どうもこんにちは、石崎力也です。
今日はネットビジネスでコンテンツ販売するならリサーチが命という話をします。冒頭でいきなり僕たちの失敗談を公開します。あなたがコンテンツ販売で成功するためには、あなたの売りたいものではなく、見込み客が買いたいものを作るようにしてください。「お前たちの作ったコンテンツはゴミ同然だ」と言われるのを未然に防ぎましょう。
かなり前の話になりますが、西麻布3丁目に事務所を構えていた時、当時コピーライターで有名だった山本と僕は、情報商材に関する素晴らしいアイディアを持っていました。それは「簡単ミクソロジー」と呼ばれるもので、基本的にはビデオコンテンツを使って、家で高級なバーで飲むようなカクテルを作る方法を教えるという内容でした。
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コンテンツ販売はプロダクトアウトでやると失敗する
アイディアはとてもシンプルで、デートの時に家で素晴らしいカクテルを作ってあげれば、相手に好印象を持ってもらえるというものです。
僕らは20代の、ただの性欲バカでした。六本木にいるのに、女性がたくさんいるのに、僕たちは声を掛けることすらできずにただ部屋でブログを更新するだけ。松屋で味噌汁付きの牛丼を食べて、空腹を凌ぐだけのものすごく惨めな人生でした。そこで思いついたのが、カクテルで女の子を引きつけようという作戦でした。
僕たちがカクテルを作って女性を事務所に連れて来れたかどうかはここではそれほど重要ではありません。僕たちはこのアイディアが最高のものだと信じていましたし、きっと見込み客も喜んでくれると確信していました。だって彼らも僕らと同じように、初めてのデートで家に連れてきた異性から好印象を持ってもらいたいと思っている大学生くらいの人が多かったですから。そういうわけで、僕たちにとってこの高級カクテルの情報コンテンツは完璧なものでした。
しかし、そこで僕たちはこう考えました。簡単ミクソロジーは僕たちのアイディアのみによって作られました。ようは推測ベースのビジネスアイディアです。いわゆるプロダクトアウトという手法です。
その時点では、見込み客が「初めての家デートで恋人にカクテルが作りたいと考えているかどうか」についてはリサーチしておらず、ローンチしてからの予想ができないと思ったのです。ただそれでも僕たちの計算では、このコンテンツの売上は2万のメルマガリストに投げて2,000万円まで見込めると予想していました。高級なラウンジにあるカクテルを作るための素晴らしいガイドならコンテンツ1つあたり10,000円くらいで売れるだろうと考えていたのです。
しかし、コンテンツのリリース後、どんなことが起こったと思いますか?簡単ミクソロジーをリリースしてから、たった50個のコンテンツしか売れなかったのです。たくさん売れたように聞こえるかもしれませんが、この時点で僕たちの見込み客は2万4000人ほどいました。まあ、ほとんどがTOEICに興味のある英語学習者でしたが。
これでは、数百個の販売を見込んで数個しか売れなかったことと同じです。これには本当に気が滅入りましたし、胸が張り裂ける思いでした。見込み客から「お前たちの作ったコンテンツはゴミ同然だ」と言われているのと変わりません。
高級カクテルガイドは、僕たちが膨大な時間とエネルギーを費やして作ったコンテンツでした。リリース前には絶対に売れる素晴らしいアイディアだと思っていました。しかし全く売れなかったのです。これはおそらく、有名なグルメ評論家から手厳しいレビューを受けるレストランオーナーの気持ちと同じでしょう。まさに悲劇だと言っても過言ではありませんでした。
人々の生活を変えるだろうと期待して売り出したものが、完全な失敗になって終わってしまったのです。頑張ったことが全て無駄だったことがリリース後すぐに分かったのです。それに加えて、アイディアを成功させるためにそれなりの資金を投入していたので、もはや破産寸前でした。
ルデンス西麻布の2階のオフィスに家賃16万5000円を払い、20万円以上の社会保険料を払わなきゃいけない。もう金がない。かっこつけて六本木ヒルズにあるアカデミーヒルズに毎月払っていた1万円のサブスクもやめたほうがいいかも。ああ、僕たちはいよいよ情報商材の販売をやめて、実家で新聞配達の手伝いをしなきゃいけない。六本木ヒルズのアリーナで開催されている港区の盆踊りを眺めながら、僕たちはギリギリの思いでした。
ただ、簡単ミクソロジーより前にリリースしていたTOEICのコンテンツが売れていたので、なんとかそちらに収入を頼ることができたという情けない状態でした。
TOEICの情報商材が売れたのはマーケットインのおかげ
売り上げも大してないのに、勢いだけで西麻布に引っ越してきて、高い家賃と高い社会保険を自分たちで払わなければいけない20代前半の僕たち。最初にやったのは徹底的な聞き込みでした。聞き込みと言うよりかは、藁にもすがる思いで「どんな商品を作ったら買ってくれますか?」とアンケートを取ったんです。そこから生まれたのがTOEICの情報商材でした。アンケート結果で最も票数の多かった商品を作りました。見込み客が欲しいと言っている商品を作ったのだから、売れて当然です、今思うと。これがマーケットインのアプローチです。
しかし、初めてコンテンツを売り出そうとする初心者の方は、僕たちのようにセーフティネットを持っているわけではないでしょう。簡単ミクソロジーのような売れないコンテンツのアイディアは、あなたを苦しめ、お金を浪費させ、最終的に両親の家に住まざるを得ない状況にまで追い込みます。
セールスページでは腕を組んで偉そうにマーケターを自称しているけど、実際はパパとママのお家に寄生して、炊事洗濯をしてもらっている始末。同年代の人はもう家庭を持ち、会社でもいいポジションをもらっているのに、自分はいまだにママにパンツを洗ってもらっている。このまま、生活費すら稼げない人生をいつまで続けるのだろうかと不安に苛まれる毎日。だけど、今日もブログの後ろに隠れてこそこそとMacBook Airで記事を書く。悲しい現実ですが、これに近似した経歴を持つ人はたくさんいます。僕たちもそういった自称マーケターでした。
簡単ミクソロジーが失敗に終わったのは、僕たちのリサーチが不足していたからです。見込み客が本当に「高級カクテルの作り方」のコンテンツがほしいのか、ちゃんと判断するために時間を全く割きませんでした。なぜなら、僕たちはそのアイディアが良いものだと信じて疑わなかったからです。しかし、明らかに見込み客にとってカクテル作りのコンテンツは良いアイディアではありませんでした。
ただ僕たちはこの経験を、ただの失敗として終わらせたわけではありません。なぜなら僕たちは簡単ミクソロジーのような大惨事を避けるため、コンテンツをリリースする前にしっかりとリサーチを行うことの重要性を学んだからです。今回はこの失敗経験から学んだことについて、余すことなく全てみなさんに共有するつもりです。簡単ミクソロジーの失敗から学んだ教訓を知ることで、あなたのコンテンツが失敗するリスクを最大限まで減らすことができます。
これまでのモジュールで公開してきたノウハウをまとめます。コンテンツを利用して自分を権威ある人物として位置づけ、本当のファンを獲得する方法について説明してきましたね。ここからは、言うなれば「コンテンツのリサーチと商品開発のフェーズ」に入ることになります。実際にコンテンツを作るのはまだ先になりますが、その点については次回お話をしましょう。
このモジュールでは、コンテンツの作成前に商品アイディアへ焦点を当て、見込み客が何を望んでいるのかについて正確に把握していきます。そして次回は、今回の内容から学べるリサーチ結果を用いて、実際にコンテンツの作成について考えていきましょう。
では、なぜ僕たちはコンテンツ作成においてリサーチにこれほどまで多くの時間をかけているのでしょうか。簡単に言えば、コンテンツを作成する際、見込み客に対する深い分析をしておけば、その情報は大いに役立つからです。見込み客をよくリサーチし、彼らの問題点を正確に把握して、その問題点をコンテンツで解決するのです。簡単ミクソロジーのように誰も欲しがらないようなコンテンツを作ることだけは避けましょう。
見込み客の問題点を深く掘り下げてあげることで良いコンテンツが完成します。また見込み客が、その問題点によって手遅れになってしまう前にコンテンツが解決の手助けをすると理解されれば、多くの資金を投下してくれるでしょう。つまりあなたのコンテンツ販売が成功するということです。
あなたが見ているモジュール6では石崎式!商品企画書という実績のあるフレームワークを使用し、コンテンツ作成のための基盤を提供します。「どんな種類のコンテンツを作るべきなのか」「どれだけのコンテンツを作るべきなのか」もしくは「コンテンツの価格設定はいくらにすべきなのか」などのよくある疑問をこのフレームワークと僕たちの説明で解決することができるでしょう。
あなたは「情報」ではなく「結果」を販売している
しかし、その前に初心者がコンテンツを作る前に知っておくべき、2つの大切なポイントについてお話をしなければなりません。1つ目のポイントは「情報ではなく変化を売る」ということです。これは情報コンテンツの定義に反するものだと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。情報コンテンツの価値を見誤らないでください。優れた情報コンテンツというのは、単に情報を売るのではなく、見込み客の変化を売っているのです。この点については、僕と一緒にハイチケットセールスに関する商品を作った竹岡佳信さんが繰り返し伝えていることなので、興味のある方は、高額商品の作り方で検索して僕たちのローンチビデオを確認してください。
見込み客は「コンテンツによる最終的な結果」と「僕たちが彼らに与える変化」を購入していると考えてください。購入しているのはただの情報コンテンツではありません。生活に有意義な変革をもたらすためのツールとしてのコンテンツなのです。
そうですね、海外でよく挙げられる変化量に関する事例をいくつか引っ張ってきてみましょう。
たとえば「The freedom to make money while answering to no one but yourself.(自分の好きなことで稼ぐ自由)」「The opportunity to live the lifestyle you always dreamed of having.(夢のような生活を送るチャンス)」などのような優れた情報コンテンツは、見込み客に情報コンテンツの作り方を教えるだけではなく、午前9時から午後5時までオフィスで働く窮屈な仕事から解放する機会を与えてくれるのです。実際の生活に変化が起こることは、情報がもたらすとても強力な魅力だと言えるでしょう。見込み客が欲しいのはノウハウではなく、ノウハウによってもたらされる人生の変化なんです。
ボリュームの大きい商品の方が売れるという誤解
もう1つ知っておかなければならないポイントは「コンテンツのボリュームが多いからと言って商品価値が高くなるわけではない」ということです。多くの初心者はコンテンツのボリュームと価値が比例すると誤解してしまっています。これはまさに第4パートで説明した「the bigger is better bubble(大きい方が良いという幻想)」です。
情報コンテンツ業界に参入した多くの起業家はこう考えます。「自社のコンテンツにできるだけ多くの内容を詰め込めば、それがビデオであろうと、電子書籍であろうと、価値が高まるはずだ」と。つまりコンテンツが増えれば値段が高くなっても買ってもらえるという思い込みです。しかし、これは間違いです。
コンテンツのボリュームが多くても、中身が良くなかったり見込み客の生活に変化がもたらされなかったりするのであれば、価値には繋がりません。コンテンツにとってボリュームは価値に直結する要素ではないのです。たとえば最初に紹介した簡単ミクソロジーが800時間超えのボリュームであったとしても、見込み客にとって価値がないという事実は変わりません。僕たちが売り出したコンテンツは見込み客にとってそこまで大きな魅力にならなかったため売れなかったのです。
脳機能学者の苫米地英人さんはYouTubeの動画の中でこう言ってました。フォレスト出版の担当者が、コーチングの値段を45分150万円から45分120万円に値下げしませんかって言ってきているけど、たかだか150万円で人生変わるなら安いもんでしょ。
僕たちは45分という尺でみて150万円が妥当かどうか判断しがちですが、苫米地さんは人生の変化量で価格を判断していたのです。確かにどれだけお金がなくても、人生が劇的に変わるなら150万円でも安いと思える人も少なくないはずです。
でもあなたがモジュール6で学ぶことで、僕たちがやってしまった失敗と同じ道を、あなたが通ることを防ぐことができます。見込み客が買いたいと思うようなコンテンツを販売するために、ブレインストーミングとリサーチにできるだけ多くの時間を費やしましょう。次のレッスンでは、商品のパッケージと、商品においてエレベーターピッチのような役割をするフレームワークについてお話ししましょう。
商品が誰のためにあるのか、商品がどのようなメリットをもたらすのか、見込み客が目標を達成するために商品がどのように役立つのか、商品の価格とフォーマットなどについて説明していきます。また、後ほど見込み客と競合他社の両方から学ぶことができるリサーチ戦術を全て紹介しましょう。これは完璧なコンテンツを作成する際にとても役立ちます。そして最終的には、このパートでしっかりとリサーチされた商品アイデアを使用し次のモジュールに進んでいきます。