どうもこんにちは、石崎力也です。
今日はコンテンツ販売の中でも最も重要なパートである「競合の調査と分析」についてお話をします。ライバルを調べるためにリバースエンジニリアングという手法を使いましょう。まるでiPhoneを分解して最小単位の部品を並べるように、ライバルの商品を、製造プロセスとは逆方向に分解していきます。また見込み客のふりをしてライバルの商品を購入し、販売スタッフの対応や、返金保証の方法などを調べ尽くす方法もあります。競合を分析することで、あなた独自の商品を作ると同時に、市場の「満たされていない欲求」を発見できます。
前回のレッスンでは、売れる商品を構成する3つの “P” であるPresentation(提供方法)、Perceived Value(知覚価値)、Pain Point(問題点)についてそれぞれ紹介してきました。また、これら3つの構成を使って、石崎式!商品企画書の空欄を埋め、基本的なコンテンツ作成方針を構築する方法についてもお話をしてきました。このフレームワークでは「コンテンツの中身は何か」「誰のためのものか」「コンテンツが見込み客に提供する価値は何か」「見込み客の生活に対してどのような変化をもたらすのか」「コンテンツの値段はいくらか」という、商品には欠かせない要素を明確に書き記す必要があるということを忘れないでください。
今回お届けするノウハウはこちら
コンテンツ販売をする前に「売れる商品」を発見する方法
今あなたが視聴しているモジュール6は商品の研究開発パートだということを常に頭に置いて話を聞いてください。ここまで説明した内容を全て実行したとしても、まだまだ研究開発は不十分なはずです。あなたがリリースする予定の商品について、できるだけ多くのアイディアから選択肢を検討してほしいのです。具体的に言えば、多くの異なるアイディアをブレーンストーミングで絞り出し、石崎式!商品企画書を実行してほしいということです。
次のモジュールで、あなたはいよいよコンテンツの作成を開始し、石崎式!商品企画書を使って、見込み客に対して魅力的なオファーができるようになります。そこで今回のレッスンでは、石崎式!商品企画書のブレーンストーミングとアイディアの収集に使用できる戦略の一部をお話ししていきましょう。このフレームワークは、あなたがコンテンツ販売を進める上で最も重要な要素の1つであるということを忘れないでください。
マーケティングのマテリアルを作るさい、いつもこのフレームワークに通してみてください。例えばセールスレターやウェビナーあるいはステップメールを作成するときでも、商品の概要を説明するときでも、ビデオを撮るときでも構いません。可能な限りブレーンストーミングをして、全ての選択肢を石崎式!商品企画書に通してみてください。僕たちはフレームワークを使うことに特化したモジュールを、気まぐれで作ったわけじゃありません。フレームワークは優良なコンテンツを作るために重要な役割を果たし、的外れなコンテンツ作成に膨大な時間とエネルギー、そしてお金を使うことを防ぐのに役立ちます。
高級カクテルのガイドライン、簡単ミクソロジーのようなコンテンツを作ることを避けるためにも、僕を信じてください。そうです、リサーチをせずにローンチしたせいで、大失敗した事件です。覚えていますか?知らない人は過去のビデオを確認してください。
それでは始めましょう。すでにお話ししたように、このレッスンでは商品アイディアについてのブレーンストーミングの最初の部分をカバーしています。
基本的に、商品のリサーチをする際、絶対に行ってほしい2つの重要なブレーンストーミングがあります。1つ目は「Competition(コンペティション)」です。これは、競合他社が自社製品に対して行っていることについて、競合他社へのリサーチに基づいた上で行うブレーンストーミングとなります。2つ目は「Customer(顧客)」です。これは、見込み客との対話のみに基づいたブレーンストーミングであり、次のレッスンでその戦術について詳しくお話をしていきます。
どちらのブレーンストーミングも優良なコンテンツを作るために大切なプロセスなので、どちらかを飛ばしたり、どちらかのブレーンストーミングを優先したりしないでください。両方のブレーンストーミングをしっかりと行い、その結果をコンテンツに反映させることが重要です。商品のリサーチ、特に一般的なリサーチということになると、最初に大局的な目標や目的についてのリサーチから始めることが一番いいですね。
ライバルの商品を石崎式!商品企画書に通して分析する
まずはあなたの競合他社の有料コンテンツが、石崎式!商品企画書の空欄にどのようなものを当てはめているのかを確認しましょう。前回のレッスンで、このフレームワークの空欄にはこのような内容が入っていました。
- 「コンテンツのフォーマットは何か」
- 「ターゲットにしているのはどのような見込み客か」
- 「コンテンツを購入した見込み客にはどのようなメリットがあるのか」
- 「コンテンツによってどのような問題が解決されるのか」
- 「コンテンツが見込み客の生活をどのように変化させるのか」
- 「問題を解決させるためにどのようなスキルを教えるのか」
- 「商品はどれくらいの値段で提供されているのか」
それぞれの空欄に競合他社の情報が書き込まれていればいるほど、あなたが競うべき相手の状況がよく見えるようになります。モジュール3では、競合他社が運用するメーリングリストやそのほかのマーケティングコミュニケーションツールに登録してみることをおすすめしていました。まだ登録していない場合には、このタイミングで登録してみると良いでしょう。
僕のGmailアカウントにはたくさんのメールが届きます。そのほとんどがベンチマークしている海外マーケターからのEメールです。
ラッセルブランソンと一緒にコピーライティングの教材を販売しているJim Edwards、デザイン系のオンラインコースを販売するCoastal、サブスクの専門家「Stu McLaren」、高額商品の販売で有名なDan Lock、週4時間だけ働くのTim Ferriss、デジタルマーケティング業界で1番の成果を出しているNeil Patel、オンラインスクールのプラットフォーム「Teachable」などなど。僕はこれらすべての商品を購入し、彼らのマーケティングマテリアルをEvernoteに残しています。
この手法はリバースエンジニアリングと呼ばれるものです。カスタマージャーニーの最後、つまり完成した商品を体験するところからスタートし、商品のマーケティングマテリアルやオファーの方法などを全て逆方向でたどっていきましょう。そうすることで、競合他社が1つの商品をどのように販売、またはマーケティングしているのかがハッキリと見えてくるのです。
例えばClickFunnelsの創業者であるラッセルブランソンは、Funnel Scriptsという商品を販売しています。この商品は、アップセルで提供されています。コピーライティングの世界で「スワイプファイル」と呼ばれるものです。各ファネルに挿入すべきコピーをあらかじめ全て用意してくれています。いわばコピーライティングのテンプレートみたいなものです。
この商品を逆方向に移動するとこうなります。
- アップセル商品、Funnel Scripts(9万9700円)を購入する
- 集客に関するフロントエンド商品(トラフィックシークレット:2万9700円)を購入する
- トラフィックシークレットのセールスレターを確認する
- ステップメールの7通目にセールスレターのURLが記載されている
- 集客に関するリードマグネットをダウンロードする(オプトインする)
- 「Sales Funnel Traffic」で検索してClickFunnelsのブログを発見する
競合サイトをブックマークし、ソーシャルメディアのアカウントをフォローし、ブログがあればチェックし、メーリングリストがあればサインアップしましょう。基本的には、競合他社が提供している商品と、それらの商品をどのように販売しているのか、そのマーケティング方法を把握することが大切です。実際には、アップセルで、何をいくらで、何個売っているかまで確認したいので、僕たちであれば、毎月200万円ほど、英語圏のオンラインコースを買いまくっています。おかげでアメックスのポイントがどんどん溜まり、最近、ダイソンの掃除機をポイントでゲットしました。
直接競合と間接競合の両方をリサーチし多くのデータの集める
リサーチに関してはそこまで難しいことではありません。競合他社のリバースエンジニアリングにスキルやノウハウは全く必要としないからです。ただし、あなたが作ろうとしている商品と全く同じ商品を探さなくて構いません。ビジネスの背後にある大きなテーマに目を向けて、そのテーマが同じ商品を探してください。例えば競合の売っている商品が「ネットビジネスの方法を教える」コンテンツであっても、もしそのコアなテーマが「副業収入を増やす」というものであれば、僕たちのコンテンツの競合他社ではない、ということです。なぜなら、僕たちは副業でやっているサラリーマンは対象にしておらず、すでにビジネスを成功させている起業家を対象にしているからです。そうです、ターゲットが被っているコンテンツビジネスのモデルを探した方がいいのです。
とはいえ、日本のネットビジネスは英語圏のそれに比べてまだまだ歴史が浅く市場も成熟していないため、思うように競合が見つからないかもしれません。そういう場合は間接競合でも許容しましょう。探してきた競合他社のコンテンツがあなたの商品と全く同じものでなかったとしても、リバースエンジニアリングによって得た情報は、コンテンツ販売のビジネス全体の状況をよりよく理解するために役立つでしょう。
石崎式!商品企画書における質問以外に、リサーチしておくべきものが他にもあります。その1つは、競合他社が提供している他の商品についてです。
- 「それぞれの商品の値段はいくらでしょうか?」
- 「どのような商品が最初に提供されていますか?」
- 「商品が提供される際のフォーマットはなんですか?」
- 「それぞれの商品の背後にある大きなテーマはなんですか?」
- 「彼らがその商品を通してあなたに提供しようとしているベネフィットはなんですか?」
- 「彼らがその商品を通して解決しようとしている問題はなんですか?」
- 「それらの商品はどのようにその問題を解決してくれますか?」
- 「問題解決のためにどのようなスキルやノウハウを与えてくれますか?」
このような質問を通して、競合他社の商品に対してできるだけ多くのリサーチを行なってください。商品リサーチの段階では、情報は多ければ多いほど良いのです。
競合他社へのリサーチを行う際に、僕たちが行うもう1つの戦略は「見込み客のふりをする」ということです。競合他社の商品を購入しようとしている顧客のふりをして、商品のライブデモに登録し、営業担当者と話し、商品を販売する目的で行われるウェビナーに参加しましょう。ウェビナーでは、商品のデモ中にスクリーンショットを撮ったり、セールス・チームとの電話通話を録音したりするなど、顧客として体験したことをできるだけ多く記録しておきましょう。ただこの戦略を行う前に、あなたが住んでいる場所においてこのリサーチ方法が合法かどうか確認しておいてくださいね。僕と小川さんは、Evernoteの拡張機能を利用してスワイプファイルとしてどんどん共有フォルダの中にセールスページを保存しています。特に僕は、海外のベンチマークしているプレーヤーがどのようなセールスファネルを持っているかに注目してデータを記録するようにしています。
見込み客のふりをして競合のコンテンツを購入し分析する方法
見込み客のふりをして情報を得ることによって、競合他社の商品が顧客にとってどのような存在なのかを心から理解することができます。このような考え方を持っておくと、コンテンツ販売や独自のマーケティング展開などを行う際に有効なので、覚えておいてください。また、競合他社が提供する商品や彼ら自身の弱点や欠点なども理解できますし、逆に長所や絶対的な強みを見つけることもできるでしょう。
- 「競合他社には優秀なライバルがたくさんいて私の商品では太刀打ちできない」
- 「マーケットは飽和状態で、顧客はわざわざ私の商品を買わない可能性がある」
競合他社のリサーチを行うことで、このように都合の悪い事実が見えてくるかもしれません。しかし、それは大きな誤りです。特にコンテンツ販売の世界は、ゼロのない巨大な「サム・ゲーム」とでも呼べる状況です。たとえば誰かがKindleの本を購入したからと言って、それ以降に別の電子書籍を買わないとは限りませんよね。僕なんかはKindleの月間セールに出ている本は何も考えずに買っちゃいます。むしろ1個買っちゃうと、どんどんつぎが欲しくなる、これがデジタルコンテンツの業界では当然の商慣習になりつつあります。だからどの企業も一個めの商品の購入の後にアップセルオファーやクロスセルオファーを仕掛けるようになっています。
現場で起こっていることは、僕たちの直感的は考えとは全く逆の現象が起こっていることがわかります。たとえばうちのビジネスの司令塔である小川さんに関するエピソードを見てみましょう。小川さんはこのYouTubeの企画から、僕が今話しているスクリプトの作成までをも担当しています。うちのビジネスの黒幕です。小川さんはこれまでビジネスやマーケティングジャンルの情報コンテンツに対して1,000万円以上ものお金を使ってきたと言います。
もしあなたがFacebookマーケティングに関するコースを作ったのであれば、おそらく小川さんはそれを購入するでしょう。もしあなたがFacebookで有料広告を運営するコースを作ったら、彼はそれも購入するでしょう。この2つのコンテンツは、どちらもFacebookを対象とし、似たようなトピックのコンテンツとなっていますが、小川さんの考えは「どちらか一方を購入したからと言って、もう一方を買ってはいけないというわけではない」というものです。
彼は手に入れられるだけ全ての知識を取り入れようとしています。つまり、2つのFacebookコンテンツがあるのであれば、そのどちらも買うということです。その商品が似てようと、似てなかろうと、そのどちらにもそれぞれ得られるメリットが存在するはず。実際、小川さんは先月、Facebookの有料広告を運営するのに特化した情報コンテンツに200万円を投資したのです。
情報コンテンツの購入者というのは、この点に関してかなり貪欲だと言えます。彼らのほとんどは、たくさんのコースや商品を購入して、毎年、何十万ものお金を費やしているのです。似たコンテンツが2つあってどちらかを購入したとしても、もう一方の価値が下がるわけではありません。情報コンテンツの顧客は、あなたの商品を購入すると同時に他の商品も買おうとしているということを忘れないでください。
あなたと同じテーマのことを教えている人が100人いたとしても、マーケティングのアプローチや性質などはそれぞれ異なります。そのため、1人1人が独自の顧客を持つことができるのです。小川さんが同じトピックの2つのコンテンツを購入しないとすれば、彼がすでにそのトピックに対する完璧なアプローチや戦略を持っているときだけでしょう。
ただ、もし小川さんがコンテンツを買わなかったとしても、それがなんでしょうか。彼が購入しなかったコンテンツを、購入したいと考えている人々は何百、何千、何万人といる可能性もあるのです。
競合他社をリサーチするときには、似ている商品がたくさんあっても落ち込む必要なんてないということを頭に入れておいてください。ほとんどの見込み客は、そのコースをマスターするために、同じトピックのコンテンツを何個でも購入しようと思っているのですから。
あなたのコンテンツを優位に立たせるものは、あなたのアプローチやスタイル、あなた自身の性格、そして全体的なマーケティングの方法です。ここまでで、本レッスンは終わりとなります。次のレッスンでは、2つ目のリサーチ戦略である「見込み客との対話のみに基づいたブレーンストーミング」について詳しくお話をしていきましょう。