あなたは起業家やインフルエンサーとして、どんなオンラインコースを作れば良いのかとアイデアに困っています。実際にあなたと同じような立場の人たちが作ったコースの事例を探してはいませんか?あなたにぴったりのオンラインコースの実例を3つ紹介します。あなたがコースアイデアを練る際の参考になるはずです。
オンラインコースを作ることで人にレクチャーする手間を省くことができます。人から繰り返し聞かれる質問に対しても、いちいち1人ずつ回答する必要がなくなります。頭では、よく人から聞かれる質問をベースにオンラインコースのアイデアを書き出せば良いのはわかっているはずです。ですが、いざコースのアイデアを練る際に、自分にどんなコースが作れるのかと悩んでしまうことでしょう。解決策は実際に他人が作ったコースの実例を見ることです。コースのテーマや、中身のレクチャーアイデアの出し方など事例を見て参考になることが多いはずです。オンラインコース文化が成熟している英語圏のコースを中心に実例を紹介していきます。
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事例1:子供の遊び場ビジネスの始め方を教えるPlay Cafe Academy
ミシェル・カルアナ(Michele Caruana)のコースはちょっとユニークです。彼女のコースで教えているのは子供向けの屋内の遊び場ビジネスの立ち上げ方です。英語圏のオンラインコースは、マーケティングを教えたりするものが多いです。その多くはオンラインでのビジネスを対象としています。ですが、彼女が扱っているのは実店舗のあるリアルビジネスです。
実際にミシェルは子供用の屋内の遊び場を経営していました。屋内の遊び場は英語でIndoor Playgroundといいます。もともと彼女は、企業でマーケティングの仕事をしていました。ある時、家族で旅行中にたまたま屋内の遊び場が併設された素敵なカフェを発見します。そのカフェはチェーン店でもなく、こじんまりとしていて彼女の好きな雰囲気にバッチリ合っていました。
ミシェルは旅行から帰って、自分の街にもあのときのような子供の可愛い遊び場を作りたいと思い立ちます。元々彼女はビジネススクールに通っていたので、財務やマーケティングの知識は人よりあるので大丈夫だと思っていました。ですが実際にやってみると思うようにいかず、最初の数年はずいぶんと苦労しました。そこから沢山の試行錯誤を経た結果、気づけばそのビジネスは大きな収益を上げるようになりました。
お店が成功し始めると色々な人からメールで質問が届くようになりました。「お店をどうやって成功させたんですか?」「何か秘密みたいなものはあるんですか?」というメールで、彼女のインボックスは一杯になりました。そこで彼女はこれを絶好の機会と捉え、遊び場ビジネスを支援するためのコンサルティングを始めます。
最初のうちは彼女も満足していました。というのも、彼女には子供が2人いたので子育ての合間の時間にコンサルをやるという柔軟なスケジュールを組めたからです。ですが、そのコンサルの人数が増えるにつれ徐々に彼女の時間は圧迫されていきます。そしてコンサルの内容も1日中同じような質問に答えることの繰り返しに思えてきました。
そこでミシェルはオンラインコースを作る決断をします。コンサルで顧客にレクチャーしていた内容をオンラインコースに載せ替えたのです。結果的に彼女のオンラインコースは大成功を収めます。オンラインの事業に集中するために、自らが経営していた遊び場は他人に売却したそうです。彼女は今でも月間3万ドルの収入をオンラインのビジネスから得ています。
ミシェルのコースの1つを紹介します。それがPlay Cafe Academyです。このコースは子供用の遊び場ビジネスを立ち上げたい人を支援するためのコースです。まだ自分のビジネスをやったことのない人も対象にしています。そのため、遊び場の作り方だけでなく銀行や投資家からの融資を引っ張る方法など、ビジネス全般に対するレクチャーも含まれています。このコースは次のようなパートで構成されています。
- モジュール1:このコースを最大限活用する方法を学ぶ
- モジュール2:資金調達や収益などのビジネスプランを練る
- モジュール3:店舗の場所を選ぶ
- モジュール4:資金を調達する
- モジュール5:店舗スペースをを計画する
- モジュール6:マーケティングを理解する
- モジュール7:オープン初日に向けて準備する
- モジュール8:ビジネスの成功を測定し修正する
- モジュール9:高度なビジネステクニックを実践する
- モジュール10:初年度に発生する7つの問題を乗り越える
このような構成になっており、ここまでを1つのパッケージとして買い切り価格で販売しています。さらにオープンした後のビジネスの最適化については別の月額サブスクリプションで扱っています。またこのPlay Cafe Academyのコースを受講すると、その後の月額サブスクも1ヶ月無料で参加できます。これもとても良いセールスギミックです。
事例2:切れ味の良いビジネスアイデアを発想するためのワークショップ
エバン・キンブレル(Evan Kimbrell)さんのオンラインコースを紹介しましょう。彼はビジネスのスペシャリストです。過去にベンチャーキャピタリストやスタートアップ企業の経営者を経験しています。数多くのWebアプリやモバイルアプリのローンチを見届けてきた経験を活かして、良いビジネスアイデアを思いつくための方法をコースにしています。
彼のコースの名前は「How to come up with killer business ideas: complete workshop」です。彼はFacebookやInstagramのような素晴らしいサービスは、実は特別でもなんでもない普通のアイデアから始まったと前置きをしています。そして誰もがビジネスアイデアを思いつき、それらをより良いアイデアに磨き上げる方法を教えています。彼のコースは次のような構成になっています。
- モジュール1:コースの概要
- モジュール2:今すぐアイデアを考え始めよう
- モジュール3:アイデア出しの基礎を整える
- モジュール4:アイデアをフィットさせる
- モジュール5:アイデアの出し方
- モジュール6:アイデアの評価とテスト
- モジュール7:アイデアへのアドバイスと解説
彼は他にも「プロジェクトマネージャーになる方法」「スタートアップやスモールビジネスのための財務モデリング」だけでなくAirbnbの運用をマスターする方法といったコースも出しています。アウトソーシングをマスターする方法やアイデア出しをアウトソーシングする方法まであります。彼は起業家としての経験を活かして、このように幅広いジャンルのコースを作っています。
事例3:個人でサブスク課金を作る方法を教えるSubscribers!
僕が作ったコースについても紹介しましょう。紹介するのはSubscribers!というコースです。これは主に個人事業主や小さなチームでネットビジネスをやっている人向けに、サブスク商品の作り方を解説したものです。大企業じゃなくてもサブスクを使って安定した月額収入を得ようという切り口です。この商品には実は元になったストーリーがあります。
僕はかつてコンプリートバンドルという月額のサブスク商品を売っていました。実はそのコンプリートバンドルから入る毎月の売上と、アップセル商品などのおかげ1つのセールスファネルから100万ドルの売上を計上することができました。その結果、ClickFunnelsというセールスファネルのプラットフォームから日本人初の売上1億円達成者として表彰されました。2 Comma Club Awardという名前のこの賞は、僕のオランダの家の壁に飾られています。
周りからは「どうしてそんなことができるんですか?」とか「サブスクの作り方を教えてもらえませんか?」という質問を、メールやコミュニティでもらうようになりました。ちょうどその頃、NetflixやAdobeのサブスクリプションモデルでの成功事例がよくビジネス業界でも取り上げられていました。時代のニーズにマッチしていると思ったので、サブスクの作り方や具体的な実装方法に関するコースを作りました。
それがOnline School Building 2.0という商品でした。この商品は広告を出したところヒット商品となり、たくさんの人達に購入してもらいました。その内容を大幅にアップデートしたのがSubscribers!というコースです。
Subscribers!では、NetflixやAdobeのような大企業でなくても月額課金やサブスクによるビジネスが可能であることを説明しています。またそれだけでなく、商品のアイデア出しから制作、販売の仕組みの実装方法までをカバーしました。Subscribers!のカリキュラムを簡単に紹介しましょう。カリキュラムの中ではサブスクのことを会員制サイトという言葉で表現しています。
- モジュール1:あなたの会員制サイトの方向性を決定する
- モジュール2:会員制サイトの土台となるサクセスパスを作る
- モジュール3:会員制サイトの運営方法を決定する
- モジュール4:コア・コンテンツを制作する
- モジュール5:快適な受講環境を整備する
- モジュール6:セールスを実装するための準備をする
カリキュラムはこの後も続きます。全部で17個のモジュールを有するコースになっています。僕はカリキュラムを作るときになるべく細かく分けます。それはコースの受講生がしっかりと実践できるようにするためです。確かにサブスクの作り方という1本の動画をそのままオンラインコースにすることもできます。ですが、そうするとやはり不足が出ます。
よくあるのはレクチャーの内容が概念だけに偏ることです。そうすると話していることは理解できるが、実際に手を動かそうとするとどうやったら良いのか分からなくなる、という状態が発生します。そのためカリキュラムを作る際に、内容をできるだけ細かく分けています。これを行うには、自分でカリキュラムに対して受講者からどんな追加質問が飛んできそうか?と考えると良いでしょう。
例えば「サブスクのセールスを上手に行うためにはこうすると良いですよ」というレクチャーがあったとします。それに対して「具体的に何を作ったら良いでしょうか?」という質問が来ると想定します。そうすると、セールスレターはこう書いてくださいとか、ウェビナースライドはここに注意して作ってくださいというレクチャーが思いつきます。
このように「サブスクを作るにはどうしたら良いですか?」という質問や、他の似たような質問をベースに1つの大きなコースを作ることも可能です。コースのボリュームを増やしたい場合には、他人から質問を募集したり、他人が疑問に思うであろう部分を想定することで補うことも可能です。
まとめ:人に聞かれることを掘り下げてオンラインコースを作る
ここまで他人からよく聞かれる質問をベースに制作されたオンラインコースの例を紹介してきました。最後に要点を3つにまとめました。
- Michele Caruanaは、子供向けの遊び場ビジネスを立ち上げるためのオンラインコースを制作した。このコースではビジネスの計画から実際の運営ノウハウまでがカバーされている。
- Evan Kimbrellは、鋭いビジネスアイデアを思いつくためのコースを含め多数の起業家向けコースを制作した。ビジネスアイデアのコースでは、アイデアの発想方法からその評価方法までがカバーされている。
- 石崎力也は、個人がサブスクを導入するための方法を教えるオンラインコースを制作した。このコースではサブスク商品のアイデアから、制作、実際の販売などのノウハウがカバーされている。