今日は海外で使われている情報商材の販売方法を2つ紹介します。海外ではマーケティングは大きく分けて2つに分類されます。年中いつでも商品が買えるオープンマーケティングと、購入期間を限定するクローズドマーケティングの2つです。結論から言うと、あなたの売る商品が1万円以下であればオープンマーケティングを使い、1万円より高ければクローズドマーケティングを使ってください。
さて、Eメールシーケンスの種類についてお話しする前に、ローンチに関する2つの方法について説明をしなければなりません。なぜなら、プロダクトローンチのスタイルによって、Eメールシーケンスの手法を変える必要があるからです。そのため、まずは初めてのプロダクトローンチでどんなことをするのか決めることが先決だと言えるでしょう。
今回お届けするノウハウはこちら
プロダクトローンチとは商品の販売をすること
まずプロダクトローンチの定義についてお話しさせてください。プロダクトローンチというとすぐにジェフウォーカーを思い出す人がいます。もしかしたら「ビデオ4本を使ってやるあのセールスのことね」と考える人もいるかもしれません。
英単語を分解すればすぐにわかることです。プロダクトをローンチする。商品を販売開始するということです。あなたの商品を購入できる状態にする、というただそれだけのことです。
もろちん英語圏でプロダクトローンチという言葉が使われる時も、それが意味するのはジェフウォーカーのビデオシリーズによるセールスではなく、ただ単に商品を販売するため一連のプロモーションを指しているにすぎません。もちろん僕の一連のコンテンツでも同じようにプロダクトローンチという言葉を扱っています。
日本人だけがプロダクトローンチ = 4本のビデオによるセールスと勘違いしています。プロダクトローンチとジェフウォーカーは全く関係ありません。彼に関係あるのは、プロダクトローンチフォーミュラという商品だけです。プロダクトローンチは、商品を販売する、という意味だけ理解しておいてください。
さて本題に入りましょう。
あなたのメーリングリストに対して、積極的にプロモーションをかけるのはプロダクトローンチのタイミングだけです。普段からセールスをするとリストは冷めてしまいます。コマーシャルばっかりのテレビを誰が見るでしょうか?コンテンツを売ろうとするときには、どこで売るのかや、いつ売るのか、徹底的に考えなければなりません。タイミングを気にせず売るのは、あまり良い手だとは言えません。
常にメーリングリストに対して商品のプロモーションをし続けるのは、ネズミ講に参加して、いつでもどこでも友人に化粧品やナイフのような商品を売ろうとしているのと同じようなことです。そんなネズミ講まがいのプロモーションはしないでください。
では、あなたにはどんなプロダクトローンチの方法があるのかについてお話ししましょう。あなたが知っておくべきプロダクトローンチには2つのスタイルがあります。
オープンマーケティングとは?
1つ目のスタイルは、いわゆる「オープンマーケティング」です。単純に言えば、一年中いつでも商品を購入できるというプロダクトローンチのスタイルです。オープンマーケティングのスタイルでは、セールスファネルと販売ページにいつでもアクセスできるようになっています。そのため、いつでも見込み客は商品を購入するために申し込みをおこなうことができます。
わかりやすいのがUdemyです。Udemyに掲載されているオンラインコースは年中いつでも購入できます。Udemyはオープンマーケティングを採用しつつも、大幅ディスカウントのプロモーションを定期的に実施することで、仮想的な締め切りを設けることに成功しています。
メーリングリストに参加するのが、1月でも3月でも、たとえ商品を購入するのに5ヶ月悩んだとしても、見込み客はあなたの商品を買うことができます。好きなときにアクセスし、好きなときに購入できる、これがオープンマーケティングというプロダクトローンチのスタイルです。
これ、ClickFunnelsを使って年間1億円近くを一人で稼いでいるリズベニーさんのセールスレターです。彼女の商品は全てオープンマーケティングで販売されています。
売っている商品の値段は6000円ほど。ローチケットの商品を最初に売って、相手の与信状況を確認したのちにハイチケット商品を販売するトリップワイヤーファネルを使っています。6000円の商品を購入したあとに、アップセルで商品がオファーされる仕組みです。
ちなみに、僕がエバーグリーンで売る、と言ったときはこのオープンマーケティングを採用しています。ちなみに海外では、JumpcutやMaria Coz などがオープンマーケティングを使って商品を年中売っています。ClickFunnels のエレメントにあるカウントダウンタイマーを使えば、簡易的な締め切りを設けられます。もっと厳密に締め切りを管理したい場合はDeadline Funnelを使うといいでしょう。先程例に出したJumpcut はKajabiというプラットフォームを使っているのに対し、Mariah CozはSamCartにDeadline Funnelを埋め込んで動的な締め切りをユーザーごとに設定します。
常にカートをオープンしているとはいえ、見込み客にそれを悟られてはいけません。もちろんデジタルマーケティングの世界に精通している人たちは、マーケターの僕たちがDeadline Funnelなどの締め切り管理ツールを設けて「ユーザーのオプトインを起算点とした動的な締め切りを設けている」ことくらいはわかっています。でも見込み客はそういった込み入った事情は知りません。現実に、Deadline Funnelを使ってオプトインをトリガーとした締め切りを作ると、仮にIPアドレスを変えても、仮にブラウザを変えても、仮にメールアドレスを変えても、期限を過ぎたセールスレターにはアクセスできなくなります。
僕の言っている意味がわかるでしょうか?オープンマーケティングなのに、なぜ締め切りを設けるの?どうやっているの?と思う方は、今ほど僕が言ったことは忘れていただいて構いません。
さあ、次にいきましょう。もう1つのプロダクトローンチです。
クローズドマーケティングとは?
2つ目のスタイルは「クローズドマーケティング」です。クローズドマーケティングでは、あなたのメールを受け取った人だけがあなたの商品を決まった期間でのみ購入することができます。たとえば、3月1日に「1週間だけ商品販売ができるページのURL」を、メーリングリストに送信したとしましょう。購入期間は1週間だけなので、見込み客は3月8日までしか商品を購入することができません。
もし、購入期間が過ぎてからURLにアクセスして購入しようとしても、すでに期間が終了しているので、購入することはできません。あなたがその商品を再販するかしないかにかかわらず、見込み客はあなたが次に商品を販売するまで待たなくてはなりません。ほとんどの販売者は、購入期間が過ぎてしまえば、セールスレターのURL自体を無効にします。.htaccessでディレクトリごとアクセス不可能にしてしまう人もいます。
クローズドマーケティングは、オープンマーケティングよりも難易度が高いです。カートをクローズする作業が必要になるからです。それを仕組みにやらせる場合、作業はもっと複雑になります。例えば「12月1日にオプトインした人にAというセールスレターを見せて、1週間後にセールスレターAを閲覧不可としてBというセールスレターに自動遷移する仕組みを実装せよ」と言われて、そのやり方がわからなければクローズドマーケティングを自動で運用することはできないでしょう。
そのため、あなたがどれだけビジネススキルを持っているかがクローズドマーケティングをおこなうかどうかの大きな基準の1つです。また、あなたのコンテンツにどれだけのコストがかかるのか、どんな問題を解決するコンテンツなのかも、クローズドマーケティングをするか決めるための判断材料となります。そのため今回のレッスンでは、あなたが初めてコンテンツをリリースするという前提でお話をしていきましょう。
まずあなたは、そのコンテンツに対してどんなスタイルのプロダクトローンチ、つまり商品の販売方法が適しているのかについて、知っておく必要があります。もしあなたが、見込み客の人生を変えるようなノウハウやスキルを与える高価なコンテンツを売ろうとしているのであれば、クローズドマーケティングが良いでしょう。なぜなら、高価で価値の高いコンテンツは金銭的な負担が購入のハードルとなってしまうため、クローズドマーケティングで見込み客に緊急性を感じさせなければならないからです。
たとえば、僕たちが販売している20万円のデジタルコンテンツは購入期間を1週間に絞りました。これらコンテンツがオープンマーケティングで展開されたとすれば、おそらくほとんどの人が「高すぎる」「また後から買うかどうかを検討するようにしよう」と考えるようになるはずです。では、本当に後からこのコースを購入するかどうか考えてくれるでしょうか。いいえ、きっとすぐに忘れるでしょう。
クローズドマーケティングが見込み客に高いコンテンツを購入させる魔法のようなプロダクトローンチの手法だと言っているわけではありません。しかし、オープンマーケティングよりも見込み客に対してコンテンツを購入しようとする気持ちを持たせることができます。販売停止の具体的な締め切りがあるので、買おうとしている人たちは先延ばしにするオプションを失い、今すぐ買う状況を作り出せるからです。
人は得をすることよりも、損をする方に駆動されます。
得ることより、失うことの方がはるかに僕たちをドライブするということは、行動経済学でノーベル賞を受賞したダニエルカーネマンのプロスペクト理論が証明しています。ダニエルカーネマンのプロスペクト理論が引用されるのは、いつもインデックファンドや株式投資の文脈においてですが、ダニエルカーネマンは心理学者です。心理学者がノーベル経済学賞を受賞してしまったというだけです。ファスト&スローという素晴らしい本があるので興味のある方は読んでみてください。TEDトークの「経験と記憶の謎」も僕たちに深い洞察を与えてくれます。僕は彼の本を読んでから世の中の「幸せになりたいブーム」に乗っかるのをやめるようになりました。多くの読者が彼の本を読んで「幸福」を諦めました。僕もその一人です。
1万円以下の商品を売るときはオープンマーケティングを使う
さてさて。
では、オープンマーケティングについても話しをしていきましょう。オープンマーケティングは、安くてシンプルなコンテンツを売るのに適したプロダクトローンチのスタイルです。安価な商品を売るのであれば、できるだけ多くの見込み客にコンテンツを買ってもらえるためにオープンにしておきたいものです。また、安価なコンテンツはたくさん売ることでしか収益をあげることができないため、メーリングリストへの参加も制限などは設けるべきではありません。
ただし安くてシンプルなコンテンツを大々的に宣伝してしまうと、見込み客には度を過ぎたプロモーションだと思われてしまいかねません。そうなれば見込み客はあなたから離れてしまうでしょう。そのため、安くてシンプルなコンテンツには、インパクトの強いクローズドマーケティングは向いていないのです。「この伝説なコピーライティングの教材は、今だけ500円です!残り3時間限定で!」と大袈裟に宣伝しても、見ている人たちは冷めてしまうでしょう。何でそんな安い商品を売るのに、締め切りを設けてまで躍起になっているの?と。
そうは言ったって、ダイレクト出版はよく100円キャンペーンを期間限定でやっているじゃないか・・・とあなたは思うかもしれません。あれはHidden Continuityといって海外ではダークマーケティングに分類される手法を用いて、サブスクリプションを控えめにオファーするやり方です。100円で商品を手に入れるかわりに、初月無料のサブスクを申し込まなきゃいけないというカラクリです。単発商品を売るよりサブスクを売る方が遥かに難しいから、わざわざ締め切りを設けて100円の商品を売るのです。本当に売りたいのは、初月無料のサブスクなのです。
ちなみに、このHidden Continuity を使うと1つの会社が立ち上がるくらい儲かります。お客さんからのクレームも多いですが、ほとんどはサイレントマジョリティなので、大きな問題に発展することは稀です。Hidden Continuityを実行するには、ある程度デジタルマーケティングツールに詳しくないとダメだし、それなりのレターを書く力も必要になります。
話がそれました。安い商品を売るのであればオープンマーケティングでいいよという話でしたね。
僕たちの経験則では、1万円以下のコンテンツにはオープンマーケティングが適していると言えます。もしコンテンツが1万円以上から5万円の場合、オープンマーケティングとクローズドマーケティングのどちらでも選ぶことができます。その場合、オープンマーケティングとクローズドマーケティングのどちらを用いるかは、次の基準で考えてみてください。
「ターゲットとする見込み客はどんな人なのか?」「あなたのコンテンツが解決しようとしている問題はどんなものなのか?」「彼らにとって、そのコンテンツはどれだけ金銭的な負担をかけるのか?」この3つの質問に対する答えが、オープンマーケティングとクローズドマーケティングを使い分けるための鍵となるでしょう。
例えば「YouTubeのチャンネルにもっと人を集めたい」と考えている成功したソーシャルメディアインフルエンサーが3万円支払うのと、「家計に負担をかけない範囲で健康的な食事の作り方を知りたい」と考えているシングルマザーが3万円支払うのでは、同じコストであっても、両者への金銭的な負担は全く違いますよね。だからこそ、コンテンツのターゲットを考えた上でオープンマーケティングとクローズドマーケティングのどちらを選ぶのか考えることは重要なのです。
僕たちは常に年収1億円以上のAランクプレーヤーをターゲットにしているので、フロントエンド商品でも20万円の値付けをしています。これは極端な例かもしれませんが、ターゲットによってはそのくらいのプライシングをしたとしても商品がオープンマーケティングで売れていく事例として記憶に留めておいてください。
復習:ターゲットに合わせてプロダクトローンチのスタイルを決める
さて、このレッスンでは2種類のプロダクトローンチについてお話をしてきました。次回からのいくつかのレッスンでは、オープンマーケティングとクローズドマーケティングの作り方についてそれぞれお話をしていく予定ですが、どのようにセールスファネルをセットアップするかは、あなたが選択するプロダクトローンチのスタイルによって大きく変わってきます。そこで、このレッスンの課題は、あなたがコンテンツをリリースするのに際し、オープンマーケティングとクローズドマーケティングのどちらを用いるかを決めることとします。
もしあなたのコンテンツが高価なものであるならばクローズドマーケティングが適しているでしょう。クローズドマーケティングでは3〜4ヶ月ごとにコンテンツのローンチをすることになります。3回ローンチに成功すれば、Deadline Funnelのようなオンライン・ツールを用いて、ローンチまでのプロセスを自動化することが可能です。まずはライブで3回ほどローンチを成功させてください。
反対に、もしあなたのコンテンツが安価なものであるならばオープンマーケティングが合っていると言えます。オープンマーケティングなら、セールスファネルを1度構築してしまえばいつまでも稼働させておくことができます。繰り返しますが、オープンマーケティングの実例を確認したければ、Udemyで販売されているオンラインコースやリズベニーさんのウェブサイトを確認してください。
コンテンツが安価とも高価とも言えないミドルなものであるならば、コンテンツのターゲット・ユーザーと具体的なコンテンツの中身を確認して、ビジネスに最適なプロダクトローンチのスタイルを決めていきましょう。次のレッスンでは、Eメールシーケンスの作り方について詳しく見ていきますね。