今日は仕事を楽しみストレスを軽減し生産性を上げる方法についてレクチャーしようと思います。なんか欲張りなテーマですけど、仕事とストレスと生産性は連動しているので、1つを改善するだけで他の2つも自動的に改善されます。安心してください。まずは、創業メンバーのコピーライターF君が倒れて救急車を呼んだ話からスタートしようと思います。
僕たちは苦悩を愛さねばなりません。なぜなら起業には、苦悩や闘い、摩擦はつきものだからです。苦悩を愛するということは、困難に直面したとしても、自分が今していることを愛するということです。ほとんどの場合、自分がやっていることはどんなことであっても、楽しんでやるべきなのです。もしあなたが自分の行動を愛せないのであれば、間違ったことをしていることになります。そんなことを続けるのはやめましょう。もし成功する起業家になりたいのであれば、本当に、本当に一生懸命に働かなければなりません。
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起業当時は社会保険を払うためにTOEICの情報商材を販売していた
セールスファネルがうまく回りだすと、最終的にほとんど働かなくて済むようになるでしょうか。そうです。それがこのオンラインコースビジネスの最も重要なポイントです。しかし、その境地に至る前には公園を散歩するような時間すらないと思わなければなりません。かなりの努力が必要です。起業家になるということは、友人や家族と過ごす時間や外出する時間の多くを諦めることを意味します。このような犠牲を払える人こそ、成功する起業家になれるのです。
2015年の2月僕は沖縄の本部町にいました。そこで妻が「バーベキューやろうよ」と声をかけてきたのに対し僕は「仕事が終わってから」と答えたの興ざめだったと過去のレクチャーで伝えました。その時点ではオンラインビジネスはかなりの部分が自動で回っており僕の手を離れてもシステムが勝手にお金稼いでくれるようになっていました。
その興醒めの一件以降、僕は毎週土曜日の午前中しか働かないと決め、その生活を今日までずっと続けてきました。僕は2015年2月より前の話はそれほど公にした事はありません。今日はそのお話をさせていただきます。2013年の4月僕は港区の西麻布3丁目にうちの会社の事務所を構えました。西麻布3丁目に事務所を構えた理由はシンプルでした。まず第一にアカデミーヒルズが近かった。アカデミーヒルズは六本木ヒルズの49階に入っているライブラリーです。意識高い系のサラリーマンが、出社前あるいは終業後に、勉強をするような場所です。アカデミーヒルズはSTUDY HACKSを書いた小山龍介さんの本でも紹介されていまた。素敵な場所ですし、月額の費用も高くないので、おすすめです。
あるいは僕たちのようにフリーランサーや個人事業をやってる人たちもいました。普通に生活していてSEOの話をしている人に出会うことってないと思うんです。でも当時、SEO最盛期で、アカデミーヒルズの談話ルームでは個人事業主から、スタートアップの社長までもが「SEO」「SEO」と連呼していたのを昨日のことのように思い出します。
これから「正義」の話をしよう、を書いたハーバード大学の教授がいましたね。哲学者のマイケル・サンデルです。その彼が、アカデミーヒルズで仕事をしている僕の後ろを行ったり来たりしているのです。そういう場所なんです。アカデミーヒルズの会員が出版すると、入り口近くに彼らの陳列されます。エレベーターが49階直通で、その巨大なエレベーターの中で「私今日出版したんです」と若干他の人にも聞こえるように、女性の人が言っているのを聞いて「あーなるほどそういう場所」なんだと理解しました。
面白い場所なのでいちど行ってみてください。理由はもう一つあります。なぜ西麻布を選んだのか。創業メンバーのK君が当時慶応大学の学生でした。僕は慶応大学の位置は知らないのですが彼曰く、慶應大学と、彼の通っているジムと彼がインターンをしている別の会社と、そして西麻布の事務所がちょうどいい位置関係にあるとの事でした。物件探しの時、僕は金沢にいました。彼に丸投げして西麻布の物件を見つけてもらいました。慶應大学の彼がまずこの場所を見つけてその次に、僕たちがその場所を気に入ったという流れです。
彼は非常に優秀で、プログラマとして大成功していました。だからもちろん僕の方から「他のインターンを全部断ってうちに来てくれ」とは言えませんでした。彼はインターン先からも給料をもらいクラウドワーカーとしてプログラミングの案件をいくつか受注しさらにはうちから固定報酬を受けていました。
会社を創業してまず最初にやったことは社会保険の適用事業所になることでした。早速請求された額に僕はびっくりしました。まだ売り上げのメドも立っていないし、資本金もほぼ用意せずに起業したため、早速資金がショートしたのです。だからこそ僕は寝る間を惜しんで働きました。振り返ってみると、案外あんなふうに追い込まれたときに、商才は磨かれると僕は思うのです。
早速売り上げを作らなきゃけない。さぁどうしようか。最初にやったのは当時持っていたリストに商品を販売することでした。それらリストは僕が大学生の時にSEOを個人的に勉強し「TOEIC 勉強法」というサイトを検索エンジンに上位表示させオプトインページからかき集めたリストです。英語学習に興味のある人たちのリストですね。今思うと、オプトインページでリストをとって、そこに商品を売るという行為を大学生の頃から今日に至るまでずっとやり続けているのです。馬鹿の一つ覚えとはまさにこのことです。我ながら、甘い果実にいつまでもかぶりついている自分に辟易します。なぜ政治家が利権を離そうとしないのか、なんとなく分かってしまいます。
さて、かき集めた英語学習社のリストに対してTOEICのオンラインコースを販売しました。100,900円の情報商材です。この100,900円という数字は、TOEIC界の重鎮、中村澄子さんが八重洲でやっていたスクールの値段を参考にして決めました。期間限定で割引して、60,900円で販売していました。アップセルで2万9800円の商品を4つほどオファーしていました。ああ、当時から僕はアップセルオファーしていたのですね。
運良く一回目のローンチで10本近く売れたので、これでなんとか今月の社会保険は払えそうです。当時の僕はそう考えていました。
インターネットの世界は今も昔もお金ジャブジャブ
こういう状況でしたから、寝る間を惜しんで働いたと言えば聞こえはいいですけど、どちらかと言うと日々の支払いに追わていた、が正しい表現になりそうです。不思議なことに時間がたっぷりあるほど無駄なことに時間を費やしてしまいます。「やる気のスイッチ」を書いた山崎拓巳さんは「制限は創造の母」と言ってました。あながち間違いではないと思います。時間的な制約があるからこそ、あるいは金銭的な制約があるからこそ僕たちはクリエイティブになろうとするのです。
当時の僕たちに金銭的なリソースはそれほどありませんでした。お金をかけずにリストを集めるためにはどうしたらいいかということを日々考え、当時ベストセラーになっていたハブスポットのCEOが書いた「インバウンドマーケティング」の本を穴があくほど繰り返し読みました。書いてあることの要点はすごくシンプル。お客さんが来るサイトを作りなさい。来たお客さんをコンバージョンしなさい。それだけ。その教えを守り、僕は今こうやってあなたにオンラインコースビジネスを教えている。その教えを貫きハブスポットはニューヨーク証券市場に初のデジタルマーケティング企業として上場しました。
僕たちは英語の勉強法に関するサイトを運営していました。芸能人の名前を絡めてトレンドに乗せて英語の勉強を書いていました。例えば中田英寿の英語勉強法とか。こうするとものすごいアクセスが集まることに気づいたのです。エックスサーバーの一番上位のプランを申し込んでいましたが、それでもサーバーがダウンしてしまうほどアクセスが集まりました。エックスサーバーのカスタマーサポートからこんなメールを何度ももらいました。サーバーを解約されなかったのが不幸中の幸いです。
> > Haamalu合同会社
> > ご担当者 様
> >
> > 平素(へいそ)は当サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。
> > Xserver カスタマーサポートでございます。
> >
> > お問合せ番号 :xsvcXXX
> > サーバーID :lXXX(sv819、X30プラン)
> > 対象ドメイン :XX.jp
> >
> > 上記お客様ご利用のサーバーアカウントにおいて、
> > ご利用プランの目安を大幅に超える転送量が発生しております。
> >
> > X30プランの場合、快適にご利用可能な転送量の目安は80GB/日でございますが、
> > お客様のアカウントにおいては直近1日間で
> > 【152GB以上】の転送量が発生しておりました> > 大変お手数ですが、運用サイトの見直しや、アクセスの分散、
> > 画像データ・動画データ等の軽量化や別サーバーへの移動など
> > 早急に転送量の軽減を行っていただきますようお願いいたします。
> >
> > ※簡易的に確認した所、ドメイン「XX.jp」に対するアクセスが多い状況でした。
> > 原因特定の参考にしていただければと存じます。
まあ、今でもそうなんですが、インターネットの世界はお金じゃぶじゃぶです。当時はもっとジャブジャブだったと言えるかもしれません。アルゴリズムの穴をついたりするだけで、ドバッとアクセスが集中していた古き良き時代です。僕らは芸能人の名前を英語学習に絡めるといったやり口で、サーバーがパンクするほどのトラフィックを集め、そのトラフィックをメールアドレスに変えていったのです。
リストもたくさん集まり英語の学習者だけで2万4000人のメールアドレスを獲得することに成功しました。おそらく当時英語学習系のリストホルダーとしては日本一だったと思います。いろんなASPの営業担当の方から連絡を頂き、特別単価を出すから「レアジョブにアクセスを流してくれとか」「特別単価を出すから〇〇の案件をサイトのバナーに掲載してくれ」と言ったことがほぼ毎日のようにありました。僕は出不精だったのでそういう営業担当の人ともメールでやりとりをしました。彼らは面と向かって会うことを望んでいたようですが。
そんな生活を繰り返していたある日、ライターのF君が倒れました。外に出てタバコを吸ってる時に気分が悪くなり、そのまま家に帰って倒れたそうです。僕たちは彼のために救急車呼びました。人が倒れるほど働く。僕はそもそもそんなに働いているという印象はなかったのです。無理強いしているわけでもなかった。日々の支払いに追われ、そのを支払うための売上を立てるために何も考えずにただただ働いていた、そんなイメージでした。そのときはじめて「救急車を呼ばなければいけないほど全員が狂ったように仕事をしていた」という事実に気づいたわけです。
僕が労働量についてどう思っていたかに関係なく、僕たちは倒れるほど働いていたと言うのは間違いありません。
働いた量で言えば僕はコピーライターのF君よりも長時間働いていた気がします。寝る時間もはるかに少なかった。僕とF君を分けたのはまず責任感でしょう。
責任感と言えば聞こえはいいですが例えば社会保険が払えなくなったら、追及されるのは代表の僕だけです。そういった外的な強制力や影響をもろに受けるのは会社の代表だけです。その責任感があったので、多少のストレスにも耐えられたのだと思います。
追加の理由があるならば、シンプルに言って「使う側の人間と使われる側の人間」だったら倒れるのは当然ですが使われる側の人間でしょう。ワタミの社長は倒れないけど、ワタミの従業員は倒れます。
仕事を楽しむことで免疫系の病気にかからなくなる
もしその他の要素があるとすれば僕は純粋に自分のやってたことを楽しんでいました。自分で作った仕事だから、当事者意識が強いのです。
だからこそ、自分のしていることを完全に愛さなければいけません。自分がやっている仕事を愛することができれば、辛いことがあっても乗り切ることができます。しかも、仕事を愛することにはほかにもメリットがあります。それは、健康に大きな影響を与えてくれるということです。自分のしていることを愛している方が、健康的かつ幸せな生活を送れることは間違いありません。
しかも、ここに興味深い事実があります。好きなことをした方が生産性が上がるということです。この点については、科学に基づいた研究結果がたくさん発表されています。たとえば、南カリフォルニア大学の心理研究では、以下のような発表がおこなわれました。「仕事に満足しており、自分のしていることを愛していれば、全体的な生産性が向上するだけでなく、パフォーマンスが改善されます。」「仕事を楽しんでいる人は、より楽観的で、より早く学び、ミスが減り、全体的にビジネス上の意思決定をより良いものにします。」だから、好きなことをする方が仕事が捗るのです。
ハンガリーの心理学者ミハイ・チクセントミハイは、これまで僕が知っている中でもっともおかしな組み合わせの苗字の人物の1人です。まあそれは関係ないんですが、ミハイによると、僕たちがやっていることが好きであればあるほど、集中力が上がり、没頭したフローに入りやすくなると言います。TEDトークでも彼のビデオは500万回以上再生されていますね。仕事を楽しむことでゾーン状態に入り、すべてのパフォーマンスが上がるとのこと。ゾーン状態に入れば僕たちはより熱心に働くことができるようになり、ずっと多くのことを達成できるようになります。そうすることで、生産性を向上させるポジティブなフィードバックループが生まれます。
仕組みについてもう少し詳しくお話ししましょう。まず、あなたは自分の仕事に満足しているとしましょう。楽しんでいるため、すぐにフロー状態になることができます。フロー状態になるとパフォーマンスが上がるので、短時間でより多くの仕事ができ、生産性が向上します。生産性が向上して、今やっている仕事に自信を持てるようになり、仕事への情熱がさらに高まります。このように正の上昇サイクルが繰り返していくことによって、仕事量がどんどん増えていき、結果として精神状態も改善されていきます。仕事にもあなたにもメリットがありますね。最終的に、さまざまな効果が複合的に重なり合い、あなたのビジネスや人生などが改善されていくという好循環が生まれるのです。
1つの良いことが別のことにつながる。多幸感は体の健康状態の改善にも直接関係しているということが分かりますよね。幸福度が高い人ほど心拍数が低下し、コルチゾールが減少するという研究結果もあります。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、この成分が分泌されると、血液中の血漿(けっしょう)濃度を低下させます。これが何を意味するかわかるでしょうか。ストレスホルモンも一時的なものであれば問題がありませんが、長期間分泌され続けると、少しずつ些細な問題が積み重なっていき、人体への影響が大きくなっていきます。
人生の大半を幸せに過ごしてきた40歳の人は、心血管系疾患(しんけっかんけいしっかん)、肥満、糖尿病、高血圧、免疫系の問題のリスクが、不幸な人生を送ってきた人よりも低いのです。好きなことをするということの利点について何日もお話をすることはできますが、それよりも嫌なことをし続けた際に起こりうるマイナスの影響について考える方がことの深刻さがよりご理解いただけるでしょう。
どれだけ好きな仕事でも儲からない仕事は楽しくない
とはいえ好きなことと仕事を結びつける事は言うほど簡単なことではありません。例えばインターネットビジネスをやっていて儲かっていなければそれは楽しいと思えるでしょうか。仮にデジタルマーケティングに関連する記事を書いていたとしても、そこからの収益が全く得られない場合は面白くないと思うのです。だからインターネットビジネスをやっている以上楽しい要素だけでは絶対的に足りなくて、必ず儲かっている要素が必要になってきます。周りを見ていてインターネットビジネスとうまく付き合っている人はこの楽しいと儲かるのスイートスポットを見つけているような気がします。あるいは僕のように儲かればそれで良いと割り切って、働く時間を意図的に減らす人もいるでしょう。
例えばあなたは神奈川県に住む27歳の男性です。家賃を節約するために実家暮らし。結婚はしていない彼女もいない。父親はあなたに早く公務員になってほしいと思っている。母親もあなたがインターネットビジネスもどきをやっているのあまり好ましく思っていない。でも本人はウェブマーケターを自称してオンラインコースを販売しているので引くに引けない状態です。 コミュニケーション能力もないし、また前職での職歴がゼロなので今から中途採用される可能性はほぼ皆無。この年齢になって人生ではじめてリクルートスーツを着て、今さら新卒の人たちと一緒に面接を受けるのも、なんか嫌だ。
選択肢は2つしかない。1つは今のインターネットビジネスを続けること、もう一つはコンビニでレジ打ちのバイトをすること。本音を言うと変なプライドがあってコンビニバイトはしたくないと思っている。自分の器はその程度ではないと信じている。だから厳密にはインターネットビジネスの1択しかない。インターネットビジネスといえど基本的にやることといえばブログを書き、Udemyにスクリーンキャスト形式のビデオレクチャーを供給しボーナスレクチャーで自らの1万9800円オンラインコースに誘導する。
だけどこれまで月収300,000円を超えた事は無い。実家暮らしだから何とか生きていけるものの、今の収入ままでは、両親が死んだら自分は生きていけない。デジタルマーケティングについてブログの記事を書くのは苦痛ではない。というよりかはむしろ楽しいと思える時もある。インターネットビジネスの世界は日々変遷しており新しいツールがたくさん出てくるから、それについてのブログのネタに困ることはない。
新しいマーケティングの手法がたくさん出てきているのでそれをブログ記事にしながら自らも学習するこのシステマティックなやり方を気にいっている。だけど稼げていないのが唯一の悩み。自分の中で楽しいことと儲かることの塩梅を取るのは非常に難しいと思っている。インターネットビジネスは好きだけど僕にはセンスがないかもしれない。以前、Udemyのレビューにこんなのがあった。「あなたの顔は貧相。自信のなさが表情に出ている。喋るときに声が震えている」・・・うーん、痛いところを疲れた。自信がないのは、実績がないから。自分でもそれはよくわかっている。実績がないのにウェブマーケティングが好きとか得意とかプロフィールに書くのは間違っている。
でも実績がないとお客さんは僕からコースを購入してくれない。ここ3年ほどはずっとこんな調子でネガティブループにハマっている気がする。いつになったら抜け出せるのだろうか。このまま実家の子供部屋に隠れながら生きていくのだろうか。ウェブマーケターを自称しながらも、やっていることは誰も読んでいないブログの後ろに隠れているだけ。そうこうするうちにいつの間にかオッサンになってしまうのではないか。いや、もうオッサンなんだ。かつて自分は、あんな風にはなりたくないと思っていた中年に自分が近づきつつあることに恐怖を感じている。
つまり、人生におけるほとんどの時間をまったく楽しくないことや、あるいは楽しいけど儲からないこと、そして嫌いなことに費やすとどうなるか、という話です。僕たちの社会は残念ながら、辛いことをし続けることで、人体にどのような影響を及ぼすかということに関して、過小評価をしています。世界中の何百万人もの人たちが、自分の興味関心などを差し置いて、働き続けているのです。僕たちが学校に行ったのは、そんなことのためなのでしょうか。あなたも、そういった人たちをたくさん見てきたはずです。
フォーブス誌に寄稿しているKathy Caprino(キャシーカプリノ)をご存知でしょうか。彼女は20年近く、自分が嫌っていたコーポレート・マーケティングの仕事を続けてきましたが、それは単に給料や肩書きなど、社会的な尺度に基づく「成功」のためだったのだそうです。みなが羨むような仕事をしているKathy(キャシー)でしたが、彼女は心の中でそんな仕事をしている自分を軽蔑していました。コーポレート・マーケティングの仕事は、彼女の個人的なポリシーに、完全に反するものだったのです。
その上、Kathyは嫌いなマネージャーや顧客のために仕事をしていました。このような環境の中で、彼女は仕事上のストレスが大きくなっていったのです。夜もほとんど眠れず、少しずつ健康な体を保てなくなりました。定期的に器官の感染症にかかるようになりました。不幸なKathyは、身体的にも精神的にも感情的にも健康状態が急速に悪化していきました。あまり望むべき姿とは言えませんね。
捗らない(儲からない)仕事は寿命を短くする
しかし、残念ながら世界中の何百万人もの人々にとって、これが普通の生活となってしまっているのです。しかし、人々はこのようにネガティブな考えに我慢して、満たされない仕事を続けています。彼らは仕事やキャリアにしがみつくための大きすぎる代償を理解していません。でも、その代償のせいで彼らは自ら不幸になっているのです。人々にとって嫌いな仕事にしがみつくことは、努力だと考えるかもしれません。しかし、信じられないかもしれませんが、その仕事によって人生が悪化していっています。
先ほどの神奈川県に住む大学生についてもう少し考えてみましょう。彼は仕事を楽しめていると思っている。嫌いではない。少なくともうるさく上司から指示されることはない。だから楽しくないとは言い切れない状況。問題は儲かっていないことです。Kathyは、社会的にも経済的にも成功していました。周りのみんなからチヤホヤされるし、お金もある。でも仕事は嫌い。一方、この27歳の男性は、社会からは孤立しており、お金もない。仕事は嫌いではない。僕はどちらの状況も耐えられませんが、やっぱり、最低限の経済的成功は不可欠ではないかと思うのです。Kathyほどお金持ちにならなくてもいいかもしれない。だけど、27歳でウェブマーケターを自称していながら、実は実家暮らしで、このまま両親と暮らしながらさえない生活を続けるのも精神的にはきついと思うのです。
仕事が捗っているという感覚は、フリーランスの場合、一言で言えば、どれだけ成果を出せているか。端的にいえば、どれだけお金を生み出せているかです。いくら仕事が嫌いでなくとも、1日8時間かけて儲からないブログを書き続けていては、まさか「仕事が捗っている」とは言えないでしょう。
仕事が捗らないと寿命が短くなるということが研究から分かっています。楽しくないことをすることで生じるストレスは、実際にあなたを死に至らせることがあります。この現象は特にアジアで見られるものです。多くの国が仕事のストレスを死因とする独自の医学用語を発表しています。
日本で有名なのは「過労死」です。中国では、そこから過勞死(过劳死, guolaosi)という言葉が生まれました。韓国では gwarosa (과로사)と呼ばれています。どれもほぼ同じ意味を表しており、それはつまり仕事のストレスが原因となる突然死を指します。異常な量のストレスが人体にかかると、突然の心臓発作や脳卒中を誘発します。そういった発作ではなく、自殺につながる場合もあります。中国では、ストレスによる死亡者が年間60万人もいるそうです。仕事は文字通り、世界中の人々を殺しています。それに、この問題の中でももっとも気を重くさせるのは、ストレスを原因とする死亡者の平均年齢が24歳程度であるということです。
24歳なんて、まだ社会が何か全く分かっていません。人生は何かという哲学的な問いについて一通り考え抜く時間もないでしょう。人生で何をしたいかもぼんやりとしか分かっていません。右も左もわからない状態で充分な思考もできずに、また判断の基準となる経験もありません。僕の出身の北陸地方は自殺者が多いことで有名です。金沢や福井の人たちは肌が綺麗とも言われますそれは日照時間が短いからです。すなわち雨が多いと言う事でもあります。そのため雨が嫌いな人は1日中気分が滅入った状態になります。仕事で悩み人間関係で悩み窓の外を見ると雨が降り続けていた。そんな状況が1週間も2週間も続けば人は自らを死に至らしめると言う判断をしてしまうのかもしれません。
今メンタルも健康な人はたかだか仕事なんてと思うかもしれません。僕もどちらかと言うと仕事に対しての考え方はテキトーです。ライトで楽観的です。たかだか仕事なんて、といつも思ってます。でもそれはおそらく強者の論理なのです。自分が一時的にでも仕事でうまくいってるからそう考えられるんだと僕は判断しています。お風呂につかり1人でゆっくりと考え事をすることがあります。もし自分の仕事がうまくいってなかったらと想像するのです。口では貧乏になってもやっていけると言うかもしれませんが、それは虚勢であり、から元気であり、実際はかなりストレスフルな生活が待っているのではないかと真剣に思うのです。
特にいちどお金がある生活というものを経験しているし生活の水準が上がってしまっているためここから少しずつ人生のクオリティを下げていくと言うのはなかなか難しいことです。僕の場合は仕事そのものを愛していると言うよりも仕事がもたらしてくれている成果を愛しています。それはつまり今の生活を維持するために必要なお金を愛していると言うことでありそのお金を生み出してくれている僕のセールスファネルを愛してることになります。きっと僕のセールスファネルがお金を生み出してくれていなかったら僕は仕事そのものを愛せなかったと思うのです。
仕事が愛せないということは、それだけで深刻なストレスを体に与えていることになります。わずか20歳程度の若者たちが心不全で死亡することもあるのです。仕事でストレスを感じるたび、体はネガティブな反応を引き起こします。上司から怒鳴られたり、非現実的な期待に応えるために夜遅くまで起きていたり。自分のポリシーに合わないことを続けていると、多大なストレスが発生します。
いずれにしてもストレスを感じるたびに、僕たちの体は闘争モードから逃走モードにスイッチします。戦う方の闘争と、逃げる方の逃走です。今、上手いこと言いました。嬉しかったのでもう一回繰り返します。ストレスを感じるたびに、闘争モードが逃走モードになるのです。ファイティングポーズをおろし、逃げちゃう。それって仕事じゃないんですよね、もう。仕事ってもっと前のめりになって、ノリノリでやるものだと思うのです。
血圧や心拍数が上昇し、心臓血管系統に負担がかかります。この状態が長く続けば、ストレスがあなたを殺すでしょう。テルアビブ大学でおこなわれた研究によると、楽しく仕事ができていない人は、楽しく仕事をしている人に比べて、心臓病にかかる確率が79%高いことが分かりました。自分の仕事を心から愛せているときには、仕事関連のストレスはそれほど多くありません。その結果、健康への悪影響が少なくなります。
たとえば、あなたがライターだとしましょう。ブロガーもライターも似たようなもんです。台本を仕上げるために今夜は徹夜をしなければなりません。もしあなたが心からライターという仕事を楽しんでいたとすれば、徹夜が文字通り「死ぬほど嫌だ」というほどにはならないでしょう。逆に仕事を愛せていなければ、心からの苦行となるはずです。つまり、目の前の仕事を楽しめているだけで、ストレスの影響は軽減されるということです。
感情を追跡するiPhoneアプリを使ってムードを記録する
自分の情熱に従うことで、最終的に健康的かつ長生きができるようになります。繰り返しますが、闘いや苦悩を愛してください。ほとんどの時間、仕事を楽しむことを忘れないでください。もし仕事が愛せないのであれば、すぐに進路変更をしなければなりません。そうでなければ、あなたは自分を殺していることになります。
では、どのようにして実践に移せばいいのでしょうか。僕のアドバイスは、ムード・トラッカーのような気分を追跡できるアプリを使って、幸福感をモニターするということです。僕が使っているのは『Moodnotes』というアプリですが、ムード・トラックの機能があるものであれば、なんでも構いません。大事なのは毎日、気分を追跡することなので、スプレッドシートや日記を使ってもいいでしょう。
ムード・トラッカーを使うときに重要なのは、何日も記録し続けて問題に気づいたときには、それを記録して、自分の感情の状態を常に考え、生活を変えるということです。気分を記録しておくだけで、気持ちの傾向や何がトリガーとなってどんな感情が湧いてくるのかや、警告サインを特定することができます。
これは僕が北海道で大学生をしているときに、唯一と言えるほど信頼している先輩がいました。当時、旭川医科大の研修医でした。三浪して、二留して、駅前で塾を開いている素敵な男性です。当時の僕は20歳。民谷さんという名前です。まぐまぐで「びたみん+」というメルマガ書いていたんです。僕はそれを高校生の時から購読していて、大ファンでした。メールを1通送ったら「おいでよ、富良野ドライブしようよ」とすぐにメールが返ってきました。僕がまず民谷さんのいる旭川のお家に行き、旭川ラーメン食べて、また部屋に戻り中村文昭さんのDVDを見て感動して、それから一眠りして、起きてシャワーを浴び、車で富良野に向かいました。まるで文学作品をオーディオブックで聴いているかのような、時間でした。民谷さんの一言一言が心に染み渡る。
尊敬している人と車の中で2時間ほど会話できたのは言葉では形容できないほど素敵な時間でした。そのときに僕は当時ずっと悩んでいたことを聞いたのです。それは自分がすぐに怒ってしまうことでした。地下鉄南北線で見かけるマナーの悪い人に腹を立て、ゼミに遅刻する人に怒り、スーパーのレジで後ろから押してくるおばちゃんに「ちょ、押さんといてや」と言ってしまうのです。他にも細々したことにすぐ怒り、その場ですぐに感情を表現しないから、それを家に持ち帰りずっとイライラしていたのです。だから「民谷さんって怒ったりするんですか?」と聞きました。
笑いながら「当たり前だよ」と答えます。「じゃあ怒った時どうすればいいですか?」と僕。民谷さんの回答を今でもよく覚えています。
「力也。そういう時は、怒っているってことを自覚するんだ」
ああ、自分怒っているんだとわかるだけで怒りは鎮まっていくものです。怒っている時は、怒っていることすら忘れてしまいます。感情が理性を上回り、感情に支配されている状態。こりゃよくないと思った僕は、まずは自分の感情をモニタリングすることからスタートしました。ああ、今怒っているな。今幸せだな。今嬉しいな、と。
苫米地英人さんは、感情は娯楽の一部だと言います。人々はお金を払ってホラー映画を見にいく。つまり「怖い」という感情をお金で買っています。生物の進化の歴史において、怖いという感情は危険から身を守るために必要でした。でもこれだけ安全になった現在、感情は娯楽に成り下がっているわけです。そう考えると、悲しくて泣いたり、怖くて行動できなかったり、あるいは嬉しすぎてハメを外したりするのは、あまりにも娯楽に人生をコントロールされすぎているのかもしれません。うまく感情をマネジメントする。まるでお金を払って「怖い」という特定の感情を購入するように、僕たちはもっと感情を意識的に選択すべきなのかもしれません。
その第一歩として、僕たちがどんな感情に支配されているか、モニタリングする。
あなたをイライラさせているのは、ビジネス上の特定のプロジェクトかもしれませんし、誰かかもしれませんし、天候や交通状況などかもしれません。僕の場合は部屋が散らかっているとイライラしています。逆に部屋さえ片付いていれば、1日を気持ちよく過ごせます。こんな仕事のやり方ですから、人と交流することなどほぼありません。当然、通勤もないので、たくさんの人に接する機会もないのです。だから人から受けるストレスは皆無です。いずれにせよ、ストレスの原因を理解することで、問題を解決しやすくなります。ストレスの原因を意識しておけば、その原因に効果的な変化を起こすことができます。僕の場合であれば、毎日部屋を片付ける、それだけでいいのです。
感情を記録するだけで幸福度を高めてくれるという研究結果がある
結局のところ感情を記録するだけで、それ自体が幸福度を高めてくれるきっかけとなるのです。ポジティブ心理学の研究によると、幸せは僕たちがコントロールできる範囲にあることが証明されています。いくつかの研究によると、幸せになろうとする意志があれば、実際に幸せになれる機会が増えるのだそうです。そのため、ムード・トラック・ツールを使って幸せになろうとする意図を持って行動すれば、結果としてより幸せになれるはずです。あなたが幸せになりたいという意図があれば、幸せは現実のものとなります。まさにマインドセットのハック。おもしろいですよね。もしあなたがまだ幸せになるための工夫をしていないのであれば、ぜひ検討してください。
また、感情を記録することでストレスが緩和されることも分かっています。ある研究によれば、週に4回以上感情を記録した人は、強い感情を和らげる脳の一部が活性化しているということがわかっています。簡単に言えば、感情を記録する行為自体、人を落ち着かせる効果があるということです。研究中、感情を記録しなかった人には、強い感情を和らげる脳の一部が活性していなかったとのことです。
要するに、自分の感情の状態を監視するということが重要です。アプリを使ってもいいですし、学校で使っていたようなノートを使ってもいいですよ。何をするにしても、自分が何をしているか、どのように感じているかを記録しておきましょう。最終的には、より健康的で幸せになるのに役立ちます。
ただ、誤解してほしくないことがあります。ここまで紹介してきたようなことを実践したとしても、24時間365日、週に7日間、いつでもポジティブになれるわけではありません。ときには退屈だったり、満足できなかったり、短調だったりする仕事に取り組まなければならないことがあります。これは普通のことです。物事は常に完璧ではないということを忘れないでください。
僕がオンラインコース・ビジネスを始めたとき、経費を管理するための税理士を雇いたいと思いました。経費管理なんて、僕にとっては本当に退屈な仕事だったからです。しかし、税理士に支払うべき資金が僕たちにはありませんでした。そのため月に1回、僕たちは会計管理のすべてを自分たちでおこなわなければならなかったのです。会計管理の仕事を具体的に言うと、freeeなどのオンライン簿記システムを使い、勘定科目をいちいちネットで検索しながら仕訳を記録し、購入したもののすべてから領収書を集めてビジネスに関係するものとそうでないものを判断しながら、購入したものすべての詳細をスプレッドシートに手動で入力して…という感じです。
僕たちは数年間、自分たちで税金の申告を続けていましたが、それが本当に苦痛でした。でも、それ以外の200時間、あるいはその月に残ったすべての時間、僕たちは本当に大好きな仕事をすることができていたのです。それはつまりオンラインコース用のビデオコンテンツを作るということです。僕たちのコンテンツ制作への愛、僕たちの仕事への愛は、「帳簿をつける」という辛い時間を帳消しにするほど価値のあるものでした。僕たちは自分たちの仕事の大半の部分を気に入っていました。だから、情熱を追い求めるために退屈な仕事をたまにはやらないといけないということも気になりませんでした。
あなたもきっと同じです。自分が楽しんでいることをしている限り、辛いことに努力するのもそこまでの苦痛ではないはずです。ハンガリーの心理学者ミハイが発見した、退屈なことを楽しむためのちょっとした精神的トリックがあります。これはとても簡単で、次に紹介する手順を実行するだけで構いません。
- その仕事をすることでどんなことを得られるのか考えてください。
- その仕事のメリットはなんでしょうか。
これを考えることで、脳はポジティブなマインドセットで仕事を捉えることができ、好きなことをするときに、ポジティブなフロー状態にはいることができます。
この研究を通して、ミハイは好きではない仕事のメリットを思い描くことは、精神衛生上においても良い影響を与えると考えています。情熱を向けている何かに取り組んでいるのと同じように、これによって生産的なワークフローの状態に簡単に入ることができます。メリットを思い描くことで、ゾーン状態に至るような精神状態にすることが可能なのです。好きな仕事をしているときに経験するポジティブなフィードバックループや生産性の好循環を、嫌な仕事をしているときにも経験できるのです。
たとえば、西麻布のボロアパートで僕たちが帳簿の仕事をする際には、会計の管理をすることでどんなメリットが生まれるのかを考える必要がありました。この仕事をすることでいったいどんなメリットがあるのか。報酬はなんなのか。僕たちにとって、会計を自分たちでおこなうことには2つの大きなメリットがありました。1つは、会計士を雇わないことによって毎月数万円を節約でき、節約した分をビデオ制作に充てられるということです。そしてもう1つは、税金控除を最大限おこない、納税時に過剰な税金を払わなくても済むというメリットです。
繰り返しになりますが、それらによって得たお金はビデオ制作に充てることができるのです。非常にシンプルですね。「何をしなければならないのか」ではなく「それによって何を得られるのか」という観点で考えましょう。
まとめ:前のめりになって仕事をする
仕事のメリットと、その仕事がもたらすプラスの効果を完全に理解するまでは、むしろその仕事に取りかからないでください。そうすれば嫌な仕事でもポジティブなワークフローに入ることができ、爽やかな気持ちでその仕事に取り組むことができるでしょう。最終的にその仕事は、あなたが情熱を持って取り組んでいる仕事の中の、価値ある小さな「闘い」になるでしょう。あなたは受け身ではなく、前のめりになり「やってやるぞ!」という気持ちで仕事に取り組めるようになるのです。
しかし、自分がやろうとしていたことへの情熱が失われつつあると感じたら、すぐに方針を変えることを恐れてはいけません。一番大事なのはあなたの幸せです。今やっていることが好きならぜひ続けてください。そうでなければ方向性を変えましょう。その権利はあなただけが持っています。これはあなたの人生であり、ビジネスであり、健康でもあります。それを最大限に活用できるかどうかは、あなた次第なのです。