今日はネットビジネスの起業家としてハッピーな人生を送るための「規律」についてレクチャーします。規律は習慣で身につけられます。規律は、京セラ稲盛和夫さんのいう「フィロソフィ」であり、7つの習慣コビー博士のいう「原則中心」です。モチベーションなんて不要です。やる気のあるなしで仕事をしていては納期に間に合わないし、間に合ったとしても納期の後は仕事ができなくなってしまいます。動機はあくまでも最初の動きを出すためのものです。重い石を転がす最初の力ですね。12歳の頃ジャスティンビーバーだって「歌いたい!」という強い動機があって、最初のビデオをYouTubeに投稿したのです。しかし一旦石が転がってしまえば、あとは規律で行き先を調整するだけで良いのです。さあ、僕たちはどのようにして新しい習慣、新しい規律を身につければいいのでしょうか?
「成功するために必要な考え方ってどんなことですか?」「魔法のようなライフハックはありますか?」「最初から最後までモチベーションを保つためにはどんなことをすればいいでしょうか?」これは、どのオンラインコースをリリースしても聞かれることです。そしてお金持ちになりましょう系の教材では、第1章「マインドセット編」で語られることです。しかし、どうしても僕はこのような考え方を好きになれません。このような質問をしてくる人たちは、みんな同じことを求めているのです。いろいろな言葉で質問をしてきますが、本質的に「どうすればモチベーションを保てるのか」という一点にのみ、彼らは関心を持っています。
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モチベーションで仕事をしてはいけない理由
ほとんどの人は、この「モチベーション」という言葉に固執してしまっているのです。モチベーションは魔法のようなもので、求めるもののすべてを、最短時間で手に入れることができると考えてしまっています。さらにモチベーションを保つことが、何かを達成するための唯一の方法だと考えている人も多いですね。
Online School Building 2.0 の視聴回数を管理画面から確認してみます。このコースの最初のレッスンは、3,700回以上、再生されました。しかし、最後のビデオの再生回数はわずか700回ほどだったのです。大きな違いがありますよね。なぜでしょうか?それは、多くの人が何かを最初から最後までやり遂げるためにモチベーションが必要だと考えているからです。人体が活動を続けるために酸素が必要なことと同じように、仕事を続けるためにはモチベーションが必要。そう考えていませんか?
モチベーションを失ったから、コースをすべて受講することができなかった。これは間違ったアプローチです。モチベーションの定義を少し考え直してみましょう。モチベーションとは「特定の方法で行動する理由を与えること」として定義されています。たとえば、あなたには「新車を買いたい」という気持ちがあったとしましょう。これは、あなたがさらに節約をがんばって貯金をするためのモチベーションになりますよね。行動は「お金を節約すること」であり、「新車を買う」というのは節約するための動機や理由となります。
もしかしたら、近々ハワイ旅行をするかもしれません。ハワイ旅行と行ったらビーチですが、水着を着た自分自身を誰かに見られるかもしれません。あなたはハワイで恥ずかしいボディを見せたくないということを理由にして、ジムへ行き、完璧な肉体美を手に入れようとします。行動は「ジムに行く」ということであり、「ハワイ旅行」というのはジムへ行くための動機や理由となります。
ほかにもいろいろな例があります。あなたの会社には年末ボーナス制度があるとしましょう。そこで、仕事をがんばりベストを尽くそうとしているかもしれません。ここでいう行動は「いつもよりも熱心に働く」ということで、「年末ボーナス制度」は仕事をがんばるための動機です。
モチベーションは悪い習慣や行動を変えて、良い行動を取るための明確な理由や動機を与えてくれるため、非常に強い力を持っています。理由があれば、実際に難しいことをやり始めるのはとても簡単なのです。まったくトレーニングをしていなかった人が急に毎日ジムへ通い始めるというのにはハードルがありますよね。しかし、モチベーションがあればジムに通うためのハードルが一気に下がります。
しかし、多くの人が理解していない問題があります。それは「モチベーションが一時的なものでしかない」ということです。モチベーションがあれば、普段とは異なる行動や振る舞いをすることは簡単になります。ただし、それはとても短い期間に限られるのです。しばらくするとやる気がなくなり、モチベーションを維持するだけのエネルギーも減少していきます。モチベーションだけを頼りに行動をしていると、後に以下のような結果となるでしょう。新車を手に入れたら節約をやめるでしょう。ハワイ旅行が終わればジムに通わなくなるでしょう。ボーナスをもらったら仕事をサボるサイクルに戻るでしょう。基本的に結果が出たら元どおりの習慣や行動に戻ってしまうのです。
これはなぜでしょうか。なぜなら、モチベーションとは外部の何かに依存しているものだからです。モチベーションの有無は、行動の変化に関わる明確な理由があるかどうかにかかっています。だから、その理由がなくなってしまったとき、元の行動に戻るのを防ぐ要素は何もありません。行動が元どおりになりそうなとき、人々は新しいモチベーションを見つけようとします。しかし、これは好ましくないことです。何かに取り組むときにモチベーションを保つための理由を探そうとするのは、麻薬中毒者が禁断症状を抑えるために麻薬を探すのとほぼ同じです。
「7つの習慣」コビー博士が教える原則中心の生活
だから、あなたの考え方自体を変えなければなりません。モチベーションにこだわり続けていると、長期的に何かを続けることができなくなります。長期的に物事を継続しておこなうためには、モチベーションなんて必要ないのです。長期的な継続に役立つのは「規律」です。規律とは、新たな行動規範を身につけるために自分自身を鍛え上げることです。新車を買うとか、ハワイ旅行に行くとか、ボーナスをもらうとか、一時的な外的理由は必要ありません。
7つの習慣のコビー博士は「原則中心」という言葉を使います。「家族中心」の人は家族の状況に心の安定が左右されます。「仕事中心」の人は仕事の都合や会社からの要求で人生が左右されます。「お金中心」の人は自尊心も自分の価値も全てを資産額で測ろうとします。「友達中心」「宗教中心」「遊び中心」も同様に、安定的な人生を望めません。そこで「原則」を人生の中心に置きなさいとコビー博士は言います。素晴らしいアイディアだと思います。子供が寝静まってから、妻とこの「原則中心」の生き方について話し合うことがあります。妻も概ね、このコンセプトに賛同しているようです。
僕たちは国籍も宗教も違うカップルなので、両親が別々の行動指針を持っていると子供は迷っちゃいます。父親が「先生の言うことなんて聞かなくて良い」と言い母親が「先生の言うことを聞きなさい」といえばそりゃ子供はどうすれば良いか分からなくなる。だから家族の中に「原則」を1つ1つ作っていきます。例えば「先生の言うことは聞きなさい。でも先生と親の言うことが異なったら、親の方を信じなさい」とか。
また原則なしでは意思決定のプロセスが遅くなります。うちの父親は日曜日の朝になると「今日はパチンコに行こうかな、どうしようかな」と迷っている。僕はそれを見て、そう言うプロセスを30年以上も毎週日曜日の朝繰り返してきたんだなと思い、ゾッとしました。とんでもないくらい時間の無駄遣いです。1日の中で意思決定は、3万5000回あると言われています。「コーヒーにするか、紅茶にするか」や「何時まで仕事をするか」といった簡単なことから「子供のためにオランダに教育留学させるか」といった入り組んだことまで。行動指針を持っていないと、それら3万5000回全ての意思決定に遅延が生じます。毎度、どうしようか迷うからです。恐ろしい事実ですが、うちの父親のように原則を持たずに生きている人たちは意思決定をするだけで1日が終わっているのです。1日中机の前に座っていたのに、仕事が全く進まないと言う経験はないでしょうか?頭の中がぼーっとして、思考が行ったり来たりしている。それで1日がすぎた。
きっと考えたら良い答えが出ると勘違いしているのです。あるいは「迷った方が良い回答に辿り着ける」とも。
そもそも行動指針や原則は、状況に応じての最適解を導き出すツールではないのです。極論すれば、仮にベストな選択肢でないとしても「セカンドベストでもいい。それよりも意思決定のスピードを早めて、行動を促したい」のです。だから本音を言えば意思決定があまりにも介在するようなタスクは好ましくありません。そう言う仕事は、行動指針を決めてから取り掛かるか、あるいはそもそもその仕事自体を捨ててしまう。僕と小川さんならきっと「やらない」選択肢を取ります。
重力の法則が例外なく万人に働くように、人生の原則もまるで法則のように僕たちに働きます。原則は、僕らを裏切ることもないし、途中で変更されることもないし、現れたり消滅したりする類のものではありません。ずっとそこにあるイメージです。
7つの習慣には素晴らしいストーリーが紹介されています。
向こうから光が見えました。どうやらあなたの戦艦に向かって船がやってきたようです。衝突の危険性を感じた艦長は相手の船に「20度向きを変えるように」と命令しました。そうすると向こうの船からは「あなたの船が20度向きを変えるように」と信号が返ってきました。怒り心頭の艦長は「こちらは戦艦だぞ。お前の方が20度方向を変えろ」ともう一度命令しました。相手から返ってきた答えは「こちらは灯台である」でした。艦長はすぐに進路を変えました。
灯台は動きません。人生の原則も同じであるとコビー博士は言います。「お金」「家族」「友達」「遊び」「仕事」などの不確かなものを中心に置くのは、人生を不安定にします。まるで動き続ける偽の灯台を頼りに航海をするようなものです。
常に何かをおこなうときの理由を、あなたの内側に求めてください。それこそが動かない灯台になります。
新車を買った後、給料の一部を貯金し続けることができます。お金を貯めるのは一生の習慣にもできるからです。あるいは、ハワイに行ってからもジムに通い続けることができます。体を動かし続けることは、健康的な一生の習慣となるからです。ボーナスをもらったあとも、ビジネスで常に成果を出そうと努力と続けましょう。仕事に対して強い倫理観を持つことは、生涯にわたってあなたにポジティブな影響を与え続けてくれるでしょう。
この場合の規律は「継続的に貯金する」「継続的にジムにいく」「継続的に仕事を頑張る」となります。コビー博士のいう原則にあたるものとなります。
何かをしようとするとき、その理由は表面的なモチベーションよりもはるかに深い理由を求めましょう。たとえば水着を着て美しく見える肉体美を手に入れることや、月末に1,000円でも多く稼ぐなど。行動を変化させようとするのは何か1つの目的のためではなく、一生継続させたいと思うからですよね?このような行動を習慣化することによって、ビジネスだけではなく、人生として成功することができます。
モチベーション・ゼロで仕事を遂行する方法
僕と小川さんは、モチベーションとは無関係に仕事をしています。仕事内容を非常にシンプルにしてあります。やることは1つだけ。ビデオを撮影する。僕たちはこれまでUdemyにたくさんのビデオを供給してきました。今はYouTubeにそのビデオを割り当てています。いずれにせよ、僕らがストレスなく効率的にお金を稼げるのは、全てビデオを起点としたビジネスだけと判断しています。だからシンプルにビデオだけを作る。
ビデオを作ると決めたら、それをどのように効率よく制作するか決めなければいけません。まず小川さんが外部のスクリプトライターさんと打ち合わせをして各モジュールの台本を完成させます。スクリプトはGoogle Driveでシェアされます。僕は土曜日の午前中だけ働くと決めています。土曜日の朝になると、好きとか嫌いとか、やりたいとかやりたくないとか、そんな一切の感情は発生しません。家族も、土曜日だけは僕がスムーズに撮影できるように環境を整えてくれます。Lumix S1のカメラと三脚、照明とマイクが固定されたスタジオに入って、4時間ばかり撮影をします。4時間ばかり撮影と言えど、4時間話し続けることはできませんから、編集した後の完成尺にすると60分ほどでしょうか。
Google driveのスクリプトをプロンプターに読み込んでカメラの前でそれを読み上げるだけです。可能な限り撮影の障壁を小さくするためにあらゆる手間を省いてあります。例えば、カメラをずっとつけっぱなしにしてあります。毎度、スイッチを入れるのが面倒だからです。ACアダプターをカメラのバッテリーの位置に突っ込み、コンセントから直接電源供給をしています。充電やバッテリーの入れ替えという作業自体が面倒だからですQuickTimeを使って8テラバイトの容量があるMacBookプロに直接撮影を直接撮影データをダイレクトに鋳込みます。SDカードを抜き差ししてデータの移行をしなくて良いので非常に楽です。
部屋には10台近くLACIEがストックされます。LACIEは衝撃に強いポータブルストレージとして有名です。海外で有名なYouTuberの Casey Neistat が使っていることでも有名です。僕が敬愛するイタリア人のビデオクリエイターレオナルドダレサンドリもLACIEを常に持ち運んでいると、インタビューで答えていました。なぜ衝撃に強いものが必要かと言えば、データを編集者に郵送するからです。日本にいるときはレターパックを使ってポータブルストレージを編集者に郵送します。海外にいる時はEMSを使ってやはり日本にいる編集者に郵送します。移動中の揺れにも耐えられるのがLACIEです。
データのサイズを見ていたらいただいたらわかりますが1つのフッテージが100 GBを超えています。編集前のデータはいつもこんな感じです。Wi-Fiでデータのやり取りができる容量超えています。もしかしたら今後Wi-Fiの速度が向上し世界の通信速度が爆速になり、インターネット経由でも100 GB程度、実際には合計2テラバイト位のデータを一気に送るのですが、そういった大きいデータのやりとりができるになるのが理想です。
配送済みのデータは配送済みフォルダに格納してあります。僕はこういったデータの保存はしないので、編集されたビデオが出来上がるとすぐに配送済みの中のデータを削除します。これも僕なりの原則なのです。
後はクラウドワーカーさんが編集されたビデオをYouTubeやUdemyにアップロードしておしまいです。月曜日から金曜日そして日曜日は仕事はしません。どうせそんな毎日働いたとしても必要以上のお金が入ってくるだけだしそもそもそんなにたくさん働く元気が僕にはありません。別に好きで仕事をやっているわけではないので必要最低限の収入さえ稼げれば僕は満足するのでそれ以上働きません。僕は2015年の2月からこういった働き方を始めました。
2015年2月僕は沖縄県の本部町にあるパパラギ王国にいました。Airbnbで発見した秘密基地です。それぞれのコテージにプライベートビーチが割り当てられており、自由にバーベキューができました。
妻が僕に声をかけます。バーベキューやろうよと。目の前に大きな海が広がっているにもかかわらず「仕事が終わってから」との自分の発言が非常に興ざめだったのを覚えています。
だから働く時間を制限することにしました。土曜日の午前中だけ働く。それが僕の規律であり原則です。面白いことに働く時間を制限してもちっとも収益は下がりませんでした。下がらないどころかむしろ生産性は上がり収入もどんどんと伸びてきました。そもそも働く時間が少ないのでモチベーションを不要とした働き方なのです。
ただモチベーションのすべてを否定するわけではありません。モチベーションと規律を組み合わせることで、かなり強力な行動倫理になるからです。こう考えてください。現在の行動を変えたいとき、最初にやる気の炎を燃え上がらせるためにモチベーションを利用するのです。僕はよく初動を出すと言います。モチベーションはあなたが正しい方向へ進むための一歩となるでしょう。モチベーションがなければ、いつもの行動や習慣を変えるのは難しいです。人間とは習慣によって生きる動物であり、これまで続けてきたことをこれからも継続させようとする癖を持っています。
だから、僕たちが典型的な行動パターンを根本的に変えるためには、何らかの外的な刺激が必要です。モチベーションは正しい方向への第一歩なのです。ただし、あくまでもモチベーションは一時的なものであるということも忘れないでください。そして、モチベーションが消えていくことは避けられないことです。そのときこそ、あなたには規律が必要となります。規律は、モチベーションがあるかどうかに関わりなく、その行動を繰り返すことに専念するということです。モチベーションによって始めた行動が習慣になり、一生継続できるほどのものに仕上がるまで、何度も何度も訓練を続けるのです。
ただし、ライフワークにしたいと思えるほど、行動を根本から変えたいと思えるほどの経験がなければ、規律で縛るのは難しいでしょう。
ネブラスカ州立大学で燃え尽きた石崎力也の話
このように考えてください。あなたは毎日仕事で疲れ切っています。そして、その疲労感やストレスが仕事の質に影響を与えてしまっているとしましょう。タスクを終わらせるために仕事をしようとする気持ちすら起きません。こんな状態では、モチベーションが何であろうと、コーヒーを1杯飲むくらいの効果しかありません。コーヒーを一杯飲んでリフレッシュしたところでがんばれるのは1時間程度。それでは1日中コーヒーを飲み続けますか?それを一生続けることはできませんよね。しかも、そんな習慣は健康にも悪すぎますし、最終的にカフェインに体が慣れてしまって、コーヒーすらも機能しなくなってしまうでしょう。
このような人はみなさんの中にもいるんじゃないでしょうか?なぜ知っているかって、僕もドリンク中毒者の一人だったからです。1日3〜4杯、ビッグサイズのモンスターエナジードリンクを飲んでいました。その頃の僕は肉体的、精神的に健康上の問題を抱えていたことは言うまでもありません。こんな習慣を一生続けるわけにはいきませんでした。
この悪しき習慣はネブラスカ州立大学で必死に勉強している時に身についてしまったものです。幸か不幸か、留学中、僕は学問的な成果を出せていたんです。コンピューターサイエンスの学部長・シェリーからも大学院においでと言われて、僕は舞い上がっていました。
実際に秋のセメスターから441 Artificial Intelligence の大学院の授業に入れてもらい、泣きながら勉強していたのを覚えています。毎回出る課題の量も半端ないし、そもそも僕にはこのクラスの受講要件であるSQLの知識が皆無でした。春セメスターが終わり、急いでデータベースの勉強をスタートしました。この時、Udemyに出会ったのです。生徒として。
レッドブルもモンスターもガブガブ飲んでいました。Amazon.comで箱買いしていたので、同じ寮に住んでいる友達が僕の部屋にレッドブルをとりに来るほど在庫?がたくさんありました。ロボットを作って大会に出れば、ネブラスカ州立大学から初の入賞者が出たので、学部中の教授からチヤホヤされました。それらチヤホヤが僕にたくさんのエナジードリンクを飲ませる結果となったのです。もっと勉強しよう、もっと長く勉強しよう、もっとたくさんのコードを書こう、と間違ったマインドセットを当時持っていたのです。
このような状況を変えるためにはどうすればいいのでしょうか。今の僕ならどうするか?たとえばコーヒーを飲んで仕事をがんばるのではなく、もっと長期的に見ることが大事です。健康的な生活習慣を意識して生活を送り、早寝早起き、瞑想、運動、ヘルシーな食生活などを続けるということです。このような長期的な作戦を立てることで、仕事の疲れはかなり軽減されますし、長い目で見れば、コーヒーよりもあなたの人生を良くしてくれるでしょう。結局、僕は、1年で燃え尽きてしまいました。体調を崩してしまったのです。あの時、もっと長期的な視点を持って物事に取り組んでいれば・・・と悔やむばかりです。まあその後悔があるからこそ、このような健全な思考になったともいえます。
ただここだけの話、僕は毎日3杯はコーヒーを飲んでいます。コーヒーが好きすぎで、Amazon.comからエスプレッソマシーンを輸入したくらいです。これはあくまでも個人的な嗜好であって、コーヒーでモチベーションを保っているわけではありません。外的な刺激に依存してはいけないのです。そうではなく、自分の人生に規律を取り入れ、何か持続させられるものを築き上げましょう。
新しい習慣を作る身につける3つのステップ
規律を取り入れるというと難しそうに聞こえますよね。でも、安心してください。規律を取り入れることは想像している以上にとても簡単なことなのです。たとえば2ヶ月間、定期的なトレーニングをしたり、新しい行動を繰り返したりするというだけです。これについてさらに詳しく説明をしましょう。
「European Journal of Social Psychology」に掲載された研究によると、新しい習慣を身につけるまでにかかる時間の平均は66日間です。ただし取り入れようとしている習慣の難易度によって平均時間が増減します。つまり、新しい行動を習慣化するまでには2ヶ月と少しだけ繰り返す必要があるということです。
たとえば、ミートアップやイベントに参加して、人間関係のネットワークを広げたいと感じたとします。そこで週に5日間、20分かけて業界のビジネスリーダーにコンタクトを取ることにしました。最初の1〜2週間、この行動を続けるだけのモチベーションがあれば、一気にこの習慣を続ける難易度は下がっていきます。しかし、しばらくするとモチベーションが保てなくなっていきます。では、どうすれば習慣を続けられるでしょうか。
ステップ#1. 自分で計画を立てる
ステップ1は自分で計画を立てるということです。先ほどの「European Journal of Social Psychology」に掲載された研究には続きがあり、新しい行動をするための時間を計画に組み込むだけで実際に行動を起こす確率が高まるのだそうです。タスクのイベントを作成し、同じパラメータ(1回20分、週に5回など)を設定し、通知が来るようにしておきます。このイベントが少なくとも2ヶ月間繰り返されるようにしましょう。本当に習慣化したいのであれば、さらに長い期間設定してもいいでしょう。3ヶ月でも4ヶ月でも通知を受け続けてください。
ステップ1をおこなうとき、僕の経験則からアドバイスをするとすれば、スモールステップで始めるということです。数ヶ月前、定期的にジムに通う習慣を身につけようと思ったのを覚えています。しかし、あまりにやる気が満ち溢れすぎて、最初の方はやりすぎてしまいました。毎日アパートから遠いジムに行き、1時間を週に5回もトレーニングを続けていたのです。その結果、生活の中の負担が大きくなりすぎ、諦めてしまいました。
そこで僕はジム通いの習慣をスモールステップにしました。週に3回20分をアパート内にある小さなジムで続けました。最初の習慣よりも目に見える効果は小さくなりましたが、結果としてはどうなったと思いますか?そう、この習慣を取り入れてから僕は現在に至るまでジムに通い続けることができています。それも週5日に増やした上で、です。
僕は運動の習慣を1つ作りました。でもこれはたまたまかもしれません。だから、同様のステップで今度はランニングを習慣化しようと考えました。
どうですか?なかなかうまくいっていると思いませんか?
重要なのは、実際に実行できる規律かどうかなのです。スケジュールを立てるときには、このことを心に留めておいた上でプラニングをしてください。最初は厳しい規律にしないこと。それよりも継続できるレベルのスモールステップを設け、後から徐々にレベルを上げていくという方が現実的なのです。
ステップ#2. 鎖を切らない
ステップ2は、鎖を切らないことです。少々、抽象的な言い方ですね。これは映画俳優でありスタンダップコメディアンのJerry Seinfeld(ジェリーサインフェルド)が実際に使っているモチベーションのテクニックです。良い習慣を身につけるための方法として、彼はカレンダーを壁にかけることを推奨しています。Jerryはある日、毎日コメディを書く練習をすると自分に誓いました。そこでカレンダーを壁にかけて、実行した日に大きな赤い×印をつけていきました。カレンダーを見ることで毎日コメディを書く必要があることを思い出せるだけでなく、×印が続けば続くほど「鎖」を切ってはいけないという思いを強める効果があったのです。
この「鎖を切らない」習慣を強くおすすめします。Jerryのように大きなカレンダーを使ってもいいですし、Productiveのようなアプリを使ってもいいでしょう。
このアプリは習慣をスケジュール化したり、リマインダーを設定したり、進捗状況の管理をしたりするために便利なツールです。インターフェースがかなりシンプルで、僕が特に気に入っているのは、自分の進歩を見るだけで「習慣化しようとしている行動をさらに続けなければ」と思えることです。このアプリは年間使用料が2,000円ほどかかってしまうので、もし負担がキツいようであれば、ほかにも類似した無料アプリがいくつもありますので、そちらを使ってみてもいいでしょう。自分にあったツールを調べてみてください。
ステップ#3. 報告義務を導入する
最後にステップ3を紹介しましょう。ステップ3は、アカウンタビリティシステムを作ることです。アカウンタビリティは、海外の情報商材の特典によく付属するものです。報告義務という訳が当てられていますね。
これは、もしあなたが必要であれば導入することをおすすめします。ここまでカレンダーや通知システム、進捗状況の管理ツールなどを紹介しましたが、これらを使っても習慣付けができないという人ももちろんいます。もし、あなたもステップ2までやってみて、習慣付けができないようであれば、アカウンタビリティシステムを導入しましょう。
アカウンタビリティシステムというのは、自分の行動を誰かにチェックしてもらい、目標を達成できなかったり、約束が果たせなかった際に、罰を与えてもらうという仕組みです。たとえば、ジム通いの習慣を身につけようとしたとき、僕は友人にアカウンタビリティシステムの役割をお願いしました。そこで彼と約束したのは「もし僕がジムに行かなかったら1回あたり10,000円をあげる」というものでした。当時僕は西麻布3丁目にあるボロアパートで仕事をしていました。僕は自分のドアの前に10,000円を掛けておいて、彼にこう言ったのです。「もし僕が午前7:00までに起きずにジムに行けなかったら、この10,000円を持って君一人だけでジムに行ってくれ」と。
空手の世界では「腹しめ」という言葉があります。その名の通り、腹を締めて、無防備な状態でパンチを受けることです。僕は高校生だったのでタバコは吸っていませんでしたが、大人の道場生は普段はサラリーマンのスモーカーでした。大人同士で禁煙しようと決めたそうです。守れなかったら、黒帯の人たちから一発ずつ腹締めです。僕らの新神田道場は、一回の稽古で50人ほど集まっていました。子供から大人まで。指導員含めて、黒帯は10人くらいでしょうか。稽古が終わってから、大人が一人一人白状します。「今週も吸ってしまいました」と。帰り支度をしている黒帯の人を周り「腹締めお願いします」とやるわけです。これがアカウンタビリティです。忖度なしのボディブローです。思い切り腹を殴られ、苦痛に顔を歪めて「今週で絶対にやめる」って言うのに、また来週も同じように殴られるんだから、タバコの中毒は本当に怖いです。
本当は嘘をついてタバコを吸った事実を隠してもいいと思うのですが、ちゃんと白状するのが、道場生の偉いところです。まあタバコを吸わないのが一番なんですけど。
さてさて。その報告義務を、時を経て、僕も自分自身に課したわけです。友人にアカウンタビリティシステムをお願いしたことによって、ジムへ行くモチベーションが一気に高まりました。自分がやろうとしていることを誰かに伝えるということだけでも、そこに責任が発生するので、心理的に義務感が生じるトリックとなります。僕はティップネス六本木に向かいます。本当は行きたくないけど、行くのです。一汗かいた後に、ユニクロの服を着て、六本木ヒルズの49階にあるライブラリーに向かいます。六本木ヒルズの26階から30階にはGoogleが入っています。Googleの天才エンジニアに並んで僕はエレベーターに乗ります。僕もエリートサラリーマンになった気分です。ライブラリーの受付で一言。「サンダルでは入館できません」・・・はあ。このやりとりを何度繰り返したことか。
ジムに行く習慣を身につける前に、サンダルを履かない習慣を身につけるべきでした。まあこんな横着な僕でも報告義務のおかげでジムに行く習慣を身につけたわけです。約束を守らないということだけでも罪悪感がありますし、しかもジムに行かないたびに10,000円を友達に支払うというペナルティがあれば、新しい習慣を身につけることはかなり楽になります。もしステップ2までで、新しい習慣を身につけることができなかったのであれば、ぜひアカウンタビリティシステムを導入してみてください。
まとめ:それでも習慣を身につけれないあなたへアドバイス
最後に一言。習慣を身につけるために、うまく習慣を身につけられないこともあるかもしれません。しかし、それは問題ではないのです。うまくいかなかったとしても諦めないでください。もし友達に10,000円支払うペナルティを設定してうまくいかなかったとしたら、もっと強いペナルティを設定してみましょう。そうですね…。たとえば通勤ラッシュ時に下着だけで街の中を走るというのはどうでしょうか。これはジョークですけどね。
あるいは、タスクをもっと簡単なものに変えてみてもいいでしょう。たとえば、ジムに毎日行くのではなく週3回にしてみるとか。ペナルティもお金のようなものではない方が効果的だということが経験則として言えます。たとえば先ほど挙げた例のように恥ずかしいものにすれば、お金を出すよりもかなり効果があります。いずれにせよ、もしアカウンタビリティシステムを作ってうまくいかなかったとしても、落ち込む必要がありません。あなたにとって役立つものを見つけるまで、新しいシステムを構築し続けましょう。
最後のステップはとても簡単です。少なくとも研究結果の平均時間66日間は、新しい習慣を繰り返すというだけです。何度も言いますが、ここで重要なのは2ヶ月間がとにかく勝負だということ。この期間を始める前に、66日間は必ず続けるということを自分自身に誓ってください。規律をとにかく自分の生活に馴染ませることです。2〜3ヶ月トレーニングを続けることで、モチベーションなんかに頼らなくても長く続けられる習慣が生まれるはずです。念のために2ヶ月だけでなく、3〜4ヶ月以上のスケジュールを組んでもいいでしょう。一定期間を過ぎると行動は習慣になっていきます。
モチベーションがなくても、自ら主体的に行動するようになりますよ。僕の同僚も同じようにランニングをするようになりました。彼女は2011年以来、ハイキングとランニングを継続しているのです。でも、始める前の彼女は、ランニングが習慣化できるかどうかかなり不安がっていました。それが今では、ランニングに行けない日にイライラしてしまうほど。
あなたが身につけたい習慣がどんなものであったとしても、必ず身につけることはできます。モチベーションがなくとも、その行動をするだけで楽しくなってくるはずです。そのレベルにまで到達するために、あなたに必要なのはモチベーションではなく、規律なのです。