運営方法」というコースタイトルを考えてみます。このタイトルが選ばれる前に、「メールマーケティング」「アフィリエイト」「副業」といった大きなテーマから始まり、ブレスト段階では様々な案が出ました。
例えば「メルマガ初心者講座」「ステップメール書き方講座」「副業で月5万円稼ぐコース」「SNS連動メルマガ術」などの案がありました。しかし最終的に、「会社を辞めても食える人になるためのメルマガ運営」というテーマを選びました。この時は、副業や独立願望を持つ層のニーズが高いことに注目しました。
メルマガの書き方に興味のある人の多くが、会社員をやりながらコンテンツビジネスを学んでいることに気づいたんです。そこでそういった副業している層をターゲットにしました。また僕自身もこれまでオンラインコースビジネスで、たくさんのメルマガを書いてきました。
つまり市場性と講師の強みが合致した選択だったと言えます。「明日退職しても大丈夫」というレベル感を目標にすることで、受講者の心に刺さるメッセージ性を獲得しています。
事例2:「免許皆伝:コピーライティング」
もう一つの事例として「免許皆伝:コピーライティング」を見てみましょう。コピーライティングという大きなテーマから始まり、ブレスト段階では「販売ページの書き方」「SNS向けコピー」「メールコピー」「心理トリガー解説」などの案が出たと考えられます。
そして最終的に「免許皆伝:コピーライティング」というタイトルに落ち着きました。コピーライティングは常に人気のジャンルですが競合も多いため、「免許皆伝」というキャッチで基礎から応用まで網羅したコースであることを明確にしました。網羅的に学べるコースというのはかなり魅力的に映ります。
マーケティング初心者向けのタイトルではなく、本格派として位置づけることで他の講座との差別化に成功しています。実際にこのコースは僕のUdemyの中でもかなり売れたコースとして人気でした。
10個以上のアイデアを最終1つに絞る流れ
複数案を出し、最終的に1つに絞るプロセスをステップバイステップで解説します。まず、時間を区切ってブレインストーミングを行い、どんなに突飛なテーマも含めて全部リストアップします。最低10案、できれば15〜20案を目指しましょう。アイデアの量が増えれば増えるほど、質の高いテーマを見つけられる可能性が高まります。
次に、需要・強み・収益の3つの視点でそれぞれの案を評価します。5段階評価などで点数をつけ、合計点が高いものを上位にランク付けしましょう。ただし、点数だけでなく、自分のやる気や得意分野と乖離していないかも再確認することが大切です。数字で測れない直感的な魅力も重要な判断材料になります。
上位3案程度に絞ったら、それぞれに仮タイトルをつけてSNSや周囲の人に軽くテストしてみましょう。「こういうコースに興味ある?」と問いかけるだけでも、反応の違いが見えてくるはずです。反応が良ければそのまま進め、不反応なら再検討の余地があります。このようなミニテストを行うことで、本格的な制作に入る前にリスクを軽減できます。
最終決定の際は、選ばれなかった案も捨てずに保管しておきましょう。それらは今後の追加コースや続編として活かせる貴重な資産になります。まずは自分が情熱を持ち、受講者の悩みを直撃できるテーマを1つ選んで、リソースを集中させることが成功への近道です。
まとめ:10個以上のアイデアから最適なコーステーマを選ぶ
ここまでオンラインコースのテーマ選びの流れについて紹介してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- 大きなテーマから始め、10個以上のアイデアをブレインストーミングすることで、質の高いテーマ案を生み出せる。
- アイデアを評価する際は、市場性・自分の強み・マネタイズの可能性という3つの視点から総合的に判断する。
- 上位に残った案は実際にSNSなどでテストし、反応を見てから最終決定することでリスクを軽減できる。
- 選ばれなかった案も捨てずに保管しておき、将来の追加コースや続編として活用することが可能である。