あなたはオンライン講座の導入を検討しているコーチングの専門家で、実際に同じような境遇から成功した人がいないかと思っていませんか?英語圏には1対1のコーチングをオンラインコースに載せて、働き方をガラッと変えた人たちがいます。そこで彼らが実際にどんなオンラインコースを作ったのかを紹介していきます。
1対1のコーチングやコンサルでは、ビジネスの規模をスケールできないという悩みがつきまといます。オンラインコースを導入することでよりビジネスの規模を大きくしたり、労働時間を減らすことができます。ですが実際にどうオンラインコースを形にしたら良いのか迷うはずです。その迷いを解消するため英語圏のコーチたちのオンラインコースの中身を少しだけ覗いてみましょう。
例1:経営者向けのストレスコーチの場合
まずはライフコーチを例にとって紹介します。ここでは説明用の仮のコーチとして、彼女の専門分野はストレス管理だとしましょう。企業の経営者などに向けて、燃え尽き症候群の防止や経営の重圧から来るストレスの軽減方法を教えています。企業の幹部は日々強いストレスに晒されています。一般社員と違い責任も重いため、仕事の時間以外でも常に仕事のことが頭から離れません。それが彼らのストレスコントロールを難しくしています。
彼女のコーチングセッションでは、まずストレスの原因となっているものを理解します。そして応急処置的な方法としてリラックスするためのテクニックを実践します。その上で長期的な問題解決の方法として、バランスの取れた仕事とプライベートのルーティンを作るという流れになります。もちろんそれを通してストレスに適切に対処するスキルを磨いていきます。
さてこのようなコーチが自身のコーチングをオンラインコースにする上で、まずは全員に共通して学んで実践してほしい事柄などを整理する必要があります。そこには次のようなものが含まれているはずです。
- 自分の抱えるストレスの原因を理解すること
- 目下抱えているストレスを解消すること
- ライフワークバランスの良い生活パターンを1週間継続すること
- 学んだことを活かしてストレスの強い状況でもうまく立ち回ること
さてこれを元にオンラインコースで教える内容をカリキュラムとして組んでみましょう。僕はオンラインコースを作る前に必ずカリキュラムをしっかり組んでくださいと言っています。バラバラな内容を思いつきで作ることはやめてください。クライアントに進んで欲しい道筋やステップをカリキュラムという形にしてください。
カリキュラムは本で言うチャプターにあたる「モジュール」と、その下にぶら下がる各エピソードにあたる「レクチャー」とに分けて作ることをオススメします。このコーチの場合、カリキュラムは次のようになるでしょう。
- モジュール1:ストレスが企業幹部に与える影響を理解する
- レクチャー1:今の自分のストレスを引き起こしている原因を特定する
- レクチャー2:ストレスで燃え尽き症候群が起こるメカニズムを理解する
- レクチャー3:慢性的なストレスが人生全般に及ぼす影響を理解する
このようになります。カリキュラムの冒頭のモジュール1だけをサンプルとして出しました。もちろんこの後に「モジュール2:眼の前にあるストレスを解消する」「モジュール3:長期的にストレスに強い生活を作る」などと続いていきます。
例2:金融リテラシーコーチの場合(Jamie Trull)
ジェイミー・トルル(Jamie Trull)の例をご紹介しましょう。彼女は英語圏で金融リテラシーのコーチとして活躍しています。元々大手飲料メーカーで企業の会計と財務を10年以上担当していました。その後独立して会計関連のコンサルティングとしてクライアントを抱えるようになります。その仕事を通じて女性経営者が会計や財務について安心して相談できる相手を探すのに苦労していることを知ります。
そこで彼女は試しに女性経営者が金融リテラシーを学ぶためのコミュニティを立ち上げます。懸命に集客を行った結果コミュニティには1200人ほどの人が集まりました。彼女はそのコミュニティで毎日ライブ配信をし、メンバーに様々なアドバイスを与えてきました。そしてついに彼女は自分の持っている知識をオンラインコースの形に変えることを決意します。
彼女の作ったオンラインコースは「Financial Fitness Basics」という名前で運営されています。このコースはビジネスにおける財務面の基礎知識を学ぶためのものです。297ドルの一括払いという価格設定です。彼女のコースのカリキュラムは次のようになっています。
モジュール1で扱うのは基礎知識です。ここではビジネス分野に存在する事業の種類を理解し、最適な選び方を学びます。また財務データの把握方法や把握すべき理由、そしてどの項目を把握すべきかを教えてくれます。モジュール2では財務諸表の読み方を扱います。損益計算書や貸借対照表についてカバーしています。
モジュール3では税金について触れています。ビジネスオーナーが経験する税金の種類や計算方法などが説明されています。またその上でファイナンスに強くなるために節税のための戦略なども解説されています。このように彼女は自分のコミュニティでコーチングしていた内容をオンラインコースにすることで1500万円以上の売上を挙げることができました。あなたのコーチング、コンサルが何の分野であれ、オンラインコースのカリキュラムをどのようにすればよいのか?イメージがついたのではないでしょうか。
まとめ:クライアントが知るべき共通項をオンラインコースにする
ここまでコーチ、コンサル業の方がオンラインコースを作る際の例を解説してきました。最後に要点をまとめました。
- コーチングやコンサルの内容をオンラインコースにする際には、全員に共通して学んで実践してほしい事柄などをカリキュラムに盛り込む。
- カリキュラムはモジュールとレクチャーという階層構造で作成する。