あなたにとって「成功したビデオコンテンツ」とはどのようなものですか?50万回のアクセス数を集めたものでしょうか。もしくは100万回?それとも200万回?いや、700万回くらいでしょうか?どうやって100万回ものアクセス数を集めればいいのでしょうか?僕は思います。アクセス数は運任せであると。
いいビデオコンテンツを作ったからといって、自然と見込み客が集まるわけではありません。だから、ほとんどの人はYouTubeでアクセス数を稼ぐ唯一の方法は「運」だと考えていますよね。さっきも言った通り、確かに運は大事ですね。でも、厳密に言えば「運」だけじゃないと僕は思います。ある法則を守れば、安定して多くのアクセス数を稼ぐことができるビデオコンテンツを作ることができるからです。
例えば、僕のUdemyのアカウントには13万人の受講生がいますけど、いずれのベストセラーコースも一定の法則に従って作られています。
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成功するビデオコンテンツは人々の感情を引き出している
多くの人に拡散されるようなビデオコンテンツを作っている人は、どんなことをしているのでしょうか?気になりますよね。さっそく教えましょう。拡散されるコンテンツの絶対的なルールは「人々の感情を引き出すこと」です。これが「成功するビデオコンテンツ」を作るための鍵です。実はこのルール、ビデオコンテンツに限らず、どんなコンテンツにも当てはめることができます。
今まで読んだことのある全ての素晴らしい本、これまで観たことのある全ての素晴らしい映画、感動した曲について思い出してみてください。これら全てのコンテンツは、あなたに何か感情的なものを引き出してくれているはずです。
あなたが、それらのコンテンツを愛している理由はそこにあります。そしてきっとあなたは、友人たちに感動したコンテンツをシェアしましたよね?こうして人々の間で拡散されて、アクセス数が伸びていくというわけです。だから、運だけがアクセス数を稼ぐための方法ではないですよね。
ビデオコンテンツでも同じです。最高のビデオコンテンツは、人々から感情的な何かを引き出すことができます。幸せや悲しみ、怒り、ノスタルジックな気持ち、希望や笑い、インスピレーションなど。優れたコンテンツを作る人は、何かしらの手法を通じて、あなたに自分の経験をシェアしようとしています。そして、彼ら自身が感じた気持ちをあなたにも感じてほしいと考えているのです。感情を共有することは、人間どうしが繋がるための有効な方法の1つです。
コンテンツを作るためには、次の大切な質問を自分自身に問いかけてみてください。「あなたのコンテンツを見て、見込み客にどんなことを感じてほしいですか?」あなたはこの質問をどこかにメモしておくべきです。だって、コンテンツを作る上で本当に大切なことなのですから。
コンテンツによって、見込み客に感情的な体験をさせることができるかどうかという点において、運は必要ではありません。むしろ効果的に感情へ訴えかけるには、科学的な論理が必要です。僕たちは数年以上オンラインでヒットする動画を作ってきました。
その中で、見込み客から感情的なリアクションを引き出すために、共通した手法を用いていることに気付きました。僕たちは、その手法が書かれたポスターをオフィスの全ての部屋に貼っています。そして、いつも目にするたびに、心に刻めるようにしているのです。これらの共通した手法は、コンテンツを作る際に、それくらい大切なことなのです。
見込み客から感情を引き出すための3つの手法
こちらでは、見込み客から感情を引き出すための3つの手法を紹介しましょう。この3つの手法が僕たちのUdemyコースで何百万回ものアクセスを生み出してくれました。この手法は、ほとんどのヒットしたビデオコンテンツで使用されているものです。これには偶然ではなく、科学的な理屈があります。以下に紹介する手法によって、見込み客からとても強い感情的なリアクションを引き出すことができるでしょう。
1つ目の手法は「思い込みや固定概念を指摘する」ということです。思い込みや固定概念が実際には間違いであると主張することで、見込み客に対して「これまで考えていたことは間違っていたのかもしれない」「新しい視点を手に入れることができた」という気持ちを持たせることができます。もし視聴者が僕たちの指摘にハッとすることがあれば、友人にシェアする必要性を感じてくれるはずです。
別に僕たちは大企業の重要機密事項を解き明かせ、と言っているわけではありません。日常的にひそむ思い込みや固定概念が間違っていることを気づかせてあげるのです。たとえば僕たちは以前に、「ネットビジネスにはコピーライティングのスキルがマストである」ということが思い込みであると指摘するビデオコンテンツを撮りました。
僕たちは、セールスレターを一切書かず、ウェビナーだけを用いてセールスレター以上の成約率を出すことに成功したのです。これによって僕たちは「デジタルマーケティングでは」という仮説を立証することができました。僕たちはそれ以来、何かしらの思い込みを常に探し、それが間違いではないか指摘するようなコンテンツを作るように意識しています。
2つ目の手法は「独自の視点を持つ」ということです。人には、常識と考えていることや、これまで何度も目にしてきたことを無視してしまう性質があります。これは「Banner Blindness(バナー・ブラインドネス)」と呼ばれるものです。サイトにアクセスしたとき、バナー広告なんて全く目に入りませんよね。このように見慣れたものが脳に認識されないことを、「Banner Blindness(バナー・ブラインドネス)」というのです。
常に独自の視点を持つようにしていなければ「Banner Blindness(バナー・ブラインドネス)」になってしまう可能性があります。ただ、ユニークな視点を持つことは難しそうだと考えていませんか?実はそんなに難しいことではありません。コンテンツで伝えるメッセージをすぐに理解できないようにしたり、決まり文句を使わないようにしたりすればいいのです。たったこれだけです。
例えば僕は個人的に次のようなフレーズには反応しません。世界最高峰のプログラムです、僕のような世界最先端のマーケター、日本で唯一の、ここでしか手に入らない、、、などです。どれも三流の人が好んで使う手垢のついた表現だからです。
こう自問してみてください。「このアイディアはこれまで何度、実現されただろうか?」と。これまで実際に、そのアイディアを行動に移した人が少なければ少ないほど、独自性が高いと言えるでしょう。逆にそのアイディアを実現した人が多いのであれば、あまり良いアイディアであるとは言えません。でも、あまり臆病にならないでくださいね。いいアイディアであるかどうかは、あなたじゃなく、世界が決めることですから。
独自の視点を持っている人を紹介しましょう。Anna Akana アンナアカナという人物は、メイクアップに関するチュートリアルをビデオコンテンツで提供しています。メイクアップの方法について紹介するYouTubeチャンネルは多いですよね。しかし、この人は他のメイクアップコンテンツとは違い、ユニークな視点を取り入れているのです。
それはほんのちょっとだけ気を利かすことです。僕たちはコンテンツを作るときに、気の利いたことがなかなかできません。たとえばAnna Akanaは「体重を落とす方法」についてのビデオコンテンツを提供しています。しかし実際のところ、このコンテンツでは「失恋の対処法」について扱っているのです。「失恋をしたあなたが、より美しくなって見返すにはどうすればいいか」という気の利いた視点ですね。
また、他のビデオコンテンツでは「自由に発言すること」というタイトルを紹介していますが、実際にはB-roll(動画素材をまとめた映像資料)を使っているだけの模擬広告となっていました。僕たちは1分ほど動画を見ていましたが、彼は僕たちに何をすべきかについて話すことは全くなかったのです。これがどういうことか分かりますか?彼は「自由に発言すること」をビデオコンテンツ内でまさに体現していたわけですね。
また、日本の歴史についてのビデオコンテンツを例にしてみましょう。歴史の授業といえば退屈なイメージがありますよね?しかし、このビデオコンテンツは、見事な編集とユーモアによって、色鮮やかに演出されているのです。天皇が幕府を倒し、その後、幕府が天皇を倒し、新幕府を作る。新しい幕府では、天皇が望むのであれば、引き続き天皇としての座が与えられる。すぐに日本の歴史が頭に入り、とても関心の持てるコンテンツでした。
料理についてのビデオコンテンツで衝撃を受けたこともあります。このコンテンツ製作者にとって、料理はコメディーのための手段にしか過ぎなかったのです。ユニークな視点をコンテンツに取り入れるとき、おかしな感じになってしまうことを恐れてはいけませんよ。インターネットは、むしろ「おかしな感じ」になっているコンテンツの方が好まれやすいですからね。
3つ目の手法は「ストーリーを語る」ということです。ストーリーは、僕たちにアイディアや感情、思考、そして教訓を与えてくれるものです。僕たちが世界の中で起きている出来事をどんなふうに考えて、どんなふうに理解しているのかを話すことでストーリーが生まれるのです。僕たちが共通して経験している出来事をストーリーとしてシェアすれば、見込み客とより深く結びつくことができます。
これが、コンテンツの中でストーリーを語ることのメリットです。例えば、あなたは失恋を経験しました。もう自分を愛する人はいないと思い込んでいます。そんなあなたを慰めるために用意された英語があります。
There are plenty of fish in the sea.
「海にはたくさんの魚がいるよね」というストーリーから経験を語ることができます。女なんていくらでもいるよ、という慣用句です。ストーリーを使えば、単なる教訓を語ることに比べて、100倍印象的なメッセージを伝えることができるのです。
「時間を無駄にするな」という教訓はたったの8文字で伝えられますが、全くもってありふれた印象に残らない言葉ですよね。これをストーリー仕立てにすることで、印象深いものにできるのです。さっそくストーリーにしてみましょう。
ある女性に恋をした男がいました。女性は完全にこの男のことを嫌っていましたが、男はそれに気づかず、むしろその女性から好意を持たれていると勘違いしていました。そこで男は女性から告白されることをずっと待っていました。しかし、いつの間にか彼女は別の男性と結婚してしまいました。そこで彼は気づいたのです。「なぜ僕はこれまでの時間を無駄にしてしまったんだ。早く諦めて他の恋をすればよかったのに。」と。男はそれから「気になったら自分から行動して時間を無駄にしないようにしよう」と胸に刻んだのでした。
あるいはこんな話はどうでしょう。ある男性は田舎の両親の家にパラサイトしています。尊敬しているブロガーが言うように、毎日365日ブログを更新すれば生活費くらいは稼げるようになる、という妄言を信じて、その男性は毎日ブログを更新しましたが一向にお金を稼げません。そして30歳を迎え、いまだに儲からないブログを更新し続けている。同窓会の招待状を何度も破り捨て、婚期を逃し、いつかブログで稼いでやると思い続け、はや5年。実家に帰ってきた妹が言いました。お兄ちゃん、バイトした方がいいよ。お兄ちゃんにはネットビジネスは向いていないと。その時、その男は気付いたのです。世の中には向き不向きがあるということに。
「時間を無駄にするな」「世の中に向き不向きがある」、と言うのは簡単ですが、あまりにもあっさりとし過ぎていて、メッセージ性に乏しいですよね。このようにストーリー性を持たせれば、1つの教訓でも、悲劇や喜劇、貧乏から大金持ちになった逆転劇など、さまざまな方法で印象的に伝えることができるのです。「物語を語ることは、食べることと同じくらい人間にとって基本的なことだ」という言葉を作家のShannon Turlington シャノンチューリントンが残しているくらいですから。
考えてみてください。僕たちは映画やテレビを観たり、テレビゲームをしたり、本や漫画を読んだり、歌を聴いたり、演劇やダンス、オペラの公演を鑑賞したりした後に、ディナーテーブルやキャンプファイアの周りに集まって、お互いに話をしていますよね。原始時代、洞窟に壁画を描くことを覚えて以来、僕たち人間はこうやってコミュニケーションをとってきたはずです。人と繋がるためにストーリーを語りましょう。
さて、ここまで僕がお話ししてきたことの全ては、見込み客の感情を引き出すための手法でした。世の中にある思い込みや固定概念を指摘することができれば、見込み客を引き込むことができます。独自の視点を持てばあなたは注目されるでしょう。そして、ストーリーを語ることで「他人と繋がりたい」という人々の基本的な欲求をうまく利用することができるのです。
コンテンツに対してこれらの手法を取り入れれば、シェアとアクセス数を論理的に伸ばすことができるということを僕たちはこれまで何度も証明してきました。ぜひお気に入りのウェブサイトにアクセスして人気のあるコンテンツを見てください。きっと今回紹介した3つの手法のうち1つは使われているはずです。
では、改めて聞きましょう。「あなたにとって『成功したビデオコンテンツ』とはどのようなものですか?」と。そして、もしあなたがコンテンツを作ろうとしているのであれば、次のことを自分に問いかけてみてください。「視聴者にどんなことを感じてほしいですか?」